JPH023832Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は工場等の排水管路内の堆積物を吸引
して除去清掃する装置に関する。その目的は、堆
積物除去の効率が高く、管路の使用を停止するこ
となく、満水状態であつても、人間が管路内に入
る必要がなく、また堆積物を管路から多量に流出
させずに、しかも低コストで稼動できる堆積物の
除去清掃装置を提案するにある。 工場等の排水管路内には廃水スラリー、土砂等
が流入し、多くの堆積物が堆積する。これら堆積
物を除去するには、工場定修時にドライにし
て、入槽入力あるいは機械力で除去する、工場
運転中にピツト間をバイパス排水し、ドライにし
て除去する、緊急の場合は定修時をまたず工場
をストツプして行なうなどの方法がとられてい
た。しかしこれらの方法は処理作業性、処理コス
ト、安全性に問題があり、生産停止による損失に
よるコストアツプも無視することができない。 この考案は上記事情に鑑みなされたものであ
り、その要旨は、一端に吸引口が開口し、他端に
サクシヨン管が連結してある接続外筒を備えた吸
引装置からなり、前記吸引口は接続外筒の中心軸
方向に開口した中央吸引口とその両側やや後退し
た位置に扇状に拡大し開口した２つの側部吸引口
とからなり、前記接続外筒の外周を環状にとりま
く高圧水ポケツトを備え、この高圧水ポケツトは
高圧水給水管が連結してあり、吸引口と反対の斜
外側方向に高圧水を噴射するノズルを有し、か
つ、接続外筒の外側に張出した推進ガイドが設け
てあることを特徴とする排水管路内の堆積物除去
清掃装置にある。 以下、この装置を図面を用い説明する。 第１，２，３図はこの堆積物除去清掃装置であ
り、サクシヨン管１とその先端に取付けた接続外
筒２、および給水管３とから構成されている。 接続外筒２の先端部は扇状に拡大し、図のごと
く、中央に突出した中央吸引口４、その両側やや
後退した位置の２つの側部吸引口５，５の３つに
分かれ開口し吸引部を形成している。接続外筒２
の基端部には外周を環状にとりまいて底角（θ）
60゜の台形断面の高圧ポケツト６が設けてある。
このポケツト６には給水口７があり、高圧水の給
水管３が連結してあり、基端側のポケツト立上り
面に９個の直径２mmの噴射ノズル８を穿設して推
進部を形成している。このノズル８は給水管３か
ら給送されポケツト６に入つた高圧水を基端方
向、すなわち、吸引口の反対方向に向かい60゜外
側方向に傾き噴射することができる。また、外筒
２の基端部には放射方向に張出した２本の推進ガ
イド９，９、および給水口７部分から上下方向に
張出した２本の推進ガイド９′，９′が取付けてあ
る。 この装置は以上の構成であつて、この装置によ
り排水が満ちた断面円形の管路内の堆積物を除去
処理するに当たつては、第４図、第５図のごと
く、吸引口４，５は排水１０の流れ方向（図面右
方向）に向かい合う方向に向けて管路１１内に接
続外筒２部分から挿入し、サクシヨン管１内を減
圧すると同時に高圧水を給水管３から給送し、、
これを噴射ノズル８から噴射する。吸引口４，５
は管路１１の底面に接し噴射水の推力で進行し、
管路１１底に堆積した堆積物１２を吸引除去して
いく。堆積物は先ず中央吸引口４で吸引され、吸
引されず管路１１の両側に分散し残つた堆積物は
側部吸引口５，５から吸引する。側部吸引口５は
中央吸引口４より後退した位置にあり、かつ扇形
に拡大し開口しているために、接続外筒内に堆積
物を吸引する際の吸引力は中央吸引口４と同等と
することができ、かつ、中央吸引口４より後退し
ているので、２段階で堆積物が吸引され、堆積物
の取り残しがない。仮に側部吸引口と中央吸引口
が一平面に並び開口せしめた場合は、側部吸引口
の吸引力が低下し、管路側部の堆積物を吸引しが
たく、かつ一段階の吸引となるので取り残しが発
生し易くなる。また、この吸引除去とともに、堆
積物１２を吸引除去した後の管路１１壁面に高圧
水の噴射流が当たり、壁面に付着した吸引残りの
堆積物を剥落とし清掃する。この除去清掃処理の
過程において、推進ガイド９，９，９′，９′のう
ち２本は管路１１の壁面に接し、接続外筒２の進
行安定化に効果がある。 この装置により吸引された堆積物はサクシヨン
管１を通り管路１１外に搬出し、廃棄される。廃
棄に先だち必要に応じ、例えばろ過装置兼堆積物
回収槽を用いて水・堆積物を分離し水は排水系路
に戻し、堆積物のみをダンパー等を用いて搬送し
廃棄する。 この装置の水噴射ノズルの水噴射方向は吸引口
開口方向と反対方向で外側方に傾いているが、傾
き角度は通常10゜〜50゜である。斜めに噴射した水
流は管路の壁を反力点とし推力を生じ、同時に噴
射水流によつて壁面に付着した堆積物を剥落とす
作用をするので、管路の径、接合外筒の寸法等に
よりその傾きは設定される。また、吸引口形状、
寸法は管路の形状、寸法等により選択される。 この考案は以上の通りであり、この装置は、
満水状態でも、堆積物の除去ができるので、管路
のドライ化、あるいは運転停止等の必要がない。
中央吸引口と、これより後退した位置の２つの
側部吸引口で２段に堆積物を吸引除去するので、
堆積物の取り残しがなく除去効率が高い。さら
に噴射水で壁面に付着した堆積物を剥落とし排水
と共に排除し、清掃効果を高めることができる。
管路内に作業者が入る必要がなく、管路の使用
停止の必要もなく、安全性が高く、処理コストが
安価である。 以下、実施例を挙げて説明する。 除去清掃装置：第１，２，３図で示したものと
同一構造であつて、サクシヨン管は３インチ径の
ものを用いた。 実施条件および結果は次表の通りであつた。 【表】

【図面の簡単な説明】

第１図、第２図、第３図はこの考案に係わる装
置の破断平面図、噴射ノズル部分正面図、および
吸引口部分正面図、第４図、第５図は管路内にあ
つて堆積物の除去処理状態を示す側面図および平
面図である。 １……サクシヨン管、２……接続外筒、３……
給水管、４……中央吸引口、５……側部吸引口、
６……ポケツト、７……給水口、８……噴射ノズ
ル、９，９′……推進ガイド、１０……排水、１
１……管路、１２……堆積物。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端に吸引口が開口し、他端にサクシヨン管が
   連結してある接続外筒を備えた吸引装置からな
   り、前記吸引口は接続外筒の中心軸方向に開口し
   た中央吸引口とその両側やや後退した位置に扇状
   に拡大し開口した２つの側部吸引口とからなり、
   前記接続外筒の外周を環状にとりまく高圧水ポケ
   ツトを備え、この高圧水ポケツトは高圧水給水管
   が連結してあり、吸引口と反対の斜外側方向に高
   圧水を噴射するノズルを有し、かつ、接続外筒の
   外側に張出した推進ガイドが設けてあることを特
   徴とする排水管路内の堆積物除去清掃装置。