JPH0238327B2 - Saidotorimanohataisochi - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はサイドトリマの刃替装置に関するもの
である。

まずはじめに従来のものの概要とその欠点を述
べる。

サイドトリマは、上下２枚の丸刃によりストリ
ツプの両端を連続して切取る機械であるが、第１
図に示す如く、従来のサイドトリマの刃物ａは、
刃物軸ｂに直接取付けられるので、該刃物ａの交
換及び交換時の刃物のクリアランス（上・下刃物
の水平方向の隙間。）、ラツプ（上・下刃物の上下
方向の重なり。）の調整作業は、サイドトリマ本
体部（インライン）で行なわざるを得ない。その
ため作業能率が悪く、かつそのつど作業員を必要
とし、実際に、該作業に要する時間は、一時間近
くかかり、この間ストリツプラインの運転を停止
する必要がある。作業能率の比較的低い低・中速
ラインで１コイル毎にラインを停止するストリツ
プラインの場合は、従来のサイドトリマではそれ
ほど影響ははいが、高能率の高速及びまたは連続
のストリツプラインでは圧延ラインのロール交換
同様に、刃物交換、クリアランス及びラツプ調整
のためのストリツプライン停止時間を極力最少に
抑える必要がある。さらに、前記の如く、インラ
インでの刃物作業のため、作業者の安全確保のた
め細心の注意を払う必要があつた。

そこで、前記の問題のうち、とくに、刃替時間
短縮の要請に応えるため、本出願人は、先に、特
願昭56−144005号等にて、カートリツジ式トリマ
刃物を刃物取付軸端に脱着自在にテーパ嵌合によ
り固定する手段を提案して大巾に刃替時間を短縮
することができた。

第２図は前記特願昭56−144005号を、第３図は
他の例を示す。第２図に示すものは、ボルトｃと
ナツトｄにより刃物カートリツジを刃物軸ｅに固
着するが、第３図のものは、ピストンｆとばねｇ
によりボールｈを介して刃物カートリツジｉを刃
物軸ｊへワンタツチで固着し、またピストンｋを
作動させロツドk′で刃物カートリツジを離脱せん
とするものである。

しかし乍ら、これらの手段は、いずれも、天井
クレーン等の運搬設備を使用して人手により刃物
カートリツジを刃物軸へ脱着すると共に、新旧カ
ートリツジの運搬のためのクレーン玉掛け作業を
行う必要があり、まだ可成りの時間と労力ならび
に作業者の安全確保を必要とする等の問題点があ
る。

本発明は上記の問題点を解消し、さらに刃替時
間の短縮と労力の節減ならびに作業の安全を確保
する合理的な刃替装置を提供せんとするものであ
る。かかる目的を達成する本発明の構成は、 (イ) サイドトリマの刃物軸線の延長線に近く、か
つ、サイドトリマに近接する位置に複数個の刃
物カートリツジを水平に併列支持すると共に、
ライン進行方向に平行に敷設されたレール上を
自在に移動して、それぞれのカートリツジ軸線
が、前記サイドトリマの軸線を含む同一鉛直面
上に来る如く刃物台車を設ける。

(ロ) 前記刃物受台車と、一対のサイドトリマ上
に、ストリツプライン進行方向に直角に敷設し
た一対のレールを有する架構を跨設し、該レー
ル上を走行自在な動力駆動装置を持つ走行装置
を装架し、 (ハ) 前記走行装置に、その鉛直軸線が前記サイド
トリマの上・下刃物軸の軸線を含む同一鉛直面
内にある如く下方に延設し、かつ、昇降自在な
ロツドを有する動力駆動の昇降装置を設け、 (ニ) 前記昇降装置のロツドの下端に、同一水平軸
線上に左右対称に対設され、それぞれ、動力に
より拡縮自在なグリツプセグメントを持つ少な
くとも一対のチヤツクを装着してなるチヤツク
ヘツドを設置し、 (ホ) 前記昇降装置が、その鉛直軸のまわりに旋回
自在な動力駆動の旋回装置を、前記走行装置に
装着する。

(ヘ) 以上の構成から成る刃物交換台車を設け、チ
ヤツクヘツドを介して刃物受台車と、インライ
ンの刃物カートリツジを自動交換することを特
徴とする。

以上本発明の一実施例を第４図乃至７図によつ
て説明する。

第４，５図はそれぞれ本発明の装置の概略正面
図及び側面図である。図中１，１ａはストリツプ
２の両側に対設されたターレツト式サイドトリ
マ、３，３′，３ａ，３a′はカートリツジ式刃物
（刃物カートリツジ）を示す。ターレツト式サイ
ドトリマは鉛直軸のまわりに回転自在なトリマ本
体４の両側面に、それぞれ上・下一対の刃物３，
３′，３ａ，３a′を対設し、トリマ本体４を180度
回転して刃替えを行うと共に、損耗した刃物をラ
インの運転中に予備と交換して待機させておくこ
とにより刃替時間の短縮を行うものである。

前記サイドトリマに近接した基台５上に、ライ
ン進行方向Ｚに平行に敷設されたレール６上を、
例えばシリンダ７等の駆動装置により、前後進自
在な車輪８付き刃物受台車９を装架する。該台車
９には第５図に示す如く、Ｖ字状の切欠きと台車
の移動方向に複数組並設し、複数個の刃物カート
リツジ３，３′（この場合２個）の軸心がそれぞ
れ、ライン進行方向Ｚにたいし直角で、かつ水平
に載置できる如くする。さらに、前記シリンダ７
のストロークは、前記刃物受台車９上のすべての
刃物カートリツジの軸線が、前記サイドトリマの
待機側、第５図の場合刃物カートリツジ３，３′
の刃物軸１０，１０′の軸線を含む鉛直面内へ合
致する如く移動可能に決定する。

一方、ライン進行方向Ｚに直角に、前記刃物受
台車９及びサイドトリマ１，１ａ上に架構１１を
跨設し、該架構１１上部に、その軌道中心が、ほ
ぼ、前記サイドトリマの待機側の刃物軸１０，１
０′の軸線を含む同一鉛直面上に合致する一対の
レール１２，１２′と、該レールのいずれか一方
の外側に沿わせたラツク１３を、それぞれほぼ架
構１１の全長にわたつて敷設すると共に、該レー
ル１２，１２上を走行自在な刃物交換台車１４を
装架する。該刃物交換台車１４は、前記ラツク１
３に噛合するビニオン１５と動力駆動装置１６及
び車輪１７からなる走行装置１８と、その鉛直軸
心が、前記サイドトリマの待機側刃物軸１０，１
０′の軸線を含む同一鉛直面上を通過する如く下
方に延設された筒体１９を装着してなる台車本体
２０を設け、前記筒体１９に、回転自在に支承さ
れた旋回筒体２１を同心的に嵌着する。さらに、
該旋回筒体２１上部には、リングギア２２を設
け、台車本体２０に固設した案内２３に沿つて水
平移動可能なシリンダ２４ａ駆動のラツクバー２
４に係合する如く構成された旋回装置２５を装着
する。

また、前記旋回筒体上部にはシリンダ２６を固
設すると共に、旋回筒体２１を上・下移動自在に
貫通し、該旋回筒体と一体的に回転可能な如く下
方に延びるロツド２７からなる昇降装置２８を設
け、下端に刃物カートリツジを脱着自在に把持可
能なチヤツク２９を両側面に、同一水平軸線上に
対設してなるチヤツクヘツド３０を装着する。例
示のものは、チヤツクが２組であるが、場合によ
つてはチヤツクヘツドの４側面に計４組装着する
こともある。さらに、前記昇降装置２８のロツド
２７の長さ及びシリンダ２６のストロークは、第
４，５図に示す如く刃物受台車９上に載置された
刃物カートリツジの軸穴３１にチヤツク２９が自
在に係合できる如く決定される。

第６図はチヤツクヘツド３０の一実施例を示す
一部断面図、第７図は第６図Ａ−Ａ矢視図であ
る。チヤツクヘツド本体３０ａの鉛直軸心に対称
に、かつ、同一水平軸線上に穿設した、少なくと
も一対のシリンダ３２，３２に係合するピストン
ロツド３３，３３の端部外周面に、テーパ面３４
の面側面に該テーパ面に平行な背面３５を持つ突
起３６，３６を突設したＴ字状断面の少なくとも
一対の楔３６，３６を図示の如く対設し、前記テ
ーパ面３４，３４と若干の隙間を介して摺動自在
に係合する逆テーパのＴ字状の案内溝３７を断面
中央部に貫設し、かつ、外周が円弧をなすかまぼ
こ状断面の少なくとも一対のグリツプセグメント
３８，３８を、前記ピストンロツド及び楔の水平
移動により半径方向へ自在に拡縮できる如く、チ
ヤツクヘツド本体３０ａのフランジ３０ｂの案内
溝３０ｃに嵌着する。なお、前記グリツプセグリ
メント３８，３８の円弧は、拡大時に、図示の如
く刃物カートリツジの軸穴３１直径に等しくなる
如く同心円弧とする。また、図中３９はピストン
４０，４１は、それぞれ、作動流体の出／入口、
４２はレールストツパを示す。

以下に刃替え手順の一実施例について説明す
る。第４図中位置の刃物交換台車１４を、便宜
的に右側のサイドトリマ１の右下側の刃物カート
リツジ３′を刃物軸１０′から、チヤツクヘツド３
０の左側のチヤツクにより取り出し、反対側のチ
ヤツクには予備の刃物カートリツジ３′を把持し
ている状態とする。従つて、この位置で、旋回装
置２５によつてチヤツクヘツドを180度回転させ
た後、走行装置１８によつて、サイドトリマ側へ
移動し、刃物軸１０′のテーパ穴３１へ予備刃物
カートリツジ３′を挿入し図示されていない固着
装置例えば第３図に示す装置により固着した後、
チヤツクのピストンロツド３３をチヤツクヘツド
の内側へ引込めると、グリツプセグメント３６の
外径が縮小して刃物カートリツジの把持状態が解
放されると共に走行装置１８により位置へ移動
し、刃物受台車のＶ溝へ使用ずみの刃物カートリ
ツジ３′を載置した後チヤツクのピストンロツド
を前記と同様に引込めて把持状態を解くと共にチ
ヤツクヘツドをサイドトリマ側へ移動させて、チ
ヤツク先端を完全にカートリツジのテーパ欠から
退避させることにより一個の刃替えが完了する。
つぎの刃替えを行う場合には、刃物受台車をシリ
ンダ７により移動させて、該台車上に、あらかじ
め載置してある整備ずみの予備刃物カートリツジ
の軸心を刃物交換台車の旋回筒体２１の鉛直軸線
（チヤツクヘツドの鉛直軸線。）上に合わせる。つ
ぎに再び走行装置１８を駆動してチヤツクを、該
カートリツジの軸穴に挿入し、ピストンロツド３
３をチヤツクヘツド３０の外側へ押し出してカー
トリツジを把持する。つぎに、チヤツクヘツド３
０を上昇させてＶ溝部支持台と刃先の干渉を避け
ながら、目的とするサイドトリマの刃物軸側へ移
動する。この移動途中又は前記刃物軸に近接した
所定の位置に停止した後、予備カートリツジを装
着していない側のチヤツクの軸心を、交換を要す
るトリマの刃物カートリツジ軸心に合致させた
後、該チヤツク挿入し、把持して引き出す。以
下、前記位置以降の手順に準じることによつて
刃替えを行う。なお位置において使用ずみの刃
物カートリツジを刃物受台車９へ載架する場合、
図示の如く、Ｖ溝部の支持方法が刃先を跨いで支
持する構造の場合は、Ｖ溝の据付高さに応じてチ
ヤツクヘツドを昇・降させて、刃物とＶ溝部との
干渉を避ける必要があることは勿論である。ま
た、第４図中、は、左側のサイドトリマ１ａ
の刃替え時の刃物交換台車の移動状態を示すもの
である。

以上、本装置による刃替え従業中の各動作、す
なわち、刃物交換台車の走行、昇降、旋回、チヤ
ツクの拡縮及び刃物受台車の移動等は、すべて、
公知の動力装置を使用できると共に、各装置の動
作停止位置の検出手段は、図示されていないが、
例えばリミツトスイツチ、パルス発信器等公知の
装置を使用して容易に実施可能であるから、本発
明の装置は、遠隔操作により、単独ならびに連動
自動運転が可能であると共に、前記刃替えの手順
をプログラム化し電算機を使用することにより容
易に完全無人化運転も可能である。なお、以上
は、ターレツト式サイドトリマの刃替えについて
説明したが、刃物軸が旋回しない通常のサイドト
リマにたいしても前記の手順により実施できるこ
とは勿論である。

以上の説明から明白な如く、本発明の装置を使
用すれば、無人化運転が可能であるから、省力化
ならびに作業員の安全を確保できる。さらに、予
備刃物があらかじめラインの近くに準備してあ
り、かつ、刃替えのための刃物の運搬及び脱着作
業が短時間に自動的に行われるため、従来の方法
にくらべて、大巾に刃替え時間を短縮でき、スト
リツプラインの生産性向上に寄与する点が極めて
大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のサイドトリマを示す断面図、第
２図及び第３図はカートリツジ式サイドトリマを
示す断面図、第４図は本発明の実施例を示す概略
正面図、第５図はその側面図、第６図は本実施例
に用いるチヤツクヘツドを示す断面図、第７図は
第６図のＡ−Ａ線断面図である。 図面中、１，１ａはターレツト式サイドトリ
マ、２はストリツプ、３，３′，３ａ，３a′は刃
物カートリツジ、６はレール、９は刃物受台車、
１０，１０′は刃物軸、１１は架構、１２はレー
ル、１４は刃物交替台車、１８は走行装置、２５
は旋回装置、２７はロツド、２８は昇降装置、３
０はチヤツクヘツドである。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 刃物軸の刃物取付側端部にカートリツジ軸を
   具えた刃物カートリツジを脱着自在に装着する如
   く構成されたサイドトリマを有するストリツプも
   しくは鋼板処理ラインにおいて用いられるサイド
   トリマの刃替装置であつて下記刃物受台車と刃物
   交換台車とからなり、 (A) 刃物受台車は、サイドトリマに近接して複数
   個の刃物カートリツジを水平に併列支持すると
   共にライン進行方向に平行に敷設されたレール
   上を移動して前記各カートリツジ軸線が前記サ
   イドトリマの軸線を含む同一平面上に来る如く
   設けられており、 (B) 刃物交換台車は、(イ)前記刃物受台車とサイド
   トリマ上に、レール中心が前記サイドトリマの
   刃物軸線を含む同一鉛直面上にほぼ合致する如
   く一対のレールを敷設した架構を跨設し、該レ
   ール上を走行自在な動力駆動の走行装置を装架
   し、(ロ)該走行装置に、鉛直軸線が前記サイドト
   リマの刃物軸の軸線を含む同一鉛直面内にある
   如く下方に延設しかつ昇降自在なロツドを有す
   る動力駆動の昇降装置を設け、該ロツド下端に
   刃物カートリツジ軸を水平に保持すると共に脱
   着自在な如く構成された一対のチヤツクを装着
   してなるチヤツクヘツドを設け、(ハ)前記昇降装
   置をその鉛直軸のまわりに旋回させる動力駆動
   の旋回装置を、前記走行装置に装着して構成し
   てなることを特徴とするサイドトリマの刃替装
   置。