JPH0238279Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、写真処理槽への処理液補充装置に係
り、特に写真処理槽の所定の液レベルに応答して
処理液を補充供給するバーズフアウンテンシステ
ム（bird'sfountain system）を備えた写真処理
液補充装置に関するものである。

感光材料の自動処理においては処理液を、その
使用に応じての処理能力の低下を補なうために更
新することが必要になる。この処理液の更新は、
処理槽へ搬入される感光材料の幅と長さを検出
し、感光材料の面積に比例した量だけ新しい処理
液を処理槽へ補充し、対応する量の使用済みの処
理液を排出させることにより行なわれる。最初の
処理槽、例えば現像処理槽においては、処理され
た感光材料に付着して使用済みの処理液が感光材
料の面積に比例した量だけ持ち出され処理槽内の
処理液は所定の液レベルより低下する。この減量
分を新しい処理液で補い所定の液レベルになるま
で補充すれば、感光材料の面積すなわち処理量に
比例した量の補充ができる。これは通常減量補充
方式と呼ばれ、構造・保守が簡単で安価なバーズ
フアウンテンシステムが採用される。しかし、減
量補充方式による処理液の補充量は処理液の能力
低下を補うに必要な量よりも少ないので、処理槽
内の処理液の能力をある程度の処理量までに延ば
すことはできても、処理液の能力を必要レベルに
維持し続けることはできない。したがつて、感光
材料により持ち出される量以上の新しい処理液を
処理槽へポンプ等で供給し、使用済みの処理液す
なわち処理槽の処理液をオーバーフローさせるこ
とによるいわゆる強制補充方式により処理液の能
力を維持し得る最適補充量を感光材料の処理面積
に比例させて与えることが行なわれる。

処理液は感光材料を処理しないでも、経時によ
つて劣化し、処理能力が低下する。この処理能力
の低下は処理液温度が高い程大きい傾向にある。
また、処理液は経時によつて蒸発し減量する。こ
の蒸発減量は処理液温度が高い程大きい傾向にあ
る。処理液の蒸発減量が大きく進むと液面が著し
く低下し液中にあつた搬送ローラやガイド部材等
が大気中に出てしまい、これら搬送ローラやガイ
ド部材等に薬剤が析出し、もはや処理液を補充し
ても原状に恢復し得ない程に固化して感光材料の
搬送に支障を及ぼすようになる。ある条件におい
ては、経時による処理液の能力低下分の補償は、
経時による蒸発減量に見合う処理液を補充するこ
とで大略行なうことができる。この蒸発減量を補
償する補充機構としてはバースフアウンテンシス
テムが優れている。また、ある条件においては、
蒸発減量は極めて少なくても経時による処理能力
の低下の方が大きい場合もあり、この処理能力の
低下の補償は強制補充方式により行なう必要があ
る。そして、感光材料を処理している最中でも経
時による処理能力の低下や蒸発減量が進行してい
るので、当然その補償のための補充も行なわれる
ことが必要で、通常は感光材料の処理面積に比例
させて、その補償のための補充量をも加えて強制
補充している。

本考案の目的は、経時による処理液の減量で生
ずる支障を防止するためのバーズフアンテンシス
テムによる減量補充機能と、感光材料の処理や経
時に伴なう処理液の能力低下を補う強制補充機能
とをもつた写真処理液補充装置を提供することで
ある。

本考案は、上記目的と達成するためになされた
もので、写真処理槽内の処理液が溢流口からオー
バーフローして排出される第１の処理液レベルよ
りも低い第２の処理液レベルに応答して貯液容器
内の処理液を供給するバースフアウテンシステム
と、前記第１の処理液レベルまで処理液を強制補
充して前記写真処理槽内の処理液を前記溢流口か
らオーバーフローさせる強制補充手段とからなる
写真処理液補充装置である。

以下、図示した実施例装置により本考案を具体
的に説明する。

第１図は本考案にかかる実施例装置の要部を一
部断面にて示す側面図である。処理槽１内の処理
液を第１の処理液レベルＡにてオーバーフローさ
せる溢流口２を上部に有する排液筒３が処理槽１
に設けられている。バースフアウンテンシステム
は液溜槽４と貯液容器５からなり、液溜槽４の底
部と処理槽１の底部とはパイプ６で連通されてい
て、第２の処理液レベルＢは液溜槽４への貯液容
器５の開口７のレベルによつて決まる。強制補充
手段は貯液タンク８と貯液タンク８内の処理液を
処理槽１へ送るパイプ９，９とパイプ９，９へ処
理液を供給する逆止弁付のポンプ１０からなり、
ポンプ１０は処理槽へ搬送される感光材料の通路
に臨設された感光材料通過検知器１１からの信号
により作動する制御器１２によつて制御されて作
動する。

上記のような構造の実施例装置に処理液を第１
の処理液レベルＡまで満たしてから感光材料を通
すと、感光材料通過検知器１１が感光材料の通過
を検知している間のみポンプ１０が作動して設定
された量の処理液を貯液タンク８から処理槽１内
へ供給され、処理槽１内の処理液の一部は溢流口
２からオーバーフローする。感光材料を通さずに
経時して処理槽１内の処理液が蒸発して減量して
いき、第２の処理液レベルＢよりも低下しかかる
と、すなわち液溜槽４の処理液面が貯液容器５の
開口７から離れると、開口７から空気が入り貯液
容器５から処理液が供給され処理槽１内の処理液
は第２の処理液レベルＢに維持される。

第１図には貯液タンク８からの処理液を処理槽
１へ直接供給するようになした実施例を示した
が、第２図に示すように液溜槽４へ供給するよう
にしてもよい。また、処理槽１内の処理液を循環
撹拌したり、あるいは熱交換器を介して循環して
温度調節をする等循環系を用いる場合には、第３
図に示すように例えば循環ポンプ１３、熱交換器
１４、循環パイプ１５，１５からなる系へ供給す
るようにしてもよい。第２図に示した例では、貯
液タンク８からの処理液が液溜槽４へ供給される
と、液溜槽４の処理液はパイプ６を通り処理槽１
内の処理液レベルと平衡するまで処理槽１へ移
り、液溜槽４から移つてくる処理液によつて処理
槽１内の処理液のレベルが第１の処理液レベルＡ
に達すると溢流口２からオーバーフローする。第
３図に示した例では、貯液タンク８からの処理液
が循環系に供給され、処理槽１内にあつた処理液
との混合が容易に行なわれる。貯液タンク８内の
処理液の温度と処理槽１内の処理液温度とに差が
あるような場合には、このように第２図あるいは
第３図に示した例のように間接的に供給した方が
処理むらを防止できる。

第１の処理液レベルＡは溢流口２のレベルによ
り、第２の処理液レベルＢは液溜槽４への貯液容
器５の開口７のレベルによりそれぞれ決まるので
あるが、第２の処理液レベルＢはバースフアウン
テンシステムの機能によつて貯液容器５内の処理
液が溢流口２から流れ出るのを防ぐだけ第１の処
理液レベルＡより低いことが必要である。実際的
には処理装置に振動が加わつたとき、処理槽１内
の処理液が溢流口２から流れ出て減量されても貯
液容器５内の処理液が供給されない程度に第２の
処理液レベルＢが第１の処理液レベルＡよりも低
いことが取り扱い上好ましい。しかし、第１の処
理液レベルＡまで処理液があつたときに液中にあ
つた搬送ローラやガイド部材等が大気中に出ない
程度のレベルに第２の処理液レベルＢがあること
が、薬剤の析出による支障を防ぐためには好まし
い。

本考案は上記した構成の写真処理液補充装置で
あるから、バースフアウンテンシステムを備えた
処理液補充装置の減量補充機能に加えて、強制補
充機能を具備させ、減量による支障を防止する効
果と感光材料の処理や経時による処理能力の低下
を補償する効果の双方を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる実施例装置の要部を一
部断面で示す側面図、第２図および第３図はそれ
ぞれ貯液タンクの処理液を処理槽へ供給すること
に関する別の実施例を一部断面で示す側面図であ
る。 １……処理槽、２……溢流口、４……液溜槽、
５……貯液容器、７……開口、８……貯液タン
ク、１０……ポンプ、１１……感光材料通過検知
器、１２……制御器、Ａ……第１の処理液レベ
ル、Ｂ……第２の処理液レベル。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (a) 貯液容器と、液溜槽と、この液溜槽に連通さ
   れた写真処理槽とを有し、前記写真処理槽内の
   処理液が前記写真処理槽に設けられた溢流口か
   らオーバーフローして排出される第１の処理液
   レベルよりも低い第２の処理液レベルに応答し
   て、前記貯液容器内の処理液を前記液溜槽を介
   して前記写真処理槽へ供給するバーズフアウン
   テンシステムと、 (b) 貯溜タンクとポンプとを有し、前記貯液タン
   ク内の処理液を前記ポンプにより前記写真処理
   槽または前記液溜槽へ強制補充し、前記写真処
   理槽内の処理液を前記第１の処理液レベルまで
   嵩上げして前記溢流口からオーバーフローさせ
   る強制補充手段と、 から成ることを特徴とする写真処理液補充装置。