JPH02375B2 - - Google Patents

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JPH02375B2
JPH02375B2 JP57147015A JP14701582A JPH02375B2 JP H02375 B2 JPH02375 B2 JP H02375B2 JP 57147015 A JP57147015 A JP 57147015A JP 14701582 A JP14701582 A JP 14701582A JP H02375 B2 JPH02375 B2 JP H02375B2
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JP
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polymer
surfactants
surfactant
filler
adsorbent
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JP57147015A
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JPS5847035A (ja
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Haahosu Ankaa Furetsudo
Kurifuton Ashukurafuto Junia Aanorudo
Aaru Wagunaa Eritsuku
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Union Carbide Corp
Original Assignee
Union Carbide Corp
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Publication date
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Publication of JPH02375B2 publication Critical patent/JPH02375B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K9/00Use of pretreated ingredients
    • C08K9/04Ingredients treated with organic substances

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Graft Or Block Polymers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、充填剤入り重合体に対して強化促進
効果を有する、少なくとも2種の界面剤相乗混合
物を含む充填剤入りの炭化水素重合体組成物に関
する。強化促進とは、充填剤入り重合体組成物の
引張り強さ及び伸び特性が同時に向上することを
意味する。 ペルオキシドのようなフリーラジカル開始剤添
加又は未添加の充填剤入り重合体における充填剤
処理剤又は界面処理剤として、広い範囲の化学薬
品が評価されて来た。しかし、残念ながら文献の
用語は通常不正確であり、時には誤謬がある。例
えば、「カツプリング剤」又は「接着促進剤」な
る用語は、充填剤粒子と周囲の重合体マトリツク
スとの間の接着又は結合を向上させる添加剤を意
味するが、時として曖昧に用いられている。通
常、接着効果の確証はなく、そして特定の添加剤
は、充填剤入り溶融配合物の粘度を低下させるこ
とにより、単に充填剤分散剤として、そして場合
により処理剤として作用するにすぎない。多くの
場合、充填剤入り重合体について報告された機械
的性質は添加剤が充填剤粒子からマトリツクス重
合体をひき離して、いわゆるカツプリング剤が実
際には脱カツプリング又は脱結合効果を有するこ
とを示している。 充填剤入り重合体における充填剤処理添加剤の
この種々の挙動は、添付の図に示すように複合特
性図を用いるとさらに明確につかむことができ
る。この図で横座標すなわちx軸は破断点伸びを
示し、そして縦座標すなわちy軸は充填剤入り重
合体の最大引張り強さを示す。 図中の“A”周辺の領域に入る界面剤は効果が
なく、そして充填剤入り重合体組成物の機械的特
性は界面剤を含まない対照用組成物と本質的に変
りがない。一般に、これらの組成物の実際上の興
味は、もしあつたにしても極くわずかである。 一般に、約50重量%の範囲内の充填剤添加量で
は引張り強さ及び破断点延びは共に低い。すなわ
ち、充填剤入り複合材料は弱く、脆性である。最
近用いられているある種の界面剤及び充填剤処理
剤は、延性をほとんど又は全く向上させずに引張
り強さを向上させる。その結果、材料は強くなる
が脆性である。これらの複合材料は“A”から
“B”の領域に分類されるが、ここでは厳密な意
味でのカツプリング剤と呼ぶ。この領域は、通
常、特定の重合体と基材の組合せを接着させるた
めに特別に開発されたカツプリング剤により比較
的まばらに占められている。高められた界面接
着、すなわちカツプリングは、引張り強さの向上
に寄与すると考えられるが、重合体マトリツクス
はさらに全組成物の歪を緩和せねばならず、その
ため延性は通常極くわずかに向上するにすぎず、
そして場合によつては低下することさえある。従
つて、特にもとの(すなわち充填剤を含まない)
重合体が高い延性を有していて、充填剤入り重合
体の機械的特性の組合せが有用となる場合には、
図中“A”から“B”に至る領域の組成物は時と
して実用値を有する。 その他の一般に用いられている添加剤は破断点
延びを向上させるが、引張り強さをほとんど変化
させず、又は低下させることさえある。その結
果、このような組成物は延性に富むものの、弱く
時として「チーズ状」になる。これらの組成物は
“A”から“C”の領域に分類されるが、対応す
る界面剤を本明細書では脱カツプリング剤と呼
ぶ。これらの組成物は多くのいわゆる潤滑剤、加
工助剤、洗剤、ワツクス等で代表されるものであ
る。低い界面接着は、“A”から“B”の領域に
おける複合材料と対照をなすこれらの性質に主と
して帰因するものと考えられる。この場合、充填
剤粒子の寄与が極く少ないために耐荷重性が付与
される。何故なら、これらの粒子は、極く適度の
荷重を加えた際にマトリツクスから分離するから
である。他方、このマイクロキヤビテーシヨン効
果(しばしば応力白化として認められるもの)に
より実際のマトリツクス歪が減少し、その結果、
組成物は実質的に延性が向上する。この領域の組
成物は、例えば応力的な観点からプラスチツク部
品を設計強度を超えた設計した場合、耐荷重性の
ない用途に有用となる。この延性の向上は破損を
生ぜずに高衝撃荷重に耐え得る部品に極めて有用
であるが、構造的用途、特に長期の静的荷重が加
えられる間に耐クリープ性を要求されるものには
役立たない。 充填剤入り重合体を強靭にする界面剤、すなわ
ち引張り強さ及び破断点伸びの両者を向上させる
界面剤は、明らかに商業上最も有望な化合物であ
る。これらの組成物は図中で最もまばらに散在す
る“A”から“D”の領域に分類される。この領
域の界面剤「強化促進剤」と呼ばれて来たもので
ある。これらの物質を広く用いて、耐クリープ性
と共に耐荷重性の両者が要求される用途、及び同
時に靭性(すなわち衝撃荷重の耐破壊性)が要求
される用途に適した充填剤入り熱可塑性組成物を
配合し得るので、これらの物質は商業的に極めて
価値がある。さらに、この領域の充填剤入り重合
体は、この重合体と置き替え得る未充填のエンジ
ニアリング重合体よりも原料価格の点ではるかに
低廉である場合がある。 すべての界面処理剤が強化剤、カツプリング
剤、脱カツプリング剤又は効果なしとしてはつき
り区別されるわけではない。何故なら、図から明
らかなように、指定領域間には明確な境界が存在
しないからである。この事実は、特に引張り強さ
又は破断点延びが適度に向上するのみの試剤、す
なわち、図中“A”の領域に近いもの、又は比較
的充填量の少ない組成物のように低感度の条件下
での強化促進を意図する場合には特に明白であ
る。しかし、この曖昧さは次のような事実に反す
るものではない。すなわち、図中“B”、“C”及
び“D”に外接する各3領域には極めて有効な試
剤があること、これらの試剤が充填剤入り重合体
の特性に如何なる効果を及ぼすかは大巾に異なる
こと、及びこれらの差異は商業的にかなり重要で
あることの事実に反しない。さらに、ある種の効
果は特異性がなく、あまり実用上の利点がない
が、その他の効果は達成困難であり、そして同時
に極めて望ましいものである。充填剤入り重合体
用の強化促進領域の改良は、米国特許出願通番第
295811号明細書中に記載されている。なお、前記
出願の発明の名称は「充填剤入り熱可塑性重合体
用の強化促進剤」であり、本出願と同時に出願さ
れたものであつて、本発明に参考文献として包含
される。本発明では充填剤入り重合体の強化促進
をさらに改良する。 本発明は、炭化水素重合体、内部無機充填体及
び2種の界面剤を含む組成物において、 (1) 前記界面剤は相互に共重合可能であり; (2) 一方の界面剤は充填剤表面上に、より高吸着
性であり、1,3,5−トリアクリロイルヘキ
サヒドロ−s−トリアジン(TAHT)、メラミ
ントリアクリラート(MTA)、N,N−テト
ラアクリロイル1,6−ジアミノピリジン
(TADAP)及びγ−メタクリロキシプロピル
トリメトキシシラン加水分解物(GMP3M−
H)よりなる群から選択され、他方の界面剤は
充填剤入り重合体により高溶解性であり、トリ
メチロールプロパントリアクリラート
(TTA)、γ−トリメタクリロキシプロピルメ
トキシシラン(3GMPM)及びγ−ジメタクリ
ロキシプロピルジメトキシシラン(2GMP2M)
より成る群から選択され; (3) 少なくとも一方の界面剤は重合体にメカノ化
学的にグラフト結合し得る少なくとも1個の反
応性オレフイン性二重結合を含み; (4) 前記界面剤は S=50(Qa+Qs−0.2)(1−10R゜f) (0.5−△2) (式中Qa及びQsはそれぞれ吸着性及び溶解性の
界面剤中で最も反応性のオレフイン性二重結合の
アルフレー・プライス共鳴パラメータであり、
R゜fは中性シリカゲル上で溶出液としてキシレン
及び標準液としてジ−n−ブチルフマレートを用
いる薄層クロマトグラフイーで測定した吸着性界
面剤の相対移動比であり、そして△は溶解性界面
剤と重合体とのヒルデブランド溶解度パラメータ
の差である)によつて定義される0以上の相乗指
数Sを有する、 ことからなる組成物に関する。さらに、本発明は
充填剤入りの強化重合体組成物の製法に関する。 図は先行技術に開示された具体例の特性と比較
して、本発明の具体例の特性を示す線図である。 炭化水素重合体 本発明は、ある種の強化促進剤の添加で強さ及
び延性が改良された充填剤入り炭化水素重合体に
関する。本発明の界面剤に反応する好ましい種類
の炭化水素重合体は通常固体の炭化水素重合体で
あり、エチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセ
ン、ネオヘキセン及び4−メチルペンテンの重合
体及び共重合体のようなポリアルケンが含まれ
る。これらの重合体はさらに残りの不飽和結合を
有していてもよく、これらの不飽和結合は、例え
ば、ノルボルナジエンのようなジエン単量体との
共重合又は三元共重合で達成され得る硬化又は橋
かけ(交差)を可能にする。このような炭化水素
重合体には、ポリブタジエン及びポリイソプレン
のようなジエンのホモ重合体及び共重合体、並び
にブタジエン及びイソプレンとスチレンとの共重
合体が含まれる。本発明の強化促進剤に反応する
他の好ましい種類の炭化水素重合体は、少量ない
し中程度の量(10重量%以下)の極性共単量体、
例えば、酢酸ビニル及びアクリル酸エチルを含む
一連の炭化水素重合体である。 特に好ましい重合体は、商業的に入手可能な、
通常固体の銘柄であるHDPE(高密度ポリエチレ
ン)、PP(ポリプロピレン)、EPR及びEPDM(エ
チレン/プロピレンゴム)、ポリイソプレン、ポ
リブタジエン及びポリブタジエン/スチレン共重
合体である。最も好ましい熱可塑性重合体は、密
度約0.94〜約0.96及びメルト・インデツクス約
0.01〜約20、好ましくは0.05〜10を有する高密度
ポリエチレンである。 充填剤 本発明の組成物中で用いる無機充填剤は天然又
は合成起源の微粉砕された無機物質である。充填
剤は粒状、板状、繊維状又はフイブリル状であ
り、規則的又は不規則的形状でよく、そして、こ
れらの充填剤は非晶質又は結晶質であつてよい。
これらの充填剤の多くは、本発明の好ましい重合
体中で用いる際に、一般に「不活性」であると考
えられる。すなわち、これらの充填剤は通常剛性
(弾性率)を向上させ、そして時としてプラスチ
ツク複合材料の体積原価を下げるが、強さ及び延
性のようなその他の特性に(場合により極度の)
悪影響を与える点で、これらの充填剤は非強化剤
である。本発明の強化促進剤は、この種の複合材
料の強さ及び延性を特に向上させることによつ
て、これらの負の効果を相殺する。 天然ケイ酸塩の例にはチヤイナ・クレーとして
も知られているカオリナイトがあり、カオリナイ
トは天然(水和)型又は脱水(焼成)型のいずれ
かで用いられる。その他の一般的粘土鉱物質の例
には、長石、アラレ石閃長岩、モンモリロナイ
ト、ベントナイト及びアタパルジヤイトがある。
その他の代表的な天然ケイ酸塩には、タルク、マ
イカ、ケイ灰石及び石綿がある。エラストマー中
での充填剤として、例えば、沈降ケイ酸カルシウ
ム及びアルミニウムのような種々の合成ケイ酸塩
が一般に用いられている。天然及び合成のゼオラ
イトのような特殊なケイ酸塩は、本来的性能にと
つて良好な機械的特性が重要な場合に、重合体で
結合された組成物中で用いられることがある。発
泡ケイ酸塩の例にはパーライト及びバーミキユラ
イトがある。シリカ充填剤の例には熱分解法シリ
カ又はヒユームド・シリカ、沈降又は水和シリ
カ・ガラス化又は溶融シリカ、及び種々の天然シ
リカ充填剤、例えば、石英、ノバキユライト、ト
リポリ石及びケイソウ土がある。炭酸塩の無機質
充填剤の例には、天然方解石、ドロマイト、及び
石灰石製品(炭酸カルシウム及びマグネシウム)
がある。石灰石製品は粉砕されるか、又は沈降
(合成)型で用いられる。金属の酸化物及び水酸
化物の例には、アルミナ、ギブス石、沈降アルミ
ニウムトリヒドラート、水酸化マグネシウム、酸
化マンガン、二酸化チタン、鉄の各種酸化物及び
水酸化物、酸化亜鉛及び酸化ジルコニウムがあ
る。阻セラミツク充填剤の例には、チタン酸バリ
ウム、バリウム・フエライト及びチタン酸ネオジ
ムがある。硫酸塩充填剤の例には重晶石及び石膏
がある。その他の充填剤の例としては、ガラス玄
武岩及びその他の溶融ガラス、例えば高炉ガラス
から製造した繊維がある。充填剤の平均粒度は通
常100μまで、好ましくは30μ以下である。 界面剤 本発明の界面剤は、充填剤入り重合体組成物の
相乗的強化促進をはかるために、ある基準を満た
さねばならない。これらの基準は以下の通りであ
る。 (1) 界面剤は、化学的に反応性の基の間の付加又
は縮合重合反応により、相互に共重合可能でな
ければならない。 (2) 一方の界面剤は充填剤表面上に、より高吸着
性であり、他方の界面剤は充填剤入り重合体
に、より高溶解性である。 (3) 一方の界面剤は、少なくとも溶融処理の間に
重合体にメカノ化学的にグラフト結合し得る少
なくとも1個の反応性オレフイン性二重結合を
含まねばならない。 界面剤の間の共重合が不可能な場合には、相乗
系は見られない。共重合が可能な場合には、相乗
度は下式で規定される経験的指数Sから決めるこ
とができる。 S=50(Qa+Qs−0.2)(1−10R゜f) (0.5−△2) (A) 式中Qa及びQsはそれぞれ吸着性及び溶解性の
界面剤中で最も反応性のオレフイン性二重結合の
アルフレー・プライス共鳴パラメータであり、
R゜fは中性シリカゲル上で溶出液としてキシレン
及び標準液としてジ−n−ブチルフマレートを用
いる薄層クロマトグラフイーで測定した吸着性界
面剤の相対移動比であり、そして△は溶解性界面
剤と重合体とのヒルデブランド溶解度パラメータ
の差である。この相乗指数は、上記の定性的に概
説した基準を定量的に示すものである。式(A)中、
相乗指数Sは0以上、好ましくは2以上、最も好
ましくは10以上の値を有する。 式(A)中、Qは共重合に用いる単量体について共
鳴効果を表わすのに一般的に用いられる。Qの概
念についての詳しい説明は、テイー・アルフレ
ー・ジユニア(T・Alfrey、Jr.)及びエル・ジ
エイ・ヤング(L.J.Young)により、コポレメリ
ゼーシヨン(Copolymerization)、第2章、67〜
87ページ(1964年)及び章の最後の参考文献中で
なされている。ジエイ・ブランドラツプ(J.
Brandrup)及びイー・エイチ・インマーガツト
(E.H.Immerget)編のポリマー・ハンドブツク
(polymer Hand book)、インターサイエンス社
(Interscience)、ニユーヨーク(1975年)、の
−387〜−404ページには、エル・ジエイ・ヤン
グ(L.J.Young)が単量体のQ値の広範囲にわた
る表を掲げている。式(A)で規定される試剤は一般
にこの表には見当らないが、界面剤についてのQ
値は、よく似たオレフイン性二重結合の構造を有
する単量体の値から類推できる。よく似た構造に
ついてのQ値が表にない場合は、上記のブランド
ラツプ及びインマーガツトのハンドブツク及びそ
の参考文献に記載された方法を用いてこれらの値
を実験的に求めることができる。パラメータQ
は、少なくとも一方の界面剤が慣用の配合及び加
工工程の間に炭化水素重合体へのグラフト化を行
なうに足る高いQ値を有したオレフイン性二重結
合を含むことを要求する。式(A)におけるQ値は、
すべての反応性オレフイン性二重結合に対するQ
値の和が0.2以上であり、好ましくは各Q値が少
なくとも0.1であるべきであるという実験結果を
反映させている。「反応性」なる用語は、式(A)を
満足して正の相乗指数を与えるようなQ値を示す
オレフイン性二重結合を包含する。なお、上記の
「メカノ化学的グラフト化」とは、主として溶融
加工の間に重合鎖の破断に基づくフリーラジカル
の生成によつて起こる機械的に誘引された化学反
応を指す。例えば、ジー・クラウス(G.Kraus)
編、レインフオースメント・オブ・エラストマー
ズ(Reinforcement of Elastomers)、インター
サイエンス(Interscience)社刊、ニユーヨーク
(1965年)を参照されたい。 式(A)におけるパラメータである相対移動比R゜f
は、界面剤の高極性無機質表面への吸着力を測定
した測定値である。有機化合物と固体表面との間
の多くの相互作用は極めて特異的であり、例え
ば、ある無機質は化学結合を生じ、一方、他の無
機質は双極性/双極性相互作用により吸着を生じ
る。しかし、本発明の目的にとつて、吸着力の必
要条件は吸着試剤の相対移動比で簡単に表現され
る。この移動比は、中性シリカゲル上で溶出液と
してキシレン及び標準液としてジ−n−ブチルフ
マレートを用いる薄層クロマトグラフイーで測定
した値である。シリカゲルは炭化水素重合体(キ
シレン)中における充填剤(シリカ)の便宜的代
用品である。キシレンは極性化合物にとつて優れ
た溶媒であり、かつクロマトグラフイーによる吸
着試験を行なうには試剤を溶かす必要があるの
で、キシレンは単純な脂肪族炭化水素よりも好ま
しい。R゜fの項は、充填剤粒子に密接した重合体
層に必要な形態学的変化に効果的に寄与するよう
に、界面剤分子の充填剤表面への十分な吸着を保
証するものである。クロマトグラフイーの吸着パ
ラメータとして用いられる相対移動比R゜fは、慣
用の薄層クロマトグラフイーの試験において、化
合物の吸着力が大きいほど移動比が小さくなるよ
うに、溶媒前端の進度に対する溶解した化合物の
進度の比として定められる。式(A)に用いたR゜f
ラメータは式 R゜f=Rf/Rfs (B) で示されるように、標準物質の移動比Rfsに対す
る試験すべき化合物の移動比Rfの比として定め
られる。本発明の目的のために選んだ標準物質は
ジ−n−ブチルフマレートである。クロマトグラ
フイーの方法及び概念についての背景は、エル・
アール・スナイダー(L.R.Snyder)によりプリ
ンジプルズ・オブ・アドソープシヨン・クロマト
グラフイー(Principles of Adsorption
Chromatography)マーセル・デツカー社
(Mercel Dekker Inc.)刊、ニユーヨーク(1968
年)に示されている。ガラス板上の特殊物質の被
膜を用いる薄層板の技術に関する解説は、ジエ
イ・ジー・カークナー(J.G.Kirchner)、ジエ
イ・エヌ・ミラー(J.N.Miller)、及びジー・ジ
エイ・ケラー(G.J.Keller)により、アナリテイ
カル・ケミストリー(Analytical Chemistry)、
第23巻、420〜425ページ(1951年3月)に記載さ
れている。 式(A)中でのR゜fの項は、界面剤の吸着力が上記
の条件下にジ−n−ブチルフマレートよりも幾分
大であるべきである。この事実は下記の理由から
明らかである。すなわち、式(A)における相対移動
比を表わす1−10R゜fは、代数的必要条件がR゜f
ついて0.1以下となるように、正でなければなら
ない。従つて、式(A)におけるR゜f項はできるだけ
小とすべきであり、好ましくは0.05以下、最も好
ましくは0.01以上とすべきでない。界面剤は、与
えられた充填剤入り重合体組成物で充填剤表面と
特別な、又は化学結合的な相互作用を行なうこと
が望ましいこともあるが、不可欠ではない。 式(A)における△項は溶解性試剤のヒルデブラン
ド溶解度パラメータδsと重合体の同パラメータδp
の差、すなわち △=(δs−δp (B) である。代表的な炭化水素重合体のδp値、すなわ
ちヒルデブランド溶解度パラメータの一覧表を下
記の表に示す。 【表】 共重合体の場合には、種々の単量体成分のモル
分率に基づく「混合物の法則」を用いてヒルデブ
ランド溶解度パラメータを計算する。式(A)におけ
る△項は、溶解性界面剤が特定の炭化水素と実質
的に同じ溶解度パラメータを有することを要求す
る。 相乗的組合せ中の「吸着」試剤とは、最も低い
R゜f値、すなわち最も高い吸着性を有する試剤で
ある。他方、「溶解性」試剤とは、一般に最小の
△、すなわち重合体の溶解度パラメータに最も近
い溶解度パラメータを有する試剤である。多くの
相乗的組合せの場合、最も動溶解性の試剤は吸着
性が最も低く、そしてこの逆の関係も成り立つ。
しかし、上記の関係が成り立たない場合は、溶解
度パラメータの差の如何にかかわらず、最も低い
R゜f値の試剤を「吸着性」試剤と定義し、そして
その他の試剤を「溶解性」試剤と定義する。その
理由は、本発明の関連における「溶解性」とは、
未充填剤重合体中よりもむしろ充填剤入り重合体
中での界面剤の溶解度を指すからである。ある成
分が無機質充填剤の表面に最も強く吸着すると、
マトリツクス中でのその成分の濃度は吸着のため
に低下する。従つて、これらの結果を用いて、相
乗指数Sを求めるために式中に代入する「吸着
性」及び「溶解性」界面剤の値を定める。 相乗指数Sは式(A)のすべての因数が正となつた
ときにのみ正の値を有することは当然である。従
つて、2種の因数が負であるためにSが正となつ
た場合は、「正の相乗指数」の定義に含まれない。
換言すれば、本発明の定義に従つて相乗指数が正
であるためには、3つの条件が満たされねばなら
ない。すなわち、式(A)における各項が個々に正の
値をとる必要がある。 代表的に界面剤を選び、それらの関連パラメー
タ一覧を下記の表Bに示す。 【表】 非極性の重合体、例えば、固有の特別な相互作
用が存在しない本発明の各種炭化水素重合体につ
いては、いわゆるヒルデブランド溶解度パラメー
タが添加界面剤の溶解度又は相溶性を決める上で
の優れた目安となる。例えば、ポリエチレンにつ
いての溶解度パラメータは約8.3であり、そして
界面剤の溶解度パラメータがこの値に近づくほ
ど、未充填ポリエチレン中での溶解度が良好とな
る。ヒルデブランド溶解度パラメータの概念の一
般的議論、及び多くの強化促進剤のような一般的
でない分子構造にとつて特に価値がある基の関与
理論(group contribution)の方法を用いて上記
のパラメータを計算する方法については、オー・
オラビシ(O.Olabisi)等のポリマー・ポリマ
ー・ミツシビリテイー(Polymer−Polymer
Miscibility)、第2.3章、47〜63ページ、ニユーヨ
ーク(1979年)、及びその引用文献を参照せよ。
本発明の目的のためには、重合体中での界面剤の
溶解度とは常に溶融又は非晶質重合体を意味す
る。従つて、本発明のある炭化水素重合体がたと
え室温で一部結晶状であつたとしても、溶解度パ
ラメータを計算する際には非晶質の密度を用いる
べきである。約7.5cal1/2・cm-3/2のポリジメチル
シロキサンについての溶解度パラメータの文献値
及び基の関与理論の文献値から、ケイ素について
の基の関与理論値を32cal1/2・cm3/2/モルと計算
した。ケイ素についてのこの値を用いて、表Bに
掲げるシランのδ値を求めた。数字上の溶解度パ
ラメータと基の関与理論値の間には著者によつて
若干の差異があるので、本発明の目的のために
は、デイー・ケイ・クレベラン(D.K.Krevelan)
プロパテイーズ・オブ・ポリマーズ
(Properties of Polymers)、アムステルダム/
ニユーヨーク(1976年)、に掲載又は引用された
ものから溶解度パラメータを求めることにする。 極性の無機質表面に対しては優れた吸着性を有
し、ヘプタン及びポリエチレンのような非極性の
炭化水素媒体中では溶解度が低い界面剤、例えば
1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s
−トリアジン(TAHT)と、吸着性は極く低い
が、非極性の炭化水素媒体中では良好な溶解性を
有する界面剤、例えばトリメチロールプロパント
リアクリラート(TTA)との組合せを用いると、
いずれか一方の界面剤を単独使用して得られるも
のに比較してはるかに優れた特性を有する充填剤
入り組成物が得られる。 好ましい界面剤には、本出願と同時出願に係る
「充填剤入り熱可塑性重合体用の強化促進剤」な
る名称のUSSN295811明細書に記載されたような
強化促進剤が含まれる。 好ましい強化促進剤には下記の構造を有する化
合物が含まれる: 式中R1はオレフイン性又はアセチレン性不飽
和のない原子価nの有機基であり、R2,R3及び
R4は水素又はカルボキシであるか、もしくはオ
レフイン性又はアセチレン性不飽和のない1価の
有機基であり、Xは【式】【式】 又は【式】であり、mは0又は1の価を有し、 そしてnは少なくとも2、好ましくは3〜5の価
を有する。mが0のときR1は二重又は三重結合
を有することが好ましい。この結合はオレフイン
性二重結合と共役しており、そして電子吸引性で
ある。mが1のときは、Xは同様の共役二重又は
三重結合の構造を有していて、オレフイン性二重
結合に電子吸引効果を与えることが好ましい。
R1で表わされる基の例には炭素、水素及び窒素
からなる複素環基、例えば、窒素上に自由原子価
を有するs−トリアジン及びジアミノピリジン;
多価炭化水素基、例えば、アルキレン又はフエニ
レン、もしくはポリヒドロキシアルカンからヒド
ロキシ基を除くことによつて誘導される基(例え
ば、アクリル酸及びマレアン酸と脂肪族、芳香族
又は複素環ポリオールとの縮合生成物中に含まれ
るもの);又は脂肪族、芳香族及び複素環ポリア
ミンのアクリルアミド、マレイイミド及びマレア
ン酸誘導体である。特に好ましい強化促進剤は表
Cに掲げた化合物である。 【表】 本発明において吸着性界面剤としては、1,
3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−ト
リアジン(TAHT)、メラミントリアクリラート
(MTA)、N,N−テトラアクリロイル1,6−
ジアミノピリジン(TADAP)及びγ−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシラン加水分解物
(GMP3M−H)を使用する。 また、溶解性界面剤としては、トリメチロール
プロパントリアクリラート(TTA)、加水分解さ
れていないアルコキシシラン、すなわちγ−トリ
メタクリロキシプロピルメトキシシラン
(3GMPM)及びγ−ジメタクリロキシプロピル
ジリメトキシシラン(2GMP2M)を使用する。 いわゆるシラン・カツプリング剤及び関連ケイ
酸エステルは典型的には下記の化合物を含む。す
なわち、少なくとも1個のケイ素に結合した加水
分解性の基(例えば、アルコキシ、ハロゲン、ア
シルオキシ等)と、少なくとも1個の反応性オレ
フイン性二重結合を有する少なくとも1個のケイ
素に結合した有機の基(例えば、ビニル、γ−メ
タクリルオキシプロピル、γ−アクリルオキシプ
ロピル、アリルオキシプロピル、エチニル、2−
プロピニル等)とを含む、フリーラジカルで重合
可能な加水分解性の不飽和シランである。ケイ素
の残りの原子価は加水分解性の基又は反応性オレ
フイン二重結合を有する基では満たされておら
ず、次のような1価の炭化水素基で満たされてい
る。例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、ペンチル、イソブチル、イソペ
ンチル、オクチル、デシル、シクロヘキシル、シ
クロペンチル、ベンジル、フエニル、フエニルエ
チル、ナフチル等である。この種の適当なシラン
には一般式 RaSiXbYc (B) で表わされるもの、並びにこのようなシランの加
水分解物及び/又はこの加水分解物の縮合物が含
まれる。ただし、上式Rは1価の炭化水素基であ
り、Xはケイ素に結合した加水分解性の基であ
り、Yは少なくとも1個の反応性二重結合を含む
ケイ素に結合した1価の有機基であり、aは0〜
2の整数であつて、好ましくは2であり、bは1
〜3の整数であり、そしてcは1〜3の整数であ
る。 フリーラジカルで重合可能な加水分解性の不飽
和シランであつて本発明で使用し得るものの例に
は下記の化合物が含まれる。 γ−トリメタクリルオキシプロピルメトキシシ
ラン(3GMPM) γ−トリアクリルオキシプロピルメトキシシラ
ン(3GAPM) γ−ジメタクリルオキシプロピルジメトキシシ
ラン(2GMP2M) γ−ジアクリルオキシプロピルジメトキシシラ
ン(2GAP2M) γ−メタクリルオキシプロピルメトキシシラン
(GMP3M) γ−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン(GAP3M) 好ましいシランは、少なくとも1個のオレフイ
ン性二重結合のQ値が0.2以上、好ましくは0.4以
上のものである。しかし、特別な目的のために
は、アルコキシシランに特有な縮合の共重合機構
上の理由から、その種の相乗的組合せにおいては
オレフイン性二重結合を持たないシランが含まれ
る。このようなシランの例には下記の化合物があ
る。 γ−アミノプロピルエトキシシラン γ−メルカプトプロピルメトキシシラン γ−グリツドオキシプロピルトリメトキシシラ
ン シラン・カツプリング剤は、例えば、ガラス繊
維の加工時に汎用されている。本発明では、表B
の溶解度データ及び吸着性のデータに基づいて吸
着性及び溶解性界面剤を組合せることにより、ト
リ−、ジ−又はモノアルコキシシラン(効果の大
きい順)と組合せたケイ酸アルキルがトリアルコ
キシシランの単独成分よりも優れた強化促進効果
を与えることが明らかである。同様に、適当なシ
ランとモノ−、ジ−又はトリアルコキシシラン
(効果の大きい順)とを組合せることにより、優
れた性能が得られる。界面剤の最も優れたシラ
ン/有機化合物の組合せは、加水分解されたトリ
アルコキシシランのようなより高い吸着性のシラ
ンと、TTAのような溶解性の有機強化促進剤と
を組合せたものである。これに反して、さらにポ
リオレフイン相溶性のシランは、TAHT、
MTA、ELA及びTADAPのように極性が高く、
強力に吸着した強化促進剤と組合せた場合に最も
高い相乗性を示す。 本発明の充填剤入りの強化炭化水素重合体にお
ける3種の成分の比率は、界面剤の組合せが約
0.1〜5.0重量%、好ましくは約0.5〜2.0重量%、
充填剤が約10〜90重量%、好ましくは約10〜約60
重量%、そして炭化水素重合体が約10〜90重量
%、好ましくは約40〜90重量%である。これらの
百分率は組成物中の界面剤、充填剤及び炭化水素
重合体の全量に基づくものである。界面剤の比率
は、一方の試剤の量を他の一方の試剤よりも比率
上多く含む相乗効果的な利点に従つて、異なつた
比率の界面剤の組合せに応じて変化する。好まし
い比率の範囲は1:10〜10:1であり、好ましく
は1:4〜4:1である。 助剤類 本発明の組成物に用い得る助剤には、硬化剤、
難燃剤、発泡剤、吸込系の核剤、滑剤、紫外線安
定剤、染料及び着色料、帯電防止剤、金属不活性
化剤、及び慣用的カツプリング剤が含まれる。こ
れらの助剤は、得られる組成物中で意図する効果
を発揮する量で用いられる。通常、助剤の合計量
は充填剤入りの強化熱可塑性組成物の全重量に基
づいて0〜約60重量%の範囲である。助剤が強化
促進剤の性能を妨げる恐れがある化合物の場合に
は、充填剤入りの強化熱可塑性組成物が生成した
後に助剤を添加すべきである。強化促進剤の性能
を著しく阻害することがないならば、先行技術の
確立された方法に基づいていかなる段階で助剤を
加えてもよい。 製造方法 本発明の方法の具体例では、重合体との配合の
前に有機溶媒を用いて界面剤を直接充填剤に加え
ることができる。融点、沸点、粘度等の物理的性
質が各種界面剤の間で時としてかなり異なること
によつて生じる見かけ上の効果を防ぐため、上記
の操作を行なう。しかし、実際上は製造及び原価
の両観点から、界面剤を添合するその他の手段が
好ましいこともある。例えば、配合時、すなわち
全体ブレンド時に界面剤を充填剤−重合体混合物
中に直接添合してもよいし、相乗的組合せの一方
の試剤を溶媒ではなく、他の一方の試剤中に溶
解、乳化又は分散させることによつて添合しても
よく、あるいは、いずれか一方又は両方の試剤を
水中に乳化又は分散させ、次いで前処理剤として
充填剤に添合することもでき、もしくは特定の相
乗的組合せの特性に応じて斯界で確立されたその
他の方法によつてもよい。相乗的な強化促進にお
ける試剤の相補的性質に基づいて、特に有望な方
法では、充填剤は吸着性界面剤で前処理し、そし
て溶解性界面剤は重合体に添合することがある。
この方法により、次の配合工程の間に最も有利な
条件で綻相乗的相互作用を起こさせることができ
る。 フリーラジカル開始剤及び酸化防止剤又はこれ
らの残分を、このような化学薬品の存在が界面剤
による強化促進効果を妨げる程度まで実質的に存
在させずに配合及び加工を行なうことが好まし
い。 反応機構 特定の反応機構の理論で拘束する意図はない
が、これらの界面剤の卓越した特性の根拠は、界
面剤が充填剤粒子と周囲の重合体マトリツクスと
の優れた結合を形成するだけでなく、特に界面剤
が界面領域内で形態変化を生ぜしめ、そのため充
填剤表面に隣接する重合体層が変性されて、この
層が充填剤粒子から遠く離れた塊状重合体よりも
強靭になるためと考えられる。この結果、重合体
での硬質混入、すなわち「傷」の発生に帰因して
必然的に存在する極めて局在的な応力の集中化が
界面の機械的性質向上によつてうめ合わされる。
カツプリング剤と脱カツプリング剤との単なる組
合せでは、両試剤で得られる優れた特性を備えた
複合効果は得られないことを見いだした。下記の
例1はTTAのような強力なカツプリング性能を
有する強化促進剤と、STAのような代表的脱カ
ツプリング剤とを組合せた場合に、引張り強さが
減少し、破断点伸びの向上を伴うことのない結果
となる例を示すものである。従つて、STA脱カ
ツプリング剤はTTAカツプリング剤のカツプリ
ング作用を妨げ、延性を補償的に向上させない。
さらに、強化促進剤を勝手に組合せると、一般
に、混合の通則(すなわち相乗効果なしの)から
予期される以上の複合的特性向上は見られないこ
とを見いだした。 この相乗効果は、充填剤入り重合体組成物の強
さ及び延性を同時に向上させるのに必要とされる
強靭な重合体界面の形成機構に関連があると思わ
れる。一方が充填剤表面に強力に吸着し、他の一
方が重合体マトリツクスでよく溶解するように2
種の共重合可能な界面剤を組合せると、各充填剤
粒子を取り巻く界面領域での共重合及びグラフト
化の機会が増加する。重合体における充填剤での
強化機構に関する多くの側面は未解決であり、斯
界での論議の的となつているが、本発明によつて
得られる予想外の劇的相乗効果は異常に強靭な充
填剤/重合体の界面が形成される機構に関連する
ことを示唆している。 例 以下の実施例で、本発明の界面剤の相乗的な組
合せ効果を説明する。特にことわらない限り、処
理した充填剤入り熱可塑性重合体組成物は下記の
通りであつた。 充填剤の前処理は、約10gの強化促進剤をアセ
トンのような溶媒に溶かすことからなつていた。
この溶媒は、促進剤を充分溶かす量であつて、た
だし濡れた充填剤と共に糊状物質を生じる量以下
であつた。次いで、促進剤溶液を充填剤500gに
加え、機械的にブレンドし、そして1夜風乾し
た。 前処理した充填剤250gを漸増的に溶融重合体
に加えることにより、前処理充填剤を熱可塑性重
合体250gに15.2×30.5cm(6″×12″)の2本ロー
ルミル上180℃で配合した。混合は完全配合法を
用いて続けた。処理した充填剤入り重合体のシー
トを切断し、円筒状棒材、すなわちピグに圧延
し、そして充填剤を全部加え終つた後、10分の全
混合時間の間に約10回、このピグを前向きにして
配合ミルを通過させた。次いで、生成物の組成物
をミルから取り出してシート状となし、室温まで
冷却し、そして粗砕機で造粒した。 生成した各組成物について下記の試験法を用い
た。粒状組成物は、容量38cm3、金型付きの30t往
復スクリユー型射出成形機を用いて、溶融温度
215℃で射出成形し、引張り特性の試験用には5.1
×1.3×0.32cm(2″×1/2″×1/8″)の寸法の
ASTMドツグ・ボーン試験棒を、また曲げ特性
の試験用には12.7×1.3×0.32cm(5″×1/2″×
1/8″)の寸法の角形棒を用意した。各複合材料
には下記の試験法を用いた。 【表】 引張り及び曲げ試験ではクロスヘツド速度0.51
cm(0.2″)/分を用いた。 例中で用いた化合物略名は下記の通りである。 ATH 平均粒度0.3〜1.0μm及び表面積約
6〜15m2gを有するアルミニウムトリヒドラー
ト クレー 水和カオリンからなる未変性硬質
粘土。平均粒度0.3μm、BET法表面積20〜24
m2/g。 GMP3M−H γ−メタクリルオキシプロピルト
リメトキシシラン加水分解物 HDPE 密度0.959g/c.c.、メルトインデ
クス0.7の高密度ポリエチレン。 STA ステアリン酸 TAHT トリアクリロイルヘキサヒドロ−
s−トリアジン TTA リメチロールプロパントリアクリ
ラート 例 1 この例では、ATH50重量%を含むHDPE中で
用いた際の強化促進剤TTAと脱カツプリング剤
STAの間に相乗効果が欠除することを示す。試
料調製及び試験は上記のようにして行なつた。組
成物の物理的試験の結果を表1に示す。 【表】 表1の結果は、脱カツプリング剤STAと強化
促進剤TTAの1:1の組合せが各界面剤を単独
に含む組成物よりも劣つた特性を有する組成物を
生じることを示している。引張り強さ、引張り弾
性、破断点伸び及び衝撃強さはTTA単独使用の
ものの特性より劣り、そして破断点伸び衝撃巾強
さはSTA単独使用のものの特性より劣る。この
場合、TTAとSTA間の共重合は不可能であるた
め、相乗指数Sは決定されない。 例 2 この例では、溶解性界面剤TTA及び吸着性界
面剤GMP3M−Hを用いた本発明の具体例を説明
する。これらの界面剤はフリーラジカルによる付
加重合で共重合可能である。複合材料は60重量%
のATH充填HDPEであつた。試料調製及び試験
は例1と同様に行なつた。組成物の機械的特性を
下記の表2に示す。 【表】 表2のデータは、約3:1〜1:3の比の範囲
内でのTTAとGMP3M−Hの組合せにより、い
ずれか一方の界面剤の単独使用で得られるよりも
著しく優れた機械的特性を生じることを示してい
る。最大衝撃強さは特に高められ、一方、引張り
強さ、引張り弾性及び破断点伸びがすべて顕著な
向上を示している。ポリエチレン中でのTTA/
GMP3M−Hの相乗指数は S=50(0.7+0.4−0.2)(1−10×0.00) (0.5−0.62)=6.3 となり、高い正の値である。 例 3 この例では、フリーラジカル付加反応によつて
共重合体可能な溶解性界面剤TTA及び吸着性界
面剤TAHTを用いた本発明の他の具体例を示す。
複合材料は50重量%のクレーを含むHDPEであ
つた。試験に用いる試料の調製は例1と同様に行
なつたが、ただし、溶融配合の時点でTTAを樹
脂/充填剤ブレンドに混合(全体ブレンド)し
た。組成物の機械的試験の結果を表3に示す。 【表】 これらの結果は、TTA:TAHTの組成物がい
ずれかの界面剤単独よりも優れた引張り強さ、引
張り弾性及び破断点伸びの組合せを生じることを
示している。TTA:TAHTの最適比は2:1の
周辺である。衝撃強さは、この組成物にTAHT
を単独使用して得られる優れた値付近に保たれて
いる。この例は、両界面剤の単独使用時にこれら
が所望の強化促進効果を示す場合でも、2種の強
化促進剤の間に相乗効果を示す顕著な例を説明す
るものである。 この場合の相乗指数は S=50(1.3+0.4−0.2)(1−10×0.01) (0.5−0.62)=9.5 となり、高い正の値である。
【図面の簡単な説明】
添付図面は、本発明の組成物と先行技術の組成
物との複合特性の対比を示す線図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 炭化水素重合体、無機充填剤及び2種の界面
    剤を含む組成物において、 (1) 前記界面剤は相互に共重合可能であり; (2) 一方の界面剤は充填剤表面上に、より高吸着
    性であり、1,3,5−トリアクリロイルヘキ
    サヒドロ−s−トリアジン(TAHT)、メラミ
    ントリアクリラート(MTA)、N,N−テト
    ラアクリロイル1,6−ジアミノピリジン
    (TADAP)及びγ−メタクリロキシプロピル
    トリメトキシシラン加水分解物(GMP3M−
    H)より成る群から選択され、他方の界面剤は
    充填剤入り重合体により高溶解性であり、トリ
    メチロールプロパントリアクリラート
    (TTA)、γ−トリメタクリロキシプロピルメ
    トキシシラン(3GMPM)及びγ−ジメタクリ
    ロキシプロピルジメトキシシラン(2GMP2M)
    より成る群から選択され; (3) 少なくとも一方の界面剤は重合体にメカノ化
    学的にグラフト結合し得る少なくとも1個の反
    応性オレフイン性二重結合を含み; (4) 前記界面剤は S=50(Qa+Qs−0.2)(1−10R゜f) (0.5−△2) (式中Qa及びQsはそれぞれ吸着性及び溶解性
    の界面剤中で最も反応性のオレフイン性二重結
    合のアルフレー・プライス共鳴パラメータであ
    り、R゜fは中性シリカゲル上で溶出液としてキ
    シレン及び標準液としてジ−n−ブチルフマレ
    ートを用いる薄層クロマトグラフイーで測定し
    た吸着性界面剤の相対移動比であり、そして△
    は溶解性界面剤と重合体とのヒルデブランド溶
    解度パラメータの差である)によつて定義され
    る0より大の相乗指数Sを有する、 ことを特徴とする前記組成物。 2 炭化水素重合体がポリオレフインホモ重合体
    又は共重合体であることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載の組成物。 3 無機充填剤がアルミニウムトリヒドラート、
    クレー、タルク又は炭酸カルシウムであることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載の組成物。
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