JPH0237253B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 開示技術はトランスフア軸対称でない異形形状
の製品のトランスフア装置内での連続成形の技術
分野に属する。

而して、この出願の発明はボルスタ上のベツド
に設けた下型に対して型打用上型をラムに設け、
該ラムを昇降するプレス装置のクランク機構に連
係して設けた同期連係機構を介して設けた押腹進
退動するトランスフアビームが軸非対称形の異形
形状ワークに対するクランプフインガを有し、下
型の側部にワークに対する位相決め機構が設けら
れてプレスラムと一体に上下動するようにされて
いるトランスフア装置に関する発明であり、特
に、該位相決め機構が型打ちの前段にてトランス
フアビームの作動域に設けられ、ベツド上にモー
タなどの回転装置に連係された回転支持軸がワー
ク受けプレートを回転自在で、且つ、プレスラム
と一体に昇降自在に設けられ、一方、プレスラム
に連結されたフインガに対する押しのけ体がその
内側にワーク芯出しユニツトを有し、該芯出しユ
ニツトはワークの位相出し部に係合する位相決め
ピンを弾機を介して設けているメカ連動トランス
フア装置に係る発明である。

＜従来技術＞ 周知の如く、多品種の連続型打ち成形にはワー
クの装入、成形、排出が自動的に連続して行える
所謂トランスフア装置が広く用いられている。

さりながら、このようなワークの送給、成形が
ランダムに連続して加工出来るのはワークが心対
称等の標準形のもの、即ち、セツト位置姿勢や位
相が無関係なものに限られていた。

したがつて、例えば、キー溝付ギヤやスプロケ
ツト等の軸非対称形の異形形状製品を型打成形す
るには一般に位相決め、及び、その姿勢確認がと
れ易いターンテーブル方式が採用されている。

＜発明が解決しようとする課題＞ しかしながら、該種方式でも回転中の振動等に
よりワークの位相ずれが生じ、精度不良を招く欠
点があり、間欠回動による慣性力も無視出来ず、
搬送加速がし難い難点があり、そのうえ、ターン
テーブルが下型上をカバーするようになるため、
段替性が悪いという不具合もあつた。

又、トランスフアビーム外で一たんワークに対
する位相決めを行つてフインガでチヤツキングす
るローダ等も案出されているが、プレスの上昇タ
イミングに合せるため、リミツトスイツチ等で電
気的にインターロツクする等機械的に複雑で、プ
レスの上死点で停止期間が必要であり、高速化に
向かないという不具合もあつた。

この発明の目的は上述従来技術に基づく軸非対
称形の異径形状製品のトランスフア型打成形の問
題点を解決すべき技術的課題とし、トランスフア
プレスのトランスフアビームの作動域内にてプレ
スラムに同期してメカ連動的にワークの高い精度
での位相決めが行え、ワークの搬入、位相決め、
成形、排出まで可及的に高速化することが出来る
ようにして機械装置産業等における成形技術利用
分野に益する優れたトランスフア装置を提供せん
とするものである。

＜課題を解決するための手段＞ 上述目的に沿い先述特許請求の範囲を要旨とす
るこの発明の構成は前述課題を解決するために、
下型に対する上型を有するラムに連結されたプレ
ス装置に同期連係機構を介し設けられたフインガ
を有するトランスフアビームに対しワークの位相
決め機構が設けられているトランスフア装置であ
つて、該位相決め機構が上記トランスフアビーム
の成形工程域に設けられ、下型の側部にて回転装
置に連係して併設された回転支持軸に対して随伴
回転自在にされて嵌装されたワーク受けプレート
と、上記ラムに設けられたフインガに対する押し
のけ体と該押しのけ体の内側に進退動自在に設け
られワークに対する位相決めピンを一体的に有し
ているワーク芯出しユニツトから成つているトラ
ンスフア装置としたものである。

＜作用＞ 而して、キー溝付ギヤ等の軸非対称異形形状製
品のワークが搬入され、ラムの昇降に係る同期連
係機構を介してトランスフアビームが所定サイク
ルで進退動され、ラム上昇工程のストロークエン
ドにてワークをフインガでチヤツキングして戻
り、型打ち前段で下降するラムに一体下降する押
しのけ体がフインガを開き、ワークは下部のワー
ク受けプレート上に載置され、該ワーク受けプレ
ートは回転装置により回転する回転支持軸により
回転させられ、上記押しのけ体と共に下降するそ
の内部の芯出しユニツトがワークを回転状態で押
しのけ下げ芯出しし、該芯出しユニツトと共に弾
性的下降した位相決めピンがワークの位相出し部
に係合して位相出しを決められ、復位し、その間
先送りワークは型打ちされ、ラム上昇と共に押し
のけ体、芯出しユニツトはワークから離れ、フイ
ンガが再び位相決めされたワークをチヤツキング
し型打ち工程に戻り、ラム下降と共に上型が下降
し、下型と所定の型打ちを行うようにした技術的
手段を講じたものである。

＜実施例＞ 次に、この発明の１実施例を図面に基づいて説
明すれば以下の通りである。

１はこの発明の要旨を成す３段式のトランスフ
ア装置であり、ベース２上に設けたボルスタ３の
上にベツド４、及び、その一側にブラケツト５が
設けてある。

而して、該ベツド４の両側にはスタンド６，６
が架設されてラム７を昇降自在に有するプレス装
置８が設けられており、該プレス装置８にクラン
ク、リンク機構等の同期連係機構９が設けられて
駆動軸１０を下垂しており、その下端を上記ブラ
ケツト５に設けた適宜軸受に枢支している。

そして、該駆動軸１０には第２図に示す様に、
所定のカム溝１１を形成されたカム１２が固定さ
れ、ブラケツト５に設けたケーシング１３に内設
したブラケツト１４に１端を枢支したリンク１５
に設けたカムフオロワローラ１６がカム１２に従
動するようにされ、該リンク１５に枢支するサブ
リンク１７はロツド１８を介して枠形のトランス
フアビーム１９に連結されている。

而して、該トランスフアビーム１９には第２，
４ｂ図に示す様に、３基の各一対のフインガ２
０，２０，２０が弾圧バネ２１，２１…を介して
弾性的に対向して設けられ、例えば、キー溝付ギ
ヤ等の軸非対称異形形状のワーク２２を連続的に
３個チヤツキングするようになされている。

第１図に示す２３はエアシリンダ式のワーク押
上げ装置であつて、トランスフアビーム１９のス
トロークエンドの最先端のフインガ２０の位置に
対向しベツド４上に設けられたワーク搬入シユー
ト２４の基部が臨まされており、該押上げ装置２
３はカム１２のカム溝１１の、例えば、図示しな
い別のローラによる検知等により電気的に制御さ
れるようにされている。

又、２５は型打ち用の下型であつて、ベツド４
上に設けられており、これに対向してラム７に設
けた上型２６が第２図に示す様に、ダイセツト２
７によりガイドポスト２８，２８で案内されて昇
降するようにされている。

而して、第４ａ，４ｂ図に示すものはワーク２
２の位相決め機構を成すものであつて、トランス
フアビーム１９のストローク内にあり、ベツド４
上にあつて、下型２５の前段に設けたセツト装置
２９とラム７に下設された対応する位相出し装置
３０から成つている。

該セツト装置２９はベツド４に固定した回転装
置としてのモータ３１のプーリ３２とベルト３３
を介して回転されるプーリ３４を固設する回転支
持軸３５がベツド４に固設されたスタンド３６に
ベアリング３７を介して立設され、該スタンド３
６との間に弾機として弾圧バネ３８を介装したワ
ーク受けプレート３９が該回転支持軸３５に対
し、キー４０を介して昇降自在で、随伴回転自在
に支承されてトランスフアビーム１９のフインガ
２０，２０に挾持されたワーク２２を転移載置さ
れるようにされている。

一方、位相出し装置３０は該フインガ２０，２
０のテーパ面に係合する押しのけ体４１，４１が
両側でブラケツトに固定されると共に該ブラケツ
トの中心にキー４３を介してステータ４４を下設
し、該ステータ４４には弾圧バネ４５を有してワ
ーク２２の位相出し溝４６に係合する位相決めピ
ン４７が設けられており、又該ステータ４４の中
心にはワーク２２の芯出し孔４８に回転自在に嵌
挿される芯出しユニツトとしてのロータ４９が軸
装されている。

上述構成において、プレス装置８が同期連係機
構９により周期作動され、カム１２が回転され、
リンク１５，１７を介してトランスフアビーム１
９が前後動するが、そのサイクルは第３図に示す
様に、ワーク押し上げＵ、送りＦ、戻りＲ、位相
決めＤプロセスをとるようにされている。

そこで、シユート２４よりワーク２２を成形サ
イクルに合わせて送給し、押上げ装置２３上に載
置すると、カム１２との連係によりラム７の上昇
工程におけるトランスフアビーム１９のストロー
クエンド到達に同期して該押上げ装置２３が上が
り、そこへ先端のフインガ２０が到達してランダ
ムな位相のワーク２２を弾性的にチヤツキング
し、セツト工程Ａを終えて戻り工程に移行する。

そこで、中部のフインガ２０が押上げ装置２３
により次のワーク２２をチヤツキングし、先にチ
ヤツキングされたワーク２２は位相決め工程Ｂに
移行していく。

ここで、ラム７が下降し、第４ａ，４ｂ図に示
す様に位相出し装置３０が随伴下降し、押しのけ
体４１，４１がフインガ２０，２０に当接してカ
ム作用により弾圧バネ２１，２１に抗してこれを
拡げ、モータ３１により回転するワーク受けプレ
ート３９上にワーク２２を載置し一体回転するよ
うにする。

続いて、ロータ４９が下降してワーク２２の芯
出し孔４８に挿入され随伴回転してワーク２２の
位置決めを行うと共に位相決めピン４７がワーク
２２の上面に押圧され、ワーク２２はセツト装置
２９の弾圧バネ３８に抗してワーク受けプレート
３９と共に少し下がり、位相決めピン４７との相
対回転を許容する。

而して、該ワーク２２のキー溝４６が位相決め
ピン４７に合致すると弾圧バネ３８によりワーク
ク２２はワーク受けプレート３９ごと上がり、ワ
ーク２２は周方向に不回動となつてワーク受けプ
レート３９だけが回転することになる。

そこで、カム１２、カムフオロワローラ１６の
タイミングによりラム７は上がり始め、フインガ
２０，２０がワーク２２をチヤツキングして位相
決め工程Ｂが完了し、トランスフアビーム１９が
カム１２、カムフオロワローラ１６によりリンク
１５，１７を介して戻り型打ち工程Ｃに移行し、
下降する上型２６と下型２５とにより所定の型打
ち成形がなされ、中段のチヤツキングされたワー
ク２２は上述の如くして位相決めされ、又、最後
端のフインガ２０は押上げ装置２３によりワーク
をチヤツキングする。

このようにして、後端のフインガ２０にチヤツ
キングされたワーク２２が型打ち成形されると、
設定量だけトランスフアビーム１９がラム７の上
昇と共に後退して成形を終了したワーク２２を排
出して急速に初期位置に前進して１サイクルを
終、再びラム７の下降に伴い押上げ装置２３によ
つて上昇されるワーク２２をチヤツキングし、リ
サイクルする。

この間位相決めされたワーク２２は常にいずれ
も位相決めピン４７により同一位相され、フイン
ガ２０，２０によりチヤツキングされ、同一精度
で型打ち成形される。

尚、この発明の実施態様は上述実施例に限るも
のでないことは勿論であり、例えば、芯出しユニ
ツトはローラ式の外接形にしても良くトランスフ
アビームは１次元動作以外に３次元動作するよう
にする等種々の態様が採用可能である。

＜発明の効果＞ 以上、この発明によれば、キー溝付スプロケツ
ト等の軸非対称の異形形状のワークの連続成形の
トランスフア装置において、トランスフアビーム
１の作動域内にワークの位相決め機構を設けたこ
とにより、基本的に装置内のワークの位相を決め
て投入する必要がなく、トランスフアの１工程と
してラムに対しメカ連動的に位相決めすることが
可能となるため、トランスフアの連続高速成形が
高い応答性で出来る優れた効果が奏されるのみな
らず、常にトランスフア工程内で同一位相決めが
型打ちの前段でなされることから、型打ち精度が
均一に保て、精度の高い成形品が得られるという
優れた効果が奏される。

そして、単にシユート等でワークをホツパー、
エレベータ等で投入すれば良いため、作業能率も
向上する効果もある。

而して、位相決め機構は下部の回転支持軸に対
して回転自在であつてプレスラムと一体に上下動
を許容するワーク受けプレートを設けたことによ
りそこに移送されるワークはチヤツキングを外ず
されて該ワーク受けプレートに載置されて回転す
るようにされ、位相決めのタイミングを自動待ち
することが出来る効果がある。

そして、上部のラムに設けた押しのけ体により
フインガが拡開され、ワークをして上述の如くワ
ーク受けプレートに載置出来ると共にワーク芯出
しユニツトがワークの回転を許容しながら位相決
めし、該芯出しユニツトと一体の位相決めピンを
してワークに係合させて回転を止め、該位相決め
ピンの位置姿勢のいずれも正確に決めさせること
が出来る効果がある。

そして、全ての動作がラムに対しメカ連動的に
なされることから高速化が高精度で行え、応答特
性が良好でワークに対する信頼性の高い位相決
め、即ち、良好な加工精度と搬送が出来るという
優れた効果が奏される。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の１実施例を示すものであり、
第１図は全体概略部分断面正面図、第２図はトラ
ンスフアビーム作動部分断面図、第３図はサイク
ルグラフ図、第４ａ，４ｂ図は位相決め機構断面
図である。 ２５……下型、２６……上型、２２……ワー
ク、７……ラム、８……プレス装置、９……同期
連係機構、２０……フインガ、１９……トランス
フアビーム、２９，３０……位相決め機構、１…
…トランスフア装置、Ｂ，Ｃ……成形工程、３１
……回転装置、３５……回転支持軸、３９……ワ
ーク受けプレート、４１……押しのけ体、４７…
…位相決めピン、４９……ワーク芯出しユニツ
ト。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 下型に対する上型を有するラムに連結された
   プレス装置に同期連係機構を介し設けられたフイ
   ンガを有するトランスフアビームに対しワークの
   位相決め機構が設けられているトランスフア装置
   において、該位相決め機構が上記トランスフアビ
   ームの成形工程域に設けられ、下型の側部にて回
   転装置に連係して併設された回転支持軸に対して
   随伴回転自在にされて嵌装されたワーク受けプレ
   ートと、上記ラムに設けられたフインガに対する
   押しのけ体と該押しのけ体の内側に進退動自在に
   設けられワークに対する位相決めピンを一体的に
   有しているワーク芯出しユニツトから成つている
   ことを特徴とするトランスフア装置。