JPH0237246B2 - Fukakudanmenseihinseikeipuresusochi - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 開示技術は金属薄板等のパネルの負角断面を有
する金面パツド押えプレス成形技術の分野に属す
る。

而して、この出願の発明はラムに連結された可
動上型の下部に製品押えパツドが設けられ、一
方、該可動上型下方にてフレームに固定された固
定下型には弾機を有するクツシヨンピンにより支
持される下型クツシヨンがその成形上面に製品素
材を載置セツトされる様にされると共に上下動可
能にされ、又、該製品押えパツドに対する成形カ
ムが該下型にスライド可能に設けられている負角
断面製品成形プレス装置に関する発明であり、特
に、上記可動上型に製品押えパツドが分割パツド
として固定パツドと可動パツドにされて設けられ
後者は弾圧スプリングを介して負角断面成形パツ
ドとされ、一方、前記固定下型に設けた固定カム
と上記下型クツシヨンの両カム面にスライドする
ダブルカム機構の寄曲受動カムが曲刃を有して成
形時に上記可動パツドの負角成形面に対向する様
にされ、成形製品の全成形面が押さえられる様に
し、又、固定下型に対し下型クツシヨンが常に上
方は勢される様に両者間に他の弾圧スプリングを
介装した負角断面製品成形プレス装置に係る発明
である。

各種の金属パネルプレス工業製品は各方面で広
く採用されているが、例えば、自動車のボデイー
パネルのフロントピラーのアツパアウタパネルの
如く、薄板厚のパネルプレス成形品でしかも負角
（アンダーハングを成す角−この明細書において
は負角をこのように定義する。）断面形状をして
いるものが相当種ある。

ところで、該種負角断面成形製品のプレス成形
を行う場合、理想的には製品形状断面相似の正規
形状の製品押えパツドを可動上型にセツトし、固
定下型の成形刃で成形することが望ましいが、成
形後可動上型の上昇に伴い押えパツドを抜こうと
しても抜けないことになるので、従来一般には可
動上型の押えパツドによる負角成形部の拘束を行
わず、固定下型にスライドするシングルカムで曲
成形する様にしていた。

従つて、不完全拘束の曲げ成形であるため、不
可避的にパネルが移動し、製品に於て、形状にず
れ、ひねり、スプリングバツクにより形状精度が
悪化する欠点があり、又、シヤクレ、面歪の面品
質が低下する難点があつた。

この様な形状不良、品質低下は製品分留を悪化
することになり、結果的にコスト高になる不利点
ともなつていた。

この出願の発明の目的は上述従来技術に基づく
負角断面金属薄板プレス成形の問題点を解決すべ
き技術的課題とし可動上型に設ける製品押えパツ
ドを固定パツドとダンパ可変可動パツドの分割タ
イプパツドにし、両パツドの作動に位相差をもた
せ、固定下型に上型連動のダブルカムを奇曲機構
として設けることにより、製品素材に対する全面
押え可能であつて高精度のプレス製品取付可能に
し、成形初期に押えパツドと寄曲機構とが干渉せ
ず型破損が生じない様にしプレス成形産業に於け
る負角断面成形プレス利用分野に益し得る優れた
プレス成形装置を提供せんとするものである。

＜課題を解決するための手段＞ 上述目的に沿うこの出願の発明の構成は、上記
問題点を解決するために可動上型に製品押えパツ
ドが付設され該上型に下設された固定下型にクツ
シヨンピンを介して摺動可能で製品載置下型クツ
シヨンと成形カムが設けられている負角断面製品
成形プレス装置であつて、上記可動上型に固定パ
ツドが固設されると共に可動パツドが弾圧スプリ
ングを介して分割押えパツドとして併設され、而
して前記固定下型に固定された固定カムと前記下
型クツシヨンの両カム面にスライド可能な寄曲受
動カムが上記可動パツドの負角成形面に対向可能
な曲刃を有している負角断面製品成形プレス装置
とし、更に、上記下型クツシヨンと固定下型間に
他の弾圧スプリングが介装されている負角断面製
品成形プレス装置としたものである。

＜作用＞ 而して、固定下型に対して下型クツシヨンが伸
張し寄曲受動カムが開いた状態で該下型クツシヨ
ン上に製品素材の薄板厚金属パネルを載置し、可
動上型がラムにより下降すると該可動上型に対し
て弾圧スプリングを介して下設した分割押えパツ
ドの１つの可動パツドが先に該パネルに当接して
セツト状態を維持して該パネルを押圧し始め、可
動上型内に該位相差機構を介して縮退し、併せて
可動上型の他方の分割押えパツドの固定パツドが
該パネルを押圧して上記下型クツシヨンの成形面
との間で曲成形を始め、両パツドがパネルを該下
型クツシヨンと挾持曲成形してクツシヨンピンを
介し該下型クツシヨンを固定下型内で下降させる
と、該固定下型内固定カムと該下型クツシヨンに
係合する寄曲受動カムがダブルカム機構により該
固定カムと下型クツシヨンにスライドして内寄り
移動し、それに一体の曲刃が上記可動パツドの負
角成形面に対してパネルを寄せ曲げ近接して対向
し、従つて、該パネルは全面押圧挾持されて負角
断面曲げ成形がなされ、成形後可動上型の離反上
昇に伴い下型クツシヨンが上昇し、寄曲受動カム
が離反し始め、固定パツドが該下型クツシヨンか
ら離れ、次いで可動パツド離反につれて下型クツ
シヨンと寄曲受動カムとの間で製品に対する回転
モーメントが作用し、該製品の負角断面成形部を
寄曲受動カムと可動パツドに干渉せず排出する様
にし、更に、成形初期に下型に対して他の弾圧ス
プリングを介して常に下型クツシヨンを充分に上
位させ、上記寄曲受動カムを後退させて上型の可
動パツドと干渉することがない様にし、以つて不
測にして型破損が生じない様にした技術的手段を
講じたことを要旨とするものである。

＜実施例＞ 次にこの出願の発明の実施例を図面に基づいて
説明すれば以下の通りである。

第１〜４図に示す実施例に於て、１はこの発明
の要旨を成す負角断面製品成形プレス装置であ
り、図示しないベース上のフレームに所定に固設
された固定下型２に対してその下孔３，３を挿通
するクツシヨンピン４，４……を介して下型クツ
シヨン５がそのライナープレート６を有して昇降
スライド可能に設けられており、その上面には曲
成形面７が形成され、製品としての自動車のボデ
イーパネルのフロントピラーのアツパアウタパネ
ルの薄板厚鋼製パネル８がフラツト原材として載
置される様にされている。

又、該固定下型２には該下型クツシヨン５に併
設して固定カム９がボルト等の手段で固定されて
いる。

而して、上記下型クツシヨン５と固定カム９の
偶角部は第１図に示す様に前者はθ₁（例えば40゜）
の、後者はθ₂（例えば60゜）の垂直に対するカム面
１０，１０′を形成されており、該カム面１０，
１０′に第２図に示す様にそれぞれ両者に設けた
ガイドレール１１に沿つてライナープレート６を
介し相互にスライド可能なダブルカム機構を有し
て寄曲受動カム１２が拘束係合されておりその上
面先端部には曲刃１３がボルト等を介して交換可
能に設けられている。

該曲刃１３の曲面は下型クツシヨン５のカム面
１０に面一にされている。

一方、該下型２の上方には図示しない所定ラム
に連結されている可動上型１４が設けられて昇降
自在にされており、分割押えパツドを成す一方の
固定パツド１５がその下面に前記下型クツシヨン
５の成形面に対向する成形面１６を形成されて下
設固定され、又、該固定パツド１５に摺動可能に
併設される他の分割押えパツド１７が弾圧スプリ
ング１８を介して該可動上型１４に相対上下動可
能に設けられ、その下面には製品８に対する負角
断面成形用の成形面１９が形成されており、成形
終期では第１図に示す様に前記寄曲受動カム１２
の曲刃１３に製品８を挾持して圧接対向する姿勢
にされている。

尚、上記弾圧スプリング１８の弾圧力は予めプ
レス装置１のクツシヨン力より小さく設計されて
おり、自然伸張状態では第３図に示す様に可動パ
ツド１７の下端の方が固定パツド１５のそれより
下位にある様になり、圧縮状態で第１図に示す様
に分割押えパツドとして成形面が形成される様に
されている。

又、該押えパツド１５，１７が協働して下型ク
ツシヨン５に製品８を挾持拘束した状態以降は該
下型クツシヨン５がバランスよく下降する様に第
４図に示す様に可動上型１４に該下型クツシヨン
５に同時に当接する押えピン２０，２０……が設
けられている。

上述構成に於て、初期状態で可動上型１４が上
位姿勢にあり、下型クツシヨン５も固定下型２内
で上位置にあり、第１図に於て寄曲受動カム１２
が左斜上に在る姿勢にされて開カム状態にあると
ころで図示しないフイーダにより平板状にされて
いる製品素材が下型クツシヨン５上にセツト載置
される。

そこで、所定タイミングで可動上型１４がラム
により下降されて来ると、まず、可動パツド１７
の下端が素材に当接してずれを防止し、該素材を
曲げ始めると共にクツシヨン力より弾圧スプリン
グ１８の弾圧力が弱いため、該可動パツド１７は
相対的に可動上型１４に上がり、次いで、固定パ
ツド１５が可動上型１４と共に下降して素材に当
接し、両押えパツド１５，１７の成形面が下型ク
ツシヨン５の成形面とで素材を挾圧曲成し、可動
上型１４の押さえピン２０，２０、及び、両押え
パツド１５，１７により下型クツシヨン５がクツ
シヨンピン４，４を介して下降し始める。

従つて、該下型クツシヨン５のカム面１０に対
してガイドレール１１に拘束されている寄曲受動
カム１２は第１図に於て該下型クツシヨン５の下
降に伴い右下側にスライドし、又、固定カム９の
カム面１０′に拘束されるため、同じく右下方向
にスライドし、その曲刃１３は可動パツド１７に
よる負角断面未成形の素材に対して最適姿勢で近
接し、当接してしごき寄曲し、該可動パツドの負
角断面成形面１９と挾圧し図示する様に製品８に
対する負角断面曲成形する。

そして、可動上型１４の下降ストロークエンド
で成形が終了すると、ラムのクランク作用によ
り、可動ラム１４は復動上昇し始め、両パツド１
５，１７は下型クツシヨン５と一体的にプレス完
了製品８と共に上昇するが、上昇開始と同時に前
記ダブルカム機構により寄曲受動カム１２は図上
左上に離反後退していく。

従つて、上昇製品８は曲刃１３に阻止されず上
つていく。

そして、下型クツシヨン５が上昇ストロークエ
ンドに達すると、固定パツド１５は猶上昇して可
動上型１４は製品８から離反するものゝ、可動パ
ツド１７は弾圧スプリング１８により依然として
製品８を挾圧保持する。

最後に該弾圧スプリング１８が伸張して可動パ
ツド１７が上昇し始めると、負角断面成形面１９
が第３図に示す様に製品８の負角断面に回転モー
メントを与え左回りに回転させて下型クツシヨン
５の成形面７から飛跳させ、両パツド１５，１７
から外れ、適宜に装置外に取り出され、以下上述
成形工程を反復する。

ところで、成形初期、或は段取り替え等に於て
寄曲受動カム１２の曲刃１３が確実に可動パツド
１７の下降エリヤ外に退行していないとクツシヨ
ンピン４，４の静姿勢状態の下型クツシヨン５に
よる寄曲受動カム１２の姿勢では曲刃１３と可動
パツド１７は後者の下降で不測にして干渉して型
破損のおそれがある。

これに対処するにこの出願の発明に於てはその
都度作業者がクツシヨン機構を作動させて下型ク
ツシヨン５を上昇させなくとも、そしてその作業
を忘れた場合であつても、第５〜７図に示す実施
例の如く、下型クツシヨン５の下面の設定良バラ
ンス部位にスプリング座２０を穿設し、固定下型
２にセンターピン２１を第７図に示す様にボルト
等により取付け該固定下型２と下型クツシヨン５
間に他の弾圧スプリング１８′を介装する。

該弾圧スプリング１８′はその数、位置、強さ
に於て、下型クツシヨン５を滑らかにリフトアツ
プ出来る様に決め、総スプリング力は前記押えパ
ツド１７の弾圧スプリング１８のバネ力より大き
くされ、それによるストロークは押えパツド１７
の平面投影面内に曲刃１３が入らない様な位置ま
で該曲刃１３を充分後退させる量にされている。

従つて、成形開始時や段取り替時に於て静止状
態で固定下型２に対し下型クツシヨン５は第７図
に示す様に充分リフトアツプされ、曲刃１３は後
退して押えパツド１７と干渉せず作業者の何の操
作もなく型破損は全く生じない。

又、成形開始に伴い先述の如く固定パツド１
５、押えパツド１７が下降する工程でも弾圧スプ
リング１８の方が弾圧スプリング１８′のバネ力
より弱いため、第１図の場合と変らず、素材を当
接し、成形を始め、両パツド１５，１７が素材を
曲成形面に押圧して弾圧スプリング１８′が圧縮
され、第５図に示す様にクツシヨンピン４，４と
協働して先述の如く寄せ曲げ成形する。

そして、成形後は該弾圧スプリング１８′によ
り静止姿勢で常に第７図の様に復帰し型破損しな
い様に自動的に維持される。

尚、この出願の発明の実施態様は上述実施例に
限るものでないことは勿論であり、例えば、弾圧
スプリングの代りに圧縮性液体製、ゴム、或は、
位相遅れリング機構を用いる等の種々の態様が採
用である。

＜発明の効果＞ 前述の如く、この出願の発明によれば、負角断
面を有する薄肉パネル製品のプレス成形装置に於
て、固定下型に設ける成形カムを該固定下型に固
設した固定カムと下型クツシヨンのカム面にスラ
イドさせるダブルカム方式の寄曲受動カムとして
曲刃を有する様にしたことにより上型によつて連
動昇降する下型クツシヨンに連係して、即ち、可
動上型に連動して該曲刃が側方から近接して負角
曲げ断面成形することが出来る優れた効果が奏さ
れる。

又、可動上型に下設した負角断面成形可動パツ
ドと素材とを挾圧することが出来、該素材に対す
る全面表裏圧接状態での負角断面成形が可能とな
る効果も奏される。

而して、上記寄曲受動カムがダブルカム機構に
より側方進退可能である上に上記可動パツドが位
相差機構を介し可動上型に固定パツド併設裡に設
けられているため、該可動パツドが素材近接時前
記曲刃に干渉せずに素材を予め成形姿勢でセツト
出来る上に成形後型離れ過程でも干渉せず、更に
その負角断面形成面が製品の負角形成面に回転モ
ーメントを与えて該可動パツドは勿論、下型クツ
シヨンからも自動的に取り外すことが出来、その
ため、シヤクレ、面ひづみ等のない優れた高精度
の製品が得られる効果がある。

この様にして、成形から排出まで素材のセツト
ずれによる形状だれも防止され、壁面しごき不良
によるスプリングバツク、ひねり、面歪等の形状
不良、低品質の製品が出来ることなく、高精度の
良製品が得られ、分留も良い優れた効果が奏さ
れ、コストダウン促進に有効である利点もある。

更に又、上記固定下型と下型クツシヨンとの間
に弾機を介装させる様にしたことにより、成形終
了後、或は、加工開始時の如き静止状態に於ても
下型クツシヨンが該固定下型に対して該弾機によ
り常にリストアツプされた姿勢を維持することに
なり、従つて、前記カム面を介して寄曲受動カム
は退行された位置に在る様にされ、その曲刃は上
型パツドと何ら干渉せず、絶対に型破損が生じな
い優れた効果が奏される。

そして、作業者も加工開始の都度これに対処す
る煩瑣な作業をせずとも良く、注意をしなくても
良いメリツトがある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの出願の発明の実施例を示すものであ
り、第１図は１実施例の成形完了時断面図、第２
図は第１図の−（２部位）断面図、第３図は
製品離脱断面図、第４図は上型の下型クツシヨン
連係断面図、第５図は別の実施例の成形完了時断
面図、第６図は下型クツシヨン上昇断面図、第７
図は第６図部拡大断面図である。 １４……可動上型、１５，１７……押えパツ
ド、２……固定下型、４……クツシヨンピン、８
……製品、５……下型クツシヨン、１２……成形
カム（寄曲受動カム）、１……プレス装置、１５
……固定パツド、１７……可動パツド、１８……
弾圧スプリング、１８′……他の弾圧スプリング、
９……固定カム、１０，１０′……カム面、１９
……負角成形面、１３……曲刃。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 可動上型に製品押えパツドが付設され該上型
   に下設された固定下型にクツシヨンピンを介して
   摺動可能で製品載置下型クツシヨンと成形カムが
   設けられている負角断面製品成形プレス装置にお
   いて、上記可動上型に固定パツドが固設されると
   共に可動パツドが弾圧スプリングを介して分割押
   えパツドとして併設され、而して前記固定下型に
   固定された固定カムと前記下型クツシヨンの両カ
   ム面にスライド可能な寄曲受動カムが上記可動パ
   ツドの負角成形面に対向可能な曲刃を有している
   ことを特徴とする負角断面製品成形プレス装置。 ２ 可動上型に製品押えパツドが付設され該上型
   に下設された固定下型にクツシヨンピンを介して
   摺動可能で製品載置下型クツシヨンと成形カムが
   設けられている負角断面製品成形プレス装置にお
   いて、上記可動上型に固定パツドが固設されると
   共に可動パツドが弾圧スプリングを介して分割押
   えパツドとして併設され、一方前記固定下型に固
   定された固定カムと前記下型クツシヨンの両カム
   面にスライド可能な寄曲受動カムが上記可動パツ
   ドの負角成形面に対向可能な曲刃を有しており、
   而して該下型クツシヨンと固定下型間に他の弾圧
   スプリングが介装されていることを特徴とする負
   角断面製品成形プレス装置。