JPH0236843B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、バーナの改良に係り、特にはバー
ナ本体上に、スペーサを介して傘部材を設けるよ
うにしたこんろ用バーナに関する。

［従来の技術］ テーブルこんろ用のバーナは、中央部に二次空
気流路を備えた環状中空部内を一次空気と燃料ガ
スとの混合室とし、外周部に炎孔列を形成したバ
ナ本体と、このバーナ本体の炎孔のうち炎検知用
の感熱素子、点火用のスパーク電極などや五徳の
爪等に対応する炎孔を小炎孔部とし、熱電対の効
果的な出力を維持するとともに、爪による燃焼性
が悪くならないようにしている。

さらに、バーナ本体上にはスペーサを介して傘
部材を載置し、バーナキヤツプとの間に水平な空
間を形成している。これにより該空間が二次空気
流路からの二次空気を外部に案内し、炎孔列から
の混合ガスに空気を補うようにするとともに、煮
汁が二次空気流路の開口部に落下しないようにし
ている。

［発明が解決しようとする問題点］ ところが、傘部材を設けたがためにスペーサが
二次空気の流れを多少なりとも邪魔して該スペー
サ部に対する空気量が減少し、該小炎孔部の燃焼
性が悪化することを招来する虞れがある。

［発明の目的］ この発明は、上記事情を考慮してなされ、その
目的はスペーサが二次空気の流れを多少なりとも
邪魔して、燃焼性にはあまり問題とならないとい
つた優れた効果を奏するこんろ用バーナを提供す
るにある。

［問題点を解決するための手段］ 本発明は、こんろ本体に位置決め状態に設置さ
れた複数の爪を有する五徳と、中央部に二次空気
流路を備えた環状中空部内を一次空気と燃料ガス
との混合室とし、外周部に炎孔列を形成し、且つ
このバーナ本体の炎孔のうち感熱素子、スパーク
電極などや前記五徳の爪に対応する炎孔を通過ガ
ス量の小さな小炎孔部としたバーナ本体と、前記
バーナ本体上に柱状スペーサを介して載置された
傘部材とを備えるこんろ用バーナにおいて、前記
スペーサは、前記二次空気流路からの二次空気を
外部に案内させる空間を形成するとともに、前記
小炎孔部に対応して設置された構成を採用した。

［発明の作用と効果］ 上記のように構成した本発明によれば、傘部材
の装着用のスペーサは、あまり空気を必要としな
い小炎孔部に位置するようになるので、スペーサ
が炎孔列に対する空気補給の邪魔になるようなこ
とがあつても、空気要求量が小で済み、もつて良
好な燃焼状態を維持できるといつた優れた効果を
奏する。

［実施例］ 以下に、本発明を図に示す実施例に基づき説明
する。

先ず第１図および第２図において、９０は五徳
で、これは矩形の枠体９１に六本の爪９２ないし
９７を60度の等角度間隔で形成してなり、内部に
本発明のバーナ本体をなすバーナ１を配設してな
る。このバーナ１はバーナボデイ６とバーナキヤ
ツプ７からなり、バーナボデイ６は中央の嵌合筒
部６ａと外側の環状胴部６ｂとを互いに同心的と
なるように形成し、嵌合筒部６ａと環状胴部６ｂ
との間を混合室６Ａとしている。そして、バーナ
ボデイ６は、上面が開口し、その開口上端縁を中
心部に向かつて下降傾斜する環状面６３としてい
る。この環状面６３には、これを横切る状態に切
欠状の凹部６２のおよび凹部６２ａを五徳９０の
爪９２、９６に対応するように、120度の角度間
隔で形成している。これら凹部６２におよび凹部
６２ａの各内側端からは、混合室６Ａ内に僅かに
それぞれ突出する平坦な退避環状面６３ａおよび
退避環状面６３ｂを環状面６３と連続するように
形成している。また、バーナボデイ６の環状胴部
６ｂは、凹部６２と直径方向に対向する部分にお
いて混合室６Ａに連通するＬ字状のダクト６Ｂを
連結している。

一方、バーナキヤツプ７は皿状をなし、中央部
にはバーナボデイ６の嵌合筒部６ａに嵌合し、内
部を二次空気通路用の開口とする取付筒部７２を
形成している。また、バーナキヤツプ７の裏面側
の外周縁には、凹部６２および凹部６２ａに対応
する部分除き多数の突条７Ａが等間隔で放射状に
周設され、全体的に櫛歯状を呈している。そし
て、嵌合筒部６ａに対する取付筒部７２の嵌合に
伴い、これらの突状７Ａが環状面６３に当接して
外周側に開口する炎孔列１３を形成している。

さて、バーナキヤツプ７の凹部６２に対向する
部分には、突状７Ａよりも若干中心部寄りに退避
させて突条歯７４ａ，７５ａ，７６ａを狭い間隔
あるいは浅底にした小炎孔部Ｆ１として径方向に
設け、これら突条歯７４ａ，７５ａ，７６ａの前
方部で囲まれた部分を凹部７ａとするとともに、
該突条歯７４ａ，７５ａ，５６ａを両側で挟む長
尺歯７Ｂ，７Ｃを形成していて、この小炎孔部Ｆ
１を爪９６に対応させている。また、凹部６２ａ
に対応する部分には、突条７Ａよりも若干中心部
寄りに退避させて突条歯７４を径方向に沿つて形
成し、この突条歯７４の前方を凹部７ｂとすると
ともに、この突条歯７４を両側で挟む長尺歯７
Ｄ，７Ｅを設けている。この突条歯７４は隣接す
る長尺歯７Ｄ，７Ｅと狭い間隔あるいは浅底に設
定した小炎孔部Ｆ２としていて、この小炎孔部Ｆ
２を爪９２に対応させている。このとき、五徳９
０の爪９３，９４，９５，９７に対応する突条７
Ａの間〓における高さ寸法を狭め通過ガス量を減
ずる小炎孔部Ｆ３，Ｆ４，Ｆ５，Ｆ６としてい
る。

さらに、バーナキヤツプ７には、突条歯７４
ａ，７５ａ，７６ａに対して略直径方向に対応す
る位置に突子７Ｘを形成し、この突子７Ｘをバー
ナボデイ６における嵌合筒部６ａに設けた切欠き
６Ｘに対応させている。

しかして、バーナボデイ６に対するバーナキヤ
ツプ７の装着に伴い、突子７Ｘが切欠き６Ｘに嵌
まつて回止めとともに位置決めがなされ、突条歯
７４ａ，７５ａ，７６ａおよび突条歯７４が第３
図に示すように、退避環状面６３ａおよび退避環
状面６３ｂ上にそれぞれ当接する。これと同時
に、バーナキヤツプ７の凹部７ａがバーナボデイ
６の凹部６２と合致し、凹部７ｂが凹部６２ａに
合致する。これらの凹部７ａ，６２に後述する安
全装置４における熱電対１０を収容し、凹部７
ｂ，６２ａには点火装置のスパーク電極９を収容
している。

９８は上表面が緩かな球面上をなす傘部材で、
これはバーナキヤツプ７よりも、例えば３mm程度
径大に形成されて内面側に垂直壁状の係止部９９
を形成している。この傘部材９８は、バーナキヤ
ツプ７の上面に小炎孔部Ｆ３，Ｆ５，Ｆ６に対応
するようにスペーサとして立設したスタツド１０
０により着脱可能に装着されている。この状態で
は、傘部材９８の係止部９９はスタツド１００に
嵌合状態になつて位置決めされ、傘部材９８の外
周縁はバーナキヤツプ７の外周縁部よりも３mm程
度外部にはみ出てバーナキヤツプ７側に僅かに突
出るフランジ状の庇部１０１を一体的に形成して
いる。この庇部１０１は、内周面側において外方
に向かつて下降傾斜するテーパ部１０１ａを設
け、バーナキヤツプ７の外周縁に若干の隙間を隔
てて臨ませている。

このように構成されたバーナ１は、第４図に示
す如く、本発明のこんろ１００ａに組み込まれて
いる。このこんろ１００ａにおいて、２は該バー
ナ１へのガス供給系、３はバーナ１の点火装置、
４は安全装置、５はこれらの部材が収容されたこ
んろケースである。

一方、混合管８はダクト６Ｂに連結され上流側
部８１が燃料であるガスと一次空気との導入部と
され、端面には一次空気の取り入れ口８２が設け
られている。

ガス供給系２は、ガス導管２１、弁２２およ
び、先端が前記混合管８内に差し込まれたノズル
２３を有し、弁２２は、つまみ２４の操作により
開閉されるとともに、前記熱電対１０の出力によ
り開状態を維持できるようになつている。

点火装置３は、スパーク電極９と、圧電素子と
該圧電素子に衝撃を与えるための打撃機構との組
合せ、または乾電池と高電圧バルス発生回路との
組合せからなる高電圧発生手段３２と、これらを
接続するリード線３３とからなる。この高電圧発
生手段３２は、通常前記つまみ２４により作動さ
れ、前記弁２２を開く動作に連動してスパーク電
極９に火花が発生し、バーナ１に対する着火が行
われるようになつている。

安全装置４は、熱電対１０と、その出力で前記
弁２２の弁体を開いた状態で維持するよう前記弁
２２内に設けられている電磁石（図示せず）から
なり、生じた炎により加熱され、熱電対１０が設
定温度以上となつているときは、弁２２は開いた
状態に保たれ、消化などにより熱電対１０の温度
が設定値より低下するとスプリング（図示せず）
の作用で前記弁体は閉弁方向に作動する。

つぎに、こんろ用バーナ１の作用を説明する。

つまみ２４を回すと弁２２が開き、該分２２の
下流に連結されたノズルからガス噴出される。こ
のガスの噴出流により一次空気の取り入れ口８２
から、エジエクターの作用により空気が吸い込ま
れ、混合管８内で混合されバーナボデイ６の混合
室６Ａ内に供給される。前記つまみ２４の動作に
連動して点火装置３が作動し、スパーク電極９に
より火花が生じる。この火花により炎孔列か１３
から外周囲に噴出した空気・燃料ガスとの混合ガ
スに着火され、炎を生成して調理鍋１２が加熱さ
れる。

このとき、二次空気が第３図に矢印で示すよう
に、二次空気流路としての取付筒部７２内から傘
部材９８の内面とバーナキヤツプ７の上面との間
の水平な空間を通過して外部に吐出されるが、上
記構成では、小炎孔部Ｆ１ないしＦ６は二次空気
の補給をあまり必要としないという事実に基づ
き、スタツド１００を小炎孔部Ｆ３，Ｆ５，Ｆ６
に対応するように配置したので、スタツド１００
が炎孔列１３に対する二次空気流の悪影響になこ
とが少なく燃焼不良状態を惹起することがない。

また、傘部材９８を設けたことに伴い調理鍋１
２から煮こぼれが外部に溢れ出ても、傘部材９８
上に受けられるため、二次空気が通過する取付筒
部７２の内周面などに煮こぼれなどが落ちること
がない。

さらには、傘部材９８には、特に庇部１０１を
形成したことから、傘部材９８上を下方に流れる
煮こぼれなどは外周縁部に至つたところで庇部１
０１により水切り状態に流下する。このため、煮
こぼれは迅速に落下するといつた実施例上の効果
が得られる。しかも、傘部材９８はバーナキヤツ
プ７に対して着脱可能になつていることから煮こ
ぼれによる汚損後の傘部材９８は、取り外しによ
り水道水などで簡単に洗浄できる。

さらには、二次空気は前述の如く第３図の矢印
のように取付筒部７２の内部からバーナキヤツプ
７の上面と傘部材９８の下面との間を経て庇部１
０１のテーパ部１０１ａに案内されつつ上部に抜
けるが、かかる二次空気の流れにより炎孔列１３
からの炎がリフトすることが効果的に抑制されて
炎の状態が安定し、良好な燃焼性を確保すること
ができる。

このように炎のリフトがなくなり、安定するこ
とに伴い、熱電対１０に対する加熱状態が良好に
なり、熱電対１０の誤動作がなくなり、初期の正
常な機能が保全されるといつた実施例上の効果も
得られる。

なお、上記実施例では、傘部材９８に係止部９
９を設け、バーナキヤツプ７にスタツド１００を
立設したが、これとは逆に傘部材にスタツドを設
け、バーナキヤツプ７に係止部として例えば凹部
や環状溝を形成するようにしてもよい。

また、上記実施例では、凹部６２ａ，７ｂを設
け該凹部６２ａ，７ｂにスパーク電極９を収容し
たが、凹部６２ａ，７ｂを省略して点火バーナに
より炎孔列１３からの混合ガスに着火する直下式
となるように構成してもよい。また、熱電対１０
は省略されたものにも適用でき、さらには、熱電
対やスパーク電極がバーナ本体の外方に位置して
いるものにも適用できる。

加えて、上記実施例では、バーナボデイ６とバ
ーナキヤツプ７とを別体に形成したが、これらを
一体に形成してバーナ本体としてもよい。

さらには、上記実施例では、凹部７ｂの上方を
切欠状に形成したが、これのみに限定されず、切
欠きがないものであつて、突条歯７４の先端部に
囲まれる前方のみを凹部としてもよい。このこと
は凹部７ａについても同様である。

また、上記実施例では五徳９０の爪ないし９７
を六本設けたが、この本数にのみ限定されないこ
とは勿論である。

加えて、上記実施例では、傘部材９８をバーナ
キヤツプ７よりも３mm程度径大に形成し、この程
度の長さ寸法だけ外方にはみ出すようにしたが、
はみ出し量はこれに限定されることなく、適宜の
寸法にしてもよいことは勿論である。

その他、具体的な実施にあたつては、スペーサ
としてはスタツド１００のみに限られず、ピンを
用いてもよいなど本発明の要旨を逸脱しない範囲
で種々変更できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本発明の一実施例を示
し、第１図はバーナキヤツプとバーナボデイとの
分解斜視図、第２図はこんろとともに示す拡大分
解斜視図、第３図は要部の拡大断面図、第４図は
こんろの概略図である。 図中１……バーナ（バーナ本体）、６……バー
ナボデイ、７……バーナキヤツプ、７Ａ……突
条、９……スパーク電極、１０……熱電対、１３
……炎孔列、Ｆ１ないしＦ６……小炎孔部、９８
……傘部材、１００……スタツド（スペーサ）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ こんろ本体に位置決め状態に設置され複数の
   爪を有する五徳と、 中央部に二次空気流路を備えた環状中空部内を
   一次空気と燃料ガスとの混合室とし、外周部に炎
   孔列を形成し、且つこのバーナ本体の炎孔のうち
   感熱素子、スパーク電極などや前記五徳の爪に対
   応する炎孔を通過ガス量の小さな小炎孔部とした
   バーナ本体と、 前記バーナ本体上に柱状スペーサを介して載置
   された傘部材とを備えるこんろ用バーナにおい
   て、 前記スペーサは、前記二次空気流路からの二次
   空気を外部に案内させる空間を形成するととも
   に、前記大炎孔部に対応して設置されたことを特
   徴とするこんろ用バーナ。