JPH0236794Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の技術分野 この考案は、子供用三輪車に関する。

考案の背景 子供用三輪車は、たとえば製造工場から販売店
にまで輸送されるとき、あるいは販売店から購入
者の家にまで運ばれるとき、所定のケースに入れ
て梱包される。この場合、梱包寸法は小さい方が
好ましい。なぜなら、梱包寸法を小さくすれば、
たとえば１台の輸送車に積み込むことのできる数
量が多くなり、輸送コストの低減につながる。さ
らに、購入者の家にまで運ぶとき、その持ち運び
が便利になる。

考案の目的 それゆえに、この考案の目的は、梱包寸法を小
さくすることのできる子供用三輪車を提供するこ
とである。

考案の構成 この考案に従つた子供用三輪車は、サドルが固
定して取付けられるサドル支持棒と、後輪を有す
る後脚が固定して取付けられる後脚固着ブラケツ
トとを備える。後脚固着ブラケツトは、サドル支
持棒に回動可能に取付けられる。サドル支持棒に
は、前後方向に延びた長孔が形成される。子供用
三輪車は、この長孔を挿通してサドル支持棒の外
部にまで突出する係合ピンと、この係合ピンが長
孔内を前方に向つて移動するよう付勢するばねと
をさらに備える。

後脚固着ブラケツトは、サドル支持棒に当接す
ることによつて当該後脚固着ブラケツトの後方へ
の回動の終端を規定する当り面と、係合ピンが長
孔内の前方に位置しているときこの係合ピンと係
合し得る係合凹部とを有している。そして、係合
ピンと係合凹部とを係合しているときには、後脚
固着ブラケツトの前方への回動が禁止される。一
方、係合ピンをばねの力に抗して後方へ移動させ
係合ピンと係合凹部との係合を外せば、後脚固着
ブラケツトの前方への回動が許容される。

好ましい構成として、後脚固着ブラケツトは、
係合凹部に続く位置に係合ピンをガイドするため
のガイド部を有している。したがつて、後脚固着
ブラケツトを後方へ回動させれば、係合ピンと係
合凹部とが係合するのに先立ち係合ピンはガイド
部によつて押圧されて後方へ移動する。

実施例の説明 第１図は、この考案の一実施例を示す側面図で
あり、第２図はその斜視図である。第１図では、
便宜上サドルを想像線で示している。

子供用三輪車１は、サドル２と、ハンドル３
と、後輪４とを備えている。ハンドル３の上部
５，６は横方向に折曲げられて握り部を形成し、
その下端部には前輪７とペダル８とが取付けられ
る。後脚４は略Ｖ字形状をなし、その下端部に後
輪９，１０が取付けられる。

サドル２は、前後方向に延びたサドル支持棒１
１に固定して取付けられる。このサドル支持棒１
１は、第３図にその斜視図が示されている。サド
ル支持棒１１は、その後方部に左右方向に延びた
第１取付プレート１２が固着され、その前方部に
左右方向に延びた第２取付プレート１３が固着さ
れている。サドル２は、サドル支持棒１１に取付
けられる前の状態では、上半分と下半分とが分離
されている。そこで、まず最初に、第１取付プレ
ート１２の両端部に形成されている穴１４，１５
および第２取付プレート１３の両端部に形成され
ている穴１６，１７にそれぞれ挿通されるねじに
よつてサドル２の下半分をサドル支持棒１１に固
定して取付ける。その後、サドル２の上半分を下
半分の上に載せ、溶着によつてそれらを一体化す
る。

第１図に示すように、ハンドル３のほぼ中央部
には、間隔をもつて配置された２枚の固着プレー
ト１８，１９が固着されている。サドル２の前端
部分はこの２枚の固着プレート１８，１９の間を
通るようにされる。第３図に示すように、サドル
支持棒１１の前端部分には上下方向に貫通した貫
通穴２０が形成されている。そして、ハンドル３
とサドル２とは、固着プレート１８、貫通穴２０
および固着プレート１９を挿通するボルト２１を
介して連結される。また、サドル２と固着プレー
ト１９との間にはクツシヨン用スプリング２２が
配置される。こうして、ハンドル３は、ボルト２
１を回転軸心として回転することができる。

サドル支持棒１１には、ピン２３を介して後脚
固着ブラケツト２４が回動可能に取付けられてい
る。第４図は、この後脚固着ブラケツト２４の斜
視図を示す。図示するように、後脚固着ブラケツ
ト２４には、後脚４の上端部分がたとえば溶接に
よつて固着される。なお、図では明らかにされて
いないが、サドル２の底部には、後脚固着ブラケ
ツト２４および後脚４の回動を許容するための開
口が形成されている。

第３図を参照して、サドル支持棒１１には、左
右方向に貫通し前後方向に延びた長孔２５が形成
され、この長孔２５には係合ピン２６が挿通され
る。係合ピン２６は、長孔２５内を前後方向に移
動することができ、しかもその両端がサドル支持
棒１１の両側面上に突出するような長さとされて
いる。また、サドル支持棒１１は、長孔２５より
も後方に位置する場所に左右方向に貫通した穴２
７を有している。この穴２７には、ピン２８が固
定して取付けられる。そして、係合ピン２６とピ
ン２８との間にはばね２９が配置され、これによ
り係合ピン２６は長孔２５内を前方に向かつて移
動するように付勢される。

第１図および第４図を参照して、後脚固着ブラ
ケツト２４はその後部に当り面３０を有してい
る。この当り面３０は、後脚固着ブラケツト２４
が後方へ回動されたときサドル支持棒１１の底面
に当接し、それによつて後脚固着ブラケツト２４
の後方への回動の終端を規定する。また、当り面
３０の上方には、係合凹部３４が形成されてい
る。この係合凹部３１は、係合ピン２６が長孔２
５内の前方に位置しているときこの係合ピン２６
と係合し得るようにされる。

第１図に示す状態では、後脚固着ブラケツト２
４の当り面３０がサドル支持棒１１の底面に当接
しているので、後脚４の後方への回動が禁止され
る。さらに、係合ピン２６と係合凹部３１とが係
合しており、そのため後脚固着ブラケツト２４す
なわち後脚４の前方への回動も禁止される。そし
て、係合ピン２６と係合凹部３１との係合ばね２
９によつて容易に外れないように付勢されている
ので、通常の使用時に後脚４が不意に前方へ向か
つて回動するということはない。

第１図を参照して、子供用三輪車１をたとえば
所定のケースに入れて梱包しようとするときに
は、まずボルト２１を取り外すことによつてハン
ドル３とサドル２とを分離する。次に、係合ピン
２６をばね２９の力に抗して後方へ移動させ、係
合ピン２６と係合凹部３１との係合を外す。そし
て、その状態で後脚固着ブラケツト２４すなわち
後脚４を前方へ回動させる。

第５図は、後脚４を前方を回動させた後の状態
を示している。図中想像線で示す後脚４の位置
は、回動される前の状態すなわち第１図に示す状
態である。また、この第５図には、後脚４が回動
される前と回動された後のそれぞれの状態におい
て、サドル２と後脚４とからなる部品に外接する
長方形３２，３３が示されている。この２個の長
方形３２，３３を比較すれば明らかなように、後
脚４を前方へ回動させることによつてサドル２と
後脚４とからなる部品に対して梱包時に必要とさ
れる容積はかなり小さくなる。したがつて、それ
に応じて、子供用三輪車の梱包寸法も小さくな
る。

第６図は、子供用三輪車１が梱包されるときの
状態を示している。前述したように、後脚４は前
方へ回動されており、この後脚４とサドル２とか
らなる部品の下にハンドル３が置かれる。この場
合、ハンドル３の上部５，６は２個の後輪９，１
０の間に位置するようにされ、前輪７はサドル２
の後方部の下に位置するようにされる。

たとえば子供用三輪車１を購入した者が自宅で
組立てるときには、以下のようになされる。第１
図を参照して説明する。まず、係合ピン２６をば
ね２９の力に抗して後方へ移動させ、その状態で
後脚４を後方へ回動させる。そして、係合ピン２
６と係合凹部３１とを係合させる。次に、サドル
２の前方部をサドル支持棒１１に固着されている
２枚の固着プレート１８，１９の間に挿入し、そ
の後ボルト２１を介してハンドル３とサドル２と
を連結する。こうして、第１図に示す状態が得ら
れる。

なお購入者にとつて見れば、後脚４を後方へ回
動させるのに先立ち係合ピン２６を後方へ移動さ
せることが困難であるかもしれない。そのため、
好ましくは、係合ピン２６の後方への移動を容易
に行なうための構成が採用される。すなわち、第
１図および第４図に示すように、係合凹部３１に
続く後脚固着ブラケツト２４の外面３２は滑らか
な曲線を描くような形状とされ、それによつて係
合ピン２６をガイドするためのガイド部を形成し
ている。このガイド部３２の存在によつて、係合
ピン２６を後方へ移動させるための操作が非常に
簡単なものとなる。このことは、第７図ないし第
９図を順に追つていけば容易に理解される。すな
わち、係合ピン２６に手を触れることなく後脚４
を後方へ回動させれば、まず後脚固着ブラケツト
２４のガイド部３２が係合ピン２６に当接する。
この状態が第７図に示される。そして、後脚４を
第７図に示す状態からさらに後方へ回動させれ
ば、係合ピン２６はガイド部３２によつて押圧さ
れ、第８図に示すように後方へ移動する。そし
て、第８図に示す状態から後脚４をさらに後方へ
回動させれば、係合ピン２６はばね２９の働きに
よつて前方へ移動し係合凹部３１と係合する。こ
の状態が第９図に示される。以上のように、ガイ
ド部３２を設ければ、後脚４を後方へ回動操作す
るだけで係合ピン２６と係合凹部３１とを係合さ
せることができる。

考案の効果 以上のように、この考案によれば、後脚固着ブ
ラケツトをサドル支持棒に回動可能に取付けてい
るので、梱包時には後脚を前方へ回動させて梱包
寸法を小さくすることができる。また、後脚固着
ブラケツトに形成されている当り面がサドル支持
棒に当接することによつて後脚固着ブラケツトの
後方への回動の終端が規定され、さらに係合ピン
と係合凹部とがばねによつて付勢されながら係合
することによつて後脚固着ブラケツトの前方への
回動が禁止されるので、通常の使用時において後
脚が不意に回動するということを避けることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の一実施例を示す側面図で
ある。第２図は、この考案の一実施例の斜視図で
ある。第３図は、第１図に示されているサドル支
持棒１１を示す斜視図である。第４図は、第１図
に示されている後脚固着ブラケツト２４の斜視図
である。第５図は、第１図に示されているハンド
ル３から分離されたサドル２および後脚４を示す
側面図であり、後脚４は前方へ回動されている。
第６図は、第１図に示されている子供用三輪車が
梱包されるときの状態を示す図である。第７図
は、後脚固着ブラケツト２４のガイド部３２と係
合ピン２６とが当接している状態を示す側面図で
ある。第８図は、第７図に示す状態から後脚４を
さらに後方へ回動させた後の状態を示す図であ
る。第９図は、第８図の状態から後脚４をさらに
後方へ回動させた後の状態を示す図である。 図において、１は子供用三輪車、２はサドル、
４は後脚、２４は後脚固着ブラケツト、２５は長
孔、２６は係合ピン、２９はばね、３０は当り
面、３１は係合凹部、３２はガイド部を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) サドルが固定して取付けられるサドル支持棒
   と、 後輪を有する後脚が固定して取付けられ、前
   記サドル支持棒に回動可能に取付けられる後脚
   固着ブラケツトとを備え、 前記サドル支持棒には、前後方向に延びた長
   孔が形成され、 前記長孔を挿通して前記サドル支持棒の外部
   にまで突出する係合ピンと、 前記係合ピンが前記長孔内を前方に向かつて
   移動するように付勢するばねとをさらに備え、 前記後脚固着ブラケツトは、前記サドル支持
   棒に当接することによつて当該後脚固着ブラケ
   ツトの後方への回動の終端を規定する当り面
   と、前記係合ピンが前記長孔内の前方に位置し
   ているときこの係合ピンと係合し得る係合凹部
   とを有し、 前記係合ピンと前記係合凹部とが係合してい
   るときには前記後脚固着ブラケツトの前方への
   回動が禁止され、前記係合ピンを前記ばねの力
   に抗して後方へ移動させ前記係合ピンと前記係
   合凹部との係合を外せば、前記後脚固着ブラケ
   ツトの前方への回動が許容される、子供用三輪
   車。 (2) 前記後脚固着ブラケツトは、前記係合凹部に
   続く位置に前記係合ピンをガイドするためのガ
   イド部を有しており、したがつて 前記後脚固着ブラケツトを後方へ回動させれ
   ば、前記係合ピンと前記係合凹部とが係合する
   のに先立ち前記係合ピンは前記ガイド部によつ
   て押圧されて後方へ移動する、実用新案登録請
   求の範囲第１項記載の子供用三輪車。