JPH0236457Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、主として玉縁を備えたポケツトの開
口部に取付られるジツパー用のガイドに関し、特
に上記ジツパーを安定的に支持すると同時に、そ
のリボンを玉生地に正確に縫着し得るようにした
ものである。

〔従来の技術及びその問題点〕

従来この種ジツパーガイドとしては、例えば第
４図に示したように、身頃生地ロを伴つてテーブ
ルイ上を移動する両側の大押えハの上面に沿つて
作動可能に対設され、Ｔ型定規ニで押止された玉
生地ホを折返すようにした折込み板ヘを一定厚
（約３mm）の平板で構成し、該平板の内縁近くに
沿つてジツパーの務歯部とその一端に位置せしめ
たスライダーＳとが、それぞれ嵌入可能な溝部ト
を設けた上、該溝部にセツトされたジツパーを別
途ジツパー押えチによつて押止するようにしたも
のが知られている。

しかしながら上記ジツパーガイドは、その内縁
が一定の厚みを有するところから、これを最大限
に内方へ移動させても、比較的硬直であるジツパ
ーのリボンは縫製位置Ｐにおいて上記玉生地との
間に一定の間隙リの発生が避けられず、特に縫い
始めにおける糸締まりが悪くなるばかりでなく、
該部分とその他の部分とにおいて縫巾が不揃いに
なる等、美麗に仕上げることができなかつたもの
である。

更に、一般のジツパーにおけるスライダーＳ
は、胴体Saの一面に突成された柱Sbを介して引
き手Scを取付けてなるものであるから（第２図
参照）、上記平板からなる従来のジツパーガイド
の溝部トでは、スライダーの嵌入深さが制限さ
れ、大型のスライダーを備えたジツパーの縫着に
当たつては、そのスライダーエンドがポケツトの
外方にはみ出すことを余儀なくされる等、種々の
問題点が見られたものである。

〔問題点を解決する手段〕

そこで本考案は、自動玉縁縫製機の大押え上
に、Ｔ型定規を挟んで移動自在に対設され、それ
ぞれの対向面にジツパーの務歯部及びスライダー
が嵌入可能な凹溝を備えたジツパーガイドにおい
て、対向面をその延長線とＴ型定規の水平面とが
縫製位置のそれぞれの外側で交差するように傾斜
し、ジツパーのリボンを玉生地と密着させるとい
う手段を用いた。

〔作用〕

本考案のジツパーガイドは、対向面をその延長
線とＴ型定規の水平面とが縫製位置のそれぞれ外
側で交差するように傾斜し、ジツパーのリボンを
玉生地と密着させる構成としたため、上記リボン
と玉生地とは縫製位置に沿つて隙間なく一体に縫
着されるという作用を有する。

〔実施例〕

以下、本考案の構成を図面に示す実施例に基づ
いて更に具体的に述べると、１は自動玉縁縫製機
のテーブルＴ上における身頃生地MCを押圧して
縫い方向に移動させるようにした大押え、２は上
記大押え１の中間部において玉生地TCを身頃生
地上に押止するＴ型定規、又３は上記Ｔ型定規２
を挟んで対設され、上記大押え１上を内方向へ移
動自在としたジツパーガイドであつて、これを厚
肉に構成し、各対向面３′，３′を約50゜傾斜せし
めて該対向面の延長線がＴ型定規の水平面と縫製
位置７の外側でそれぞれ交差する構成としてい
る。４，４′は上記各対向面に沿つて設けられ、
所定長のジツパーの務歯部Ｚと、その一端に取付
けられたスライダーＳとが嵌入可能な凹溝を設け
たものである。

尚、図中５はエアーシリンダー６等によつて作
動するジツパー押えを示す。

次に、上記ジツパーガイドに対するジツパーの
セツト手順について述べると、先ずテーブルＴ上
の身頃生地MCを押圧した大押え１上に玉生地
TCを載せ、その中央部をＴ型定規２で押止した
後、相対向するジツパーガイド３，３をそれぞれ
内方へ作動せしめることによつて、玉生地TCを
Ｔ型定規２に沿つて折返すことは、通常の玉縁縫
製手段と同様である。

しかる後、上記凹溝４，４′にジツパーの務歯
部Ｚ及びスライダーＳを嵌入することにより、対
向面３′に沿つてセツトされるリボンＲは縫製位
置７において確実に玉生地TCに密接した状態と
なる。そこで上記ジツパー押え５を作動させてジ
ツパーを固定した上、上記リボンと玉生地、及び
必要に応じてポケツトの袋地（図示せず）を同時
に身頃生地MCに縫着するのである。

また引続き、上述した要領で他側のリボンＲと
玉生地TCを縫合することは当然である。

尚、本考案のジツパーガイド３，３は、比較的
厚肉に構成したものであるから、その凹溝４，
４′を充分深く穿設可能となり、厚肉の大型スラ
イダーを有するジツパーに対しても適用できる。

〔考案の効果〕

以上述べたように、本考案の自動玉縁縫製機に
おけるジツパーガイドは、対向面をその延長線と
Ｔ型定規の水平面とが縫製位置の外側で交差する
ように傾斜することで、ジツパーのリボンがその
全長に亘つてＴ型定規の水平面に巻かれた玉生地
に、隙間なく密接した状態で縫製し得るものであ
る。そのため、縫い始めにおける糸締まりが良
く、又一定の縫い巾で縫合できるのでジツパーの
縫着が確実且つ美麗に行えるという格別の効果を
有する。又、本考案のジツパーガイドは、上述し
た対向面の傾斜により狭い針巾で縫着する必要の
あるジツパーに対しても充分対応することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案ジツパーガイドの一部切欠正面
図、第２図はそのＡ−Ａ線における部分拡大断面
図、又第３図は第２図におけるジツパーガイドの
凹溝の正視図であり、更に第４図は従来のジツパ
ーガイドを示す正面図である。 尚、図中１……大押え、２……Ｔ型定規、３…
…ジツパーガイド、４，４′……凹溝、５……ジ
ツパー押え。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動玉縁縫製機の大押え上に、Ｔ型定規を挟ん
   で移動自在に対設され、それぞれの対向面にジツ
   パーの務歯部及びスライダーが嵌入可能な凹溝を
   備えたジツパーガイドにおいて、対向面３′，
   ３′をその延長線とＴ型定規の水平面とが縫製位
   置７のそれぞれ外側で交差するように傾斜し、ジ
   ツパーのリボンを玉生地に密着させたことを特徴
   とする自動玉縁縫製機におけるジツパーガイド。