JPH0235901Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は、人体局部を洗浄する衛生洗浄装置
に関し、特に手洗用水栓を取り付けたシスタンク
より前記洗浄装置へ洗浄水を給送するタイプの洗
浄水供給装置に関する。

「従来技術およびその問題点」 この種の装置として、シスタンク内の水を洗浄
装置へ給送し人体局部の洗浄水として使用するタ
イプのものが知られている。しかし、こうしたタ
イプの装置のシスタンクに手洗用水栓が設けられ
ていると、手洗いに使つた水を人体洗浄用に再使
用することとなり、衛生上問題があつた。

これに対し従来、特開昭55−146168号公報に見
られるように、手洗水をシスタンク内に具備され
る溢水管より排水させ、前記衛生上の問題に対し
改善を施した装置が知られているが、手洗水を溢
水管へ案内する漏斗材を、シスタンクの内部配置
に応じて作成し、しかもシスタンク天部に接着等
により位置決めしなければならず、部品の汎用性
や設置時の作業性に難があつた。

「問題点を解決するための手段」 この考案は上記した従来の問題点に対処し、シ
スタンク内に臨ませて給水管を配設すると共に、
シスタンク天部の手洗水の流入口の下部からシス
タンク内に具備される溢水管の上端流入口へ至る
上方を開放した受水樋を設け、この受水樋には、
受水樋より下方へ延設され溢水管の外周に重合す
る案内筒と、該案内筒の上部に内設され受水樋と
連通する短筒とを備え、受水樋は、案内筒におい
て溢水管に固定されると共に、前記手洗口からシ
スタンク内に流入する手洗水を受けて前記短筒よ
り溢水管へ排出させるよう構成して、在来のシス
タンクに容易に取り付けができ、タンク内に流入
する手洗水を確実に溢出管内へ排出できるように
したものである。

「実施例」 以下、この考案の実施例について図面を用いて
説明する。１は便器で、この便器１上面には便座
２が備えられている。３は便器１の洗浄水を供給
するシスタンクで、水道４より給水管５によつて
給水され、シスタンク３内に於いて一定水量とな
るように止水弁６（ボールタツプ）によりその給
水を制御されている。７はシスタンク３の上部に
設けた手洗用水栓で、止水栓６の吐出側を分岐し
て止水栓６の開口時に該水栓７よりシスタンク３
内に手洗水を流出させる。８はシスタンク３の蓋
で、この蓋８の手洗用水栓７の対応する位置に水
受凹部９を周縁に形成した流入口１０が設けられ
ている。１１はシスタンク３内に於いて流入口１
０よりの手洗水を受けるよう上方を開放して設け
られた受水樋で、この樋１１は止水栓６の停止水
位より上方に位置させ流入口１０よりの水のみが
流れるようにしている。１２は止水栓６のフロー
トである。

１３は受水樋１１に連なる排水管であり、下方
に延設して案内筒１４を設け、この案内筒１４に
おいて下記溢水管１９の外周に重合する。案内筒
１４の内側には同心状でかつ異径の複数の段部１
５を備え、下方側に径大となるように形成して、
径の異なる各種溢水管１９ともガタツキや芯ズレ
が少なく嵌合できるよう配慮されている。また、
案内筒１４には縦方向に複数のスリツト３０を設
けて下端が切り離されており、案内筒１４下端外
周よりバンド１７で締め付けられることにより、
案内筒１４が撓んで溢水管１９に密着し、溢水管
１９にしつかりと固定される。１６は案内筒１４
下端に設けられる環状突起で、前記バンド１７を
固定する。１８は案内筒１４の上端部に内設され
る短筒で、受水樋１１と連通して該樋１１で受け
た手洗水を溢水管１９へ案内する。

前記溢水管１９は、シスタンク３のオーバーフ
ローを防止するためのもので、シスタンク３の底
部にまで延在され、この溢水管１９の下端部では
洗浄水排出口２０に連結されている。２１は溢水
管１９の下部に形成した吐出弁で、シスタンク３
内に連通する溢水管１９を一部分岐させて形成し
た開口２２を開閉する。２３は吐出弁２１の開閉
コツクで、シスタンク３の外壁面に備えられ、操
作に伴い吐出弁２１を開弁させシスタンク３内の
水を便器１内に流出させる。

２３′は洗浄装置で、便座２の後背面に備えた
洗浄ノズル２４と、シスタンク３内より洗浄ノズ
ル２４へ給水するポンプ２５と、具備した発熱体
２６により洗浄水を加熱して貯える温水タンク２
７とより成り、この洗浄装置２３′は便座２の側
方やトイレの壁面等に取り付けられる。２８は温
水タンク２７への給水管で、シスタンク３の内部
に臨ませて該タンク２７内への洗浄水を導入する
ようにしている。

「考案の効果」 この考案は以上のように構成され、次のような
効果を奏する。

シスタンク内に流入する手洗水は受水樋で受け
止められ、内設される短筒より溢水筒内へ確実に
排出され、人体局部洗浄用に使用されるシスタン
ク内の水に混入しないので、常にきれいな水を洗
浄水として使用できる。

手洗水を受ける受水樋は、少なくともその案内
筒において溢水管に嵌合し支持されるので、前記
従来の装置のようにシスタンク内面に漏斗材を接
着する等の作業が不要で、受水樋を容易に取り付
けることができ、また手洗水の流入口に対する位
置決めも、受水樋を取り付けた後手洗水の流入口
に合わせて回動させるだけの簡単な操作で行なう
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案一実施例の使用状態斜視図。第
２図は同実施例の構成説明図。第３図は実施例の
要部断面図。第４図は実施例の要部斜視図であ
る。 １は便器、３はシスタンク、６は止水栓、７は
手洗用水栓、１０は手洗水の流入口、１１は受水
樋、１４は案内筒、１５は段部、１８は短筒、２
３′は洗浄装置、２４は洗浄ノズル、３０はスリ
ツト。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 人体局部を洗浄する衛生洗浄装置を付設した
   便器であつて、手洗用水栓を取り付けたシスタ
   ンクより前記洗浄装置へ洗浄水を給送するタイ
   プの洗浄水供給装置において、前記シスタンク
   内に臨ませて給水管を配設すると共に、シスタ
   ンク天部の手洗水の流入口の下部からシスタン
   ク内に具備される溢水管の上端流入口へ至る上
   方を開放した受水樋を設け、この受水樋には、
   受水樋より下方へ延設され溢水管の外周に重合
   する案内筒と、該案内筒の上部に内設され受水
   樋と連通する短筒とを備え、受水樋は、案内筒
   において溢水管に固定されると共に、前記手洗
   口からシスタンク内に流入する手洗水を受けて
   前記短筒より溢水管へ排出させることを特徴と
   する衛生洗浄便器の洗浄水供給装置。 (2) 受水樋の案内筒には、その内側に同心状の段
   部を内径が下方側に径大となるように１箇所以
   上設けると共に、その下端を複数に切り離す縦
   方向のスリツトが備えられたことを特徴とする
   実用新案登録請求の範囲第１項記載の衛生洗浄
   便器の洗浄水供給装置。