JPS5835749Y2 - ロ−タンク付大便器に装備せられる肛門洗浄機用給水装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、ロータンク付大便器に装備せられる肛門洗
浄機用給水装置に関する。

近時、衛生的見地及び痔の予防等の医学的見地より、肛
門に向けて洗浄湯又は噴射するようになされた肛門洗浄
機を大便器、特に洋風大便器に装備するようになって来
た。

ところで、該肛門洗浄機を既設の大便器に装備する場合
には、肛門洗浄機への給水を行なうために、次の如き特
別の給水工事を必要とした。

即ち、ロータンク直前の止水栓又はフラッシュバルブを
取外し、これらに代えて分岐吐水口を一体的に備えた特
別な形状の止水栓やフラッシュバルブを取付けたり、ま
たは給水管と、ロータンク直前の止水栓やフラッシュバ
ルブとの連結を一旦解き、両者の間に分流継手を介在さ
せて、それらを再び連結する等して、要するに給水管の
途中に分岐吐水口を形成し、該分岐吐水口と洗浄機とを
通水管で連通させていた。

しがし、上記工事に際しては、一般家庭にはない特殊な
工具を用いなければならないばかりが、連結部がらの漏
水を防止する為に特別な配管技術を必要とするため、主
婦等の素人には到底出来るものではなく、従って専門の
水道工事業者に工事を依頼しなければならないという欠
点があった。

そこで、上記欠点を除く目的で、ロータンク付大便器に
ついては、ロータンク内に揚水ポンプを入れ、該揚水ポ
ンプによりロータンク内の水を肛門洗浄機に送り込むこ
とが考えられたが、該手段にも次の如き欠点があった。

即ち、手洗付ロータンクにあっては、用便後の汚れた手
を洗った後の汚染された水が貯溜されるようになされて
いるものであるから、鉄水を肛門洗浄に使用することは
、衛生上の観点がらは避けなければならなかった。

ところが、手洗付ロータンクは手洗い水を汚物洗浄にも
利用する形式であって密閉型ロータンクに比較して節水
出来る利点があり、他方ロータンクはフラッシュバルブ
と相違し水圧の影響を受けないという利点があるという
理由により、一般家庭では手洗付ロータンクが他の２種
を大きく引き放して一番普及しているにも拘らず、その
一番普及している手洗付ロータンクに使用出来ないとい
うことは、実質的には上記手段をほとんど利用し得ない
という問題があった。

他方、近時、手洗性又は密閉型ロータンク内に便器洗浄
薬を入れることが普及して来たが、この場合は、密閉型
ロータンクにあっても、その中の水を肛門洗浄に使うこ
とが出来ないという問題があった。

この考案は、ロータンク、殊に一番普及している手洗付
ロータンクに、主婦等の素人でも簡単に装置することが
可能であるところの肛門洗浄機用給水装置を提供しよう
とするものである。

以下に、この考案を図面に示す実施例に従って説明する
。

洋風大便器１の後部には手洗付ロータンク２が載置され
ており、該手洗付ロータンク２は、第２図に明瞭に示す
如く、上面開放のタンク本体３と該タンク本体３の上縁
に配置されたタンク蓋４とよりなり、前記タンク本体３
の左側壁上部（第２図において）には、給水管５に接続
された公知のボールタップ６が取付けられており、該ボ
ールタップ６には、タンク本体３に直接清水を供給する
ための吐水ロアが形成されると共に、タンク蓋４に取付
けられた逆Ｊ字状の手洗い水吐水管８に清水を供給する
ための吐水口９が形成されており、該吐水口９と吐水管
８の下端とは可撓性通水管１０により接続されている。

ボールタップ６は、フロート１１が最上位置以外の位置
にあるとき給水状態となり、フロート１１が最上位置に
あるとき止水状態となるようになされている。

前記タンク蓋４上面は凹面状となされ、その中央部には
吐水管８の吐水口８ａから吐出した手洗い水をタンク本
体３内に導くための透孔１２が形成されている。

タンク本体３の底壁中央部には、洗浄水流出口１３が穿
設されており、該流出口１３には、オーバーフロー管１
４を備えた弁座１５が取付けられており、該弁座１５に
は逆椀状の弾性弁体１６が嵌まるようになされており、
該弾性弁体１６は鎖１７を介して、タンク本体３に回動
自在に取付けられた操作レバー１８の内方端に取付けら
れている。

前記類１７は、オーバーフロー管１４に取付けられた弾
性弁体１６の上動位置規制アーム１９の先端の透孔（図
示略）に挿通されている。

この考案の実施前である肛門洗浄機用給水装置２０は次
の如き構成となっている。

即ち、タンク本体３内に収められるようになされた清水
用容器２１を備えており、該容器２１は、水圧により容
易に撓み変形し得る性質（以下、品積性という）を有す
る軟質材料、例えば軟質塩化ビニル、軟質ポリエチレン
等よりなるものであるが、水圧が加わらない場合には、
自立して一定の形を保持するようになされ、また水圧が
加わった場合にあっても上端開口部周縁は変形しないよ
うになされ、要すれば該周縁に補強材を取付ける。

前記容器２１は、下部の膨出部２１ ａとこれに連なる
垂直状の角筒部２１ｂとよりなり、その全体高さは、タ
ンク本体３の底壁内面からオーバーフロー管１４の上端
面までの高さよりも高くなされていて、例えばボールタ
ップ６の故障等によりオーバーフロー管１４より水が流
出する状態となっても、タンク本体３内の水が容器２１
内に流入しないようになされている。

前記吐水管８の吐水口８ａには、第４図に明瞭に示す如
く、分流継手２２が着脱自在に取付けられるようになさ
れており、該分流継手２２は、筒状の本体２３と、その
下端に連設された手洗い水吐出用の吐水短管２４と、本
体２３に対して横向きに連設された、品積性の清水用容
器２１に送られて肛門洗浄に使用せられる清水の送り出
し用吐水短管２５とを有する。

前記吐水短管２４．２５の内径を任意に設定して、吐水
管８から流出する清水を所望の通りに分流することが出
来る。

前記本体２３の高さ方向中央部には環状段部２６が形成
されており、該環状段部２６には、該段部２６と吐木管
図の吐水口８ａ周縁とを水蜜状態とするためのパツキン
２７が載置されており、また本体２３の上部には、対向
状の一対のねじ孔２８が形成されていて、該ねじ孔２８
にねじ２９が螺合されており、該ねじ２９の先端同志で
吐水管８を挾持することにより、分流継手２２は吐水管
８に、誰でもドライバー１本で取付けられるようになさ
れている。

前記横向きの吐水短管２５には、給水装置２０をロータ
ンク２に装備した際、容器２１に至る長さを有する接続
管３０が取付けられている。

第２図に示す如く、前記容器２１内には小型揚水ポンプ
３１が収められるようになされており、該揚水ポンプ３
１の吐出口には可撓性通水管３２が取付けられており、
該通水管の出側端は肛門洗浄機３３（第１図参照）の受
水口に接続されるようになされている。

該通水管３２はタンク本体３とタンク蓋４との間を通っ
てロータンク２の外部に引き出されるものであるから、
必要ならば通水管３２がタンク蓋４の自重で変形しない
ようにするため、第５図に示す如きスペーサー３４を備
えることも出来る。

該スペーサー３４はタンク本体３の側壁の厚さに相当す
る間隔をあけて対向状に設けられた一対の脚３５を有し
ており、また鉄脚３５の上部の本体３６には通水管３２
のための挿通孔３７があけられている。

なお、該スペーサー３４は１個あればよいのであるが、
その場合スペーサー３４のため夕ンク蓋４が傾くことに
なるため、挿通孔３７の無い点を除いて他は同形のスペ
ーサー３４′（第１図参照）を３個準備し、該スペーサ
ー３４′をタンク本体３の残りの３つの角に配して、タ
ンク蓋４を水平状とすることも勿論可能である。

以下に、前記給水装置２０の使用方法について説明する
。

まず、手洗付ロータンク２直前の止水栓（図示略）を止
めると共に、タンク本体３内の水を排出した後、大便器
１の上側部に肛門洗浄機３３を取付け、次いで、タンク
本体３内であって、フロート１１の可動の邪魔にならな
いような位置に、品積性の清水用容器２１を収めると共
に、該容器２１内に揚水ポンプ３１を入れる。

揚水ポンプ３１は１種の重りの如き作用をなし、容器２
１をタンク本体３内において安定固定させる。

然る後、揚水ポンプ３１に接続されている通水管３２を
スペーサー３４の挿通（Ｌ３７に通した後、タンク蓋４
を持ち上げ状態にして詐スペーサー３４を脚３５を利用
してタンク本体３の後壁上縁に跨がらせると共に、挿通
孔３７を有さない以外の点はスペーサー３４と同形のス
ペーサー３４′をタンク本体３の前壁上縁に跨がらせ（
第１図参照）、該作業の後タンク蓋４を降ろし、次いで
通水管３２の出側端を肛門洗浄機３３の受水口に接続す
る。

そして、分流継手２２を、その横向き吐水短管２５を後
方に向けるようにして吐水管８に嵌め、ねじ２９．２９
を締付けて固定する。

そして、接続管３０の端を、タンク蓋４の透孔１２を通
って、容器２１に至らしめる。

上記準備の後、手洗付ロータンク２の直前の止水栓（図
示略）を開けば、空のタンク本体３内には、ボールタッ
プ６の吐水ロア及び分流継手２２の吐水短管２４より水
が供給される。

他方、清水用容器２１内には、分流継手２２の吐水短管
２５、接続管３０を通って、清水が供給される。

タンク本体３内の水が増加して来ると、試水によりフロ
ート１１が徐々に上に押し上げられ、タンク本体３内に
所定量の水が貯溜されると、フロート１１は上限に至り
、ボールタップ６は給水を停止する。

斯かる状態となった際、清水用容器２１内にも所定量の
清水が貯溜された状態となっているものである。

このような状態で、タンク本体３内及び清水用容器２１
内の水が減少又は無くならない限り、ボールタップ６は
止水状態を保持するものである。

而して、大便の用を足した人が、まず肛門洗浄の為、肛
門洗浄機３３を操作すれば、小型揚水ポンプ３１が作動
し、清水用容器２１内の清水を揚水し、肛門洗浄機３３
に送り込むものであるから、清水は所定温度に昇温せら
れて、肛門に向けて噴射せられる。

すると容器２１内の水が減少していくに従って、容器２
１が品積性であるがため、タンク本体３内の水の圧力に
よって容易に撓み変形するものであるから（第３図参照
）、たンク本体３内の水は見掛は上減少したようになる
ものであり、タンク本体３内の水面は低下する。

従って、ボールタップ６のフロート１１が下動し、給水
が再開されることになり、タンク本体３内に水が補給さ
れる。

勿論、清水用容器２１にも清水の供給が行なわれるもの
であるから、清水用容器２１の容量を越えて、容器２１
内の清水を肛門洗浄に利用出来る。

ところで、清水用容器２１が上記の如き作用を営む利点
は次の如き点にある。

即ち、手洗付ロータンク２のタンク本体３の貯水量は、
汚物を流し去るに十二分な量となされているが、タンク
本体３内に清水用容器２１を入れることにより、タンク
本体３の汚物洗浄用の水量は減少することになる。

ところで、例えば清水用容器が剛体になっているとすれ
ば、例え清水用容器内の水が減少しても、タンク本体３
内の水の水面位置に何らの変化もないものであるから、
ボールタップ６はタンク本体３内への給水を開始しない
ので、肛門洗浄後汚物を流し去るために利用される水は
、清水用容器を入れた分だけ確実に減少するものである
。

故に、場合によっては、汚物を流し去ることが出来ない
という事態が生じるおそれもある。

しかし、本考案の清水用容器２１は、品積性であるため
、容器２１内の水が減少すると、前記した如く、タンク
本体３へ水が補給されるものであるから、実質的に汚物
洗浄に使用される水量を、容器が剛体のものに比較して
多くすることが出来るという利点がある。

殊に、肛門洗浄後に汚物洗浄が行なわれるという順序に
鑑みれば、上記利点は更に大きな利点となることが分か
るであろう。

肛門洗浄後、操作レバー１８を操作して、汚物を流し去
ると、タンク本体３内に水が無くなるものであるから、
当初に述べたと同様の作用により給水が開始され、用を
足した人は、分流継手２２の吐水短管２４より流出する
清水にて手を洗うことが出来るもので゛ある。

尚、小便の時には、肛門洗浄は行なわれないから、清水
用容器２１内の水は減少しないにも拘らず、小便を洗い
流す為操作レバー１８を操作すると容器２１内への給水
もタンク本体３内への給水と同様に行なわれ、容器２１
内の水があふれることがあるが、該溢水はタンク本体３
内に流入するだけで、何らの支障もない。

尚、密閉型ロータンクにあっては、分流継手２２は、ボ
ールタップ６の吐出ロアに取付けられるものである。

分流継手２２を吐水口８ａ、７に取付ける手段は、本体
２３の弾性力を利用した強制嵌入方式等公知の連結手段
を利用することが出来る。

上記の次第でこの考案によれば、品積性の清水用容器、
揚水ポンプ及び分流継手を、主婦等の素人でも、何ら特
別の工具なしに、簡単にロータンク付大便器に装置する
ことが出来るものであるから、肛門洗浄機の普及に大い
に貢献することが出来るものである。

また、清水用容器内の清水を肛門洗浄に使うものである
から、この考案に係る給水装置を、最も普及している手
洗付ロータンクに対して装備出来るのみならず、手洗性
又は密閉型のロータンク内に洗浄薬を入れることも可能
となるものである。

またロータンク内に収められる清水用容器が品積性であ
るがために、ロータンクの汚物洗浄用の水量を極端に減
少させないという効果を奏し得るものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すものであって、第１図は
手洗付ロータンクを断面とした全体側面図、第２図は第
１図ＩＩ −ＩＩ線拡大断面図、第３図は品積性の清水
用容器の変形状態を示す拡大斜視図、第４図は第２図Ｉ
Ｖ−ＩＶ線拡大断面図、第５図はスペーサーの拡大斜視
図である。 １・・・・・・洋風大便器、２・・・・・・手洗付ロー
タンク、３・・・・・・タンク本体、８・・・・・・手
洗い水吐水管、８ａ・・・・・・吐水口、９・・・・・
・吐水口、２１・・・・・・品積性の清水用容器、２２
・・・・・・分流継手、２４．２５・・・・・・吐水短
管、３０・・・・・・接続管、３１・・・・・・小型揚
水ポンプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ロータンク内に収められるようになされた品積性の清水
   用容器と、該品積性の清水用容器内の清水を揚水し、肛
   門洗浄機に導入するための小型揚水ポンプと、前記ロー
   タンクの清水吐出口に取付けられるようになされ、且つ
   少なくとも２つの吐水口を備えると共に、そのうちの１
   つの吐水口に前記清水用容器に至る接続管を付属させた
   分流継手とよりなるロータンク付大便器に装備せられる
   肛門洗浄機用給水装置。