JPH0235142Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈考案の分野〉 この考案は防滴形のマイクロスイツチに関する
ものである。

〈従来技術とその問題点〉 防滴形のマイクロスイツチとして、第４図に示
すようにケース１００をケース本体１０１とケー
ス本体１０１の一側開口部１０１ａを閉塞するカ
バー１０２とで構成し、可動電気接触片１０３や
固定電気接触片１０４等を有し、かつ上記ケース
１００内に組み込まれる接点機構部１０５におけ
る上記可動電気接触片１０３を押釦１０６で押込
操作させるようにし、上記ケース１００の上面に
形成された押釦設定孔１０７をシール用ゴムキヤ
ツプ１０８を介して押釦カバー１０９で閉塞した
ものがある。

このものは、ケース本体１０１の上面のコ字形
切欠部１０７ａの側部開口部をカバー１０２で閉
塞させて押釦設定孔１０７を構成させ、上記押釦
カバー１０９はケース本体１０１とカバー１０２
にまたがつた状態で固定される構造である。これ
がために、上記マイクロスイツチの組立手順はつ
ぎのように制約されている。

つまり、ケース本体１０１内に上記接点機構部
１０５を組み込んだ後、カバー１０２で上記ケー
ス本体１０１の一側開口部１０１ａを閉塞すると
ともに、超音波融着手段でカバー１０２をケース
本体１０１に固着し、ついで押釦１０６を設定孔
１０７に挿入し、ゴムキヤツプ１０８を介して、
上記ケース本体１０１とカバー１０２とにまたが
る押釦カバー１０９で閉塞するとともに、超音波
融着手段で該押釦カバー１０９をケース本体１０
１とカバー１０２の双方に対して固着していた。

ところで、超音波融着時の振動が接点側に伝達
されるのは接点の摩耗を抑制するうえでできるだ
け回避しなければならないが、上記従来のもので
は上述のように組立手順が制約されてていること
によつて、接点機構部１０５がケース本体１０１
内に組み込まれた後に２回の超音波融着作業を行
なわなければならず、融着時の振動によつて接点
接触性の劣化を強いられる。

〈考案の目的〉 この考案は接点の接触信頼性の向上を図り得る
マイクロスイツチを製作容易にして提供すること
を目的としている。

〈考案の構成と効果〉 この考案はケース本体の上面に円形孔からなる
押釦設定孔を設けることを特徴とするものであ
る。

上記構成により、ケース本体に接点機構部を組
み込むに先立つて押釦をケース本体に取り付ける
ことができる。すなわち、上記押釦カバーのケー
ス本体への超音波融着は接点機構部に対して無関
係にて行なえ、超音波融着時の振動が上記接点機
構部の接点に伝達される回数が従来のものよりも
少なくなり、上記振動による悪影響を抑制できる
とともに、上記押釦によつて接点開放状態に設定
することもできるため、上記振動による接点の摩
耗を防止でき、したがつて接点接触性の向上を図
ることができる。

また、上記押釦設定孔がケース本体側にのみ存
在して、カバーとの間にまたがるものではないか
ら、押釦の押込摺動性が良好となり、さらに上記
設定孔が円形孔のため、ゴムキヤツプや押釦カバ
ーの位置決めに煩わされることもなくなり、組
立・製作の簡易化が図れる利点がある。

〈実施例の説明〉 以下、この考案の一実施例を図面にしたがつて
説明する。

第１図および第２図はこの考案に係るマイクロ
スイツチの一例を示すものである。同図におい
て、１１は合成樹脂製のケースで、一側面１２ａ
が開放されたケース本体１２とこのケース本体１
２の上記開口部１２ａを閉塞するカバー１３とか
らなる。１４，１５は上記ケース本体１２に保持
された１対の固定電気接触片であり、これら接触
片１４，１５の各先端部にはそれぞれ固定接点１
６，１７が固着されている。１８は上記ケース本
体１２に保持された共通端子片、１９はこの共通
端子片１８の切起し部２０に基端が枢着された可
動電気接触片であり、この可動電気接触片１９の
先端部には上記固定接点１６，１７に対応する可
動接点２１，２２が固着されている。この可動電
気接触片１９は上記固定電気接触片１４，１５と
ともに接点機構部２３を構成している。２４は上
記可動電気接触片１９と上記共通端子片１８の先
端部２５との間に掛設された反転ばねである。

２６は上記可動電気接触片１９を押込駆動する
操作用の押釦であり、この押釦２６を上下動可能
に嵌装させる押釦設定孔２７は円形孔としてケー
ス本体１２の上面に形成されている。２８は押釦
２６と押釦設定孔２７との間をシールするための
円形のゴムキヤツプ、２９は合成樹脂製の押釦カ
バーである。３０は上記押釦設定孔２６を取り囲
んで上記ケース本体１２に形成された段部で、上
記ゴムキヤツプ２８や押釦カバー２９を支持する
ものである。なお、３１，３１は上記ケース１１
に設けられた取付孔、３２，３３はゴムキヤツプ
２８および押釦カバー２９にそれぞれ形成された
透孔である。

上記マイクロスイツチはつぎのようにして組み
立てられる。

まず、ケース本体１２の押釦設定孔２７にゴム
キヤツプ２８を取り付けた押釦２６を嵌装したの
ち、押釦カバー２９を段部３０に超音波融着手段
で固着する。ついで、固定電気接触片１４，１５
等からなる接点機構部２３をケース本体１２内に
組み込み、しかる後カバー１３を超音波融着手段
でケース本体１２に固着する。

上記構成において、押釦２６の押込操作がなさ
れる前は固定接点１６と可動接点２１とが接触状
態にある。上記押釦２６の押込操作が開始され、
その押込量が所定値を越えると、反転ばね２４に
よつて可動電気接触片１９がスナツプアクシヨン
的に反転変位し、このため上記可動接点２１が固
定接点１６から離れると同時に、他方の可動接点
２２が他方の固定接点１７に接触することにな
る。

ここで、上記押釦２６の設定孔２７の形成位置
をケース本体１２側に限定したから、押釦カバー
２９をケース本体１２とカバー１３とのまたがら
せて固着させることなく、上記ケース本体１２の
みに固着できる。このため組立時に接点機構部２
３をケース本体１２に組み込むのに先立つて上記
押釦カバー２９をケース本体１２に取り付けて超
音波融着を行なえる。このことは、超音波融着の
振動が上記接点機構部２３の接点１６，２１に及
ぼす影響がカバー１３の超音波融着時のみの１回
だけですむことになる。

しかも、上記カバー１３を超音波融着するにあ
たり、第３図のように治具Ｍを用いて可動接点２
１，２２がそれぞれ固定接点１６，１７から離反
するように押釦２６を押し込んでおけば、上記超
音波融着時の振動で上記接点１６，１７，２１，
２２が摩耗するおそれを完全に解消でき、したが
つて接点接触性を良好に維持させることができ
る。

また、押釦設定孔２７がケース本体１２側にの
みにおいて形成されているため、従来のようにカ
バー側との間に接合部が存在することがなくな
り、押釦２６の上下方向の摺動性が良好となる。
さらに上記押釦設定孔２７を円形孔としているた
め、円形のゴムキヤツプ２８や押釦カバー２９の
設定にあたつて方向性を考慮する必要もなくな
り、簡単に位置決めでき、組立の作業性が向上す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図はそれぞれこの考案に係る
マイクロスイツチの一例を示すカバーを除いた正
面図およびカバーを含めた全体の分解斜視図、第
３図は超音波融着手段でカバーを融着する方法を
説明するためのカバーを除いた正面図、第４図は
従来のマイクロスイツチの一例を示す分解斜視図
である。 １１……ケース、１２……ケース本体、１２ａ
……一側面、１３……カバー、１９……可動電気
接触片、２３……接点機構部、２６……押釦、２
７……押釦設定孔、２８……ゴムキヤツプ、２９
……押釦カバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一側面が開放された合成樹脂製のケース本体な
   らびにこのケース本体の一側開口部を閉塞して超
   音波融着手段で固着される合成樹脂製のカバーか
   らなるケースと、上記ケース内に収納される接点
   機構部と、上記ケースの上面に設けられて上記接
   点機構部の可動電気接触片を押込駆動する操作用
   の押釦と、上記ケースの上面の押釦設定孔と押釦
   との間をシールするゴムキヤツプと、このゴムキ
   ヤツプを介して上記ケース側に超音波融着手段で
   固着される合成樹脂製の押釦カバーとを備え、上
   記押釦設定孔の形成位置を上記ケース本体の上面
   に限定し、該設定孔を円形孔で構成したマイクロ
   スイツチ。