JPH0235021Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、縦列駐車や狭道等での車両の方向を
変えるのに用いられる車両の方向転換装置に関す
るものである。

（従来の技術） 従来、縦列駐車や狭道で車両を方向転換しよう
とする場合には、ドライバーのハンドル操作に頼
らなければならなかつた。しかし余り間隔を設け
ずに縦列駐車した場合や行き止まりの狭道では、
車輪の曲がり角度との関係で、ハンドル操作によ
る方向転換ができなくなるという問題があつた。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は、上記の点に鑑みてなされたものであ
つて、その目的とするところは縦列駐車した場合
や行き止まりの狭道での方向転換が可能な携帯式
乗用車方向転換装置を提供するにある。

（問題点を解決するための手段） 本考案の要旨は、両端に車輪１を有する車軸２
を台板３の前後にそれぞれ取り付け、各車軸１に
チエーン歯車４を固着すると共にこれらチエーン
歯車４にチエーン５を架け渡し、台板３の中央に
ジヤツキ６を立設して台車７，８を構成し、この
台車７，８を左右に一対配し、伸縮自在な連結プ
レート９を台車７，８間の前後に一対配すると共
に、各連結プレート９の両端を各台車７，８にそ
れぞれ枢着し、各台車７，８の内側の車軸２にス
プロケツト１０を固着すると共に、これらスプロ
ケツト１０に鎖１１を架け渡し、一方の台車８の
外側の車軸２に減速機１２を介してハンドル１３
を接続して成る携帯式乗用車方向転換装置に係る
ものである。

（実施例） 以下、本考案を図示の実施例に基づいて詳述す
る。

７，８は台車であつて、浅底箱状の金属板製台
板３の前後に車軸２を回転自在に取り付け、車軸
２の両端に車輪１（直径は100mm前後）が固着さ
れてあり、また各車軸１にはチエーン歯車４が固
着されて、これらチエーン歯車４に（リンク式
の）チエーン５が架け渡されてある。台板３の中
央には公知の乗用車用のジヤツキ６が立設されて
ある。１４は車輪１を突出するための台板３の孔
である。

以上のように構成される台車７，８は左右に一
対配されてあり、一方の台車８の外側の車軸２に
はウオームが内臓された減速機１２を介してハン
ドル１３が接続されてある。

台車７，８の内側の車軸２にはスプロケツト１
０が固着されてあり、これらスプロケツト１０に
は（オーバル式の）鎖１１が架け渡されてある。

９は伸縮自在な連結プレートであつて、長孔１
５を有するプレート１６を重合わせ、各長孔１５
に挿入されるボルト・ナツト１７，１８で接続し
て形成されてある。しかしてボルト・ナツト１
７，１８を緩めることにより連結プレート９の長
さ調整が可能となる。連結プレート９は台車７，
８間の前後に配されてあり、各連結プレート９の
両端を各台車７，８にピン１９にてそれぞれ枢着
されてある。ピン１９は取り外し自在となつてい
て、不使用時には台車７，８と連結プレート９を
分離して収納できるようにしてある。

しかしてハンドル１３を回すと、チエーン５及
び鎖１１の伝動によつて各台車７，８の車輪２が
同時に回動することとなる。

次に以上のようにして構成される携帯式乗用車
方向転換装置の動作を説明する。

まず第６図に示すように、外がわの連結プレー
ト９を伸ばすと共に内がわの連結プレート９を縮
ませて、台車７，８を乗用車Ａの後輪ｂ間の中点
Ｏを中心とする円弧Ｌ上に置くようにする。次に
第５図に示すように台車７，８を乗用車Ａのフロ
ント側の左右に位置させてジヤツキ６を乗用車Ａ
のジヤツキ受けｃに当てて乗用車Ａの前輪ａを地
面Ｇから僅かに浮かす。最後に第６図の矢印で示
すようにハンドル１３を回して台車７，８を動か
すと、台車７，８は中点Ｏを中心とした該円弧Ｌ
上を移動する。このとき内がわと外がわの後輪ｂ
は矢印のように中点Ｏを中心として互いに逆回転
しながら移動して、乗用車Ａを側方に振ることが
できる。またハンドル操作によつてチエーンとチ
エーン歯車等の噛み合いによつて乗用車Ａを動か
すので、僅かな傾斜地であつても乗用車Ａがひと
りでに滑り出すことがなく安全性を確保できる。
尚、図示の例では前輪駆動の乗用車Ａについて述
べたが、後輪駆動のものでは後輪ｂを浮かせて前
輪ａの中点Ｏを中心に振るようにする。

第４図ａは縦列駐車した車両Ａを本考案の装置
で方向転換する動作を、同図ｂは狭道での方向転
換する動作をそれぞれ示してある。

尚、台車７，８間を伝動する手段として鎖１１
を用いるので、上述のように連結プレート９の伸
縮によつて台車７，８の角度を変えてもスプロケ
ツト１０に噛み合わすことができて台車７，８間
の伝動に支障が生じない。

またジヤツキ６を第３図の矢印のように左右に
移動調整できるようにすると、台車７，８の位置
決めが容易となる。該移動調整の手段としては、
図示では台板３に左右方向に長い長孔２０を設
け、この長孔２０にジヤツキ６をボルト・ナツト
１７，１８を取付け、該ボルト・ナツト１７，１
８を緩めることにより移動調整できるようにして
あり、これにより台車７，８を乗用車Ａの下にセ
ツトした後の微調整が可能となる。２１は鎖挿通
孔である。

（効果） 本考案は、上述のように両端に車輪を有する車
軸を基板の前後にそれぞれ取り付け、各車軸にチ
エーン歯車を固着すると共にこれらチエーン歯車
にチエーンを架け渡し、基板の中央にジヤツキを
立設して台車を構成し、この台車を左右に一対配
し、伸縮自在な連結プレートを台車間の前後に一
対配すると共に、各連結プレートの両端を各台車
にそれぞれ枢着し、各台車の内側の車軸にスプロ
ケツトを固着すると共に、これらスプロケツトに
鎖を架け渡し、一方の台車の外側の車軸に減速機
を介してハンドルを接続したので、外がわの連結
プレートを伸ばすと共に内がわの連結プレートを
縮ませて、台車を乗用車の後輪間の中点を中心と
する円弧上に置くことができ、したがつてジヤツ
キで乗用車の前輪を地面から僅かに浮かすと、台
車は中点を中心として該円弧上に移動する。この
とき内がわと外がわの後輪は矢印のように中点を
中心として互いに逆回転しながら移動して、乗用
車を最小半径で側方に振ることができ、その結果
縦列駐車した場合や行き止まりの狭道での方向転
換が可能となるという効果を奏する。

また、台車間を伝動する手段として鎖を用いる
ので、台車の角度を変えてもスプロケツトに常に
噛み合つて外れることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の車両の方向転換装置の斜視
図、第２図は同上の平面図、第３図は同上の台車
の縦断面図、第４図は同上の台車の横断面図、第
５図は同上の乗用車の持ち上げ動作を示す図、第
６図は乗用車の方向転換の動作説明図、第７図
ａ，ｂは縦列駐車及び狭道で方向転換の動作を示
す図である。 １…車輪、２…車軸、３…台板、４…チエーン
歯車、５…チエーン、６…ジヤツキ、７，８…台
車、９…連結プレート、１０…スプロケツト、１
１…鎖、１２…減速機、１３…ハンドル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 両端に車輪を有する車軸を台板の前後にそれぞ
   れ取り付け、各車軸にチエーン歯車を固着すると
   共にこれらチエーン歯車にチエーンを架け渡し、
   台板の中央にジヤツキを立設して台車を構成し、
   この台車を左右に一対配し、伸縮自在な連結プレ
   ートを台車間の前後に一対配すると共に、各連結
   プレートの両端を各台車にそれぞれ枢着し、各台
   車の内側の車軸にスプロケツトを固着すると共
   に、これらスプロケツトに鎖を架け渡し、一方の
   台車の外側の車軸に減速機を介してハンドルを接
   続して成る携帯式乗用車方向転換装置。