JPH0234552Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ａ 産業上の利用分野 本考案は、通信用回線内蔵型消防用ホースの差
込式継手に関する。

ｂ 従来の技術 消防自動車等による消火活動においては、火災
現場の状況により、放水量を制御する必要があ
る。このため、通常は、無線による連絡あるいは
消防員による連絡によつて、自動車側の係員に伝
達し、たとえば、アクセルの踏み量を制限して、
消防用ホースに対する給水量を制御している。

しかしながら、火災に際して、一般に、１台の
消防自動車から、約４本の消防用ホースが使われ
るため、全体の消防用ホースは多数となる。した
がつて、無線の混信、あるいは、消防員の不足を
来たし、現場からの状況を自動車側の係員に適格
に伝達することは困難であつた。

そこで、互いに連結される継手本体の対向面に
通信用回線の接続端子を配設し、これら接続端子
相互間に、軸方向の圧縮によつて軸方向のみの抵
抗値を変化させる感圧導電体を介在した継手構造
を先に提案した（特願昭60−168406号）。

また、感圧導電体の代わりにリング状の絶縁体
の軸方向に導線を内蔵したものもある（実願昭61
−197976号、実願昭62−50735号）。

ｃ 考案が解決しようとする問題点 しかしながら、感圧導電体は製造に費用と時間
を要し、かつ必要な抵抗値の変化を得るための精
度が要求される欠点がある。また、導線を内蔵す
るものは、継手の締付けによつて導線が曲がり、
接触不良を起し易かつた。

本考案は上記問題点を解決し、簡単な構成で、
確実に通信用ケーブルの接続を行なうことができ
る通信用回線内蔵型消防用ホースの差込式継手を
提供することを目的とする。

ｄ 問題点を解決するための手段 本考案は、上記問題点を解決するため、継手部
内周から継手部中心軸側に向けて弾撥的に付勢さ
れる爪部を雌側継手本体に設け、この雌側継手本
体の爪部に係止される突起部を雄側継手本体の先
端部外周面に設け、かつ雄側継手本体の外周面に
離脱用押輪を摺動可能に遊嵌した差込式継手にお
いて、上記雌側継手本体と雄側継手本体を絶縁性
の合成樹脂で成形し、これら両継手本体にそれぞ
れ通信用回線内蔵型消防用ホースを装着し、上記
爪部を導電体で構成し、かつ上記突起部の係止面
および両継手本体の突き合わせ部相互間にそれぞ
れ導電性の端子を装着し、これら各端子に、消防
用ホースに内蔵した通信用回線を接続したことに
ある。

ｅ 作用 雄側継手本体の先端部を雌側継手本体に差し込
むことにより、突起部が爪部に金属係止されて接
続される。このとき、突起部の金属端子と爪部が
接触して流水域外で電気的に接続されて正回路を
構成し、かつ両継手本体の先端部の金属端子が接
触して流水域内で電気的に接続されて負回路を構
成する。

ｆ 実施例 以下本発明の一実施例を図面を参照しながら詳
細に説明する。

第１図は、通信用ケーブルを内装した消防用ホ
ースの継手を示す縦断面図、第２図は第１図の部
分拡大断面図である。

第１図および第２図において、１は消防用ホー
ス２₁，２₂相互間を連結する合成樹脂製の差込継
手であり、これは、消防用ホース２₁に装着され
た雌側継手本体１₁と、消防用ホース２₂に装着さ
れた雄側継手本体１₂とで構成されている。雌側
継手本体１₁は、継手部内周に内側に向けて弾撥
的に付勢される耐蝕金属製の導電性爪部３を設
け、雄側継手本体１₂は、上記爪部３によつて係
止される突起部４を先端部外周面に設けている。

上記爪部３は、雌側継手本体１₁の継手部内周
面に、円周方向に等間隔に形成された爪収納室５
内に半径方向に摺動可能に配置され、かつ爪収納
室５内に内蔵された板バネ６によつて、継手の中
心軸側に付勢されている。この爪部３の端面が接
触して係止される上記雄側継手本体１₂の突起部
４の背面側には、金属製端子７が埋設されてい
る。上記爪部３には、雌側継手本体１₁の継手部
内に穿設されたケーブル通し孔８を通して挿通さ
れた通信用ケーブル９₁の正側の一端が接続され
ている。

一方、上記金属製端子７には、雄側継手本体１
_２の消防用ホース２₂に内装された通信用ケーブル
９₂の正側の一端が接続されている。

雌側継手本体１₁と雄側継手本体１₂の突き合わ
せ部１０₁，１０₂には、金属製端子１１₁，１１₂
が装着されており、各金属製端子１１₁，１１₂に
はそれぞれ通信用ケーブル９₁，９₂の負側が接続
されている。金属製端子１１₁は板バネで形成さ
れ、上記突起部４と爪部３を互いに圧接させると
共に負側の接点１１₁，１１₂も互いに圧接させる
ものである。１２は雌側継手本体１₁の内周面側
に円周方向に形成された凹部１３内に内装された
パツキンであり、雄側継手本体１₂とのシールを
行なうものである。

上記構成によると、雌側継手本体１₁に雄側継
手本体１₂を挿入すると、突起部４が爪部３に係
止されて接続が完了する。このとき、突起部４の
金属製端子７と金属爪部３の金属製端面が接触
し、かつ両継手本体１₁，１₂の金属製端子１１₁，
１１₂が突き合わされて電気的接続がなされる。
こうして、消防用ホース２₁，２₂内の通信用ケー
ブル９₁，９₂は互いに接続されて、ケーブル９₁
は正回路、ケーブル９₂は負回路の通信用回線が
構成される。

ｇ 考案の効果 以上述べたように、本考案による通信用回線内
蔵型消防用ホースの差込式継手によれば、雌側継
手本体に雄側継手本体を差し込むことにより、消
防用ホースに内装された通信用ケーブルが接続さ
れるので、電気的接続が確実で、かつ安価に構成
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案による通信用回線内蔵型消防
用ホースの差込式継手の一実施例を示す半断面
図、第２図は第１図の部分拡大図である。 １……差込継手、１₁……雌側継手本体、１₂…
…雄側継手本体、２₁，２₂……消防用ホース、３
……爪部、４……突起部、７……金属製端子、９
_１，９₂……通信用ケーブル、１１₁，１１₂……金
属製端子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 継手部内周から継手部中心軸側に向けて弾撥的
   に付勢される爪部を雌側継手本体に設け、この雌
   側継手本体の爪部に係止される突起部を雄側継手
   本体の先端部外周面に設け、かつ雄側継手本体の
   外周面に離脱用押輪を摺動可能に遊嵌した差込式
   継手において、上記雌側継手本体と雄側継手本体
   を絶縁性の合成樹脂で成形し、これら両継手本体
   にそれぞれ通信用回線内蔵型消防用ホースを装着
   し、上記爪部を導電体で構成し、かつ上記突起部
   の係止面および両継手本体の突き合わせ部相互間
   にそれぞれ導電性の端子を装着し、これら各端子
   に、消防用ホースに内蔵した通信用回線を接続し
   たことを特徴とする通信用回線内蔵型消防用ホー
   スの差込式継手。