JPH023395Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔利用分野〕 本考案は、回転体の長手軸線に平行に延びてい
て回転体の周面から突出する刃を有するようにし
て、回転体の凹みに着脱自在に固定された転回刃
板を備えたリーマに関する。

〔従来技術および問題点〕

公知のリーマの一例では（西独特許出願公報
DE−AS第1427182号）、回転体に対して本質的に
半径方向に延びる平面を有する平坦な転回刃板
が、応力が大きい場合に、リーマ加工において発
生する力を回転体に確実に伝えないと云う欠点が
ある。この際、条溝発生の危険性がある。転回刃
板は、広い当接側面で、回転体の半径方向支持面
に当接し、回転体の外周面から突出する。転回刃
板の平坦面に垂直方向の曲げ強度は比較的小さい
ので、摩擦応力が加えられた場合、脆弱な転回刃
板が破損することになる。

回転体が凹み内を転回刃板の固定は、取付ツメ
によつて行う。この取付ツメは、ネジで固定す
る。この場合、取付ツメは、転回刃板の広い側面
に押圧される。従つて、回転体に対する転回刃板
の固定には経費がかかる。更に、転回刃板の前に
設けた取付ツメが、回転体の凹み内に大きなスペ
ースを占有すると云う欠点がある。従つて、転回
刃前方の回転体の範囲内の自由切削空間は、対応
して小さい。従つて、公知のリーマを使用する作
業は著しく妨げられる。

更に、転回刃板の細い当接側面が回転体の縦軸
線の近傍で、２つのピストン状の調節部材で支持
されると云う欠点がある。かくして、２点当接が
行われ、面積が小さいので大きな応力を受けるこ
とになる。更に、転回刃板の正確な調節が極めて
困難であり、煩瑣である。何故ならば、調節時ネ
ジを含む取付ツメおよび当該のネジボルトを含む
調節部材が、相互に作用結合して転回刃板の正確
な調心を妨げるからである。この場合、本質的に
下記の作業工程を実施する。調節ネジを外し、取
付ツメを引出し、ブレードを挿入し、調節ネジに
よつてブレードに調節部材を当て、リーマ径のゲ
ージ（マイクロメータ）、取付ツメを締付ける際
に調節ネジを回して所望の寸法を設定する。この
際、間違えて設定せるリーマ径が大きすぎた場合
には、全工程をくり返さなければならない。即
ち、公知のリーマは、製作費が高く複雑な構造を
有し従つて転回刃板の正確な調心が困難であり、
転回刃板が実際のリーミング作業時、振動応力を
受けて回転体の受け内で破損する恐れがある。

従つて、本考案の目的は複雑な構造部材は使用
せず、転回刃板を回転体に簡単な手段で確実に支
持でき、転回刃板の刃から細い当接側板を介して
回転体に力を伝達できるよう、冒頭に述べた種類
のリーマを改善することにある。

〔考案の概要〕

この目的は、本考案にもとづき、相互にほぼ直
交する基面および支持面で形成の角状の凹みを有
する回転体にして、その半径から少くとも前記基
面および支持面の一方がずらされている回転体を
備えており、ほぼ直方体状をなすとともに精密仕
上げの上面および下面ならびにボアを有していて
前記基面に取着される支持基部を備えており、全
体としてほぼ直方体状をなしていて前記支持基部
に取着される転回刃板にして、相互に平行な上お
よび下の側面を有し、平行な２対の刃を有し、各
対の刃の間に延在する１対の平行な支持ウエブを
有し、これらの支持ウエブ相互間の距離は上およ
び下の側面相互間の距離よりも長く、各刃から隣
接の支持ウエブに向けてすくい面を有し、前記側
面それぞれから皿穴を成すとともにそれら間をつ
なぐ中央ボアを有し、前記側面の一方は前記支持
基部の上面に係合し、その支持基部により前記回
転体の回転軸線から当該の刃までの半径方向距離
が設定され、前記１対の支持ウエブの一方は前記
支持面に当接し、前記回転体の回転により当該の
刃に加わる力が上の側面を含む面に対し微小角を
なすようにされている転回刃板を備えており、前
記転回刃板および前記支持基部を貫通し、前記回
転体の前記基面にねじ込まれる、皿頭をもつネジ
にして、前記転回刃板と前記支持基部とを前記凹
みの前記基面に固着する１つのネジを備えて成る
リーマによつて達成される。

本考案によつて、下記利点が得られる。

ａ 転回刃板の広い側部平面が、リーマの回転体
の円周に対してほぼ接線方向に延びている。

ｂ 刃に作用する力が、本質的に転回刃板の平面
に対して斜めに、後部の細い当接側面および力
の方向に直角な回転体の半径方向支持面を介し
て、リーマの回転体内に誘導される。

ｃ 広い当接側面が実際上境界面をなして回転体
の支持基部上に載ることによつて、回転体の縦
中心軸線の方向に半径方向に、絶対的に確実な
支持が得られる。単位面積当りの応力は小さ
い。

ｄ 特に刃の交換時における、転回刃板の複雑な
調整作業が不要である。

ｅ 転回刃板前方の回転体内の自由切削空間が、
本考案に係る配置にもとづき、極めて大きく構
成できる。かくして、高い作業能率が得られ
る。何故ならば、切削屑が自由に排出されるか
らである。

ｆ 回転体内に転回刃板をコンパクトに埋込むこ
とによつて、作業斜率が高い場合にも、リーマ
のボデー内の応力が避けられる。

ｇ 回転体の凹み内の転回刃板の接線方向配置お
よび支持は、絶対的に無振動であり極めて簡単
な手段で行われる。複雑な構造部材（例えば、
取付ツメ、ピストン状調節部材）が不要であ
る。転回刃板の交換は、迅速且つ簡単に行い得
る。この場合、時間のかかる調心作業が不要で
ある。

ｈ 転回刃板の巾が大きく、力の作用線に直角な
その高さが低いので、転回刃板は大きい曲げ強
度および長い寿命を有する。

ｉ モールステーパにもとづく転回刃板の狭搾部
または傾斜部は、特別に調節する必要はない。
狭搾部は、本考案に係る転回刃板では、工場サ
イドですでに研削加工してある。誤調整の恐れ
はない。転回刃板の挿入時、対応する傾斜研削
によつて常に正しい狭搾方法が得られる。

実用新案登録請求の範囲第２項の特徴事項によ
つて、回転体の凹みのコーナ範囲に、ライナー板
の長手エツジのための自由スペースが得られる。

実用新案登録請求の範囲第３項の特徴事項によ
つて、支持面に当接させた場合、転回刃板の長手
エツジのための自由スペースが得られる。

実用新案登録請求の範囲第４項の特徴事項によ
つて、転回刃板の後部の細い側面に適合した当接
がなされる。

実用新案登録請求の範囲第５項の特徴事項によ
つて、正確な調節したカムヘツドが確実にロツク
される。

実用新案登録請求の範囲第６項の特徴事項によ
つて、転回刃板の細い後部面にカムヘツドを正確
に微調整、支持するための補助手段が得られる。

実用新案登録請求の範囲第７項の特徴事項によ
つて、位置決め手段がリーマの回転体に適切に配
置される。

実用新案登録請求の範囲第８項の特徴事項によ
つて、転回刃板は、リーマ基部のネジ山付傾斜部
にもとづき、極めて簡単に、即ち、カムヘツドの
さらに頭ネジを締付けた場合に常に、支持面およ
び支持基部に当接し、従つて転回刃板の取付けに
際して正確な位置決めができる。

〔実施例〕

本考案を図示の好ましい実施例を参照して詳細
に説明する。

図示のリーマ１１は、回転体１３を備えたシヤ
フト１２を有している。回転体１３の周縁には、
２つの案内板１４が設けてある。更に、回転体１
３は、凹み１６および自由切削空間１７を有して
いる。自由切削空間１７は、回転体１３の横断面
の約1/3を含んでいるので、切削屑の良好な排出
のための十分なスペースが得られる。

凹み１６は、支持面１８および基面１９によつ
て限定されている。支持面１８は、ほぼ半径方向
に、即ち回転体１３の回転方向に本質的に垂直に
延びている。基面１９は、支持面１８に直角に設
けてある。支持面１８および基面１９のコーナ範
囲には、長方形ミゾとして構成したコーナ凹み２
１が構成してある。更に、回転体１３内には同じ
く長方形ミゾとして構成してあつて支持面１８に
開放した側部凹み２２が存在する。

回転体１３の凹み１６内には、更に、転回刃板
２６が設けてある。転回刃板２６の平面は、基面
１９に平行であり、回転体１３の支持面１８に垂
直である。上記転回刃板は、広い側面２７と、広
い側面に正確に平行に延びる広い当接側面２８
と、細い自由側面２９と上記自由側面に平行な細
い当接側面３１とを有している。転回刃板２６の
下部の広い当接側面２８は、ライナー板２４上に
載つている。これに反して、上部の広い側面２７
は、完全に自由であり、回転体１３の周縁まで割
線状に延びている。細い当接側面３１は、加工力
に対して垂直な支持面１８を当接している。

転回刃板２６は、相互に平行に延びる４つのエ
ツジに、切削面３７によつて形成される刃３２，
３３，３４，３６を有している。切削面３７は、
転回刃板２６の中心面の方向に下方へ傾斜して延
びており、円弧の形状をなして支持ウエブ３８に
移行している。切削面３７は、切削面３７と広い
側面２７または広い当接側面２８との間の角度が
約73゜であるよう構成してある。細い側面２９お
よび細い当接側面３１は、相互に正確に面平行を
なすよう研削してあり、支持ウエブ３８，３９の
自由面によつて形成されている。細い自由側面２
９は、刃３２，３３と共通な平面内に設けてあ
り、細い当接側面３１は、刃３４，３６と共通な
平面内に設けてある。更に、転回刃板２６は前部
の細い側面４１および後部の細い側面４２にそれ
ぞれ、刃３２，３３，３４，３６から出る２の自
由研削面４３を有している。

転回刃板２６は、平面に直角に延びる中央ボア
４４を有している。

上記中央ボア４４は、広い側面２７から出て中
心面の方向に挟搾するさら頭受け４６を有してい
る。正確に対向して、広い当接側面２８から出て
転回刃板２６の中心面の方向に挟搾するさら頭受
け４７が存在する。さら頭ネジ４６，４７の最小
径の範囲には、それぞれリンク状の段付凹み４８
が構成してある。転回刃板２６は、中央ボア４４
およびライナー板２４内のボア５１を貫通するさ
ら頭ネジ４９で回転体１３に着脱自在に固定して
ある。締付けるため、さら頭ネジ４９のさら頭５
２には六角の凹み５３が設けてある。

回転体１３には、転回刃板２６の後方にカムヘ
ツド５４が設けてある。カムヘツド５４は、円す
い部５７を有する頚軸５６に位置している。頚軸
５６は、回転体１３のボア５８内に圧入、固定し
てあり従つてロツクされている。カムヘツド５４
は、ネジ穴５９を有している。このネジ穴は頚軸
５６まで延びており、カムヘツド５４を変位せし
め得る補助ネジを受容するのに役立つ。カムヘツ
ド５４の周面は、転回刃板２６の後部の細い側面
４２に当接しており、取付時にカムヘツド５４を
回転すれば、リーマ１１の長手方向における転回
刃板２６の微調整が行われる。

さら頭ネジ４９および頚軸５６は、並んでおり
回転体の半径方向に延びている。さら頭ネジ４９
は、幾分傾斜させて回転体にネジ込んである。従
つて、さら頭ネジ４９をネジ込んだ場合、転回刃
板２６は支持基板２３のみならず、カムヘツド５
４および支持面１８に対しても押圧される。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案に係るリーマの拡大図（倍率
２）、第２図は、第１図の矢印から見た拡大図、
第３図は、第１図の矢印から見た部分切欠拡大
図である。 １１……リーマ、１３……回転体、１６……凹
み、２３……支持基部、２６……転回刃板、２７
……広い側面、２８……広い当接側面、３２，３
３，３４，３６……刃。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 相互にほぼ直交する基面１９および支持面１
   ８で形成の角状の凹みを有する回転体１３にし
   て、その半径から少くとも前記基面および支持
   面の一方がずらされている回転体１３と、ほぼ
   直方体状をなすとともに精密仕上げの上面およ
   び下面ならびにボアを有していて前記基面１９
   に取着される支持基部２３と、 全体としてほぼ直方体状をなしていて前記支
   持基部に取着される転回刃板２６にして、相互
   に平行な上および下の側面２７，２８を有し、
   平行な２対の刃３２，３３，３４，３６を有
   し、各対の刃の間に延在する１対の平行な支持
   ウエブ３８，３９を有し、これら支持ウエブ相
   互間の距離は上および下の側面相互間の距離よ
   りも長く、各刃から隣接の支持ウエブに向けて
   すくい面を有し、前記側面２７，２８それぞれ
   から皿穴を成すとともにそれら間をつなぐ中央
   ボア４４を有し、前記側面２７，２８の一方は
   前記支持基部２３の上面に係合し、その支持基
   部により前記回転体１３の回転軸線から当該の
   刃までの半径方向距離が設定され、前記１対の
   支持ウエブの一方は前記支持面１８に当接し、
   前記回転体１３の回転により当該の刃に加わる
   力が上の側面を含む面に対し微小角をなすよう
   にされている転回刃板と、 前記転回刃板２６および前記支持基部２３を
   貫通し、前記回転体１３の前記基面１９にねじ
   込まれる、皿頭をもつネジ４９にして、前記転
   回刃板と前記支持基部とを前記凹みの前記基面
   に固着する１つのネジとを備えて成るリーマ。 (2) 支持面１８および基面１９のコーナ範囲に、
   コーナ凹み２１が構成してあることを特徴とす
   る実用新案登録請求範囲第１項記載のリーマ。 (3) 支持面１８には、転回刃板２６の下の側面２
   ８の平面の範囲に、側部凹み２２が構成してあ
   ることを特徴とする実用新案登録請求範囲第１
   項記載のリーマ。 (4) 転回刃板２６はその細い側面４２が、頚軸５
   ６を介して回転体１３のボア５８内に調節自在
   に軸支したカムヘツド５４により、支持されて
   いることを特徴とする実用新案登録請求範囲第
   １項記載のリーマ。 (5) カムヘツド５４を担持する頚軸５６が、円す
   い部を有することを特徴とする実用新案登録請
   求範囲第４項記載のリーマ。 (6) カムヘツド５４が、頚軸５６まで延びていて
   補助ネジを受容するネジ穴５９を有することを
   特徴とする実用新案登録請求範囲第５項記載の
   リーマ。 (7) 転回刃板２６のネジ４９およびカムヘツド５
   ４の頚軸５６が、回転体１３に半径方向にかつ
   回転体の長手方向に順次に設けてあることを特
   徴とする実用新案登録請求範囲第４項記載のリ
   ーマ。 (8) ネジ４９が、その自由端がいくらか頚軸５６
   の方向に且ついくらか支持面１８の延長方向に
   傾けてネジ込んであることを特徴とする実用新
   案登録請求範囲第７項記載のリーマ。