JPH0232961Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はプツシユレバーの操作で直動式に開閉
する主弁とパイロツト弁、及び安全弁を備えたガ
スバルブに、左右揺動式に操作されるリニアレバ
ーによつてガス流量を調整する装置を組合わせ、
始動位置ではプツシユレバーが押せないようにロ
ツクするようにしたガスバルブに関する。

（従来の技術及び問題点） プツシユ式ガスバルブは、テーブルコンロに利
用されることが多く、点火操作はプツシユレバー
を押すと簡単にワンタツチで点火できるようにな
つているため、幼児等が誤つて押すと危険である
という問題がある。その為点火レバーにロツク機
構を設けてロツクをかけたときは点火操作ができ
ないようにすることが実施されているが、特別な
構造のロツク機構を別途に組込むために操作並び
に取扱いが面倒で、コスト的に割高になるという
問題があつた。

又従来のガスバルブは点火操作をスムーズに行
なうために主通路とは別にバイパス弁を設けて点
火レバーを押すときに連動してバイパス弁が開く
ようにしていたが、バイパス弁を組込む構造が複
雑になり、且つ点火時にガス流量が少いと安定し
た点火を行なうことが困難だあつた。

（技術的課題） 従つて本考案においては、点火用のプツシユレ
バーと流量調整用のリニアレバーとでロツク機構
を併用して機構の簡略化を図ると共に、ガスを安
全に使用することができるようにするために、点
火用プツシユレバーを押すときにリニアレバーを
点火領域に戻し、プツシユレバーとリニアレバー
で点火時の流量を保証できるようにすることを技
術的課題とする。

（問題を解決するための手段） 上記の技術的課題を解決するために、本考案は
プツシユレバーの押入で弁棒が押されると主弁と
パイロツト弁、安全弁を同時に押開き、リニアレ
バーの操作でニードル弁を進退移動させてガス流
量を調整するようになしたガスバルブにおいて、
前記プツシユレバーの押入時にその押入位置を保
持する機構と、その押入保持を解除するように前
記プツシユレバーに併設された解除用押ボタンと
よりなり、前記リニアレバーにはその始動位置
（ロツク位置）で前記プツシユレバーと係合して
該レバーの押入を阻止するようにロツクする第１
のストツパと、リニアレバーを２段目の大火位置
でプツシユレバーと係合してリニアレバーの２段
目以上の回動を阻止する第２のストツパ、及びプ
ツシユレバーの押入時には該レバーと係合して２
段目から元の始動位置への復帰を阻止する第３の
ストツパとからなるロツク機構を設け、前記解除
用押ボタンには、その押入時にリニアレバーを始
動位置へ押戻すように該レバーと連繋したリタン
ロツドを対接してなるものである。

又、本考案は前記リニアレバーにはニードル弁
連繋ピンを始動位置から大火位置を経て小火位置
へ向うように案内するガイド溝を設けると共に、
この連繋ピンに前記各位置で節度的に嵌止し且つ
同時に節度音を発するように線ばねを附勢してな
るものである。

（作用） 第１〜２図、及び第５〜６図において、リニア
レバー１が左端のａの位置にある始動前の状態で
は、プツシユレバー２は突片２ａが第１のストツ
パ１ａに当接するよう対向している。

従つて、この位置ａでプツシユレバー２を押し
てもその押入は阻止されるから押せない。

リニアレバー１を右へ押し２段目ｂの位置へ移
動させると、前記の第１ストツパ１ａが前記の対
向位置から側方へ逃げるためプツシユレバー２は
押入可能となる。

そこでプツシユレバー２を押すとこれにて弁棒
３が弁ばね４を圧縮して押入される為主弁５とパ
イロツト弁６が開き、同時に弁棒端で安全弁７を
押し開く。この押入動作に関連して点火器８が作
動する。

ガスはガス流入口９から安全弁口１０、主弁１
１及びニードル弁口１２を経て一方は主ガス流出
口１３から流出し、他方はパイドツト弁口１４を
経てパイロツトガス流出口１５へ流出する。

プツシユレバー２の押入を解除するとばね１６
の復元弾力で復帰しようとするが、先に押入時に
ロツクピン１７が鈎レバー１８の鈎部１８ａに係
合して復帰が阻止されその押入位置（押入し切つ
た位置から少し復帰した状態）が保持される。

リニアレバー１が２段目のｂの位置（大火位
置）に押しやられるとニードル弁１９は連繋ピン
２０との連動でニードル弁口１２は最大となる。

リニアレバー１をさらに右へ押動してｃの位置
（小火位置）にすると、リニアレバー１のガイド
溝２１に連繋ピン２０が案内されてニードル弁１
９をニードル弁口１２が小さくなる方向へ押動さ
れ該弁口１２は最小となる。

リニアレバー１を始動位置ａから２段目ｂの大
火位置へ回動させたときは、その位置で第２のス
トツパ１ｂがプツシユレバー２の第２の突片２ｂ
に係合する為それ以上右へ動かすことができず、
従つてリニアレバー１はａからｂの間のみ動くこ
とができる。

２段目ｂの位置で前記のようにプツシユレバー
２を押すと、第２の突片２ｂが逃げるためリニア
レバー１は２段目から３段目ｂの小火位置へ動か
すことが可能となる。しかしこのときプツシユレ
バー２の押入で第３のストツパー１ｃがプツシユ
レバー２の第３の突片２ｃに係合可能となる為リ
ニアレバー１を始動位置ａの方向へ戻そうとして
もｂの位置で阻止される。従つてこのプツシユレ
バー２の押入時においては、リニアレバー１はｂ
とｃの間においてのみ操作が許容されるからガス
は大火から小火の間において任意に調整できるも
のである。

次に解除用押ボタン２２を押すと、これにより
リタンロツド２３が後方へ押動されるので後端部
２３ａにおいて連繋するリニアレバー１を支軸２
４を支点に時計（矢印イ）へ回動させると同時
に、押ボタン２２のリタンピン２２ａで鈎レバー
１８の突片１８ｂを解除方向へ押動させるので、
前記のロツクが解除される。従つてその瞬間にプ
ツシユレバー１はばね１６の復帰弾力で一気に元
の位置へ復帰する。従つて弁棒３もばね４の弾力
で復帰するから主弁５及びパイロツト弁６は閉弁
しガスは停止する。

リニアレバー１の操作で連繋ピン２０をガイド
溝２１中を摺動させるときは、該レバーに設けた
線ばね２５により押圧弾力が附勢されて、始動位
置（ロツク位置）ａ及び大火位置ｂにおいては屈
曲部２５ａ，２５ｂに連繋ピン２０が嵌入するた
め、節度感を出し、さらにａにおいてはその復帰
時に線ばねの遊端２５ｃが弾撥される為に「カチ
ツ」という節度音が発生する。

（効果） 本考案は次のような特有の効果を有する。

主弁、パイロツト弁及び安全弁が閉止状態に
あり、且つリニアレバーも始動位置ａにあると
きは、第１のストツパによりプツシユレバーが
押せないようにロツクされるので、幼児等が誤
つてプツシユレバーを押すようなことがあつ
も、押入できない為に安全であり、生ガスが流
出したり、点火器が作動せず、幼児等をガスの
事故から守ることができる。

誤操作用のロツク装置を特別に設けないでも
リニアレバーとプツシユレバーにて簡単に得ら
れ、コスト的にも有利である。

プツシユレバーの点火時にはリニアレバーを
２段目の大火位置ｂにしてからでないと操作で
きず、従つて点火が確実に行なわれる。

リニアレバーによる大火と小火の間の調整は
プツシユレバーを押入し、その押入位置を保持
した状態でないと操作できないようになつてい
る為誤操作をなくしてきめの細かい調整がで
き、安全性と作動の確実性を保証できる。

リニアレバーとプツシユレバーの復帰を復帰
用押ボタンのワンタツチ操作で簡単迅速に行な
い、且つリニアレバーの２段目及び２段目から
１段目の始動位置へは節度感と同時に節度音で
確認ができ、安全性を大いに高めることができ
る。

（実施例） リニアレバー１は金属板にて形成し、基端部の
枢軸２４を本体ケース２６に取付けて左右揺動自
在となす。

リニアレバー１のガイド溝２１は、枢軸２４を
中心にａからｂの間は円弧形とするが、ｂからｃ
の間は連繋ピン２０を介しニードル弁１９を大火
か小火に向つて移動させるように偏心円弧形とな
す。

安全弁７は弁棒３に押されると弁ばね７ａを圧
縮して弁口１０を開き、熱起電力を生じると弁棒
３の押力を解除しても開弁を保持するようになつ
ている。

点火器８はプツシユレバー２を押すと、該レバ
ーに一体形成した押片２ｅにてスイツチ端子８ａ
が押されて最押入時に作動するが、押入し切つた
状態から少しでも離れるとスイツチが切れるもの
である。

線ばね２５は一端２５ｄをリニアレバー１上の
ばね掛け部１ｇに固定して該部を支点に弾撥力を
附勢し、遊端２５ｃはリニアレバー１の端部片１
ｈに係合可能に臨ませる。節度部となる屈曲部２
５ａ，２５ｂはく字形に屈曲した形状となす。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案を実施したプツシユ式ガスバル
ブの縦断側面図、第２図は同平面図、第３図は同
正面図、第４図は底面からみた要部の平面図、第
５図及び第６図はリニアレバーとプツシユレバー
の作用説明図、第７図は同要部の分解斜視図であ
る。 １……リニアレバー、２……プツシユレバー、
３……弁棒、４……弁ばね、５……主弁、６……
パイロツト弁、７……安全弁、８……点火器、９
……流入口、１０，１１，１２……弁口、１３…
…主ガス流出口、１５……パイロツトガス流出
口、１８……鈎レバー、１９……ニードル弁、２
０……連繋ピン、２１……ガイド溝、２２……解
除用押ボタン、２３……リタンロツド、２５……
線ばね。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) プツシユレバーの押入で弁棒が押されると主
   弁とパイロツト弁、安全弁を同時に押開き、リ
   ニアレバーの操作でニードル弁を進退移動させ
   てガス流量を調整するようになしたガスバルブ
   において、前記プツシユレバーの押入時にその
   押入位置を保持する機構と、その押入保持を解
   除するように前記プツシユレバーに併設された
   解除用押ボタンとよりなり、前記リニアレバー
   にはその始動位置（ロツク位置）で前記プツシ
   ユレバーと係合して該レバーの押入を阻止する
   ようにロツクする第１のストツパと、リニアレ
   バーを２段目の大火位置でプツシユレバーと係
   合してリニアレバーの２段目以上の回動を阻止
   する第２のストツパ、及びプツシユレバーの押
   入時には該レバーと係合して２段目から元の始
   動位置への復帰を阻止する第３のストツパとか
   らなるロツク機構を設け、前記解除用押ボタン
   には、その押入時にリニアレバーを始動位置へ
   押戻すように該レバーと連繋したリタンロツド
   を対接してなることを特徴とするプツシユ式ガ
   スバルブ。 (2) 前記リニアレバーにはニードル弁連繋ピンを
   始動位置から大火位置を経て小火位置へ向うよ
   うに案内するガイド溝を設けると共に、この連
   繋ピンに前記各位置で節度的に嵌止し且つ同時
   に節度音を発するように線ばねを附勢してなる
   前記実用新案登録請求の範囲第１項記載のプツ
   シユ式ガスバルブ。