JPH0232937Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車用シフトレバー装置のシフトア
ームの先端にシフトケーブルを取付けるために使
用されるシフトケーブル取付用接手に関するもの
である。

（従来の技術） シフトレバーと変速機とをシフトケーブルを介
して接続する形式のシフトレバー装置において
は、シフトアームの先端に前後左右のいずれの方
向にも追従して動けるようにシフトケーブルを取
付ける必要がある。このため、従来はシフトアー
ムの先端に球状部を形成しておき、内面を球面と
した金具でこの球状部を外側から保持させてこの
金具にシフトケーブルを取付ける構造が採用され
ている。しかしこの金具の上部には球状部の脱け
止め用のピン等を取付ける必要があり、組立てが
面倒であること、金属板の球状部と金具とが直接
接触しているため当たり音やガタが発生し易いこ
と等の問題があつた。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は上記のような従来の問題点を解決し
て、組立てが容易であり、当たり音やガタが発生
するおそれのないシフトケーブル取付用接手を目
的として完成されたものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案はシフトケーブル取付用のロツドの先端
に、中央部を球状の内面が形成されるように膨ら
ませた左右一対の弾性片を固着し、外周面及び内
周面にともに球面部が形成された合成樹脂製のブ
ツシユをこれらの弾性片間に挾圧させて取付け、
挾圧により縮径されたブツシユの内部にシフトア
ームの先端球状部を嵌合保持させたことを特徴と
するものである。

（実施例） 次に本考案を図面の実施例によつて更に詳細に
説明すると、第２図において１は自動車のフロア
パネル等に取付けられるベース、２はその隆起部
３の上面に取付けられたシフトレバー装置、４は
そのシフトレバー、５はシフトレバー４の下端の
シフトアーム、６はその先端球状部である。ベー
ス１の端部７には金具８が取付けられており、こ
の金具８の内部には端部にシフトケーブル９が取
付けられたロツド１０がスライド自在に支持され
ている。

第１図に示すように、このシフトケーブル取付
用のロツド１０の先端には中央部を球状の内面１
１が形成されるように膨らませた左右一対の弾性
片１２，１２が溶接によつて固着されている。こ
れらの弾性片１２，１２は熱間圧延軟鋼板のよう
な弾性のある金属材料からなるもので、図示のよ
うにその基部１３は一体化され、またその両側の
先端部分１４，１４にはボルト挿通孔１５が透設
されてボルト１６及びナツト１７により締付ける
ことができるようになつている。１８はこれらの
弾性片１２，１２間に挾圧させて取付けられる合
成樹脂製のブツシユである。このブツシユ１８は
ポリアセタール樹脂又はナイロンのような弾性と
活性に優れた材質のもので、その外周面及び内周
面にともに球面部１９，２０が形成され、また上
部の開口径は下部の開口径よりも大きく、外側か
ら挾圧されないフリーな状態においてはシフトア
ーム５の先端球状部６を嵌め込むことができる大
きさとなつている。そして先端球状部６が嵌め込
まれたブツシユ１８を弾性片１２，１２間に挾
み、ボルト１６、ナツト１７を締付けてブツシユ
１８を挾圧すれば、ブツシユ１８は挾圧力により
縮径された内側の球状面１１によつて確実に保持
され、上方へ抜けることができない状態となる。

（作用） このように構成されたものは、シフトレバー４
の操作によりその下端のシフトアーム５を前後方
向に移動させれば、その先端球状部６が合成樹脂
製のブツシユ１８に嵌合された状態で弾性片１
２，１２間に挾圧保持されているため、シフトケ
ーブル取付用のロツド１０及びこれに取付けられ
たシフトケーブル９を前後方向に動かし、変速動
作が行われることとなる。またシフトレバー４を
横方向に動かすセレクト操作により先端球状部６
が横方向に移動した場合にも、ブツシユ１８の内
側の球面部２０との間で滑りが生じて、弾性片１
２，１２とロツド１０は金具８を中心として水平
面内で滑らかに回転運動を行うことができる。

このように本考案においては、シフトアーム５
の先端球状部６が合成樹脂製のブツシユ１８の球
面部２０により回転自在に保持されるので、金属
どうしが直接接触することがなく、当たり音の発
生や摩耗によるガタの発生のおそれがない。また
本考案においては、合成樹脂製のブツシユ１８の
内部にフリー状態でシフトアーム５の先端球状部
６を嵌込んだうえ、このブツシユ１８をロツド１
０の弾性片１２，１２の球状に膨出させた部分の
内部に嵌込むことによりブツシユ１８を縮径さ
せ、先端球状部６の上方への脱落を防止している
ので、従来のように先端球状部６を保持する金具
の上部に抜け止めピン等を装着する必要がなく、
部品点数も少なく組立てが容易な利点がある。

（考案の効果） 本考案は以上の説明からも明らかなように、シ
フト操作を確実に行えることは勿論、部品点数が
少なく組立てが容易であり、また当たり音やガタ
の発生するおそれのないものであるから、従来の
問題点を解消したシフトケーブル取付用接手とし
て、その実用的価値は極めて大きいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の要部を示す一部切欠
分解斜視図、第２図は使用状態を示す一部切欠正
面図である。 ５……シフトアーム、６……先端球状部、１０
……ロツド、１１……透孔、１２……断性片、１
８……ブツシユ、１９，２０……球面部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シフトケーブル取付用のロツド１０の先端に、
   中央部を球状の内面が形成されるように膨らませ
   た左右一対の弾性片１２，１２を固着し、外周面
   及び内周面にともに球面部１９，２０が形成され
   た合成樹脂製のブツシユ１８をこれらの弾性片１
   ２，１２間に挾圧させて取付け、挾圧により縮径
   されたブツシユ１８の内部にシフトアーム５の先
   端球状部６を嵌合保持させたことを特徴とするシ
   フトケーブル取付用接手。