JPH0232685B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は磁気ヘツドに係り、更に詳しくは高透
磁率磁性材料より形成される磁気コアにコイルを
装着して構成される磁気ヘツドに関する。

従来より、このような磁気ヘツドのコイル部は
絶縁被膜を施された導線、例えばポリウレタン被
覆銅線等を用いて磁気コアに用途に応じて数十回
から数千回巻かれており、一般にはその導線の直
径は0.05mm以下と非常に細い場合が多い。

一方、磁気コア全体の断面形状は、ほぼＣ字状
を成しており、この為、導線の巻線作業は困難で
あるため、通常は第１図に示されるようにほぼコ
字状を成したコア半体１′に導線２を多層に巻回
したボビン３を挿入し、左右一対となるコア半体
１′，１′を構成していた。

ところが、導線２が非常に細いために線が巻線
作業中に傷つきやすく絶縁被膜が剥れるという問
題が生じ、又導線２を多層に整然と巻くことが困
難であり、その作業性が著しく低下するという欠
点があつた。このような問題を解消するために、
従来では巻線作業後に樹脂等を充填し、コイル部
を保護するという手段も行なわれたきたが、組立
工数が増大すると共にコスト高の一因ともなり根
本的な解決にはならなかつた。

本発明は、このような欠点を解消し、従来の巻
線作業や樹脂埋め込み作業を必要とせず、コイル
の断線が巻き乱れのない信頼性の高い磁気ヘツド
を提供することを目的とする。

この目的を達成するために本発明によれば、高
透磁率磁性材料より形成される磁気コアにコイル
を巻装してなる磁気ヘツドにおいて、電気的に接
続される複数個の渦巻型導体パターンと該渦巻型
導体パターンのほぼ中心部にそれぞれ開口孔を配
置したプリント板を有して該プリント板を順次渦
巻型導体パターン同士と開口孔同士がそれぞれ重
なるよう折曲し、折曲したプリント板の前記開口
孔のそれぞれに対し前記磁気コアを通してコイル
とする構成を採用した。

以下図面に基づき本発明を詳細に説明する。

第３図〜第６図はいずれも本発明の一実施例を
示すもので、同図において第１図及び第２図に示
すものと同一のものは同符号を付し、その説明は
省略する。

第３図において符号７で示すものは絶縁材料、
例えばポリエステル系フレキシブル板等からなる
ベースフイルムであり、ベースフイルム７の表面
には銅箔或いはニツケル箔等からなる導体パター
ン５，５′，５″が渦巻状に複数個周知の方法で印
刷配線されている。この渦巻型の導体パターン
５，５′，５″は、隣り合う同士で渦巻の巻き方が
逆になつている。これは隣り合う導体パターン同
士を順次対向するように折曲した際、磁気コアに
対して同一方向に巻かれるようにするためであ
る。

各導体パターン５，５′，５″の渦巻の中央部に
は矩形状の孔６が設けられており、これは、先に
述べたように折曲した際、この孔６よりコア半体
に挿入するためのものである。

一方、各導体パターン５，５′，５″の一方の端
子部分は、隣接する他の導体パターンの端子部分
と破線で示すようにスルーホール等によりベース
フイルム７の裏面側で電気的に接続されており、
また両端に位置する導体パターン５，５″の一方
の端子部分５ａ，５ｂは若干広い領域となつてコ
イルに通電する外部電源端子となつている。

以上のように構成されたフレキシブルプリント
板４の表面部分は端子部分を除いて絶縁性塗料が
塗布されている。

第４図には第１図のフレキシブルプリント板４
を前述したように各孔６が一致するように折り曲
げ、同心上の配列された孔６を左右一対のコア半
体１′，１′に挿入し、突き合わせて一体化した磁
気ヘツド１が示されており、この場合各導体パタ
ーンの巻き方向はコアに対して同方向となり、互
いに接続されて折り重なつて磁気コアに挿入され
るので磁気ヘツドのコイルとしての作用を有す
る。

第５図及び第６図には、本発明による他の実施
例が図示されており、第５図はフレキシブルプリ
ント板４の電源端子部分５ａをフエノール或いは
エポキシ樹脂等からなる硬質プリント板９の導体
部分８と半田付等によつて直接続する実施例を示
すもので、この場合には磁気ヘツドとプリント板
との接続を簡単にすることが可能である。

又、第６図にはフレキシブルプリント板に印刷
される導体パターンの変形例が図示されている。
同図において導体パターン５，５″の巻数は導体
パターン５′，５の巻数と異なつている。

尚、第３図に述べた実施例においてフレキシブ
ルプリント板の導体パターンの端子部分は隣接す
る導体パターンと必ずしも反対側で接続される必
要はなく、渦巻型の導体パターンの端子部分以外
と電気的に接触しないように接続されていれば良
い。

又、上述した実施例においては片面型のフレキ
シブルプリント板について述べたが、両面型或い
は積層型のフレキシブルプリント板についても同
様に磁気ヘツドのコイルとすることが可能であ
る。又、フレキシブルプリント板の代りに渦巻型
の導体パターンを配線したプリント板を多層に積
層し、各導体パターンを接続することによつても
同様のコイルを得ることができる。

以上述べてきたように本発明によれば、高透磁
率磁性材料より形成される磁気コアにコイルを巻
装してなる磁気ヘツドにおいて、電気的に接続さ
れる複数個の渦巻型導体パターンと該渦巻型導体
パターンのほぼ中心部にそれぞれ開口孔を配置し
たプリント板を有して該プリント板を順次渦巻型
導体パターン同士と開口孔同士がそれぞれ重なる
よう折曲し、折曲したプリント板の前記開口孔の
それぞれに対し前記磁気コアを通してコイルとす
る構成を採用したので、従来必要であつたボビン
や導線の巻線作業や巻線を施した後に樹脂を埋め
込んで保護する作業がなくなり、安価な磁気ヘツ
ドが得られると共に従来多かつたコイルの断線や
コイルの巻き乱れが少なくなり信頼性の高い品質
の安定した磁気ヘツドが得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第２図はいずれも従来の磁気ヘツドの
構成を示すもので、第１図は斜視図、第２図は分
解斜視図、第３図〜第６図は本発明の磁気ヘツド
の一実施例を説明するもので第３図は磁気ヘツド
に用いられるフレキシブルプリント板の斜視図、
第４図は第３図のフレキシブルプリント板をコイ
ルとして使用した磁気ヘツドの斜視図、第５図は
フレキシブルプリント板の電源端子部分に硬質プ
リント板を接続した状態を示す斜視図、第６図は
フレキシブルプリント板の導体パターンの変形例
を示す平面図である。 ４…フレキシブルプリント板、５，５′，５″…
導体パターン、５ａ，５ｂ…電源端子、６…孔、
７…ベースフイルム、８…導体、９…硬質プリン
ト板。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 高透磁率磁性材料より形成される磁気コアに
   コイルを巻装してなる磁気ヘツドにおいて、電気
   的に接続される複数個の渦巻型導体パターンと該
   渦巻型導体パターンのほぼ中心部にそれぞれ開口
   孔を配置したプリント板を有して該プリント板を
   順次渦巻型導体パターン同士と開口孔同士がそれ
   ぞれ重なるよう折曲し、折曲したプリント板の前
   記開口孔のそれぞれに対し前記磁気コアを通して
   コイルとすることを特徴とする磁気ヘツド。 ２ プリント板の電源端子部分をフエノール或い
   はエポキシ樹脂等から形成されるプリント板と接
   続したことを特徴とする特許請求の範囲第１項に
   記載の磁気ヘツド。