JPH0232091Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は、提紐を有する魔法瓶において、魔
法瓶の外筒に提紐を着脱自在に取付ける構造に関
するものである。

「従来の技術」 従来、携帯用の魔法瓶として、容易に持ち運ぶ
ことができるように提紐が設けられたものが提供
されている。この種の魔法瓶には、その取扱いが
さらに便利になるように、外筒に提紐を着脱自在
に取付ける構造のものがある。このようなものと
しては、外筒の軸対称位置にそれぞれ金属からな
る環状部材を設け、各環状部材に提紐の端部をそ
れぞれ通し、端部の一方をサルカンを用いて止め
るとともに、他方を鼓ボタンで止める構造や、両
端をそれぞれサルカンで止める構造などが知られ
ている。

「考案が解決しようとする課題」 ところが、上記従来の提紐の取付構造において
は、いずれも外筒に対する提紐の着脱にたいへん
手間がかかるという問題点があり、その解決が望
まれているのが現状である。

この考案は上記事情に鑑みてなされたもので、
魔法瓶を持ち運ぶための提紐の着脱を容易に行う
ことのできる魔法瓶の着脱式提紐の取付構造を提
供することを目的とするものである。

「課題を解決するための手段」 この考案の着脱式提紐の取付構造では、魔法瓶
の外筒の外周面上に固定リングを取りつけ、この
固定リングの外周面上に外方に突出する係止突起
を設け、該係止突起に上記外筒の周方向に開口す
る嵌合凹部を形成し、上記固定リングの外周面上
に回動リングを回動可能に取り付けるとともに、
該回動リングの内周面上に上記係止突起を内部に
位置せしめる切欠部を設け、該切欠部の内部に、
回動リングの回動に伴なつてその先端が上記係止
突起の嵌合凹部に嵌合しあるいは嵌合凹部から離
脱する棒状のロツク部材を設け、このロツク部材
に提紐のループ状に形成した端部を掛止せしめる
ことを上記課題の解決手段とした。

「作用」 この考案の取付構造によれば、回動リングが固
定リングに回動可能に取りつけられ、かつ固定リ
ングの外周面上に設けられた係止突起が回動リン
グの切欠部内に位置することから、回動リングが
回動されることにより切欠部の内部に設けられた
ロツク部材の先端が係止突起に形成された嵌合凹
部に嵌合しあるいは離脱するものとなる。したが
つて上記ロツク部材の先端を嵌合凹部から離脱さ
せた状態でロツク部材に提紐の端部を掛止し、そ
の後ロツク部材と嵌合凹部とを嵌合せしめること
により、提紐の取りつけが可能となる。また、回
動リングを逆方向に回動してロツク部材を嵌合凹
部から離脱せしめることにより、提紐の端部がロ
ツク部材から取り外し可能になる。

「実施例」 以下、この考案を図面を参照して説明する。

第１図および第２図はこの考案の取付構造を金
属魔法瓶に適用した場合の一実施例を示す図であ
つて、図中符号１は金属魔法瓶である。この金属
魔法瓶１には、第２図に示すように真空二重瓶２
の外筒２ａの上部にその外周面に沿つてリング状
の固定リング３が取り付けられており、またこの
固定リング３の外周にはリング状の回動リング４
が取り付けられている。

固定リング３は、第２図および第３図に示すよ
うにその内周面側に周方向に沿つて形成された凹
部が、外筒２ａの外周面に周方向に沿つて外方に
膨出して形成された係止縁５に係止することによ
り、外筒２ａに固定されたものである。この固定
リング３の外周面６上には、第１図中破線で示す
ように周方向に沿つて外方に突出してなる係合段
部６ａが、軸線対称の位置に二つ形成されてい
る。これら係合段部６ａ，６ａは、第３図に示す
ように固定リング３の下部に形成されたもので、
後述するように回動リング４と係合するものであ
る。また、この固定リング３の外周面６には、第
１図に示すように上記係合段部６ａ，６ａのそれ
ぞれの間の中央部に、外方に突出して係止突起
７，７が形成されている。係止突起７は、第４図
に示すようにその下端が上記回動リング４の下端
と同一水平位置となるよう下方に突出して形成さ
れたものである。この係止突起７には、その一側
面（第４図では左側面）の下部に嵌合凹部７ａが
穿設されている。

回動リング４には第３図に示すようにその内周
面に周方向に沿つて係合溝４ａが形成されてお
り、該係合溝４ａには上記固定リング３の係合段
部６ａが摺動可能に係合されている。また回動リ
ング４には、第３図に示した係合溝４ａの上壁と
なる部分４ｂを切り欠いてなる切欠部８，８が、
第１図に示すように固定リング３の係止突起７，
７と対応する位置にそれぞれ形成されている。切
欠部８は、その半径方向の幅が係止突起７の半径
方向の長さにほぼ一致し、かつ周方向の幅が係止
突起７の周方向の長さより十分に広く形成された
ものであり、これによつて係止突起７は切欠部８
の内部に十分なあそびを有した状態で係合したも
のとなる。この切欠部８の内面の一側（第４図で
は左側面）８ａには、切欠部８内に延出する棒状
のロツク部材９が一体に突設されている。このロ
ツク部材９は、その先端が切欠部８のほぼ中央に
達する長さ寸法に形成されてなるとともに、その
先端は上記嵌合凹部７ａに嵌合可能な寸法に形成
されている。

従つて、上記回動リング４を上記固定リング３
に対して図中矢印Ａ方向に回動させると、ロツク
部材９の先端が嵌合凹部７ａに嵌合され、逆方向
（図中矢印Ｂ方向）に回動すると、その嵌合が解
除されることになる。また切欠部８の内面の他側
８ｂは、回動リング４を矢印Ｂ方向に回動する
と、第４図中破線で示すように上記係止突起７に
係止されることになるため、上記回動リング４
は、図中Ｌで示す距離範囲内を回動することにな
る。

また、第２図に示すように、提紐１０の端部１
０ａは結束金具１１によつてループ状に形成され
ており、上記ロツク部材９に掛止できるようにな
つている。

しかして、第１図および第４図において、矢印
Ｂ方向に回動リング４を回動せしめて切欠部８の
他側８ｂを係止突起７に係止させると、第４図中
破線で示すように係止突起７の嵌合凹部７ａとロ
ツク部材９との嵌合が解除され、嵌合凹部７ａと
ロツク部材９とは距離Ｌだけ離間する。この嵌合
凹部７ａとロツク部材９の先端との間に提紐１０
の端部１０ａを挿入し、上記ロツク部材９が上記
ループ状の端部１０ａの中心を貫通するように上
記回動リング４を矢印Ａ方向に回動して、ロツク
部材９の先端を上記嵌合凹部７ａに嵌合すれば、
上記端部１０ａがロツク部材９に掛止状態とな
る。また、逆に提紐１０は金属魔法瓶１に連結さ
れた状態となる。一方、逆に提紐１０を取りはず
す時は、提紐１０を手で固定して回動リング４を
図中矢印Ｂ方向に回動させれば、ロツク部材９と
嵌合凹部７ａとの嵌合およびロツク部材９に対す
る提紐１０の端部１０ａの掛止が解除され、容易
に提紐１０を金属魔法瓶１から取りはずすことが
できる。また、この取付構造においては、第１図
および第２図に示すように、固定リング３は回動
リング４によつて覆われており、固定リングの外
周面６は外側からは見えない構造となつているの
で、金属魔法瓶１に提紐１０を取りつけても、外
観性を損なうことがない。

なお、上記実施例においては、魔法瓶として金
属製魔法瓶１を例にとつて説明したが、これは真
空二重瓶２が金属製なので、その外筒に膨出加工
など成形加工を施すことができ。固定リング３を
容易に取りつけることができる特徴があるからで
ある。しかし、他の材質の真空二重瓶に対しても
外筒保護体を介して固定リング３を取りつけるな
どの手段を講ずるならば、この考案は他の材質の
魔法瓶にも充分適用することが可能である。

また、上記実施例では回動リング４に切欠部８
を２ケ所に設けたが、必要に応じて１ケ所あるい
は３ケ所以上設けてもよく、その場合には切欠部
８の数に対応してこれと同数の係止突起７を固定
リング３に形成するようにする。

「考案の効果」 以上説明したようにこの考案の魔法瓶の着脱式
提紐の取付構造は、回動リングが回動されること
によつて切欠部の内面に設けられたロツク部材の
先端が、切欠部の内部に位置せしめられた係止突
起の嵌合凹部に嵌合しあるいは離脱するものであ
るから、ロツク部材の先端が嵌合凹部から離脱し
た状態でロツク部材に提紐の端部を掛止し、その
後ロツク部材と嵌合凹部とを嵌合せしめることに
より、提紐を魔法瓶に取りつけることができ、逆
にロツク部材を嵌合凹部から離脱せしめて提紐の
端部をロツク部材から取り外すことにより、提紐
を魔法瓶から脱着することができる。したがつて
この取付構造にあつては、魔法瓶を持ち運ぶため
の提紐の着脱をごく容易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図はこの考案の取付構造を金
属魔法瓶に適用した場合の一実施例を示すもの
で、第１図は金属製魔法瓶の平面図、第２図は第
１図の−線矢視図、第３図は第１図の−
線視した断面図、第４図は−線視した断面図
である。 １……金属製魔法瓶（魔法瓶）、２ａ……外筒、
３……固定リング、４……回動リング、６……外
周面、７……係止突起、７ａ……嵌合凹部、８…
…切欠部、９……ロツク部材、１０……提紐、１
０ａ……提紐の端部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 魔法瓶の外筒の外周面上に固定リングを取りつ
   け、この固定リングの外周面上に外方に突出する
   係止突起を設け、該係止突起に上記外筒の周方向
   に開口する嵌合凹部を形成し、上記固定リングの
   外周面上に回動リングを回動可能に取り付けると
   ともに、該回動リングの内周面上に上記係止突起
   を内部に位置せしめる切欠部を設け、該切欠部の
   内部に、回動リングの回動に伴なつてその先端が
   上記係止突起の嵌合凹部に嵌合しあるいは嵌合凹
   部から離脱する棒状のロツク部材を設け、このロ
   ツク部材に提紐のループ状に形成した端部を掛止
   せしめることを特徴とする魔法瓶の着脱式提紐の
   取付構造。