JPH0232092Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ストラツプを有する魔法瓶におい
て、魔法瓶本体にストラツプを着脱自在に取付け
る構造に関する。周知のように、携帯用の魔法瓶
として、持ち運びの便利のためにストラツプを備
えたものが提供されている。従来、この種の魔法
瓶において、その本体の外筒にストラツプを着脱
自在に取付ける構造としては、外筒の軸対称位置
にそれぞれ金属からなる環状部材を設け、各環状
部材にストラツプの端部をそれぞれ通し、一方を
サルカンを用いて止めると共に、他方を鼓ボタン
で止める構造や両端をそれぞれサルカンで止める
構造等が知られている。ところが、これら従来の
取付構造は、いずれも本体に対するストラツプの
着脱に非常に手間がかかるという問題点を有して
いた。

本考案は、上記の問題点を解消すべくなされ、
着脱操作が容易で、しかも持ち運びなどに際して
最も負荷のかかるストラツプと魔法瓶本体との取
付箇所に自由性を持たせた着脱式ストラツプの取
付構造を提供することを目的とするものである。

以下、本考案を図に示す実施例に基いて説明す
る。

第１図ないし第４図は、本考案の一実施例を示
す図である。これらの図中、符号１は魔法瓶本体
である。この魔法瓶本体１は、例えばステンレス
からなる内槽２と外筒３とを有し、これら内槽２
と外筒３との間が真空断熱層４として形成される
と共に、外筒３の上端部近傍を覆う保護体５を有
してなる。前記内槽２と外筒３とはその上端部で
連設されて図示しない口部が形成され、その口部
に内蓋（図示せず）と更にその外部を覆つて外蓋
６とが開閉自在に設けられている。

前記保護体５は、例えば第１図に示すように、
外筒３外面に形成された周方向に延びる突条３ａ
と、保護体５の内面に形成された溝５ａとの嵌合
により魔法瓶本体１に固着されている。この保護
体５の外面の略軸対称な位置には、それぞれ周方
向に対向して並ぶ取付部７，７…が各一対づつ設
けられている。これらの取付部７，７は、前記保
護体５をその半径方向外方に向けて膨出して形成
されたもので、隣在する各対の対向する部分は、
魔法瓶本体１の周方向に向いて互いに平行に対向
する対向面７ａ，７ａとなつている。これらの取
付部７，７の対向面７ａ，７ａの対応する位置に
は、それぞれ魔法瓶本体１の周方向に向く貫通孔
（嵌合凹部）８，８が穿設されている。

一方、ストラツプ１０は、従来のものと同様に
塩化ビニル樹脂等の合成樹脂や布材、皮革等で形
成されたものであつて、その両端部は、一旦折り
戻されて中間部に沿つて重ねられた状態でサルカ
ン１１により固定され、ループ状となつている。
このストラツプ１０のループ状になされた端部に
は、ストラツプ１０を魔法瓶本体１に取付けるた
めの釣金具１２，１２が設けられている。これら
の釣金具１２は、鋼等の弾性材料からなる丸棒を
折曲加工して形成されたものであつて、その基端
部は、ストラツプ１０のループ状の端部に巻回さ
れて環状部１２ａが形成され、更にこの環状部１
２ａの両側方が互いに平行に延出されて逆Ｕ字状
に形状されると共に各先端部が互いに反対方向に
折曲されて嵌合凸部１２ｂ，１２ｂが形成されて
いる。そして、このような構成のもとに嵌合凸部
１２ｂ，１２ｂは、上記貫通孔８，８に回動可能
に嵌合するものとなる。

しかして上記釣金具１２は、その環状部１２ａ
と嵌合凸部１２ｂ，１２ｂとの中間部を第２図中
の矢印Ａ，A′で示すように両側方から押圧する
ことにより弾性変形を起こし、嵌合凸部１２ｂ，
１２ｂの間隔を嵌合凸部１２ｂ，１２ｂの向く方
向に弾撥的に変化可能となつている。

また、前記ストラツプ１０の端部近傍には、前
記釣金具１２とサルカン１１との間を移動自在と
なるように着脱部材１５が緩挿されている。この
着脱部材１５は、合成樹脂や金属を用いて形成さ
れたものであつて、内部にストラツプ１０を通す
貫通孔１６が穿設されている。この貫通孔１６の
内面は、第２図に示すようにその中間部からスト
ラツプ１０の端部側に向く開口部１５ａに向かつ
て拡径され、テーパ面１６ａ，１６ａとなつてい
る。前記開口部１５ａの幅寸法は、前記釣金具１
２の中間部の幅より若干大きく形成され、従つ
て、前記テーパ面１６ａ，１６ａに釣金具１２の
中間部が係合可能となつている。

更に、前記貫通孔１６の前記開口部１５ａと反
対側に位置する部分の寸法は、釣金具１２の環状
部１２ａの幅より若干大きく形成され、内部に前
記環状部１２ａが緩挿可能となつている。

次に、上記のストラツプの取付構造においてス
トラツプ１０を魔法瓶本体１に着脱する方法を説
明する。

まず、ストラツプ１０を魔法瓶本体１に取付け
るには、着脱部材１５を支持してストラツプ１０
を引き、着脱部材１５内に釣金具１２を引き入れ
る。このとき釣金具１２の中間部がテーパ面１６
ａ，１６ａに当接し、これらのテーパ面１６ａ，
１６ａに沿つて貫通孔１６内に移動するに従つて
しだいに間隔がせばめられる。釣金具１２の先端
の嵌合凸部１２ｂ，１２ｂの間隔が、取付部７，
７の間隔より若干小さくなるまですぼめてこの状
態を保ち、釣金具１２を取付部７，７の間に差し
入れ、嵌合凸部１２ｂ，１２ｂを貫通孔８，８に
合わせ、次いでストラツプ１０を引く力を緩める
と、釣金具１２は弾性により広がつて嵌合凸部１
２ｂ，１２ｂが貫通孔８，８内に回動可能に嵌合
する。

釣金具１２と取付部とが結合されたストラツプ
の取付状態においては、釣金具１２自体の弾性に
よつて嵌合凸部１２ｂ，１２ｂの貫通孔８，８か
らの抜出が防止される。

また、ストラツプ１０を魔法瓶本体１から取外
すには、第３図、第４図に示すように着脱部材１
５を釣金具１２に向けて押圧し、釣金具１２を着
脱部材１５内に収納する。これによつて嵌合凸部
１２ｂ，１２ｂの間隔がせばめられて貫通孔８，
８との係合が解かれ、釣金具１２を取付部７，７
から取外すことができる。

上記のように、本考案のストラツプの取付構造
によれば、釣金具１２を着脱部材１５によつて弾
性変形させることにより、ストラツプ１０を魔法
瓶本体１に容易に着脱することができる。

なお、上記実施例においては、取付部７，７を
魔法瓶本体１の軸対称の位置に一対づつ設けた例
を示したが、これに代えて魔法瓶本体１の外周に
沿つて帯状の部材を取付け、これに対向面を有す
る切欠部を形成してもよい。

以上説明したように、本考案のストラツプの取
付構造は、ストラツプの両端部に設けられた弾性
材料からなる釣金具を、ストラツプの端部近傍に
緩挿された着脱部材のテーパ面によつて弾性変形
させることにより、ストラツプを魔法瓶本体に容
易に着脱することができる。また、釣金具は、着
脱部材のテーパ面の傾きに沿つて弾性変形させら
れるため、比較的小さい力でこの弾性変形をさせ
ることができ、従つて、釣金具の弾性を充分大き
く設定して取付部との結合状態の保持力を高くす
ることができる等の利点を有している。さらに、
取付部の貫通孔（嵌合凹部）と釣金具の嵌合凸部
とを回動可能に嵌合したことから、ストラツプが
魔法瓶の取付部に回動可能となり、したがつてス
トラツプを持つて、あるいはこれを肩に吊して魔
法瓶を持ち運ぶ際、魔法瓶が自由に動くことによ
り、魔法瓶を持ち運ぶ者は魔法瓶に歩行等を規制
するこなく自由に動くことができる。また、持ち
運ぶ際において、特に子供などがストラツプを持
つて魔法瓶本体を振り回した場合などに、ストラ
ツプの嵌合凸部と魔法瓶本体の嵌合凹部との間に
最も負荷がかかり、したがつてこの箇所における
破損が最も心配されるが、本考案の取付構造によ
れば、上記嵌合凹部と嵌合凸部とが回動可能に嵌
合しているので、ストラツプからの魔法瓶本体へ
の振動等の負荷の伝達が緩和され、よつて上記箇
所における破損を防止することができる。さら
に、本考案の取付構造にあつては、魔法瓶本体の
外周面に、周方向に向いた一対以上の対向面を有
する取付部を設け、この取付部にストラツプの釣
金具を取り付けあるいは取り外しするようにした
ので、ストラツプの釣金具を、魔法瓶本体の正面
側からあるいは魔法瓶本体の上方側および下方側
からなど魔法瓶本体側からを除く任意の側より、
取付部に嵌め込んで嵌合凸部を貫通孔（嵌合凹
部）に嵌合することができ、さらにはその逆を行
うこともできるので、ストラツプの魔法瓶本体へ
の着脱が容易になる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例の一部断面視した
正面図、第２図は、同要部の断面図、第３図、第
４図はいずれも着脱方法を説明するための要部の
断面図である。 １……魔法瓶本体、７……取付部、７ａ……対
向面、８……貫通孔（嵌合凹部）、１０……スト
ラツプ、１２……釣金具、１２ｂ……嵌合凸部、
１５……着脱部材、１６ａ……テーパ面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 魔法瓶本体にストラツプを着脱自在に取付ける
   構造において、前記魔法瓶本体の外周面には、周
   方向に向いた一対の対向面を有して外方に開いた
   凹状の取付部を設けると共にこれら取付部の前記
   対向面の対向位置に一対以上の嵌合凹部を形成
   し、一方前記ストラツプの両端部には、弾性材料
   からなつて、その基端部が前記ストラツプに連結
   される環状部を有し、先端部に向けて開いたＵ字
   状形状を形成してなると共にその先端部には互い
   に外方向に向けて突出した嵌合凸部を設けてな
   り、かつ上記Ｕ字状形状の部分の相互の距離が弾
   撥的に変化可能な釣金具を設け、また前記ストラ
   ツプの両端部近傍には、同ストラツプを緩挿する
   ための孔部を有し、この孔部内面が前記ストラツ
   プの端部側に位置する開口部に向けて拡径され前
   記釣金具の中間部に係合可能なテーパ面を有する
   着脱部材を設けてなり、前記取付部の嵌合凹部と
   前記釣金具の嵌合凸部とを回動可能かつ着脱自在
   に嵌合してなることを特徴とする魔法瓶の着脱式
   ストラツプ取付構造。