JPH0126263Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、ストラツプを有する魔法瓶におい
て、魔法瓶本体にストラツプを着脱自在に取付け
る構造に関する。

周知のように、携帯用の魔法瓶として、持ち運
びの便利のためにストラツプを備えたものが提供
されている。従来、この種の魔法瓶において、そ
の本体の外筒にストラツプを着脱自在に取付ける
構造としては、外筒の軸対称位置にそれぞれ金属
からなる環状部材を設け、各環状部材にストラツ
プの端部をそれぞれ通し、一方をサルカンを用い
て止めると共に、他方を鼓ボタンで止める構造や
両端をそれぞれサルカンで止める構造等が知られ
ている。ところが、これら従来の取付構造は、い
ずれも本体に対するストラツプの着脱に非常に手
間がかかるという問題点を有していた。

本考案は、上記の問題点を解消すべくなされ、
着脱操作の容易な魔法瓶の着脱式ストラツプの取
付構造を提供することを目的とするものである。

以下、本考案を図に示す実施例に基いて説明す
る。

第１図ないし第４図は、本考案の一実施例を示
す図である。これらの図中、符号１は魔法瓶本体
である。この魔法瓶本体１は、例えばステンレス
からなる内槽２と外筒３とを有し、これら内槽２
と外筒３との間が真空断熱層４として形成される
と共に、外筒３の上端部近傍を覆う保護体５を有
してなる。前記内槽２と外筒３とはその上端部で
連設されて図示しない口部が形成され、その口部
に内蓋（図示せず）と更にその外部を覆つて外蓋
６とが開閉自在に設けられている。

前記保護体５は、例えば第１図に示すように、
外筒３外面に形成された周方向に延びる突条３ａ
と、保護体５の内面に形成された溝５ａとの嵌合
により魔法瓶本体１に固着されている。

この保護体５の外面の略軸対称な位置には、そ
れぞれ取付部材７，７が固定されている。取付部
材７は、長方形状の板体を折曲加工して形成され
たものであつて、長辺方向の両端部から所定寸法
中間部側に位置する部分を、それぞれ短辺に平行
な直線に沿い、２段にわたつて断面クランク状に
折曲し、中間部を両端部より突出させた形状とな
つている。この取付部材７の両端部近傍は、前記
保護体５の外周面の形状と合致する曲面状に形成
された固定板部７ａ，７ａとなつており、この取
付部材７はその長辺方向を保護体５の周方向に向
けた状態で固定板部７ａ，７ａを保護体５の外周
面に沿わせ、ビス８，８によつて保護体５に固定
されている。

この固定状態において、取付部材７の中間部
は、保護体５の外面から所定寸法離間された取付
板部７ｂとなつている。この取付板部７ｂには、
一対の嵌合孔９，９が穿設されている。嵌合孔
９，９は、第２図ａに示すように取付板部７ｂの
中央部の点０を中心とする円に沿つて円弧状に延
びる案内孔部９ａ，９ａと、これらの案内孔部９
ａ，９ａの一端部（この場合点０を挾んで上下に
対向する部分）からそれぞれ上方に向けて延びる
係止孔部９ｂ，９ｂと、案内孔部９ａ，９ａの他
端部に連なり同案内孔部９ａ，９ａの幅より大径
となるように穿設された挿入孔部９ｃ，９ｃとを
有した形状となつている。

一方、ストラツプ１５の両端部には、それぞれ
一対の取付金具１６，１６が設けられている。取
付金具１６は、第１図および第３図ｂに示すよう
に丸棒状の係合部１６ａの一端に、半球状の頭部
１６ｂが形成されると共に、他端部に前記挿入孔
部９ｃの直径より若干小さい径を有する半球状の
嵌合突部１６ｃ，１６ｃが形成されてなるもので
ある。この取付金具１６の係合部１６ａの直径
は、前記嵌合孔９の案内孔部９ａの幅寸法より若
干小さく形成され、また嵌合突部１６ｃの直径
は、前記係止孔部９ｂの幅寸法より大きく形成さ
れている。

上記の取付金具１６は、ストラツプ１５の端部
に第３図ａ，ｂに示すようにストラツプ１５に穿
設された孔１５ａを通し、頭部１６ｂをストラツ
プ１５に接した状態で設けられている。これらの
一対の取付金具１６，１６は、ストラツプ１５の
長さ方向に並べて配置され、かつ、それらの間の
距離ｄは、前記一対の嵌合孔９，９の点０を挾ん
で対応する部分（例えば挿入孔部９ｃ，９ｃ）の
間の距離Ｄと等しく設定されている。また、これ
らの取付金具１６をストラツプ１５に取付けた状
態において、嵌合突部１６ｃ，１６ｃとストラツ
プ１５との間の距離は、前記取付部材７の厚みよ
り若干大きく設定されている。

上記の構成のもとに、取付金具１６と取付部材
７とは、第４図に２点鎖線で示すように、ストラ
ツプ１５を魔法瓶本体１に軸線方向と直交する方
向に向けて沿わせた場合に、一対の取付金具１
６，１６の配列と一対の嵌合孔９，９の挿入孔部
９ｃ，９ｃの配置とが一致して互いに嵌合、離脱
が可能である。

次に、上記のストラツプの取付構造において、
魔法瓶本体１にストラツプ１５を着脱する方法を
説明する。

まず、ストラツプ１５を本体１に取付けるに
は、第４図に２点鎖線で示すようにストラツプ１
５を本体１の軸線方向に対して直角方向に向け、
取付金具１６，１６を嵌合孔９，９の挿入孔部９
ｃ，９ｃに合わせて挿入する。次いで、ストラツ
プ１５を取付板部７ｂの点０を中心として案内孔
部９ａ，９ａの延びる方向（図中矢印Ｘ方向）に
90゜回転させ、更にストラツプ１５を本体１の上
方に向けて引き上げる。これによつて取付金具１
６，１６は案内孔部９ａ，９ａを経て係止孔部９
ｂ，９ｂの上端部まで移動する。この取付状態に
おいては、取付金具１６，１６の嵌合突部１６
ｃ，１６ｃが取付板部７ｂ内面側の係止孔部９
ｂ，９ｂの縁部に係止されて嵌合孔９，９からの
取付金具の抜出が防止される。

また、ストラツプ１５を本体１から取外すに
は、上記の取付操作と逆の手順で、取付金具１
６，１６を係止孔部９ｂ，９ｂの下端まで移動さ
せた後、ストラツプ１５を取付操作と逆方向に
90゜回転させ、取付金具１６，１６を挿入孔部９
ｃ，９ｃから引き出せばよい。

上記のように、本考案のストラツプの取付構造
によれば、ストラツプ１５の取付金具１６，１６
を嵌合孔９，９に挿入孔部９ｃ，９ｃを通して嵌
合、離脱させることにより、ストラツプ１５を本
体１に容易に着脱でき、またストラツプ１５を取
付けての使用時においては、取付金具１６，１６
が係止孔部９ｂ，９ｂの上端部に係合して結合状
態が確実に保持される。

なお、上記実施例においては、取付板部７ｂの
嵌合孔９とストラツプ１５の取付金具１６とを
各々２個づつ設けた例について説明したが、これ
らを各々３個以上設けてもよい。またストラツプ
１５に対しての取付金具１６，１６の配置は、ス
トラツプ１５の長さ方向に限るものではない。

以上の説明から明らかなように、本考案のスト
ラツプの取付構造は、ストラツプの両端に設けら
れた取付金具を魔法瓶本体に設けられた取付部材
の嵌合孔に一定の向きで嵌合し、ストラツプを通
常の使用状態である魔法瓶本体の上方に向けて延
びるような位置まで回転する等の簡単な操作で容
易に着脱することができる。また、簡単な構造で
あるため、製造コストを低く抑えることができる
等の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例を示す要部を断面
視した正面図、第２図ａは取付部材の正面図、第
２図ｂは第２図ａの−線視断面図、第３図ａ
はストラツプ端部の取付金具を示す正面図、第３
図ｂは第３図ａの−線視断面図、第４図は、
ストラツプの着脱方法を説明するための図であ
る。 １……魔法瓶本体、７……取付部材、７ｂ……
取付板部、９……嵌合孔、９ａ……案内孔部、９
ｂ……係止孔部、９ｃ……挿入孔部、１５……ス
トラツプ、１６……取付金具、１６ａ……係合
部、１６ｃ……嵌合突部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 魔法瓶本体にストラツプを着脱自在に取付ける
   構造において、 前記魔法瓶本体の外周面には、同外周面に沿つ
   て延び同外周面から所定距離離間された取付板部
   を有する取付部材を設け、前記取付板部に同取付
   板部上に中心を有する円に沿つて円弧状に延びる
   案内孔部と同案内孔部の一端部から前記魔法瓶本
   体の上方に向けて延びる係止孔部と同案内孔部の
   他端部に連なり同案内孔部の幅より大径とされた
   挿入孔部とからなる分割された一対の嵌合孔を穿
   設し、 前記ストラツプの端部には、同ストラツプの面
   から前記取付板部の厚み程度以上に突出され、そ
   の径が前記嵌合孔の幅より小さく形成された係合
   部と同係合部の先端部に前記係止孔部の幅より若
   干大きく形成されかつ前記挿入孔部の幅よりも若
   干小さく形成された嵌合突部とを有する一対の取
   付金具が前記取付板部の一対の嵌合孔に対応した
   間隔を保つてストラツプの長手方向に沿つて固定
   されてなることを特徴とする魔法瓶の着脱式スト
   ラツプの取付構造。