JPH0230947Y2 - - Google Patents

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JPH0230947Y2
JPH0230947Y2 JP14912884U JP14912884U JPH0230947Y2 JP H0230947 Y2 JPH0230947 Y2 JP H0230947Y2 JP 14912884 U JP14912884 U JP 14912884U JP 14912884 U JP14912884 U JP 14912884U JP H0230947 Y2 JPH0230947 Y2 JP H0230947Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は輝度信号の再生装置に係り、特に輝度
信号の垂直方向の空間周波数に対してデイエンフ
アシスを行なつて再生する輝度信号の再生装置に
関する。
従来の技術 VTR等の記録再生装置においては、記録再生
されるべきカラー映像信号から輝度信号と搬送色
信号とを夫々分離して輝度信号は被周波数変調輝
度信号とされ、搬送色信号は低域変換搬送色信号
とされ、これら両信号が周波数分割多重されて磁
気テープに記録され、また再生時は記録時と逆の
信号処理を行なつて再生カラー映像信号を得る。
この場合、輝度信号は被周波数変調波(FM波)
の信号形態で伝送されるが、FM波は周知の如く
高域の変調周波数成分ほどノイズの影響を受け易
い。このため、従来のVTRの輝度信号記録系に
はプリエンフアシス回路が設けられ、入力輝度信
号の高域周波数成分を予め強調し、その出力輝度
信号を周波数変調回路に供給して上記高域周波数
成分に対する変調度を増強し、FM復調時におけ
るノイズの影響を軽減してS/Nを改善すること
は周知の通りである。また、輝度信号再生系には
プリエンフアシス回路のプリエンフアシス特性を
相補的な特性を有するデイエンフアシス回路が設
けられ、FM復調された輝度信号を原信号波形に
復元する。
ここで、上記プリエンフアシス回路の出力輝度
信号は高域周波数成分が強調されているために、
その立上り部分や立下り部分には尖鋭なオーバー
シユートやアンダーシユートが生じており、この
輝度信号をそのまま周波数変調回路に供給する
と、オーバーシユートの部分などで瞬間的に周波
数偏移が大きくなり、過変調となることがある。
この過変調は再生時において、FM復調回路の入
力段のリミツタのスライス域をはずれてリミツタ
出力に信号の欠如部分を生じ、これがFM復調回
路では低い周波数としてFM復調される結果、
FM復調出力輝度信号が黒に落ち込んでしまう、
所謂反転現象が生ずることが知られている。
このため、従来はオーバーシユートやアンダー
シユートの先端の振幅が所定値以上にならないよ
うにクリツプする回路が周波数変調回路の入力段
に設けられていたが、従来は水平エンフアシスで
あつたため、雑音低減効果は十分ではなく、S/
N比をより良くしようとするためにはクリツプを
深くかけざるを得ず、このため波形の立上り、立
下りのエツジにおいて何らかの画質劣化を伴うと
いう問題点があつた。
そこで、本出願人は先に特願昭58−138873号に
て、記録される輝度信号に対してはその垂直方向
の空間周波数特性にプリエンフアシス特性を付与
し、また再生輝度信号に対しては上記プリエンフ
アシス特性と相補的なデイエンフアシス特性を付
与する映像信号記録再生装置を提案した。この提
案になる記録再生装置によれば、水平方向の空間
周波数に対しプリエンフアシス、デイエンフアシ
ス(水平エンフアシス)を行なう従来装置に比
し、より低い周波数(水平方向の空間周波数)に
亘つてまで記録再生される輝度信号中の雑音を低
減することができ、またこれに関連して周波数変
調回路の入力段のクリツプ回路のクリツプレベル
をあまり深くかけなくともよくなり、従来に比し
波形の立上り、立下りのエツジにおける画質劣化
を少なくすることができる。また垂直帰線期間に
はペデスタルレベルとなり、垂直同期信号位置で
はシンクチツプレベルになるような輝度信号に対
して水平エンフアシスをかけると、大きなオーバ
ーシユートを発生し、垂直同期信号を抜き出すこ
とが従来では困難となり、そのため記録再生装置
の垂直同期信号に基づいてサーボ動作を行なうサ
ーボ回路の動作が不安定となつたりするが、上記
提案になる装置は非直線プリエンフアシス特性及
び非直線デイエンフアシス特性を有しているの
で、上記の現象を防止することができ、また映像
信号を極端に変形させなくてすむので、従来の記
録再生装置との互換性を持たせることができ、更
にクリツプ回路等での極端な成分欠除や過変調、
反転といつたエンフアシス過度等によつて発生す
る種々の欠点を除去することができる。
考案が解決しようとする問題点 しかるに、上記の提案になる記録再生装置中の
デイエンフアシス回路は遅延時間が1水平走査期
間(1H)に固定された遅延回路を有していたの
に対し、変速再生時にはテープ・ヘツド間相対線
速度が記録時又はノーマル再生時と異なるために
再生水平同期信号周波数が正規の水平走査周波数
と若干異なつた値となり、このため、上記遅延回
路では再生輝度信号において正確な1Hの遅延が
得られなかつた。このため、デイエンフアシス回
路のデイエンフアシス特性は記録系のプリエンフ
アシス回路のプリエンフアシス特性との相補性が
崩れたものとなり、画面上ライン相関性が無い画
像変化部分から画面斜め下方にスミアが生じると
いう問題点があつた。このスミアは例えば画面の
上半分が暗く、下半分が明るい場合はその画像の
境目から斜め下方に黒い尾の如き画像として現わ
れる。
そこで、本考案は上記の輝度信号に対して垂直
方向の空間周波数についてデイエンフアシスを行
なうデイエンフアシス回路の動作を、変速再生時
に実質的に停止せしめることにより、上記の問題
点を解決した輝度信号の再生装置を提供すること
を目的とする。
問題点を解決するための手段 本考案になる輝度信号の再生装置は、デイエン
フアシス回路と、スイツチ回路手段とよりなる。
デイエンフアシス回路は記録媒体から再生された
輝度信号の垂直方向の空間周波数の高域成分を低
域成分に比し相対的にレベル減衰するデイエンフ
アシス特性を有する。また上記スイツチ回路手段
は、変速再生時には入力再生輝度信号をそのまま
通過出力し、また変速再生以外の再生時(ノーマ
ル再生時)には上記デイエンフアシス特性を付与
された再生輝度信号を選択出力する。
作 用 変速再生時には上記デイエンフアシス回路に入
力される再生輝度信号は、上記スイツチ回路手段
により、デイエンフアシス回路によりデイエンフ
アシスされることなく、そのまま通過出力せしめ
られる。すなわち、変速再生時にはデイエンフア
シス回路は実質的に動作を停止せしめられること
となり、従つて出力端子にはデイエンフアシス特
性を付与した結果生ずるスミアのない再生輝度信
号が取り出されることになる。以下、本考案の各
実施例について図面と共に説明する。
実施例 第1図は本考案装置の第1実施例のブロツク系
統図を示す。例えばVTRの回転ヘツドにより磁
気テープから被周波数変調波の信号形態で再生さ
れた輝度信号はFM復調回路によりFM復調され
て再生輝度信号となり、この再生輝度信号が端子
1を介して加算回路2、減算回路3及び4に夫々
供給される。なお、この入力再生輝度信号は記録
時にこのデイエンフアシス回路の特性と相補的な
垂直方向の空間周波数に関するプリエンフアシス
特性が付与されているため、垂直方向の空間周波
数の高域成分が強調されている。
加算回路2の出力輝度信号は1H遅延回路5に
より1水平走査期間(1H)遅延された後、係数
回路6に供給され、ここで所定値の第1の係数と
乗算されて重み付けを行なわれた後加算回路2に
供給される。加算回路2により加算合成された入
力再生輝度信号と係数回路6の出力信号とは1H
遅延回路5に再び供給される一方、係数回路7に
供給され、ここで所定値の第2の係数と乗算され
た後減算回路3に供給される。減算回路3は入力
端子1よりの入力再生輝度信号から係数回路7の
出力信号を差し引く減算動作を行ない、これによ
り得られた信号に係数回路8を通してスイツチ回
路9に供給する。
スイツチ回路9は端子10に入来したスイツチ
ング信号によりスイツチング制御される構成とさ
れている。このスイツチング信号は変速再生時と
変速再生以外の再生時(ノーマル再生時)とで異
なる輪理値となる2値信号であり、変速再生時は
スイツチ回路9をオフとし、ノーマル再生時はス
イツチ回路9をオンとする。従つて、ノーマル再
生時にはスイツチ回路9より係数回路8の出力信
号が選択出力されて減算回路4に供給され、ここ
で入力再生輝度信号と減算されることにより、第
3図Aに示す如きデイエンフアシス特性が付与さ
れた再生輝度信号が減算回路4より出力端子11
へ出力される。
このデイエンフアシス特性は入力再生輝度信号
の振幅に無関係であり、水平走査周波数をHとす
ると、H/2の奇数倍の周波数に減衰域をもち、
H/2の偶数倍の周波数に通過域をもつ第3図A
に示す如き周波数特性となる。
次に本考案装置の第2実施例につき説明する
に、第2図は本考案装置の第2実施例のブロツク
系統図を示す。同図中、第1図と同一構成部分に
は同一符号を付し、その説明を省略する。第1実
施例は入力再生輝度信号の振幅に無関係に、予め
設定した固定のデイエンフアシス特性を付与して
いたのに対し、本実施例は入力再生輝度信号の振
幅に応じて可変デイエンフアシス特性を付与する
点に特徴と有する。加算回路2の出力信号は係数
回路7にて所定の係数(例えば0.13)を乗ぜられ
た後、減算回路3に供給される。
ここで、入力端子13には前記端子1と同様
に、記録時に予め垂直方向の空間周波数について
プリエンフアシス特性が付与されている輝度信号
を再生して得た信号が供給されることは勿論であ
るが、現行のVTRによつて記録された上記プリ
エンフアシス特性が付与されていない輝度信号の
再生信号も供給され得る。この入力再生輝度信号
は減算回路3において係数回路7の出力信号と減
算された後非直線回路14に供給される。非直線
回路14は例えば入力信号の振幅を一定値に制限
する振幅制限器であり、この一定値よりも小なる
振幅の入力信号に対しては振幅制限を行なうこと
なくそのまま通過出力させるよう構成されてい
る。非直線回路14より取り出された輝度信号
は、係数回路15により第3の係数(例えば約
1.3を乗じられた後、スイツチ回路9に供給され
る。
スイツチ回路9は前記した端子10よりのスイ
ツチング信号により、変速再生時にオフ、ノーマ
ル再生時にオンとなるようにスイツチング制御さ
れる。これにより、係数回路15より取り出され
た信号は、ノーマル再生時にのみスイツチ回路9
を通過して減算回路4に供給され、ここで、入力
端子13よりの入力再生輝度信号と減算されるこ
とにより、非直線デイエンフアシス特性が垂直方
向の空間周波数について付与された再生輝度信号
が取り出され、出力端子16へ出力される。
第3図Aはこのデイエンフアシス回路のデイエ
ンフアシス特性の一例を示し、Hは水平走査周波
数を示す。このデイエンフアシス特性はくし形フ
イルタの如き特性であり、水平走査周波数H以下
の周波数領域の第3図Bに拡大して模式的に示す
デイエンフアシス特性が特に用いられる。第3図
Bに示すように、入力再生輝度信号の振幅が最小
のときにはD1で示す如きデイエンフアシス特性
が付与され、以下、入力再生輝度信号の振幅が大
になるに従つて(1/2)H付近のデイエンフアシ
ス量が漸次小となり、振幅が非直線回路14によ
り振幅制限されるような大振幅のときは第3図B
にD2で示す如く、デイエンフアシス量が殆どゼ
ロであるデイエンフアシス特性が付与される。
他方、変速再生時にはスイツチ回路9はオフと
されるから、係数回路15の出力信号の伝送はス
イツチ回路9によつて阻止され、これにより減算
回路4より入力端子13よりの入力再生輝度信号
がそのまま取り出され、出力端子16へ出力され
る。従つて、変速再生時には入力再生輝度信号は
デイエンフアシス特性を付与されることなく、そ
のまま出力端子16へ出力される。
なお、本考案は上記の実施例に限定されるもの
ではなく、例えばスイツチ回路9は減算回路3、
非直線回路14のいずれか一方の出力側に設けて
もよく、また垂直方向の空間周波数についてデイ
エンフアシス特性を付与する。前記本出願人の提
案になる記録再生装置中のデイエンフアシス回路
を夫々適用し得るものである。
考案の効果 上述の如く、本考案によれば、変速再生時には
デイエンフアシス回路を実質的に非動作としたの
で、垂直方向の空間周波数についてデイエンフア
シスされない再生輝度信号が得られるので、画像
(明るさ)の急峻な変化部分より画面斜め下方に
生じるようなスミアの発生を防止することがで
き、またこの変速再生時には上記デイエンフアシ
ス特性が付与されないので、それによるノイズ低
減効果はなくなるが、この場合の画質劣化は画面
斜め下方に生ずる上記スミアに比し視覚的に少な
いため、実用上問題のない変速再生画像を得るこ
とができる等の特長を有するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は夫々本考案装置の各実施例
を示すブロツク系統図、第3図は本考案装置のデ
イエンフアシス特性の一例を示す図である。 1,13……再生輝度信号入力端子、2……加
算回路、3,4……減算回路、5,……1H遅延
回路、6,7,8,15……係数回路、9……ス
イツチ回路、11,16……被デイエンフアシス
輝度信号出力端子、14……非直線回路。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 記録媒体から再生された輝度信号が供給さ
    れ、該再生輝度信号の垂直方向の空間周波数の
    高域成分を低減成分に比し相対的にレベル減衰
    するデイエンフアシス特性を有するデイエンフ
    アシス回路と、変速再生時にのみ該デイエンフ
    アシス回路の入力再生輝度信号に対し該デイエ
    ンフアシス特性を付与することなくそのまま通
    過させ、該変速再生以外の再生時には該デイエ
    ンフアシス特性の付与された再生輝度信号を選
    択出力するスイツチ回路手段とよりなる輝度信
    号の再生装置。 (2) 該デイエンフアシス回路は、該入力再生輝度
    信号の振幅に無関係に予め設定された該デイエ
    ンフアシス特性を該入力再生輝度信号に付与す
    る実用新案登録請求の範囲第1項記載の輝度信
    号の再生装置。 (3) 該デイエンフアシス回路は、該入力再生輝度
    信号の振幅に応じて該デイエンフアシス特性を
    可変制御せしめられる非直線デイエンフアシス
    特性を該入力再生輝度信号に付与する実用新案
    登録請求の範囲第1項記載の輝度信号の再生装
    置。
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