JPH023085B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はボイラ、各種炉、温水発生器等の油燃
焼装置において、乳化燃料製造供給装置を備え、
油燃焼装置の燃料にかかる負荷による信号によつ
て、ポンプを起動、停止させ、乳化燃料、純燃料
を任意にバーナに供給するようならしめた乳化燃
料製造供給方法並びに装置に関するものである。

従来油燃焼装置において、乳化燃料を燃焼させ
ることによつて、大気汚染物質としての煤塵と窒
素酸化物（NOx）の低減効果、更に煤塵量の抑
制効果により低O₂燃焼が可能となり、省エネル
ギー化が大幅に達成される利点があつた。

しかしながら従来からバーナに供給される乳化
燃料の製造供給方法並びに装置には種々なもの例
えば本出願人が共同出願人の一人である実開昭56
−740号があるが従来のこれらの方法並びに装置
には次のような欠点がある。

(イ) NOxを抑制する場合と、煤塵を抑制する場
合とでは燃料に対する水の添加量が異なること
や、負荷によつて燃焼特性が変化すると水量を
加減する必要があるため、ややもすると乳化燃
料製造供給方法や装置が複雑化し、燃焼装置の
取扱いがめんどうであつた。

(ロ) 連続燃焼中の場合はよいが長時間燃焼を停止
する場合には従来のような別途に設けられた乳
化燃料製造供給装置では水と油とが分離し、再
着火の場合、うまく着火せずバーナ燃焼のトラ
ブルを惹起する原因となつていた。

(ハ) 水添加量が多い場合、乳化燃料を純燃料に戻
そうとすると全体の容積が増大しているため、
空撚比調整をその都度行う必要があり、その調
整が困難であつた。

本発明は新規な乳化燃料製造供給装置と方法に
関し、従来の乳化燃料製造供給方法並びに装置の
上記(イ)〜(ハ)に記載したような種々な欠点を解消
し、特に煤塵の抑制によつて、燃焼を改善して、
装置が簡単で操作の容易な乳化燃料製造供給方法
並びに装置を提供するもので、高低燃焼制御装置
を備えた油燃焼装置において、油供給ラインに設
けられた油ポンプの入口側又は出口側に水タンク
よりの水供給ポンプ及び水の定量供給噴射ノズル
を備えた水供給ラインを接続し、高燃焼信号によ
り該水供給ポンプを発停させ、上記噴射ノズルを
介して油中に水を定量供給することによつて乳化
油を製造し、かくて製造された乳化油を油バーナ
に供給し、そしてボイラ等の負荷が減少した時高
燃焼装置の電磁弁が閉となるのに連動して、上記
水供給ポンプも停止することによつて水の供給を
停止する乳化燃料の製造供給方法並びに乳化燃料
製造装置を提供するものである。

次に図面によつて本発明を説明する。

第１図は、乳化燃料を使用しない純燃料による
三位置制御方式による燃料油例えばＣ重油の場合
の燃焼バーナへのオイル供給フローシート、第２
図は燃焼バーナへオイルを供給する本発明の乳化
燃料製造供給装置の一実施例のフローシートを示
す。

第１図においては、オイルタイクａより供給さ
れる燃料油はベツセルｆへ導かれ、加圧ポンプ９
によつて加圧され、オイルプレヒータ装置１３を
経て、電磁弁ユニツト８へ導かれる。

電磁弁ユニツト８は純燃料（第１図）又は乳化
燃料（第２図）を電磁弁によつてその流量を調節
するもので、操作端に設けられた弁の開閉によつ
て純燃料又は乳化燃料の流量を調節する。

スタート時は最適油温が得られるまで電磁弁４
は開となし、燃料油をベツセルｆへ循環させる。
このとき電磁弁５は閉の状態とする。

予め設定された最適油温になると電磁弁４が閉
となつてノズル２の元につけられた防滴弁（Cut
off valve）１に油圧がかかりノズル２より燃料
油が噴霧され燃焼する。

そして負荷の要求量が多く、更に燃焼量を増加
する必要がある場合には電磁弁５が開となりノズ
ル３からも油が噴出される。

一方負荷が軽くなると逆の動作を行ない、順に
電磁弁５が閉、電磁弁４が開となつてノズル３，
２よりの油の噴霧も停止するという作動を繰り返
すのである。

この場合における低（Lo）燃焼と高（Hi）燃
焼との油量比は一般に１：２〜１：３の程度に設
定され、Lo燃焼の負荷時は燃焼室に余裕がある
ことと、油量が少ないため、煤塵量としては少な
いがHi燃焼の負荷時になると煤塵量が２倍、３
倍に増加し、排出濃度（ｇ／Ｎm³）をLoの時の
１／２又は1/3に抑制しないと煤塵排出量の絶対量の
低減は望めないのである。

上記煤塵排出量の絶対量を低減させるためには
水による乳化燃料の使用を必要とするが従来の乳
化燃料は前記(イ)〜(ハ)に記載したような種々な欠点
があるため、本発明者がこれらの欠点を克服して
乳化燃料の製造供給方法並びに装置に関して鋭意
研究した結果、遂に本発明に到達したものであ
る。

第２図は本発明の乳化燃料製造供給装置の一実
施例を示すもので、本発明を第２図に従つて説明
する。

第２図において加圧ポンプ９の吸込み側又は出
口側に水供給ラインを接続する。

水供給ラインは水タンクＪ、水供給ポンプ１７
によつて構成され、高燃焼電磁弁５が開となると
同時に高燃焼電磁弁５に連動している水供給ポン
プ１７が運転され、燃料油ラインＳに定量供給噴
射ノズル１８を介して水を供給する。高燃焼電磁
弁５が閉となると、これに連動して水供給ポンプ
１７も停止し、水の供給を停止する。かくするこ
とによつてLo燃焼時即ちノズル２より燃料が噴
霧されている間に乳化油が燃焼する。

例えばバーナが完全停止すると料油配管ライン
中には水の混合量が殆んどなくなり、再起動時に
おける点火ミス等のトラブルが解消される。

また水と油との混合をよくするためにポンプ９
を出てからミキサ１９を設けてもよい。

また本実施例は三位置制御バーナであるが本発
明は勿論比例制御バーナでもよい、この場合は任
意の負荷位置より信号を取り出す装置を設け、以
下三位置制御の場合と同様に運転をするのであ
る。

本発明は上記に示したように乳化燃料製造供給
方法並びに装置として構造が簡単で、操作が容易
であるばかりでなく、煤塵の抑制に対して著しい
効果を奏するのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は純燃料による三位置制御方式を使用し
た燃料油の燃焼バーナへのオイル供給フローシー
ト、第２図は本発明の乳化燃料製造供給装置の一
実施例のフローシートを示す。 １……防滴弁、２……低燃焼ノズル、３……高
燃焼ノズル、４……低燃焼電磁弁、５……高燃焼
電磁弁、６……ダンパコントロールモータ、８…
…電磁弁ユニツト、９……加圧ポンプ、１１……
オイルストレーナ、１３……オイルプレヒータ、
１７……水供給ポンプ、１８……定量供給噴射ノ
ズル、１９……ミキサー、ａ……オイルタンク、
ｆ……ベツセル、Ｊ……水タンク。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 高低燃焼の負荷制御装置を備えた油燃焼装置
   において、油供給ラインに設けた油ポンプの入口
   側又は出口側に水供給ポンプ及び水定量供給噴射
   ノズルを備えた水供給ラインを接続し、高燃焼信
   号により該水供給ポンプを発停させ、高燃焼時の
   時のみ油ラインに上記水定量供給噴射ノズルを介
   して、油中に水を定量供給することによつて乳化
   油を製造し、製造された乳化油を高燃焼油バーナ
   に供給し、かつボイラの負荷が減少したとき、高
   燃焼装置の高燃焼電磁弁が閉となるか、又はある
   一定負荷以下になるのに連動して、水供給ポンプ
   が停止することによつて水の供給を停止すること
   を特徴とする乳化燃料の製造供給方法。 ２ 高低燃焼などの負荷制御装置を備えた油燃焼
   装置において、ベツセルｆ、加圧ポンプ９、電磁
   弁ユニツト８、低燃焼電磁弁４、防滴弁（Cut
   Off Valve）１を備えた低燃焼装置及び水供給ポ
   ンプ１７、連動している高燃焼電磁弁５を備えた
   高燃焼装置を装備し、更に油供給ラインに設けた
   加圧ポンプ９の入口側又は出口側に、水供給ポン
   プ１７、水定量噴射ノズル１８からなる水供給装
   置を取付け、高燃焼電磁弁と水供給ポンプとを連
   動させることによつて、高燃焼信号により水供給
   ポンプを発停させ、高燃焼電磁弁の信号によつて
   定量供給噴射ノズルより高燃焼時のみ乳化油を高
   燃焼油バーナに供給するようにした乳化燃料製造
   供給装置。