JPH02307738A - 紙カップの製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の刊用分野） 本発明は紙カップの製造方法に関し、特に飲食物の保持
又は収納に好適ないわゆるツーピース紙カップの製造方
法に関する。

（従来の技術） 底板の側壁との２つの部材から形成ざれるツーピース紙
カップは従来より、使い捨て飲食物用容器としてまたソ
フトドリンク類のペンディングマシン用として各種が使
用されており、これらのツーピース紙カップを大別する
と以下の４つに分類することが出来る。

■．ワックスや合成樹脂ラッカなどのコーティング剤を
紙カップの内外両面に塗布したもの。

■．ポリエチレンなどのフィルムを紙カップの内外両面
にラミネートしたもの。

■．紙カップの内面乞こポリエチレンなどのフィルムラ
ミネートし、外面ここは特別な処理を施さないもの。

■．紙カップの内面にポリエチレンなどのフィルムをラ
ミネートし、外面に撥水性乃至耐水性のコ弓二ノ ティング剤を塗布したもの。

以上の４タイプのうち、ワックスを塗布したタイプ■の
紙カップはコーラやジュースなどのコールドドリンク類
には好適であるが、コーヒーや紅茶などのホットドリン
ク類にはワックスが溶出′ずるので不適当であった。

紙カップの外面に処理を施さないタイプｍの紙カップは
、ホットドリンク類には好適であるが、コールドドリン
ク類の場合には外壁面に結露が生じてカップの剛性が劣
化し、水分ここより側壁が膨潤するという間開がある。

内外両面をラミネートしたタイプＨの紙カップはコール
ドドリンク及びホ・シトドリンク類の双方に用い得ると
いう利点があるが別の問題が新たに生ずる。即ち、ポリ
エチレンなどのフィルムを両面にラミネートした場合は
、サイドシームやエンドシームをヒートシールする際に
フィルム部分や紙がとられるピッキングがし（′！シは
発生するという間間がある。特にエンドシームの部分は
底板のフランジを側壁で挟むように３層となるのでサイ
ドシームのヒートシール温度よりも必然的に高くなる。

従って、ピッキングや過熱によるフィルム層の劣化が生
じ、ひどい場合には、飲料類の漏出が発生することもあ
る。この原因は、フィルムが溶融してヒートシール用の
押圧部材にくっつくために発生するものと思われる。こ
の防止策とし離型剤をフィルムに含ませることも可能で
はあるが、ピッキングは防止出来ても逆に本来の目的で
あるヒートシールが出来なくなるという問題がある。

−５＝ 何れにも使用できるという利点はあるが、ほかの間肪が
発生する。即ち、ポリエチレンなどのフィルムとヒート
シールできても｝容器に｝容器させ得る物質でしかも食
品衛生上安全で且つ臭気の点で問題がないものは今のと
ころ存在せず、ヒートシール部分に当たらないように撥
水性のコーティング剤を印刷又はパターンコーティング
しているのが実状である。このパターンコーティングの
場合は、サイドシーム相当部及びエンドシーム相当部を
正確に除いてコーティングしなけれはならないという困
難さがある。即ちコーティング層は印刷模様に影響を与
えないように透明であるから、印刷模様との見当合わせ
が難しいという問題がある。

本発明者らは上記のような問題を解決しようと鋭意努力
の結果、塩化ビニル・酢酸ビニル樹脂の溶液を紙の両面
に塗工することここより、上記問題をすべて解消し得る
ことを知見した。尚、紙カップに塩化ビニル・酢酸ビニ
ル樹脂の溶液即ちラッカを塗布することは従来から知ら
れている（例えは米国特許第３２６０６９０号明細書）
。しかしながら、紙料即ちウェア又はシートに上記溶液
を゛塗工することしとは言及していない。

（発明の目的） 本発明は上記知見に基づきホットドリンク類及びコール
ドドリンク類の双方乞こ使用可能で特にベンディングマ
シンでの使用に好適なツーピース紙カップの製造方法を
提供しようとするものである。

このような紙カップが満足すべき特性および条件の主な
ものは下記のとおりである。

（Ａ）食品衛生上の安全性 無害であること。例えば残留モノマーや残留溶剤、容器
からの溶出物に問題がないこと。

（Ｂ）耐水性 ホットドリンク類やコールドドリンク類などを入れたと
きに、容器の内面が損なわれてはならない。内容物がコ
ーティング層を通して紙に浸透してはならない。ホット
ドリンクにも使用するので耐熱水性も必要である。

（Ｃ）耐油性 コーンスープやアイスクリームなど油脂類を＝７− 含んだ飲食物にも使用されるので、油脂類でコーティン
グ層がおかされてはならないし、またこれらの油脂類に
コーティング層が溶けてはならない。

（Ｄ）耐薬品性 耐酸性、耐アルカリ性、耐アルコール性も必要である。

（Ｅ）ヒートシール性 サイドシーム、エンドシームがヒートシール出来ること
。またヒートシール時にピッキングや皮膜劣化を起とし
てはならない。

（Ｆ）撥水性 紙カップの外壁が、結露により膨潤しないように撥水性
乃至耐水性を有していなければならない。

（Ｇ）ベンディング適性 ベンディングマシンでは紙カップを入れ予成む乙重ねて
おいてから、１個ずつ自動式に取り出すので、紙カツプ
相互間のスベリ性が必要である。

紙カツプ同志がくっついて１度に２個以上取り出された
り、逆に１個も出ないようなことがありではならない。

（Ｈ）異臭がないこと 残留モノマや残留溶剤の臭気があると紙カツプ使用者に
異和感を与えるので好ましくない。またコーティング層
それ自体にも異臭があってはならない。

従って本発明の目的は上記Ａ項乃至Ｈ項を満足する紙カ
ップの製造方法を提供しようとするものでその要旨とす
るところは、底板と該底板を囲んで該底板に側壁の下端
部をヒートシールして紙カップを製造する方法において
、前記側壁用紙料の第１の面に塩化ビニル・酢酸ビニル
樹脂を有機溶媒に溶解させた第１のラッカを塗布する工
程と、前記側壁用紙料の第２の面に塩化ビニル・酢酸ビ
ニル樹脂を溶解させた第２のラッカを塗布する工程と、
　前記底板用紙料用第１の面に塩化ビニル・酢酸ビニル
樹脂を有機溶媒乙こ溶解させた第３のラッカを塗布子る
工程と、前記底板用紙料の第２の面に塩化ビニル・酢酸
ビニル樹脂を有機溶媒に溶解させた第４のラッカを塗布
する工程と、前記底板用紙料から底板ブランクを切り出
す工程と、前記底板の第１の面が飲食物との接触面とな
るように、前記底板ブランクを成形してフランジを設け
る工程と、前記側壁用紙料から側壁ブランクを切り出す
工程と、前記側壁ブランクの一方の側端とを重ね合わせ
てヒートシールすることによりサイドシームを設ける工
程と、前記ブランクと前記足壁の下端部とをヒートシー
ルする工程とを備えたことを特徴とする紙カップの製造
方法である。

（発明の構成及び作用） 上記目的を達成し得る本発明方法について図面及び実施
側を参照しながら説明するが本発明がこれらの図面また
は実施側に限定されないことはいうまでもない。

紙カップの構成 第１図は、本発明方法によって製造されたツーピース紙
カップ１０の縦断面図で、側壁２０の第１図の面即ち内
面には塩化ビニル・酢酸ビニル樹脂（以下塩酢ビ樹脂と
略する）の第１のラッカが塗布され、第１の皮膜２２が
形成されている。前記側壁２０の第２の面即ち外面には
第２のラッカが塗布されて第２の皮ＩＩＩ　２４が形成
される。サイドシーム２６で第１の皮膜２２と第２の皮
膜２４とが当折接してヒートシールされるので、前記第
１及び第２のラッカの実質的な構成は同じであるのが好
ましい。本発明では、第１及び第２のラッカ共に塩酢ビ
樹脂を主に用いて、ヒートシール性を与えている。前記
第１のラッカは、第１の皮膜２２がヒートシール性、安
全性、耐水性、耐油性及び耐薬品性を主として満足でき
るように配合されている。前記第２のラッカは、第２の
皮膜２４が主としてヒートシール性、撥水性及びベンデ
ィング適性を主として満足できるように配合されている
。特にヒートシール時にピッキング又は押圧棒（図示せ
ず）とのブロッキングを防止し得る化合物例えばシリコ
ン樹脂等の有機微粒子やシリカ等の無機微粒子が用いら
れている。第２の皮膜２４はエンドシーム３０のヒート
シール時にも折曲部材（図示せず）ここ当接するのて離
型作用を呈し得ると好都合である。

前記紙カップ１０のトップ部は、側壁２０の上端部が折
り曲げられてリム２８が形成されている。

底板４０の第１の面即ち内面には、第３のラッカが塗布
されて第３の皮膜４２が形成され、第２の面即ち外面に
は第４のラッカが塗布されて第４の皮膜４４が形成され
ている。この底板４０は外周が約９０度しこ折り曲げら
れてフランジ４日が形成されている。このフランジ４６
形成時に第３の皮膜４２が折曲部４日で伸長されるので
、第３の皮膜は、伸長されてもピンホールが出来ないよ
うに柔軟性乃至は弾力性を有していることが必要である
。本発明方法では第３のラッカの主要成分ここ塩酢ビ樹
脂を用いるが、柔軟性乃至弾力性を持たせるために酢酸
ビニルの割合を多くするのが好ましい。第４の皮膜４４
は、主としてヒートシール性及び撥水性を満足すれは良
いので、格別な配合成分必要としない。

樹脂の選択 が、本発明者らは先ず皮膜を形成すべき樹脂として第１
にヒートシール性があること、第２に溶媒に可溶なこと
の２点から選別した。第１のヒートシール性の点から熱
硬化成樹脂は使用不能であり、第２の可溶性の点からポ
リプロピレン、ポリエチレンが除外された。この２点を
満足するものには塩酢ビ樹脂以外に酢酸ビニル樹脂、ア
クリル系樹脂、スチレン樹脂、塩化ビニル樹脂、ゴム系
樹脂、エチレン酢酸ビニル系樹脂、塩素化エチレン樹脂
、塩素化塩化ビニル樹脂、塩素化酢酸ビニル樹脂、塩化
ビニル・プロピン酸ビニル樹脂などがある。

なお、ヒートシール性のテストは、日本ティー・エム・
シー社製ヒートシールテスタを使用して、紙料に形成し
た塗膜の剥離強度で判断した。ヒートシール条件は、１
４０℃Ｘ１．５ｋｇ／平方ｅＴｎ×１．７秒とし、ヒー
トシール部分を手で引っ張りて剥したとき層間剥離即ち
ピッキングが発生するものを合格とした。

これらの樹脂の内、カップ成形後沸騰水を入れても残留
モノマーや樹脂それ自体などによる異臭が発生しないも
のは塩酢ビ系樹脂、酢酸ビニル系樹脂などが代表的であ
る。

残った樹脂について、耐水性の試験を行なったところ、
酢酸ビニル系樹脂が不合格となった。耐水性試験はピン
ボール試験により行なった。樹脂を溶媒に溶かしてラッ
カ（固形分約２０重量％）を作り、これを坪量２００ｇ
／イの紙カツプ用原紙試験片（約５ｃｍＸ　１０ｃｍ）
に＃３のマイヤバーコータで塗布・乾燥した。乾燥後同
じラッカを＃　、１０のマイヤバーコータで再度塗布し
た。試験片を充分ここ乾燥してから染料溶ン夜（１０重
量％エチルアルコール水溶液に０．４重量％となるよう
にメチレンブルーを溶かしたもの）に１分間浸してピン
ホール有無を観察した。ピンボールが発生したものは不
合格とした。

塩酢ビ系樹脂は、一部が米国食品医薬層（ＦＤＡ）の認
可を受けており、耐酸性、耐アルカリ性、耐エチルアル
コール性に優れているので、安全性の問題°はクリア可
能である。

以上のスクリーニングテストの結果から、塩酢ビ樹脂が
選択されたが、まだこの時点では前記要求項目を全て満
足し得るものではなかった。特にサイトシームのピッキ
ングやベンディング特性は満足できるものではなっかた
。

ヲプ左辺刊滅 本発明者らは、このように未達成の要求特性はラッカの
組成によって解決できると確信して、ラッカの組成につ
いて鋭意研究した。本発明者らは、前記第１乃至第４の
皮膜２２．２４．４２．４４の要求特性が異なることに
着目し、このような特性を与えるラッカを創出した。第
１の皮膜２２を形成するための第１のラッカの代表的な
組成は以下の通りである。

塩酢ビ樹脂、、、、、、、、　　２０重量％塩酢ビ・マ
レイン酸３元共重合体樹脂、。

、、、、、、、、、、、　　　ｉｏ重量％メチルエチル
ケトン、、、、　　７０重量％尚、溶媒はトルエン、メ
チルエチルケトン、酢酸エチル、アセトン、西乍酸プロ
ピル チルケトン、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル
、ミクロヘキサノン、酢酸セロソルブ等が使用可能であ
るが、残留溶剤の問題を考えると、速乾性であるアセト
ン、酢酸エチル、メチルエチルケトン及び酢酸プロピル
の１つまたは２つ以上をを用いるのが好ましい。また、
前記第１乃至第４のラッカは、側壁ブランクや底板ブラ
ンクが形成される前の紙料即ちウェア（巻取紙）の状態
又はシートの状態の紙に塗布するのが望ましい。ブラン
クに切出してから塗布することも可能ではあるが、乾燥
や搬送給紙などの点を考慮すると好ましくない。

ヒートシール性の観点からすると理由は不明であるが実
験の結果塩酢ビ２元共重合体樹脂のみを用いた場合は、
ヒートシール性が良好でなかった。

逆に塩酢ビ・マレイン酸３元共重合体樹脂のみを用いて
もシール性が不良であった。マレイン酸の割合はモル比
で０．５乃至５％が好適である。また前記３元共重合体
の第３成分はマレイン酸に限ることなく、フマル酸やフ
タル酸などであってもよく、要は、第３成分として共重
合が可能で異臭などの問題が無いものであれは良い。

尚、第１の皮ＩＩ２２は、上述の如く第１のラッカの１
度塗りでも良いが、ピンホール発生を防ぐには、２度塗
りが好ましい。必要によっては第１のラッカを塗布する
前に別絹成の第１のプライマを形成するようにしても良
い。第１のプライマのために塗布するラッカとしては例
えば、繊酢ビ樹脂１５重量部を８５重量部のメチルエチ
ルケトンに溶解したものを用いることができる。

第１のプライマを形成した場合、第１のラッカの塗布量
は約１０乃至２　０　ｇ　／　ｒｌが好適である。

１度塗りの場合は、第１のラッカの塗布量は約１５乃至
２５ｇ／イが好ましい。また必要に応じて、塩酢ビ系樹
脂以外の樹脂、例えばウレタン系樹脂、ポリエステル系
樹脂などを適量添加しても良い。

上述のように第１の皮膜２２は塩酢ビ樹脂を主成分とし
ているので、安全性、ヒートシール性、耐水性、耐油性
、耐薬品性を充分＼満足できるものである。

第２の皮膜２４の基本的な要求特性は、主としてヒート
シール性、撥水性及びベンディング特性である。従って
第２のラッカは第１のラッカとほぼ同じ組成で良いが、
ピッキング防止又はブロッキング防止のために離型剤と
して例えばシリコン樹脂等の有機微粒子やシリカや炭酸
カルシウム等の無機微粒子を用いるのが好ましい。

離型剤の添加量が大になるとヒートシール性を阻害する
ので、固形分換算で全体の５重量％以下が好適である。

逆に０．５重量％以上を用いないと離型菖効果は期待て
きない。より好ましい範囲は、０．５乃至３重量％であ
る。

代表的な配合例として塩酢ビ２元共重合体樹脂２０重量
％、塩酢ビ・マレイン酸３元共重合体樹脂１０重量％、
シリコン樹脂微粒子０．　　６重量％、メチルエチルチ
トン６９．４重量％のラッカを用いることが出きる。尚
塩酢ビ３元共重合体樹脂の第３成分の種類も↓では、第
１のラッカと同様であるからその説明は省略する。

尚、第２の皮膜２４は第１の皮膜２２に比べて耐水性、
耐油性、耐薬品性はそれほど必要としないので１度塗り
で済ますことも可能である。勿論プライマを用いたり、
２度塗りにしても良いことは言うまでもない。また必要
に応じて、塩酢ビ系樹脂以外の樹脂、例えはウレタン系
樹脂、ポリエステル系樹脂などを適量添加しても良い。

通常は第１及び第２の皮１１Ｎ２２．２４は、ウェブに
夫々第１及び第２のラッカを塗布、乾燥して得られ、リ
ワインダ（図示せず）に巻取らせて１〜２日経ってから
紙カツプ製造装置にかけられることが多い。勿論塗工さ
れた原紙は巻取ることなく、直接紙カツプ製造装置に供
給しても良い。このようにして形成された側壁ブランク
は、第１の皮膜２２が内面になるようにして第２の皮膜
２４とを当接させてヒートシールを行なうとサイトシー
ム２６が形成されると共に紙カップ１０の筒状部即ち側
壁２０が得られる。

底板４０の第１の面即ち直に飲食品と接触する内面に第
３の皮膜４２が形成されている。この皮膜４２の要求特
性は前記第１の皮膜２２とほぼ同様であるが、更ここ弾
力性または折曲げによる伸長性も要求される。即ち底板
４０はその周囲が急峻に曲げられてフランジ４６が形成
されるので、折曲部４８にクラック（ヒビ割れ）を生じ
易いという課題がある。この課題を解決するには前記第
３の皮ｌＮ４２が引っ張られて伸長しても損傷しない様
な柔軟さ乃至は弾力性を有する樹脂を用いると良い。こ
の要求を満足し得るラッカとしては、例えば塩酢ビ樹脂
ラッカに、ウレタン樹脂ラッカやポリエステル系ラッカ
を混合したものを用いることができる。また第１の皮膜
２２と同様に第２のプライマを塗っても良いが、第２の
プライマに柔軟性乃至は弾力性を持たせるようにしても
ピンホールを防止することができる。このようなプライ
マとしては、ウレタン樹脂ラッカやポリエステル系ラッ
カを用いることができる。第３のラッカは、前記第１の
ラッカとほぼ′同一の組成であっても良いことは勿論で
ある。

前記底板４０の第２の面即ち外面に第４の皮膜４４が形
成されているが、この皮膜４４の要求特性は他の皮膜と
比較ずれはより少なく、基本的には撥水性及びヒートシ
ール性があれは良い。ヒートシール性の点からは、前記
第１又は第３のラッが好ましい。前記第３及び第４のラ
ッカは、底板用ブランクの状態で塗布することも可能で
はあるが、乾燥・搬送・給紙などの点からすると紙料の
形態はウェブ（巻取紙）が最とも好適である。

以上のようにして、第１乃至第４の皮膜２２．２４．４
２．４４が形成された紙料は紙カツプ製造装置に通され
て紙カップが製造されるが、この概略は以下のとおりで
ある。工程の順番は必ずしも以下の通りとは限らないが
代表的な例として示されている。

（以下余白） 紙匁ユタ］ＪＩＬ盈桿 以下実施例及び比較例について説明するが本発明がこれ
らの実施例に限定されないことは言うまでもない。

（実施例１） 第１の皮膜用プライマ 塩酢ビ２元共重合体樹脂・・・・・１５重量％（モル比
＝塩化ビニル９０、酢酸ビニル１０；固有粘度＝０．７
４；ガラス転移点＝７９℃；平均分子量＝３５，０００
） メチルエチルケトン・・・・・◆・８５重量％第１のラ
ッカ 塩酢ビ２元共重合体樹脂・・・・・２０重量％（モル比
＝塩化ビニル８８、酢酸ビニル１２；ガラス転移点＝７
９℃；平均重合度＝４４０）塩酢ビ・マレイン酸３元共
重合体樹脂 ・・・・・・・・◆・・・１０重量％ （モル比＝塩化ビニル８０、酢酸ビニル１８、マレイン
酸２；固有粘度＝０．３５；ガラス転移点＝７０℃；平
均分子量＝８，０００）メチルエチルケトン・◆・・・
・・７０重量％−９つ− 第２のラッカ 塩酢ビ２元共重合体樹脂・◆・・・２０重量％（モル比
＝塩化ビニル８８、酢酸ビニル１２；ガラス転移点＝７
９℃；平均重合度＝４４０）塩酢ビマレイン酸３元共重
合体樹脂 ・・・・・・・・・・・・◆１０重量％（モル比＝塩化
ビニル８０、酢酸ビニル１８、マレイン酸２；固有粘度
＝０．３５；ガラス転移点＝７０℃；平均分子量＝８，
０００）シリコン樹脂微粒子・・・・・・０．６重量％
（東芝シリコーン社製、商品名：トスパール＃メチルエ
チルケトン・・・・・６９．４重量％第３の皮膜用プラ
イマ 塩酢ビ２元共重合体樹脂・・・・・２０重量％（モル比
＝塩化ビニル８７、酢酸ビニル１３、；固有粘度＝０．
３；ガラス転移点＝６８℃；平均分子量＝８，０００） メチルエチルケトン、、、、、、、８０重量％第３のラ
ッカ （組成は第１のラッカと同一） 第４のラッカ ：２００ｇ／イ）のシートにマイヤバーコータにて適宜
塗布した。側壁用シート（約３０ｃｍＸ１００ｃｍ）の
第１面に前記第１の皮膜用プライマを＃３のマイヤバー
コータにて塗布した。塗布量は約４．５ｇ／ｎ＋’と計
算される。プライマが乾燥してから、前記第１の面に第
１のラッカを＃１０のマイヤバーコータにて塗布し充分
に乾燥させた。塗布量は約１５ｇ／イと推察される。こ
のようにして厚み約５ｕｍ（ミクロン）の第１の皮膜２
２が形成される。

第１の皮膜２２形成後、前記シートの第２の面に第２の
ラッカを＃６のマイヤバーコータで塗布し充分に乾燥さ
せた。塗布量は約９ｇ／ｖｎ′と計算される。第２の皮
膜２４の厚みは約２．８ａｍ（ミクロン）となる。この
ようにして２０枚の側壁用シートを作り、これらをつな
いでウェア状とした。

次いで底板用原反（坪量：１８０ｇ／ｖｎ’）のシート
（約３０ｃｍＸ　１００ｃｍ）の第１の面に第３の皮膜
用プライマを＃６のマイヤバーコータで塗布した。塗布
量は約９ｇ／Ｔｎ′と計算される。プライマが乾燥して
から、第３のラッカ（第１のラッカと同一組成）を＃１
６のマイヤバーコータで塗布し充分に乾燥させた。塗布
量は約２４ｇ／イと計算される。従って第３の皮ｌＮ４
２の厚みは約９ｕｍ（ミクロン）となる。第２の面には
第４のラッカ（第１のラッカと同−組成）が＃６のマイ
ヤバーコータで塗布され充分に乾燥させた。塗布量は約
９ｇ／イと推察される。従って第４の皮膜４４の厚みは
約２．７１Ｌｍ（ミクロン）となる。第１及び第２の面
に皮膜が形成されたシートを３分割して約８ｅｍＸ　１
００ｃｍの細幅シートを２０枚作り、これらをつないで
ウェア状にした。

上述のようにして両面コーティングが施された側壁用紙
料と底板用紙料とを同時に紙カツプ製造装置に通した。

このような装置は通常のものであるので（例えは米国特
許第３，３６４，８２５号明細書、米国特許第４，４９
０，１３０号明細書など）、詳細な説明は省略する。

側壁用ウェア又は紙料からは第２図に示すような略扇形
の側壁ブランク５０が切り出され、一方ランク６０が絞
られてフランジ４６が形成されると共にマンドレル（図
示せず）に当接され、次いけられる。このマンドレル上
で側壁ブランクの一方の側端５２と他方の側端５４とを
重ね合わせてサイドシーム２６相当部分を押圧棒（図示
せず）で押さえてヒートシールする。これと同時に紙カ
ップ１０の底板が加熱されて、近傍の皮膜が軟化するの
で、側壁下端部５６を内側に折り曲げると、エンドシー
ム３０がヒートシールされる。ヒートシールがなされた
紙カップ１０はマンドレルから外されて、側壁上端部５
８が折り込まれてリム２８が形成され紙カップ１０の製
造が完了する。

このようにして製造された紙カップについて以下のテス
ト及び評価を行った。

（二１ソニル判：　１０個の紙カップについて、夫々の
サイドシーム及びエンドシームの部分が確実乞こヒート
シールされているかどうか目視により観察した。１個で
も接着不充分で剥離するものや、クラッキングなどが観
察されるものをＸ印とし、何ら問題点が観察されないも
のを○印として衷に言己人した。

ピッキング；１０個の紙カップについて、夫々のサイド
シーム及びエンドシームここピッキングや汚損がないか
観察した。１個でもこれらが観察されるものはＸ印とし
、全くこれらが観察されないものを○印として、表に記
入した。

スベリ狂ニスベリ性については紙カップに成形される前
もこスベリ試験機（テスター産業社製）で試験し、従来
のポリエチレン片面ラミネート紙料のスベリ度合と比較
した。試料は１２．５ｃｍＸ２０ｃｍの２片ずつを用い
て当接面を接触させた。従来品よりスベリ角度が小さい
か同じものを○印、スベり角度が大きいものをＸ印とし
て表に記入した。

臭気：成型されたか紙カップに沸騰水を８分目に入れガ
ラス板で蓋をし、５分後乙こ５名の試験員が蓋を開けて
臭気の有無を調べた。３名以上が臭気を感じた場合はＸ
印、２名以下の場合を○印として衷に記入した。

耐水性：　１０重量％エチルアルコール水溶液に０゜４
重量％のメチレンブルーを溶かして、試験液とした。こ
の試験液を１０個の紙カップの約８分目まで入れて、５
分間放置し、染色の有無を調べた。

全てに染色のないものを○印、１個でも染色があるもの
をＸ印として表に記入した。

酊餌水判：成型された紙カツプ１０個し乙、夫々沸騰水
を８分目いれて、３０分間放置し、漏出の有無を調べた
。１０個のうち１個でも漏出があるのはＸ印とし、１０
個共全てに漏出が見られないものを○印として表に記入
した。

酊冷水銑：成型された紙カツプ１０個に、氷片を夫々８
分目入れて更に冷水を８分目まで注ぎ、３０分間放置し
た。結露により１個でも膨潤が観察されるものはＸ印と
し、何れここも膨潤が見られないものを○印として衷に
記入した。

酊絣性：成型された紙カツプ１０個に、約９０℃のミル
クコーヒを８分目入れて３０分間放置した。

１個でも）届出がある場合はＸ印とし、全く漏出がない
場合は○印として表に記入した。

（以下余白） （重鎖％） （実施例　２〜４） 実施例１と同様であるが、第１乃至第４のラッカの組成
比を表に示すようにして、実施例１と同、−の方法によ
り紙カップの製造及び評価試験を行った。結果は表のと
おりである。尚表においては、塩酢ビ２元共重合体樹脂
を「２元共重合体」シ乙、塩酢ビマレイン酸３元共重合
体樹脂を「３元共重合体」に、メチルエチルケトンを「
溶媒」シこ略して記入した。

（比較例１，２） 実施例２乃至４と同様であるが、第１乃至第４のラッカ
の組成比を表に示すようにして、実施例２乃至４と同一
の方法により紙カップの製造及び評価試験を行った。結
果は表の通りである。何れもピッキングの開門はなかっ
たがヒートシールが不良であったのでその他の評価試験
は行わなかった。

（発明の効果） 本発明方法は上記の説明及び実施例のようしこ、紙カツ
プ用紙料の表裏面に塩酢ビ樹脂を主とするコーティング
剤で皮膜を作るので、ヒートシール性に優れ、安全で耐
水性、耐熱水性、耐薬品性、ベンディング性などにに優
れたホットアンドコールド両用の紙カップを製造するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明方法によって製造されたツーピース紙カ
ップの拡大断面図、第２図は紙カップを構成するための
側壁ブランクの平面図、第３図は底板ブランクの平面図
である。 １０・◆・◆◆紙カップ ２０・・・・・側壁 ２２・・・・・第１の皮膜 ２４・・◆・・第２の皮膜 ２６・・・・・サイドシーム ２日・・◆・・リム ３０・◆令◆・エンドシーム ４０・・・・・底板 ４２◆・◆・令弟３の皮膜 ４４・・・・・第４の皮膜

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. （１）底板と該底板を囲んで該底板に側壁の下端部をヒ
   ートシールして紙カップを製造する方法において、 （イ）前記側壁用紙料の第１の面に、塩化ビニル・酢酸
   ビニル樹脂を有機溶媒に溶解させた第１のラッカを塗布
   する工程と、 （ロ）前記側壁用紙料の第２の面に、塩化ビニル・酢酸
   ビニル樹脂を溶解させた第２のラッカを塗布する工程と
   、 （ハ）前記底板用紙料の第１の面に、塩化ビニル・酢酸
   ビニル樹脂を有機溶媒に溶解させた第３のラッカを塗布
   する工程と、 （ニ）前記底板用紙料の第２の面に、塩化ビニル・酢酸
   ビニル樹脂を有機溶媒に溶解させた第４のラッカを塗布
   する工程と、 （ホ）前記底板用紙料から底板ブランクを切り出す工程
   と、 （ヘ）前記底板の第１の面が飲食物との接触面となるよ
   うに、前記底板ブランクを成形してフランジを設ける工
   程と、 （ト）前記側壁用紙料から側壁ブランクを切り出す工程
   と、 （チ）前記側壁ブランクの一方の側端と他方の側端とを
   重ね合わせてヒートシールすることによりサイドシーム
   を設ける工程と、 （リ）前記ブランクと前記側壁の下端部とをヒートシー
   ルする工程と、 を備えたことを特徴とする紙カップの製造方法。
2. （２）前記請求項（１）において、第１のラッカを塗布
   する前に、前記側壁用紙料の第１の面に第１のプライマ
   を塗布する工程と、第３のラッカを塗布する前に、前記
   底板用紙料の第１の面に第２のプライマを塗布する工程
   を更に備えたことを特徴とする紙カップの製造方法。
3. （３）前記第１及び／又は第３のラッカに溶解される樹
   脂が、塩化ビニル・酢酸ビニル２元共重合体樹脂、及び
   塩化ビニル・酢酸ビニルの３元共重合体樹脂から成るこ
   とを特徴とする前記請求項（１）又は（２）に記載の方
   法。
4. （４）前記第２のラッカに無機及び／又は有機の微粒子
   を添加したこと特徴とする前記請求項（１）乃至（３）
   項の何れかに記載の方法。