JPH0230591Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車のトランクリツドオープナに関
するものである。

自動車のトランクリツドオープナは、トランク
リツドに設けたフツクがトランクリツド閉時車体
側に設けたストライカに係合して閉状態を保持す
ると共に、車室内の運転席部から上記フツクを係
合解除方向に遠隔的に操作し得るオープナレバー
が設けられ、更に上記遠隔的操作によつてはフツ
クを係合解除作動させることができないようにし
てトランク内に収納した物品の盗難を防止するロ
ツク機構を設けた構造になつており、上記遠隔操
作用のオープンレバーは従来は通常リツド側に設
けられているのが普通である。このように可動側
であるリツドにオープンレバーを設けている従来
構造では、該オープンレバーと運転席部の操作レ
バーとを連結する遠隔操作用のワイヤの引きまわ
しが極めて厄介であり、且つ該ワイヤの長さがか
なり長くならざるを得ないと言う問題を有してい
る。

本考案は上記のような従来の問題に対処すると
共に、構成部品少く且つ的確なる機能を果し得る
トランクリツドオープナを提供することを目的と
するもので、以下附図実施例を参照して説明す
る。

第１図及び第２図はトランクリツドＡに取付け
られるリツド側組立体を示す図であり、１はベー
スプレート、２は該ベースプレート１に軸３によ
り回動可能に取付けたフツク、４はキヤンセルレ
バーである。

上記フツク２は下端部に後述する車体側のスト
ライカに係合する係合爪２ａを有すると共にリツ
ドＡに設けたキーシリンダ７部に延長する腕部２
ｂを有し、キー操作により第１図実線示の係合状
態位置より鎖線示の係合解除状態位置に軸３を中
心として回動操作されるよう構成されている。

キヤンセルレバー４は長孔４ａにより上記軸３
にスライド可能に支持されると共に、該キヤンセ
ルレバー４に固設したピン５がフツク２に設けた
長孔状の案内溝孔２ｃに係合し、該案内溝孔２ｃ
の両端部に形成した係合部２c′と２c″との間にお
いてスライド作動し得るようフツク２に支持され
ている。

又該キヤンセルレバー４の一端部とベースプレ
ート間にはスプリング６が掛装され、該スプリン
グ６はキヤンセルレバー４に設けたピン５を案内
溝孔２ｃ両端の係合部２c′及び２c″に嵌合させる
方向に附勢すると共に、該キヤンセルレバー４及
びピン５を介してフツク２を第１図実線示の係合
状態位置に保持する方向に附勢している。

第３，４図は車体Ｂ側に取付けられる車体側組
立体を示す図で、８はストライカ部８ａを有する
ベースプレート、９は該ベースプレート８に軸１
０により回動可能に取付けられたオープンレバー
であり、該オープンレバー９は上記キヤンセルレ
バー４のピン５を押圧移動させる操作腕部９ａと
図示しないワイヤの一端を係合固定するワイヤ結
合部９ｂとを有している。１１は該オープンレバ
ー９のリターンスプリングである。

上記の構成において、リツド側のベースプレー
ト１をリツドＡ内に取付けると共に、車体側のベ
ースプレート８を車体側に取付け、キヤンセルレ
バー４を第１図実線示のようにピン５が係合部２
c′に係合したアンロツク位置として、トランクリ
ツドＡを閉めると、ストライカ部８ａがリツド側
ベースプレート１の案内溝１ａ内に第１図矢印の
如く相対的に入り込み、フツク２の係合爪２ａに
係合してラツチ状態となる。

この状態ではオープンレバー９の操作腕部９ａ
は第３図の如くキヤンセルレバー４のピン５の下
部に対向した位置にあり、運転席部より操作レバ
ー（図示省略）を操作することにより図示しない
ワイヤを介してオープンレバー９を第３図におい
て時計方向に回動させると、該オープンレバー９
の操作腕部９ａがピン５を押し上げキヤンセルレ
バー４及びフツク２を軸３まわりに第１図におい
て反時計方向に回動させて係合爪２ａによるスト
ライカ部８ａの係止を解除しアンラツチ状態とす
ることができる。

トランクリツドＡをロツクしたい場合は、トラ
ンクリツドＡの開状態にてキヤンセルレバー４を
押圧操作し第１図鎖線示のようにスライドさせて
ピン５が他端の係合部２c″に係合した状態とし、
その上でトランクリツドＡを閉める。

するとストライカ部８ａは前記の場合と同様案
内溝１ａ内においてフツク２の係合爪２ａに係合
してラツチ状態となるが、キヤンセルレバー４は
前記の場合に対しスライド移動しそのピン５が他
端の係合部２c″に係合しているので、該ピン５は
オープンレバー９の操作腕部９ａの回動軌跡から
はずれた位置となつており、運転席部から遠隔的
にオープンレバー９を回動操作しても空振りとな
りフツク２を解除方向に回動させることはでき
ず、ロツク状態となる。

このロツク状態では、キーシリンダ７にキーを
挿し込みキー操作によつてのみフツク２をアンラ
ツチ方向に回動させトランクリツドＡを開くこと
ができる。

上記のようにキヤンセルレバー４のピン５を２
c″に係合させたロツク状態では、該ピン５はフツ
ク２のリターンスプリングを兼ねたスプリング６
により係合部２c″に嵌入した状態を強固に且つ確
実に保持され、トランクリツド閉時の衝撃的振動
や走行中の車体振動等のあらゆる振動に対しても
決してピン５が係合部２c″からはずれるようなこ
とはない。

又キヤンセルレバー４をロツク位置からアンロ
ツク位置に戻す場合は、該キヤンセルレバー４の
一端部をスプリング６に抗してわずかに持ち上げ
ることによりピン５の係合部２c″への係合は解除
され、第１図実線示のアンロツク位置にスライド
移動させることができる。

以上のように本考案によれば、オープンレバー
を車体に取付けられる車体側組立体の中に組み込
みリツド側組立体のフツクにスライド可能に取付
けたキヤンセルレバーのピンを該オープンレバー
が押してフツクをアンラツチ作動させるよう構成
したことにより、オープンレバーから運転席部の
操作レバーに至る遠隔操作用ワイヤの引廻しが極
めて容易となり、又該ワイヤの長さも従来に比し
はるかに短かくてすみ、組付作業性の向上及び材
料の低減をはかり得る。

又オープンレバーによつて押圧操作されるピン
をもつキヤンセルレバーはフツクに設けた長孔よ
りなり両端に係合部を有する案内溝孔に案内され
て上記ピンが一方の係合部に嵌入したアンロツク
位置から他方の係合部に嵌入するロツク位置にか
けてスライド移動し得るようフツクに取付けられ
ると共に、上記フツクのリターンスプリングが上
記キヤンセルレバーのピンの係合部への嵌入状態
を保持するよう附勢する構成としているので、キ
ヤンセルレバーのロツク位置及びアンロツク位置
の保持が極めて強固であり、車体の振動等により
キヤンセルレバーが動くようなことは全くなく、
ロツク又はアンロツク操作も極めて容易且つ確実
となるもので、部品数が少く小型コンパクトにま
とめることができ安価であること等と相俟つて実
用上多大の効果をもたらし得るものである。

【図面の簡単な説明】

附図は本考案の実施例を示すもので、第１図は
トランクリツド側組立体の正面図、第２図は第１
図のＸ−Ｘ断面図でトランクリツドへの取付状態
を示している。第３図は車体側組立体の正面図、
第４図は第３図の側面図で車体への取付状態を示
している。 Ａ……トランクリツド、Ｂ……車体、１，８…
…ベースプレート、２……フツク、２ａ……係合
爪、２ｃ……案内溝孔、２c′，２c″……係合部、
４……キヤンセルレバー、５……ピン、６……ス
プリング、７……キーシリンダ、８ａ……ストラ
イカ部、９……オープンレバー、１０……軸、１
１……リターンスプリング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トランクリツドに取付けられるベースプレート
   と、該ベースプレートに回動可能に取付けられた
   フツクと、該フツクに設けた長孔状の案内溝孔に
   嵌るピンを固設し該案内溝孔に案内されてスライ
   ド移動可能なるようフツクに支持され該フツクと
   一体的に回動するキヤンセルレバーと、該キヤン
   セルレバーとベースプレート間に掛装されキヤン
   セルレバーのピンが上記案内溝孔の両端部に設け
   た係合部に嵌入する方向に附勢すると共にフツク
   をそのラツチ状態を保持する方向に附勢するスプ
   リングとによりトランクリツド側組立体を構成
   し、車体に取付けられトランクリツド閉時上記フ
   ツクに係合してラツチ状態とするストライカ部を
   有するベースプレートと、該ベースプレートに回
   動可能に軸着され車室内側から遠隔的に回動操作
   されるオープンレバーとにより車体側組立体を構
   成し、トランクリツド閉状態で上記キヤンセルレ
   バーのピンが案内溝孔の一端の係合部に係合して
   いるときは該ピンは上記オープンレバーの回動軌
   跡上に位置し該オープンレバーの回動により該ピ
   ン、キヤンセルレバーを介してフツクをアンラツ
   チ方向に回動させることができ、上記ピンが案内
   溝孔の他端の係合部に係合しているときは該ピン
   は上記オープンレバーの回動軌跡からはずれた位
   置となる配置構成としたことを特徴とする自動車
   のトランクリツドオープナ。