JPH0230551Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、アースオーガドリルの下端中央に取
付けられる爪（センター爪）の取付け構造に係
り、より詳しくは爪を着脱自在に取付ける構造に
関する。

（従来の技術） 第４図は従来のアースオーガドリルヘツド部の
構造を示すもので、回転軸１の下端の底蓋２に
は、回転軸１押し込みのための穴を掘削するセン
ター爪の本体３が溶接され、該本体３の下端部中
央には切込み３ａを入れ、該切込み３ａの左右を
回転方向の前方に曲成して掘削爪３Ａ，３Ｂを形
成してなる。なお、６Ａ，６Ｂは回転軸１に溶接
したスクリユー板、７Ａ，７Ｂは各スクリユー板
６Ａ，６Ｂの下端に内外方向に間隔を隔てて配設
した掘削用爪である。

このような従来構造においては、掘削爪３Ａ，
３Ｂの本体３を蓋２に対して溶接しているので、
作業現場において、これらの爪３Ａ，３Ｂが摩耗
した場合に、工場にまでドリルを運んで古いセン
ター爪を溶断し、新しいセンター爪を溶接しなけ
ればならず、稼動率が悪いという問題点がある。

また、従来構造のものは、掘削爪３Ａ，３Ｂが
短かいため、食込みが悪いという問題点があり、
この問題点を解決するために掘削爪３Ａ，３Ｂを
長くすれば、第５図に示すように、掘削爪３Ａ，
３Ｂの外周側先端部の回転軌跡が本体３の軌跡よ
りも外側に大きくはみ出し、斜線部５すなわち掘
削爪３Ａ，３Ｂの外周側先端部が集中的に集耗し
て掘削性能が低下するという問題点がある。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は、上記の問題点に鑑みてなされたもの
で、現場における爪の着脱が行なえ、しかも爪の
外周側先端部が基端側の回転軌跡よりも大きくは
み出すことのない構造のセンター爪の取付け構造
を提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） この目的を達成するために、本考案において
は、アースオーガドリルの回転軸の下端に取付け
られるセンター爪において、回転軸下端または回
転軸下端に設けられる円筒体の周方向に隔たる位
置に、複数個の爪取付け板を、該爪取付け板の外
側部分がドリル回転方向の前方にあるように傾斜
させて溶接し、該爪取付け板の回転方向の前面
に、爪の下部外周側が回転方向の前方に突出する
ように捻れたセンター爪をボルトにより着脱自在
に取付けたことを特徴とする。

（実施例） 第１図および第２図は本考案の爪の取付け構造
の一実施例であり、回転軸１の下端には、周方向
に隔たる位置に、複数枚（実施例は２枚）の爪取
付け板８を、該取付け板８の外側部分がドリル回
転方向の前方にあるように傾斜させて溶接する。
すなわち、回転軸１の中心Ｏと、該各取付け板８
の溶接部９を結ぶ線１０と取付け板８の板面との
なす角度が、回転軸１の回転方向Ａの方向に＋θ
をなすように取付け板８を溶接する。このような
取付け板８の溶接された根本部８ａ間は、回転軸
１の半径方向にＷの間隔を有し、根本部８ａの下
部の間には補強板１１を溶接する。なお、回転軸
１の下端開口部には蓋が設けられるが、その蓋お
よび取付け部については図示を省略している。

取付け板８の回転軸回転方向Ａの前面には複数
個のねじ穴８ｂが設けてある。一方、各取付け板
８に取付けられる爪１２にも前記ねじ穴８ｂに対
応する個所に爪取付け用ボルト１３の頭部１３ａ
を収容する凹部１２ａと該凹部１２ａの底部から
裏面に抜ける透孔１２ｂとを設け、ボルト１３を
前記凹部１２ａから透孔１２ｂに通し、取付け板
８のねじ穴８ｂにねじ込むことにより、爪１２を
取付け板８に着脱自在に取付ける。

このように、取付け板８を傾斜して取付け、そ
の回転方向の前面に爪１２を取付ければ、爪１２
が摩耗した場合、ボルト１３を外して爪１２を取
外し、新しい爪１２をボルト１３によつて取付け
ることにより、現場における爪１２の交換が可能
となる。また、第３図に示すように、回転軸１の
外周面に直角に取付け板８′を溶接し、これに爪
１２′を取付けた場合に比較し、爪の外周側先端
部の突出がなくなり、外周側先端部の摩耗の集中
が防止される。

また、本実施例のように、爪１２の全体形状
を、爪１２の下部外周側が回転方向の前方に突出
するように捻れた形状に形成することにより、爪
１２を長く形成できるので、食込みが良好となる
上、平面的に見た場合に、爪の外側面１２ｃがド
リル回転に伴なつてほぼ同一回転軌跡１４を描く
かあるいは近似する軌跡を描くので、爪１２の外
側面１２ｃのほぼ全体が掘削穴の壁面に接触する
から、掘削による摩耗が爪１２の外周側先端部の
みに集中する度合がさらに少なくなり、爪１２の
耐用期間を長期化することができる。また、仮に
摩耗が進行したとしても、爪１２の先端部および
外側面は均一に摩耗するので、摩耗部分を肉盛り
溶接によつて再生することが容易であり、捨てる
必要がなくなるので、経済的である。

なお、前記実施例においては、回転軸１に取付
け板１２を溶接する構造としたが、回転軸１の下
端に取付けられる円筒体に取付け板８を溶接する
構造であつてもよい。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案によれば、爪を取
付け板にボルトにより着脱自在に取付ける構造と
したので、爪が摩耗した場合、現場において、新
しい爪に交換でき、いちいち工場にドリルを運ぶ
必要がないので、機械の稼動率を上げることがで
きる。また、取付け板は回転軸等に対して外側が
回転方向前方に向くように傾斜させて取付け、し
かもセンター爪の下部外周側が回転方向の前方に
突出するように捻れた形状に形成したので、爪の
外周側先端部の外方への突出が防止され、外周側
先端部の摩耗の集中を防止することができ、爪の
寿命を長くすることができる。また、センター爪
の下部外周側が回転方向の前方に突出するように
捻れた形状に形成したので、センター爪を長く形
成でき、これにより、食込みが良好となる。ま
た、平面的に見た場合に、センター爪の外側面が
ドリル回転に伴なつてほぼ同一回転軌跡を描くの
で、爪の先端部および外側面は均一に摩耗し、摩
耗部分を肉盛り溶接によつて再生することが容易
であり、かつ、捨てる必要がなくなるので、経済
的である。

また、爪取付け板を回転軸に対して外側が回転
方向前方に向くように傾斜させた取付け構造と、
センター爪の下部外周側が回転方向の前方に突出
するように捻れた形状に形成したこととの組合わ
せにより、センター爪の捻れの度合をそれほど大
きくしなくとも前記各効果をあげることができる
から、製造が容易となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のセンター爪の取付け構造の一
実施例を示す平面図、第２図は該実施例の正面
図、第３図は該実施例の作用を説明する平面図、
第４図は従来の爪を取付けたヘツドを示す正面
図、第５図は従来の爪の問題点を説明する平面図
である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アースオーガドリルの回転軸の下端に取付けら
   れるセンター爪において、回転軸下端または回転
   軸下端に設けられる円筒体の周方向に隔たる位置
   に、複数個の爪取付け板を、該爪取付け板の外側
   部分がドリル回転方向の前方にあるように傾斜さ
   せて溶接し、該爪取付け板の回転方向の前面に、
   爪の下部外周側が回転方向の前方に突出するよう
   に捻れたセンター爪をボルトにより着脱自在に取
   付けたことを特徴とするセンター爪の取付け構
   造。