JPH0230161Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は工作機械における揺動軸、固定軸兼用
の主軸台に関するものである。

〈従来の技術〉 円弧面を加工する工作物の場合、主軸台に装着
されたデツドセンタと心押台センタとの間に工作
物を支持し、工作物を支持中心線回りに所要角度
で揺動運動を与えて加工する。従来の揺動軸形主
軸台は第４図に示す構造である。

主軸台１に固設された固定スリーブ２にデツド
センタ３を装着し、このデツドセンタ３の軸線を
中心にして回転可能に軸承した回転面板４と、前
記デツドセンタ３の軸線と平行な軸線で回転可能
に軸承され、回転駆動装置７と連結している回転
軸６と、この回転軸６に固着された駆動面板８と
を有し、この駆動面板８にスライダガイド１１に
よつて半径方向に案内され、かつ調整ねじ１２に
よつて位置調整されるスライダ１０を備え、この
スライダ１０に固設されたクランクピン９と、前
記回転面板４に設けられた偏心ピン５とを連結杆
１３にて連結し、駆動面板８の回転によつて回転
面板４を所要の揺動角で揺動運動させ、回転面板
４に突設されている駆動ピンによりデツドセンタ
３に支持されている工作物に前記揺動運動を伝達
するようにした構成であつた。

〈考案が解決しようとする問題点〉 上記従来の揺動軸形主軸台は、正に揺動専用で
あり、工作物をセンタ支持中心線回りに回転して
加工する固定軸主軸台として使用することはでき
ず、もし固定軸主軸台として使用するには装置一
式の交換が必要となり、非常に不経済であるばか
りでなく装置交換の面倒な段取換を要する問題が
あつた。

本考案は、この揺動軸形主軸台でもつて簡単な
構造と操作により固定軸主軸台の兼用を可能と
し、上記従来の問題点を解決したものである。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案は、上記従来の揺動軸形主軸台におい
て、回転面板にデツドセンタの軸線回りに回転す
るプーリを設け、回転軸を主軸台に操作レバーに
よつて回転可能に嵌着された偏心スリーブに回転
自在に軸承すると共に、回転軸上にプーリを固設
し、このプーリと前記回転面板のプーリとの間に
前記偏心スリーブの回転によつてテンシヨンが調
整されるベルトを掛け渡し、前記駆動面板のクラ
ンクピン並びに回転面板の偏心ピンを着脱可能と
したものである。

〈作用〉 上記本考案は、揺動軸主軸台として使用する場
合は、偏心スリーブを回転して回転軸とデツドセ
ンタとの軸間距離を小さくし、両プーリ間に掛け
渡されたベルトのテンシヨンを緩めて回転軸から
回転面板にベルトを介して伝達される回転動力を
遮断させ、従来通り駆動面板、クランクピン、連
結杆及び偏心ピンを介して回転面板に揺動運動を
与える。また、固定軸主軸台として使用する場合
は、クランクピン、偏心ピンを連結杆と共に取り
外し、偏心スリーブを回転して回転軸とデツドセ
ンタとの軸間距離を大きくし、両プーリ間に掛け
渡されたベルトのテンシヨンを緊張させ、回転軸
の回転をベルトによつて回転面板に伝達して回転
運動を与えるものである。

〈実施例〉 以下本考案の実施例を第１図乃至第３図に基づ
いて説明する。第１図及び第２図において、１は
主軸台、２は主軸台１に固設された固定スリー
ブ、３は固定スリーブ２に装着されたデツドセン
タである。４は回転面板であり、これに一体に取
付けられたプーリ１４を介して前記デツドセンタ
３の軸線を中心にして回転可能に軸承されてい
る。２４はデツドセンタ３と図略の心押台センタ
間に支持された工作物の駆動ピンを示す。６は前
記デツドセンタ３の軸線と平行な軸線で回転可能
に軸承された回転軸である。この回転軸６は、主
軸台１に回転可能に嵌着された偏心スリーブ１５
に回転自在に軸承されている。１９は回転軸６上
に固設されたプーリであり、このプーリ１９と前
記回転面板４と一体のプーリ１４との間にベルト
２０が掛け渡されている。

また、前記偏心スリーブ１５の外端には、回転
軸６の軸心回りに回転するカラー１７と回転方向
は係合し、径方向は相対摺動可能とした凹凸噛合
部１７ａで係合され、カラー１７には操作レバー
１６と回転操作角を規定するストツパピン１８と
が設けられている。

前記回転軸６の先端には駆動面板８が同心で固
設され、この駆動面板８にはスライダガイド１１
によつて半径方向に案内され、かつ調整ねじ１２
によつて位置調整されるスライダ１０が設けられ
ており、スライダ１０にはクランクピン９が固設
されている。そして、スライダガイド１１は駆動
面板８にボルトにより着脱可能に取付けられてい
る。

さらに、前記回転面板４には偏心ピン５が着脱
可能に取付けられ、この偏心ピン５と前記クラン
クピン９とは連結杆１３にて連結されている。２
１は駆動面板４の裏側の主軸台開口部を遮へいす
る前記偏心スリーブ１５と同心円の偏心板であり
偏心スリーブ１５と結合ブロツク２２によつて一
体結合されている。尚、回転軸６は第４図の従来
技術と同様に回転駆動装置７と連結している。

本考案は上記の通りの構造であるから、揺動軸
状態で使用する場合は、操作レバー１６を第１図
のＡ位置に旋回させ偏心スリーブ１５を回転して
回転軸６とデツドセンタ３との軸間距離を縮め、
プーリ１４，１９間に掛け渡されているベルト２
０のテンシヨンを緩めて回転軸６の回転がプーリ
１４に伝達されないようにセツトする。従つて回
転軸６の回転は駆動面板８、クランクピン９、連
結杆１３及び偏心ピン５を介して駆動面板４に伝
達され、スライダ１０の調整位置に基づく揺動角
θにて回転面板４は揺動運動が与えられ、駆動ピ
ン２４により工作物を揺動させるのである。

また、固定軸状態で使用する場合は、スライド
ガイド１１を駆動面板８より取り外し、同時に偏
心ピン５も駆動面板４より取り外して第３図に示
すように駆動面板８の周囲を保安等のためにカバ
ー２３を装着する。そして、操作レバー１６を第
１図のＢ位置に旋回させ偏心スリーブ１５を回転
して回転軸６とデツドセンタ３との軸間距離を拡
げ、プーリ１４，１９間に掛け渡されているベル
ト２０のテンシヨンを緊張させる。これによつて
回転軸６の回転はプーリ１９、ベルト２０、プー
リ１４と伝達され、回転面板４をデツドセンタ３
の軸心回りに回転させ、工作物をデツドセンタ３
の中心線上に固定した状態で駆動ピン２４により
回転させるのである。

〈考案の効果〉 以上のように本考案によると、従来の揺動軸形
主軸台に簡単な構造と操作による回転面板への回
転動力の伝達ON−OFF切替え機構を設けたこと
により、固定軸形主軸台として兼用することがで
き、汎用性のある非常に経済的な主軸台を提供し
得る効果を有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の正面図、第２図は第１図−
線断面図、第３図は固定軸主軸台とした場合の
駆動面板部の断面図、第４図は従来の揺動軸形主
軸台の断面図である。 １……主軸台、３……デツドセンタ、４……回
転面板、５……偏心ピン、６……回転軸、８……
駆動面板、９……クランクピン、１０……スライ
ダ、１１……スライドガイド、１２……調整ね
じ、１３……連結杆、１４……プーリ、１５……
偏心スリーブ、１６……操作レバー、１９……プ
ーリ、２０……ベルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 主軸台に装着されたデツドセンタの軸線を中心
   にして回転可能に軸承した回転面板と、前記デツ
   ドセンタの軸線と平行な軸線で回転可能に軸承さ
   れ回転駆動装置と連結している回転軸と、この回
   転軸に固着された駆動面板とを有し、この駆動面
   板の偏心位置に設けたクランクピンと、前記回転
   面板の偏心位置に設けた偏心ピンとを連結杆にて
   連結し、前記駆動面板の回転により回転面板に揺
   動運動を与える手段を備えた揺動軸形主軸台にお
   いて、前記回転面板にデツドセンタの軸線回りに
   回転するプーリを設け、前記回転軸を主軸台に操
   作レバーによつて回転可能に嵌着された偏心スリ
   ーブに回転自在に軸承すると共に、回転軸上にプ
   ーリを固設し、このプーリと前記回転面板のプー
   リとの間に前記偏心スリーブの回転によつてテン
   シヨンが調整されるベルト掛け渡し、前記駆動面
   板のクランクピン並びに回転面板の偏心ピンを着
   脱可能としたことを特徴とする揺動軸、固定軸兼
   用主軸台。