JPH02300311A - 高弾性率ポリアミド線状体及びその製造方法 - Google Patents

高弾性率ポリアミド線状体及びその製造方法

Info

Publication number
JPH02300311A
JPH02300311A JP1120368A JP12036889A JPH02300311A JP H02300311 A JPH02300311 A JP H02300311A JP 1120368 A JP1120368 A JP 1120368A JP 12036889 A JP12036889 A JP 12036889A JP H02300311 A JPH02300311 A JP H02300311A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyamide
elastic modulus
stretching
molecular weight
substance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP1120368A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2763786B2 (ja
Inventor
Hiroaki Hosomi
細見 弘明
Mikio Sato
佐藤 幹雄
Toshiya Fujita
藤田 敏也
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP1120368A priority Critical patent/JP2763786B2/ja
Publication of JPH02300311A publication Critical patent/JPH02300311A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2763786B2 publication Critical patent/JP2763786B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、タイヤコードなどの産業資材、複合材料と
して用い得る高弾性率ポリアミド線状体に関するもので
ある。
(従来の技術) 従来、ナイロン6、ナイロン66等の脂肪族ポリアミド
繊維の弾性率は、およそ40〜60g/dであった。こ
のため、例えば、タイヤコード等に用いる場合には、バ
イアスタイヤのように高弾性率の必要でないものには使
用できたが、ラジアルタイヤのように高弾性率の必要な
ものには使用できなかった。しかし、脂肪族系ポリアミ
ド繊維は、ポリエステル繊維等の他の素材に比べ、耐疲
労性や接着性、耐熱性が優れるため、ポリアミド繊維の
高弾性率化が望まれている。
これまで、高強力・弾性率の脂肪族系のポリアミドは、
主に溶融紡糸法で検討されてきた。例えば、特開昭60
−34615には、高強力、高弾性率の脂肪族ポリアミ
ド繊維が開示されている。この繊維は、初期弾性率55
g/d以上であることなどを特徴としている。そして、
これを製造する方法として、常法で得られた延伸糸を定
延伸張力下で、比較的低周波数の振動を付与しつつ延伸
することを特徴としている。そして、その最高の物性は
、実施例2に、硫酸相対粘度3.5のナイロン6を溶融
紡糸した後、延伸倍率6.0倍の熱延伸により得られた
延伸糸を定張力下で11011zの振動を付与した後1
80°Cで熱処理し、最高値の初期弾性率63.1g/
d切断伸度18.4%を得たことを示している。
また、超高分子量のポリアミドを用いた繊維の製造方法
に関する報告もある。
例えば、特開昭60−16280762807号報紡糸
法を用いた高強力ナイロン6フィラメントの製造方法が
開示されている。その方法は、硫酸相対粘度5.0以上
、分子量分布値Mw/Mnが6.5以下のナイロン6を
、エアギャップを設けて湿式紡糸し、得られた繊維を熱
延伸することを特徴としている。
そして、その実施例1において、相対粘度6.5(数平
均分子量−約4万)のナイロン6ポリマーを96%蟻酸
水溶液に30−t%溶解し、湿式紡糸し、この繊維を8
倍に熱延伸して、最高物性値として初期弾性率52.0
g/dが得られたことが示されれている。
また、POLY?IER,26,1394(1985)
に、乾式紡糸法によるナイロン6の高弾性率繊維につい
て記載されている。そして、重量平均分子! 2.6X
10’のナイロン6を用い、乾式紡糸した繊維を延伸倍
率10倍に熱延伸することにより、初期弾性率19GP
a(約1908/d)、切断伸度7.3%が得られたこ
とが示されている。しかし、この方法で得られた繊維は
、初期弾性率は高いものの伸度が低い。
一方、剛直類を持った高弾性率の繊維として、芳香族系
のポリアミドが知られている。例えば、特開昭63−2
4333043330号報に硫酸溶媒を用い液晶紡糸し
、弾性率883g/d 、伸度2.8%のものを得たこ
とが記載されている。
このように、アラミドは高弾性率ではあるが、伸度が非
常に小さい繊維であり、さらに、この繊維はフィブリル
化しやす(、耐疲労性が悪く、また、接着性も悪いなど
多くの性能上の問題を持っている。また、紡糸原液とし
て濃硫酸を使用するなど製造上にも問題がある。
近年、高強力・高弾性率繊維の製造方法として、ゲル紡
糸法が発明された1例えば、特公昭60−47922号
報に開示されている。この方法は超高分子量のポリエチ
レンをデカリンに?8解することにより分子鎖のからみ
を一旦解きほぐし、分子間のからみを最小限にする。そ
して、この溶液をゲル化することにより、分子間のから
みを増加することなく固化する。こうすることにより超
延伸が可能となり、分子鎖を繊維軸方向に高配向するこ
とができる。そして、高強力高弾性率のポリエチレンを
得ることができる。
この方法をポリアミドに応用すれば、ポリアミドの高強
力・高弾性率化が可能であると考えられる。
しかし、これまで各種のポリマーについてゲル紡糸法の
応用が検討されてきたが、ポリオレフィン系、ポリビニ
ルアルコールの例の報告は知られいるが、ポリアミドの
ゲル紡糸法については、これまで成功したという報告は
なされていない。
なお、ゲル紡糸法に似た方法として、前述したようにP
OLYMER,26,1394(1985)にナイロン
6の乾式紡糸法、特開昭60−16280762807
号報ン6の湿式紡糸法が示されている。しかし、これら
の方法は、ゲル紡糸法とは、全く違う。
また、ナイロン6/LiC1を用いて溶融紡糸し高弾性
率の繊維を得たことが報告されている。例えば、特開昭
52−56151号報に少なくとも1000kg/ll
lm2 (約100g/d)の弾性率を持つ脂肪類のポ
リアミド繊維が開示されている。この実施例2にナイロ
ン6に4wt%のしiClを添加したポリマーを用いて
溶融紡糸し、紡糸ドラフト5で得た繊維を熱延伸した後
17日間160 ’Cで熱処理し、約5000kg/M
2 (約500g/d)の弾性率の繊維を得ている。し
かし、この弾性率の値は乾燥した状態で測定されている
ために、このように高い値が出ているのであり、吸湿し
た状態で測定されれば弾性率は低いものとなったはずで
ある。また、これに関して、高分子加工、 12.2.
 (1981)に”LiC1を加えたナイロン6の欠点
は、そのために吸湿性が高くなり、再乾燥しなければ弾
性率が低下してしまうことである。液体の水と接触すれ
ばLiC1は溶出し、その効果は、消失、する。゛と記
載されている。つまり、この繊維は、LiC1の作用に
より高弾性率を得ているのであり、その作用がなくなる
と高弾性率を維持できないものである。
(発明が解決しようとする課題) 従って、本発明の解決しようとする課題は、高弾性率の
脂肪族ポリアミドを提供することにあり、また屈曲性の
分子鎖を持ったポリアミドを超延伸により高弾性率化す
る方法を提供するものである。
(課題を解決するための手段) この発明にかかわる高弾性率ポリアミド線状体は、以上
のような課題を解決するものであって、次のようなもの
である。
すなわち、本発明は、数平均分子量10万以上のポリア
ミド重合体からなり、初期弾性率が80g/d以上、切
断伸度10%以上である高弾性率ポリアミド線状体であ
り、この線状体は数平均分子量10万以上のポリアミド
重合体溶液を冷却固化させることにより未延伸体とし、
この未延伸体を製造することことができる。
本発明でいうポリアミド重合体は、ポリヘキサメチレン
アジパミド(ナイロン66)、ポリカプラミド(ナイロ
ン6)、ポリウンデカノアミド(ナイロン11)、ポリ
へキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリテ
トラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリウンデ
カメチレンアジパミド(ナイロン116)などの脂肪族
系ポリアミドまたは、これらの二種以上を組み合わせて
なるポリアミドである。また、脂肪族系ポリアミドは、
他のポリマーを15%以下含む共重合あるいは、混合物
であっても良い。
本発明にかかわるポリアミドの数平均分子量は、10万
以上でなければならない。数平均分子量が、10万未満
では溶媒をいかに選んでも、ゲル化のためには、ポリマ
ー濃度を極端に高くする必要がある。このため、分子鎖
のからみが増え超延伸が困難になり、また延伸時に分子
末端の擦り抜けが生じ、超延伸ができない。従って、数
平均分子量の好ましい範囲は、lO万〜200万で、好
ましくは、12万〜200万、更に好ましくは15〜2
00万である。
前記ポリアミドの数平均重合度は、粘度測定法又は後述
するような末端基定量法によって測定されるものである
数平均分子f[o万以上の超高分子量ポリアミドは、以
下のようにして製造できる。詳しくは、特願昭63−1
13491に記載された方法に準拠して製造することが
できる。
まず、溶融重合などにより、数平均分子量が1万〜2万
で、かつ末端カルボキシル基濃度と末端アミド基濃度と
の差が−15〜+15■eq/kg、かつ末端アミド基
濃度と末端カルボキシル基濃度との比が0.6 < (
(Ni+□3 / (−COOII) > < 1.1
であるプレポリマーを製造する0両末端蒸製度差及び比
をこの範囲になるようにするには、七ツマ−(ジアミン
とジカルボン酸)の仕込み量比の調節や重合条件の調節
などで行う。
このプレポリマーの製造時に、次亜燐酸ソーダなどの重
合触媒を添加することが好ましい。
次に、得られたプレポリマーをそのポリマーの融点に近
い温度で、例えばナイロン66では200〜240°C
の温度で数十時間加熱し固相重合する所定の数平均重合
度のポリマーを製造される。固相重合においては、真空
下または窒素などの不活性ガス中で行う。
この発明のポリアミド線状体の弾性率は、80g/d以
上であり、かつ切断伸度は、10%以上である。
このように、高い弾性率であるため、例えば、ラジアル
タイヤ用の補強材として用いることができる。また、切
断伸度が高いため、耐疲労性に優れている。
そして、この発明のポリアミド線状体は、強度が10g
/dを越えるものが得られる。このような物性を持って
いるので、現在タイヤコードに用いられている既存のポ
リエステルや、あるいはアライドに比べて、耐疲労性や
タフネスなどの特性が優れているものであ°る。さらに
、好ましくは、強度15g/dを越えるものである。
この発明のポリアミド線状体は、上記の物性を持ってい
るため、タフネスが高く、耐疲労性に優れている。
これらのポリアミドには必要に応じて熱安定剤、酸化防
止剤、光安定剤、顔料、触媒、艶消し剤などの添加剤を
配合してもよい。
次に、本発明にかかわる高弾性率ポリアミド線状体の製
造方法は、数平均分子mto万以上のポリアミド重合体
を溶媒に溶解し溶液(原液)とする。この溶液(原液)
を冷却し固化させることにより未延伸体とする。この未
延伸体をそのまま延伸するか、あるいはこの未延伸体か
ら溶媒を実質的に除去した後延伸することを特徴とする
高弾性率ポリアミド線状体の製造方法である。以下、こ
れについて詳細に説明する。
本発明にかかわる溶媒は、数平均分子量10万以上のポ
リアミドを溶解し得るものであればよい。
従って、溶媒は、次に示す溶媒あるいは、これらの溶媒
と塩とを組み合わせた溶媒である。
すなわち、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N
−エチル−2−ピロリドン、N−メチル−ピペリドン、
N−エチル−ピペリドン、N、N−ジメチルアセトアミ
ド、N−メチル−N−エチルアセトアミド、N、N−ジ
エチルアセトアミド、N−アセチルピペリジン、N−ア
セチルピロリジン、N−アセチルモルフォリン、N−ア
セチルピロリドン、N−アセチルピペリドン、1.5−
ジメチルピロリジノンなどのアミド系溶媒、1.3−ジ
メチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、 1.3−
ジメチル−4゜5.6(II) −2−ピリミジノン、
テトラメチルウレアなとのウレア系溶媒、N−メチルコ
ハク酸イミド、N−アセチルコハク酸イミドなどのイミ
ド系溶媒、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、
メタノール、エタノール、ベンジルアルコール、フルフ
リルアルコールなどのアルコール系溶媒、フェノール、
オルトクロロフェノール、m−クレゾールなどのフェノ
ール系溶媒などからなる群の中から選ばれる一種または
複数の溶媒からなる溶媒である。
上記溶媒の中で好ましい溶媒は、ポリアミド重合体を溶
解する時に、ポリマーの分解を引き起こしにくいアミド
系溶媒、ウレア系溶媒、イミド系溶媒、アルコール系溶
媒である。
その中でも、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、
N−エチル−2−ピロリドン、1,5−ジメチルピロリ
ジノン、N−アセチルピペリジン、N−アセチルモルフ
ォリン、1.3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(D
MI)、1.3−ジメチル−4,5,6(ll)−2−
ピリミジノン、 N−メチルコハク酸イミド、N−アセ
チルコハク酸イミド、メタノール、エタノールからなる
溶媒系が、ポリアミドの溶解能力が高く、かつ加溶媒分
解を引き起こしにくいので更に好ましい。
その中でも最も好ましいものは、N−メチル−2−ピロ
リドン、 1.5−ジメチル−2−ピロリジノン、N−
アセチルピペリジン、N−アセチルモルフォリン、1,
3−ジメチル−2−イミダゾリジノンおよび1.3−ジ
メチル−4,5,6(H) −2−ピリミジノンである
。更に好適には、N−メチル−2−ピロリドン、N−ア
セチルピペリジン、N−アセチルモルフォリンおよび1
.3−ジメチル−2−イミダゾリジノンである。
また、塩は、周期表のIa族、Ib族、Ila族、nb
族、ma族、■族元素のハロゲン化物、または過ハロゲ
ン化物であって、ともに用いる溶媒系に可溶でなければ
ならない。
好ましい塩は、リチウム、カルシウム、マグネシウム、
亜鉛、アルミニウム、硼素、および鉄のハロゲン化物、
または過ハロゲン化物である。
塩の作用としては、ポリマーの溶媒への溶解性の向上(
溶解温度の低下)、溶液のゲル化温度の低下、溶液の曳
糸性の向上などが期待できる。また、塩がポリマーに作
用することによりポリマー中の改組結合力が弱まり延伸
時に超延伸が容易となる。塩がポリマーに作用すると結
晶の融点が低下し延伸に必要な温度を低くすることが可
能となる。
このため、塩は、ポリアミドのアミド基に対して、O〜
l 00 mol/mol添加する。好ましくは、0.
01〜60 mol/mol添加する、更に好まシ<ハ
、0.05〜2 mol / mol添加する。好適に
は、0.1〜1 mol /IIIol添加する。
前記の溶媒に前記の超高分子量ポリアミド重合体を加え
、溶媒の沸点以下の温度下で加熱溶解して、原液を調製
する。、この際に、溶媒、塩、ポリマーは、使用前に脱
水、乾燥し、その水分率を極力少なくしておくことが望
しい。そして、溶解操作も乾燥窒素中などで行うのが好
ましい。なぜなら、溶解時の加熱によりポリマーが加水
分解し、分子量の低下を起こすからである。溶解はヘリ
カル翼やニーグー等を用いである程度の剪断をかけて溶
解すればよい。ただし、剪断力が強すぎるとポリマーの
分子鎖を切断するため好ましくない。
本発明のポリアミドと溶媒の重量比は、ポリアミド原液
の粘性を得るためにポリアミドの分子量によって変化さ
せ得るが、通常0.1〜60−t%であり、好ましくは
0.5〜30wt%である。更に好ましくは1〜15−
t%である。
この原液をゲル化する温度以上の温度に保ち、この原液
を細孔から吐出する。この吐出した線状体を冷却して固
めて、ゲル状の線状体を得る。
冷却は、空冷するか、あるいは冷媒を用いて冷却する。
冷媒としては、原液の溶媒及び塩を実質的に溶解しない
ものを選ぶことが分子鎖のからみを増大させないため好
ましい、しかし、より栄、冷するためには、原液の溶媒
を冷媒で置換してもよ(、この時は、スキン−コア構造
が発生しにくい冷媒組成のものを用いなければならない
。また、原液の吐出孔と冷媒の間に空間を設けることに
より、吐出孔の詰まりを防ぐことができる。
次に、冷却して得られたゲル状の線状体をこのまま延伸
するか、あるいは、溶媒を除去した線状体(キセロゲル
線状体)を延伸する。
溶媒を除去する場合は、塩をポリアミド中に残しておく
こしが望ましい。なぜなら、塩は、ポリアミドのアミド
基に作用し、水素結合力を緩和させる効果があり、後の
延伸が容易になるからである。
このようにポリマー中に塩を残すには、塩を溶解しない
抽出溶媒により、ゲル状線状体から溶媒を抽出するか、
あるいはゲル状線状体の溶媒を蒸発させれば良い。
ゲル状線状体の溶媒のみを溶解し、塩を実質的に溶解し
ない溶媒としては、例えば、文献“5ol−bilit
ies of Inorganic and Meta
lorganic Comp−ounds ”などを参
考にすれば良い。例えば、NMP/LiC1系の溶媒な
らば、酢酸エチルやベンゼンなどを選ぶことができる。
また、抽出溶媒に塩を加えておいても良い。
次に延伸を行うが、その延伸温度は、溶媒を含んだまま
行う場合には、そのゲル状線状体の溶解する温度(ゾル
化温度)以下の温度で行う、そして、溶媒が絞り出され
るに従って、その延伸温度を高くする。
また、溶媒を除去したキセロゲル線状体を延伸する場合
は、その融解温度に近い温度で行うのが良い。
なお、塩がポリアミド中に残存している場合は、残存し
ている基量により、ポリマーの結晶の融解温度が低下す
る。この結晶融解温度は、OSCを用いて吸熱ピークと
して、測定することができる。
延伸は、このピークのなくなる温度より下で行うのが良
い、なお、この温度は、延伸によっても変化するので、
多段で延伸する場合は、その延伸前の結晶融解温度によ
り決めることができる。
延伸は、一段あるいは多段で行えば良いが、温度を変え
て多段で延伸する方が延伸倍率が高くなり好ましい。
また、加熱は、非接触または、接触ヒーター等を用いて
行えば良いが、非接触ヒーターを用いる方が均一に加熱
でき好ましい。
延伸倍率は、6倍を越える倍率で行えば良い。
好ましくは、10倍を越える倍率で行う。さらに好まし
くは、15倍以上の延伸倍率で行う。これにより、分子
鎖が配向し、高弾性率のポリアミド線状体が得られる。
なお、多段で延伸を行う場合は、各段の延伸倍率を掛合
わせた全延伸倍率が6倍を越えるように設定すれば良い
。また、塩を含んだ線状体を延伸する場合は、脱塩前後
の各段の延伸倍率を掛合わせた全延伸倍率が、6を越え
るように設定すれば良い。
なお、ポリマー中に塩を含んでいる場合は、塩を含んだ
状態で延伸した後、基量が100ppn+以下になるよ
うに塩を除去しなければならない、なぜなら、塩がポリ
マー中に含まれると、吸湿性が増し、弾性率が低下する
などの問題を生じ、タイヤコード等の産業用資材に使用
できないからである。
ポリマー中の塩を除去するには、塩を溶解し、ポリマー
を溶解しない溶媒によって塩を抽出すれば良い。例えば
、LiCl/N66の場合では、メチルアルコールや水
を用いて抽出することができる。
そして、このように塩を抽出した場合には、その後、熱
処理あるいは、熱延伸することが好ましい。
延伸温度は、ポリマーの融点とガラス転移点の間の温度
で行うが、融点に近い温度を採用することが望ましい。
これにより、脱塩時に生じた欠陥などなくすことができ
る。
以下に、この発明の特性の測定法を示す。
■ 弾性率、伸度 試料を東洋ボールドウィン■製のテンシロンを用いて、
糸長25cm、引張り速度30cm/分で測定した。
■ 数平均分子量 数平均分子量の同定法(特願昭63−110059号記
載の末端基濃度測定法に準する。) (+)  i器 自動電位差滴定計 比較究極としてスリーブ型電極、 内部液として30−t%のLiClのメタノール溶液を
使用する。
滴定溶液として1/100N塩酸を使用する。
(2)試料の調製 窒素ガス導入管およびソーダ石灰管を取り付けたセパラ
ブルフラスコ中に、窒素雰囲気下で秤量したポリアミド
約tgを、窒素を流通しながら入れる。続いて蒸留した
メタノールとCa (Ofl) zを微量含む無水Ca
C1,から調製したメタノール溶液を100cc加える
ウォーターバス中で、窒素気流下にて撹拌しながら、ポ
リアミド溶液を65°Cに昇温し、5時間の状態を保ち
、ポリアミドを完溶させる。その後更に蒸留したメタノ
ールを100cc加えて、被滴定溶液(ポリマー濃度0
.5g/d II、)の調製を終了する。
被滴定溶液調製時に用いた無水CaC1zのメタノール
100ccを計量し空試験用被滴定?容液とする。
塩酸の1/100Nエタノール溶液を窒素雰囲気下で調
製し、滴定溶液とする。
(3)滴定 調製した被滴定溶液および空試験用被滴定溶液を調製し
た滴定溶液を用いて室温で滴定する滴下条件は自動間欠
滴定、電極を浸漬してから滴定開始までの待ち時間を5
分とする。
第1図のような二つの滴定曲線を得た後、(1)および
(II)弐に従って末端基濃度を算出する。
A :被滴定溶液中のポリアミド重量 (kg)a :
空試験用被滴定溶液の第1中和点までに要した滴定溶液
中の強酸のl!(■当flt)b =被滴定溶液の第1
中和点までに要した滴定溶液中の強酸の量(■当量) C:空試験用被滴定溶液の第2中和点までに要した滴定
溶液中の強酸の量(mg当量)(塩基が1価の場合は第
2中和点が存在しないので、c=aである) d :被滴定溶液の第2中和点までに要した滴定溶液中
の強酸のII(■当量) 以上の方法で、3回測定を行い、その平均値を求めて各
末端基濃度の値とした。
末端基濃度の値から(It)式に従って、数平均分子量
(Mn)を算出する。
2X10’ (実施例) 実施例1 数平均分子Pik15万のポリヘキサメチレンアジパミ
ド(N66)をio部、N−2−メチルピロリドン(N
MP)を100部、そして、無水の塩化リチウム(Li
C1)をN66のアミド基に対して0.5+++ol/
molを混合した。これを160°Cで加熱溶解し均一
な原液を得た。
この原液を160°Cで直径0.511II11の細孔
から1g/分の吐出量で紡出した。紡出した原液を空気
層を通して、25°Cのパラフィン浴中に導き冷却した
。冷却によりゲル状となった線状体を引取りロールに引
き取り、次に、この線状体から酢酸エチルでNMPを抽
出する工程を通した後、乾燥し、巻き取った。
このキセロゲル綿状体は、LiClをアミド基に対して
0.4 mol / mol含んでいた。このキセロゲ
ル線状体を210°Cで8倍に延伸した0次に、定長下
でこの延伸した線状体からLiC1塩をメチルアルコー
ルを用いて抽出した。さらに、この線状体を210℃で
2.5倍延伸した。
得られた線状体の初期弾性率は90g/d、切断伸度は
13,2%であった。
(効果) この発明により、高弾性率のポリアミド線状体を提供す
ることができる。
この繊維は、既存の高弾性率の繊維に比べて、耐疲労性
が高く、またタフネスも大きいなど非常に優れた特性を
持った繊維である。
従って、これを例えば、タイヤコードに用いる場合、こ
れまでポリアミドはバイアスタイヤにしか使用できなか
ったが、スチールが用いられていたラジアルタイヤ用に
も使用できるようになり、タイヤの軽量化がはかれるな
どその効果は非常に大きなものである。
また、この発明は、このような高弾性率ポリアミド線状
体の新規な製造方法を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、数平均分子量の同定法における末端基の電位
差滴定曲線の例を示す。 特許出願人  旭化成工業株式会社 纂1図 滴7HCI量 手続補正書 平成 1年 6月15日 特許庁長官  吉 1)文 毅 殿 ■、事件の表示 平成 1年特許廓第120368号 2、発明の名称 高弾性率のポリアミド線状体及びその製造方法3、補正
をする者 事件との関係  特許出願人 大阪府大阪市北区堂島浜1丁目2番6号4、補正の対象
・ 明細書の「発明の詳細な説明」の欄 5、補正の内容 1. 明細書第7頁14〜15行の「未延伸体を製造」
をr未延伸体を延伸することにより製造」と訂正する。 2、 同第8頁17行の「数平均重合体」を「数平均分
子量」と訂正する。 3、 同第9頁17〜18行の[固相重合する所定の数
平均重合度のポリマーを製造される。」を「固相重合す
ることにより所定の数平均分子量のポリマーが製造され
る。」と訂正する。 4、 同第10頁10〜11行の「アライド」を「アラ
ミドJと訂正する。 5、同第14頁7行の「改組結合」を「水素結合」と訂
正する。 6、 同第20頁2行の「比較究極」を「比較電極」と
訂正する。 7、 同第20真下から5行の「5時間の状態」を「5
時間この状態」と訂正する。 8、 同第21真8行の「する滴下条件は自動間欠滴定
、電極」を「する。滴下条件は自動間欠滴定とし、電極
」と訂正する。 9、 同第22頁4〜5行の「(塩基が1価の場合・−
・〜・−〇=aである)」を削除する。 10、同第22頁12〜13行の と訂正する。 11、 同第23頁4行の「パラフィン」を「ケロシン
」と訂正する。 ■・A二

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)数平均分子量10万以上のポリアミド重合体から
    なり、初期弾性率が80g/d以上、切断伸度10%以
    上である高弾性率ポリアミド線状体
  2. (2)数平均分子量10万以上のポリアミド重合体溶液
    を冷却固化させることにより未延伸体とし、この未延伸
    体を延伸することを特徴とする高弾性率ポリアミド線状
    体の製造方法
JP1120368A 1989-05-16 1989-05-16 高弾性率ポリアミド線状体及びその製造方法 Expired - Fee Related JP2763786B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1120368A JP2763786B2 (ja) 1989-05-16 1989-05-16 高弾性率ポリアミド線状体及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1120368A JP2763786B2 (ja) 1989-05-16 1989-05-16 高弾性率ポリアミド線状体及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02300311A true JPH02300311A (ja) 1990-12-12
JP2763786B2 JP2763786B2 (ja) 1998-06-11

Family

ID=14784473

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1120368A Expired - Fee Related JP2763786B2 (ja) 1989-05-16 1989-05-16 高弾性率ポリアミド線状体及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2763786B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012056330A (ja) * 2010-09-03 2012-03-22 Sumitomo Rubber Ind Ltd 帯状プライ及び空気入りタイヤ
JP2014088120A (ja) * 2012-10-30 2014-05-15 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
WO2015186364A1 (ja) * 2014-06-06 2015-12-10 株式会社ブリヂストン タイヤ

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6036210A (ja) * 1983-08-10 1985-02-25 Toyobo Co Ltd ベルト
JPS6047922A (ja) * 1983-08-26 1985-03-15 Kinmon Seisakusho:Kk 水道メ−タ遠隔検針装置
JPS63243330A (ja) * 1987-03-31 1988-10-11 Asahi Chem Ind Co Ltd 高モジユラス繊維の製造法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6036210A (ja) * 1983-08-10 1985-02-25 Toyobo Co Ltd ベルト
JPS6047922A (ja) * 1983-08-26 1985-03-15 Kinmon Seisakusho:Kk 水道メ−タ遠隔検針装置
JPS63243330A (ja) * 1987-03-31 1988-10-11 Asahi Chem Ind Co Ltd 高モジユラス繊維の製造法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012056330A (ja) * 2010-09-03 2012-03-22 Sumitomo Rubber Ind Ltd 帯状プライ及び空気入りタイヤ
JP2014088120A (ja) * 2012-10-30 2014-05-15 Bridgestone Corp 空気入りタイヤ
WO2015186364A1 (ja) * 2014-06-06 2015-12-10 株式会社ブリヂストン タイヤ
CN106457909A (zh) * 2014-06-06 2017-02-22 株式会社普利司通 轮胎
JPWO2015186364A1 (ja) * 2014-06-06 2017-04-20 株式会社ブリヂストン タイヤ
CN106457909B (zh) * 2014-06-06 2018-12-07 株式会社普利司通 轮胎

Also Published As

Publication number Publication date
JP2763786B2 (ja) 1998-06-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2285761C1 (ru) Способ получения высокопрочных термостойких нитей из ароматического сополиамида с гетероциклами в цепи
US5026819A (en) High strength fiber or film of aromatic copolyamide with pendant carboxyl groups
JP2010163506A (ja) 芳香族コポリアミドの製造方法
JP2007154356A (ja) 湿式紡糸に適したメタ型芳香族ポリアミド重合体の製造方法
CA1297216C (en) Fibres and yarns from a blend of aromatic polyamides
JPH02300311A (ja) 高弾性率ポリアミド線状体及びその製造方法
US5177175A (en) Fiber of wholly aromatic copolyamide from 2,6-naphthalene dicarboxylic acid and 3,4'-diaminodiphenylether
KR0127875B1 (ko) 가수분해 안정성이 향상된 섬유
US3801528A (en) Novel polymers and dopes of aromatic polyamides containing a stilbene radical
CA1337133C (en) Fibres and yarns from a blend of aromatic polyamides
JP2971335B2 (ja) メタ型芳香族ポリアミド繊維の製造方法
JP3257678B2 (ja) 高い伸びを示すppd−t繊維
JP2589767B2 (ja) ゲル形成性ボリアミド原液組成物
US3869419A (en) Anisotropic dopes of polyamides from fumaric and/or mesaconic acid
JP2589768B2 (ja) ポリアミド原液組成物
JPH02216211A (ja) 改良されたポリパラフェニレンテレフタルアミド系繊維の製造法
JP3124811B2 (ja) ポリヘキサメチレンアジパミド繊維の製造方法
JPS6139408B2 (ja)
JPH0411648B2 (ja)
KR101570057B1 (ko) 공중합 파라 아라미드 섬유의 제조방법
JP4266799B2 (ja) 細繊度アラミド繊維の製造方法
JP2817806B2 (ja) 側鎖カルボキシル基を有する芳香族コポリアミドの高強度繊維又はフイルム
JP2023107311A (ja) パラ型全芳香族コポリアミド繊維及びその製造方法
JPH0233316A (ja) 高強度,高弾性率ポリアミド繊維とその製造法
JP2002309441A (ja) 結晶化したポリイミド繊維及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees