JPH0229923B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は蒸気タービンの再熱器に係り、特に、
急速起動及び日負荷変化巾の大きい蒸気タービン
に使用するに好適な蒸気タービン再熱器加熱蒸気
制御装置に関する。

〔発明の背景〕

蒸気タービン再熱器加熱蒸気量を制御する方法
として、例えば、特開昭58−106311号公報に示さ
れるように、加熱蒸気の供給管からの出口蒸気温
度を制御する場合、加熱温度流量制御弁の出口蒸
気圧力を検出器で検出し、この検出値を第二の関
数発生器で温度変換させて流量制御弁の出口飽和
蒸気温度を求める。次にこの飽和蒸気温度を第二
の減算器に出力し、加熱器のターミナルデイフア
レンスで差し引くことにより、低圧タービン入口
蒸気温度を求める。次いで、この温度と第一関数
発生器からの目標温度と第一の減算器で減算し、
その偏差に従つてPI制御器を介して流量制御弁
の開度を制御する方法のものが知られている。

この方法は、加熱蒸気流量制御弁の出口圧力の
検出値から換算される温度と目標温度を比較し、
その偏差に従つて制御弁の開度を調整することに
より、低圧タービン入口蒸気温度のきめ細かい制
御を可能とするが、負荷変化の大きさによつてそ
の都度目標温度の設定を行なう必要があつた。
又、制御装置起動時であつても圧力変動を極力小
さく抑える方が望ましい。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、再熱器及び低圧タービンの過
冷却、過熱、大きな温度変化による過大な熱応力
を防止するため、再熱器への加熱蒸気量を制御す
る装置を提供するにある。

〔発明の概要〕

本発明の加熱蒸気圧力制御方法は、設定圧力に
対する飽和温度が負荷信号に比例するようにした
圧力設定器と設定圧力変化率制限器とを設け、負
荷変化が大きい場合も再熱器及び低圧タービンの
熱応力発生を最小にすることを特徴とする。

また、本発明の加熱蒸気圧力制御方法は、制御
装置起動時、制御弁を一定時間、徐々に開ける機
能をもち、低負荷領域での加熱蒸気量の一時的増
大を防止し、再熱器及び低圧タービンの熱応力発
生を最小にすることを特徴とする。

〔発明の実施例〕

第１図に本発明の一実施例を示す。本系統は、
蒸気を発生する蒸気発生器１、タービンへ流入す
る蒸気量を加減し、タービンの速度、入口蒸気圧
力、出力等を制御する蒸気加減弁２、蒸気のもつ
熱エネルギをロータの回転エネルギに変換する高
圧タービン３、高圧タービン３の排気蒸気をター
ビン入口蒸気の一部を用いて再熱する再熱器４、
再熱蒸気の持つ熱エネルギをロータの回転エネル
ギに変換する低圧タービン５、低圧タービン５の
排気を復水する復水器６、復水を昇温し蒸気発生
器１へ給水する給水加熱器７、再熱器４への加熱
蒸気の流量を制御する加熱蒸気制御弁８、再熱器
４で凝縮したドレンを回収するドレンタンク１
０、ドレンタンク１０の復水を給水加熱器７へ排
出するドレン弁１１及び同上ドレンを復水器６へ
排水するドレン弁１２、タービン速度とタービン
入口蒸気圧力を検出しタービンの出力を制御する
出力制御装置１３、出力制御装置１３より出力要
求信号１７により前記蒸気加減弁２を制御する蒸
気加減弁制御装置１４、出力制御装置１３よりの
出力要求信号１７及び加熱蒸気制御弁８の後圧を
入力信号として、加熱蒸気量制御弁８を制御する
加熱制御装置１５、加熱蒸気量制御弁８の後圧を
検出する加熱蒸気圧力検出器１６より構成され
る。

蒸気発生器１で発生した蒸気は、蒸気加減弁２
で流量を制御された後、高圧タービン３に流入す
る。高圧タービン３で仕事をした蒸気は、再熱器
４で再加熱され、低圧タービン５に導びかれる。
低圧タービン５で仕事をした蒸気は、復水器６へ
導びかれ復水となる。復水は給水加熱器７で加熱
され蒸気発生器１へ供給される。一方、蒸気発生
器１の出口蒸気の１部は、加熱蒸気量制御弁８で
流量調整された後、再加熱器４に流入し、高圧タ
ービン出口蒸気（被加熱蒸気）と熱交換し、ドレ
ン化してドレンタンク１０へ導びかれる。ドレン
タンク内のドレンは、ドレン弁１１、若しくはド
レン弁１２を通つて給水加熱器７、または、復水
器６へ排出される。

本タービンの出力は、出力制御装置１３で制御
される。出力制御装置１３は高圧タービン入口蒸
気圧力及びタービン速度を検出し、高圧タービン
の入口に設置された蒸気加減弁２の開度を調整し
て流入蒸気量を制御することにより、タービン出
力を制御している。次に、再熱器４の加熱蒸気量
制御は加熱蒸気量制御装置１５によつて行なわれ
る。その制御ブロツク図を第２図に示す。加熱蒸
気量制御装置１５は、出力制御装置１３よりの出
力要求信号１７を入力し要求圧力設定値信号２１
を出力する要求圧力設定器２０と、この圧力設定
器２０からの信号２１と設定圧力変化率制限器２
２からの出力信号２３とを切替えるスイツチ２４
と、このスイツチ２４からの出力信号Ｘを入力し
設定圧力Ｘに対する飽和温度がほぼ直線的に変化
する設定圧力信号２５を出力する関数発生器２６
と、この関数発生器２６からの出力信号２５と圧
力検出器１６からの出力信号２７との偏差信号２
９を演算する減算器２８と、この偏差信号２９に
基づいて設定圧力に検出圧力が制御されるような
信号３１を出力する比例積分演算器３０と、圧力
制御装置１５を起動する時の信号３３を出力する
制御装置起動器３２と、この起動信号３３に基づ
いて、制御弁８を一定時間徐々に開く信号３５を
発振する弁徐開信号発振器３４と、弁徐開信号３
５と比例積分演算器３０からの出力信号３１とを
起動信号３３に基づいて切替え制御弁８に弁開度
信号３７を伝達する切替スイツチ３６とより構成
される。又、設定圧力変化率制御器２２は、要求
圧力設定値２１と積分器４０からの出力信号２３
とを比較し切替スイツチ４１及び２４へ切替信号
４３を発振する比較器４２と、出力要求信号１７
に基づいて圧力制御装置の設定圧力の変化率が最
適となるようにするための信号を発振する圧力変
化率制限器４４により構成されている。

このように構成された圧力制御装置１５を用い
ると、制御装置の起動時に、起動信号３３に基づ
いて制御弁８を、まず、一定時間徐々に開くこと
ができるので、制御装置の起動時の制御不具合、
つまり、低負荷領域での加熱蒸気量の一時増大に
よる再熱器及び低圧タービンの熱応力発生を最小
にすることができる。また、要求圧力設定器２０
と関数発生器２６とにより算出される設定圧力信
号２５が負荷上昇パターンによつては急激となる
ので設定圧力変化率制御器２２からの出力信号２
３よりも設定圧力信号２５が大きくなつた場合
に、この出力信号２３が関数発生器２６へ伝達さ
れ負荷上昇が急激であつても、設定圧力の上昇率
（変化率）はある制限値以内に抑えられる。さら
に、関数発生器２６は設定圧力に対する飽和温度
がほぼ直線的に変化する機能をもつているので負
荷変化が大きい場合でも再熱器４及び低圧タービ
ンの熱応力発生を最小にすることができる。この
場合、設定圧力変化率の大きさを圧力変化率制限
器４４によりタービン出力（負荷信号）要求信号
に対応して最適に設定できるので、より確実に再
熱器４及び低圧タービンの熱応力発生を最小にす
ることができる。

以下、本発明の変形例につき、前述の実施例と
異なつている部分及び機能につき詳述する。

第３図で、本発明の圧力制御装置５０は、出力
要求信号１７を入力し出力要求信号の変化率を演
算する変化率演算器５１と、要求圧力設定値信号
２１と変化率演算器５１からの出力信号５２とを
入力し要求圧力設定値に時間遅れを持たせる時間
遅れ演算器５３とを設けた点が第２図で示した圧
力制御装置１５とは異なつている。このように構
成された制御装置５０も出力要求信号１７に基づ
いた信号によりその変化率を演算し、要求圧力設
定値に最適な時間遅れを持たせタービン出力（負
荷信号）変化率が大きい時も設定圧力変化率を小
さく制御することができるので、前述の圧力制御
装置１５と同様に、負荷変化が大きい場合でも再
熱器４及び低圧タービンの熱応力発生を最小にす
ることができる。その他も同様な効果を得ること
ができる。

また、第４図に示した本発明の圧力制御装置６
０は、出力要求信号１７を入力し出力要求信号が
保持された時、時間の出力値を０なし発振する保
持タイマ付時刻演算器６１と、該演算器６１から
の出力信号６２を入力し低変化率設定圧力演算器
６３と、要求圧力設定器２０からの信号２１を入
力し設定圧力Ｘに対する飽和温度がほぼ直線的に
変化する設定圧力信号２５を出力する関数発生器
２６と、設定圧力信号２５と低変化率設定圧力演
算器６３の出力信号６４とを入力しいずれか低レ
ベルの信号を減算器２８へ出力する低位選択器６
５とを設けた点が第２図で示した圧力制御装置１
５とは異なつている。このように構成された圧力
制御装置６０も出力要求信号１７に基づいた信号
により圧力変化率を小さく設定圧力に対する飽和
温度がほぼ直線的に変化するような信号６４と設
定圧力信号２５との信号のうち圧力変化率の小さ
な信号を選択する機能をもつているので、タービ
ン出力（負荷信号）変化率が大きい時でも圧力制
御装置１５，５０と同様再熱器４及び低圧タービ
ン５の熱応力発生を最小にすることができる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、低負荷領域での加熱蒸気量の
一時的増大を防止し、負荷変化率が大きい場合で
も、再熱器及び低圧タービンの熱応力発生を最小
にすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例の再熱タービンプ
ラントの系統図、第２図は本発明の一実施例の加
熱蒸気制御装置のブロツク線図、第３図は本発明
の変形例を示す加熱蒸気圧力制御装置のブロツク
線図、第４図は第３図とは異なる本発明の変形例
を示す加熱蒸気圧力制御装置のブロツク線図であ
る。 １……蒸気発生器、２……蒸気加減弁、３……
高圧タービン、４……再熱器、５……低圧タービ
ン、８……加熱蒸気制御弁、１５，５０，６０…
…加熱蒸気圧力制御装置、２０……要求圧力設定
器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 蒸気源、この蒸気源から主蒸気の持つ熱エネ
   ルギを回転エネルギに変換する高圧タービン、前
   記主蒸気の流量を調整する蒸気加減弁、高圧ター
   ビン入口蒸気の一部を加熱源として高圧タービン
   排気を再熱する再熱器、再熱した蒸気の熱エネル
   ギを回転エネルギに変換する低圧タービン、前記
   再熱器の加熱蒸気量を加減する加熱蒸気制御弁、
   前記蒸気加減弁の開度を調整しタービン出力を制
   御する出力制御装置、前記加熱蒸気制御弁の開度
   を制御し加熱蒸気量を加減する加熱蒸気圧力制御
   装置から成る蒸気タービンにおいて、 前記加熱蒸気圧力制御装置に、設定圧力に対す
   る飽和温度が前記タービンの出力要求信号に比例
   するようにした圧力設定器を設けるとともに、こ
   の圧力設定器に該圧力設定器からの出力信号の変
   化率が任意の圧力変化率の制限値を超えないよう
   に制御する圧力変化率制限器を設けたことを特徴
   とする蒸気タービン再熱器加熱蒸気圧力制御装
   置。 ２ 前記加熱蒸気制御弁が、前記圧力制御装置の
   起動時、加熱蒸気制御弁を一定時間徐々に開く機
   能を有する制御弁徐開器を備えていることを特徴
   とする特許請求の範囲第１項記載の蒸気タービン
   再熱器加熱蒸気圧力制御装置。 ３ 前記圧力変化率制御器は、前記出力制御装置
   の信号に基づいて前記加熱蒸気圧力制御装置の設
   定圧力の変化率が最適となるための信号を発振す
   る前記圧力変化率の制限器を備えていることを特
   徴とする特許請求の範囲第２項記載の蒸気タービ
   ン再熱器加熱蒸気圧力制御装置。