JPH0229870Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はコンバインにおける結束藁の立体放出
装置に関する。

すなわち、機体後部の結束装置の後方に、結束
藁を挾持搬送しながら起立させて立体放出するこ
とができる搬送チエンおよび挾扼案内杆を傾斜状
に架設して構成するコンバインにおいて、起立さ
せて放出する前に結束藁を回転させたりまた回転
させないで放出することを選択的に行わせること
ができるようにしたもので、事後に堆肥や粗飼料
などとして使用する場合は結束藁を回転させて束
の株元側を広がらせ安定良く立つように立体放出
することができ、また、畳などとして使用する場
合には結束藁を回転させないで傷まないようにし
て良好に立体放出することができ、しかも放出時
には結束藁がひつかかつたりしないようにして確
実良好かつスムーズに放出することができ、簡単
な構造にして好適に実施できるよう提供するもの
である。

次に、図面に示す実施例について説明する。

第１図はコンバインの側面図を示し、クローラ
６によつて支持する機体上に搭載した脱穀部Ｄの
前方には刈取部Ｅを装設し、脱穀部Ｄの後部とな
り機体後部に連設した結束カバー７の内方には結
束装置１を装設し、機体の前後方向に対し横向き
となる排藁を排藁チエン８による結束装置１へ搬
出して該装置１により結束し、結束藁Ｃを後方に
放出できるように装設して従来形構造同様に構成
する。

また、突起９ａ付きのチエンプレート９からな
る搬送チエンＢとこれに対応する挾扼案内杆Ａを
前記結束装置１の後方側に前低後高で機体の前後
方向に対し平面傾斜するよう架設するが、前記結
束カバー７の側部に連結固定して内部に伝動軸１
０を有する伝動パイプ１１を後方上部に延設し、
該伝動パイプ１１の後部に連結して支持する搬送
枠板１２には伝動パイプ１１内を通して伝動する
前記搬送チエンＢを掛装し、該搬送チエンＢの始
端側と前記結束装置１の後方部との間に連結杆１
３を介装し、前記伝動パイプ１１の後部と前記結
束カバー７の上面との間にはステー１４を介装
し、前記搬送枠板１２の中間上面に一端を連結し
た逆Ｕ字状連結杆１５の他端をブラケツト１７に
連結し、該ブラケツト１７には３本の支杆１８を
圧縮ばね１９を介装してそれぞれ嵌挿し、始端側
イと搬送チエンＢの間隙より終端側ロと搬送チエ
ンＢの間隙が大となるようにしたパイプ製の前記
挾扼案内杆Ａと各支杆１８の先端を連結子２０を
介してそれぞれ連結し、挾扼案内杆Ａが弾力支持
されるように装設して従来形構造同様に構成す
る。

ａは搬送チエンＢの終端側に対設する案内板
で、該案内板ａの長手方向の一側縁２を直線に形
成し、他側縁には鋸刃状の凹凸部３を形成する
が、該凹凸部３は、前後に高い山形と低い山形を
形成し、前方の高い山形における前方の斜縁３ａ
に対し後方の斜縁３ｂが傾斜が弛くかつ長くなる
ように、また、後方の低い山形における前方の短
い斜縁３ｃに対し後方の短い斜縁３ｄが弛く傾斜
するように形成し、全体の後端部ハが丸味を有す
るように形成する。

また、案内板ａの前端部には前記挾扼案内杆Ａ
の終端側ロ端部に嵌合できる連結ピン２１を溶接
により固設し、その終端側ロ端部に固設したナツ
ト２２に螺挿するセツトボルト２３により連結ピ
ン２１を締付け固定できるようにして、搬送チエ
ンＢ側に一側縁２側と凹凸部３側とがそれぞれ対
応できるよう案内板ａを振替自在に連結して構成
する。

したがつて、作業時には、結束装置１により結
束された結束藁Ｃが後方に放出されると、矢印ニ
で示すように回転する搬送チエンＢの始端部と挾
扼案内杆Ａの始端側イとの間に結束藁Ｃの穂先側
部分が受入れられて挾持されることになり、その
まま挾扼搬送される状態で結束藁Ｃは株元側が下
方となるよう起立させられ、搬送チエンＢの終端
側と案内板ａとの間から後方側に搬出されて離れ
ると、結束藁Ｃは立体放出されて第１図に示すよ
うに圃場面上に起立する状態となる。

その場合、結束藁Ｃを堆肥や粗飼料に使用する
際には、第２図ないし第４図に示すように、凹凸
部３が搬送チエンＢ側に対面するよう案内板ａを
振替えておくと、結束藁Ｃが挾扼案内杆Ａとの間
から案内板ａ側に搬送チエンＢにより搬出される
状態で、第３図に示すように、搬送チエンＢの突
起９ａにより係送される結束藁Ｃの地面側が凸部
側の斜縁３ａにあたつて矢印ホで示すように回動
する状態となり、そのまま回動して凸部を越して
第４図に示すように斜縁３ｂ側にいたるところで
膨らむ状態となり、同様にして低い凸部の斜縁３
ｃ，３ｄにあてながら増速するようにして回転さ
せながらその間より結束藁Ｃを立体放出すること
ができることになる。

したがつて、その回転により結束藁Ｃの株元側
は広がる状態となつて、立体放出されて接地する
と、乾燥しやすい状態に、また倒れないように安
定良く起立できる状態となる。

また、結束藁Ｃを事後に畳や工芸品などに供す
る場合には、第５図に示すように、直線の一側縁
２が搬送チエンＢ側に対面するように案内板ａを
振替えておくと、その一側縁２にそつて搬出され
る結束藁Ｃには回転が与えられないことになつて
従来同様に立体放出さることになり、傷みを生じ
ることなく放出されることになる。

なお、案内板ａは板製であるので、杆製とは異
り、結束藁Ｃが放出される際にひつかかつたりす
ることはなくなる。

このように本考案は、機体後部の結束装置の後
方に、結束藁を挾持搬送しながら起立させて立体
放出することができる搬送チエンおよび挾扼案内
杆を傾斜状に架設して構成するコンバインにおい
て、前記挾扼案内杆の終端部には搬送チエンの終
端側に対応できる案内板を振替自在に連結し、該
案内板の長手方向一側縁は直線状に形成するとと
もに、他側縁には鋸刃状の凹凸部を形成して構成
したから、案内板の凹凸部側を搬送チエン側に対
応させると結束藁を回転させて株元側が膨らむよ
うにして立体放出することができ、乾燥しやすく
かつ安定良く起立するように放出できることにな
り、また、案内板の直線一側縁を搬送チエン側に
対応させると結束藁を回転させないで傷まないよ
うにして放出することができることになり、結束
藁の事後使用に応じて案内板の振替えにより放出
起立状態を変更させることができ、また、案内板
であることにより放出時には結束藁がひつかかつ
たりしないようにして確実良好かつスムーズに放
出することができ、簡単な構造にして好適に実施
できる特長を有する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図はコンバ
インの側面図、第２図はその一部の平面図、第３
図は一部を破断した要部の平面図、第４図および
第５図は第３図の作動説明図を示す。 １……結束装置、Ｃ……結束藁、Ｂ……搬送チ
エン、Ａ……挾扼案内杆、ａ……案内板、２……
一側縁、３……凹凸部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 機体後部の結束装置の後方に、結束藁を挾持搬
   送しながら起立させて立体放出することができる
   搬送チエンおよび挾扼案内杆を傾斜状に架設して
   構成するコンバインにおいて、前記挾扼案内杆の
   終端部には搬送チエンの終端側に対応できる案内
   板を振替自在に連結し、該案内板の長手方向一側
   縁は直線状に形成するとともに、他側縁には鋸刃
   状の凹凸部を形成して構成したことを特徴とする
   結束藁の立体放出装置。