JPH0229811Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この考案は刷子を使用する型式の回転電機に用
いられる刷子保持装置に関するものである。

「従来の技術」 直流発電機や直流電動機等の回転電機に用いら
れている従来の刷子保持装置としては、例えば第
３図に示されるものがある。図示される様に、従
来の刷子保持装置１０は、刷子ガイド金具１２を
収納して成る刷子ホルダ１１（第４図）を、整流
子の回りのステータブラケツト３の孔に接着剤等
で所要数固着し、各刷子ガイド金具１２の端子１
３間を、外部の電源や電気回路等につながつてい
るリード線１４で電気的に接続して構成されてい
る。第４図において、ホルダ１１の上部開口部は
刷子の取替口１５となつており、この取替口１５
から刷子を刷子ガイド金具１２に挿入し、刷子が
整流子に押し付けられるようにばねを介してキヤ
ツプが取替口１５に取り付けられる。また、従来
の刷子保持装置の別の例としては、第５図に示さ
れるものがある。第５図における刷子保持装置２
０は、所要数の刷子ホルダ１１を環状体１６に形
成し、環状体１６の外部にて各刷子ホルダ１１の
刷子ガイド金具１２間をリード線１４で電気的に
接続して構成されており、これはステータブラケ
ツトの内側に挿入されてボルト等で固定されるよ
うになつている。

「考案が解決しようとする問題点」 上述の従来の刷子保持装置１０，２０はいずれ
も、刷子ガイド金具１２にリード線１４をハンダ
付けやかしめにより接合しているが、この作業は
人手によるために、手間が掛かることは勿論、通
電性に支障が生じたり、或は刷子保持装置毎に性
能が異なつたりする場合がある。また、このリー
ド線１４は回転子の回転の邪魔になるので、配ま
わし作業を行わなければならない。その他、刷子
ホルダ１１をステータブラケツト３に一々接着す
る刷子保持装置１０においては、接着作業による
接着位置精度不良が生じる恐れを有している。ま
た、環状体１６に刷子ホルダ１１を形成する刷子
保持装置２０においては、ステータブラケツトに
取り付けられると刷子ホルダ１１の刷子の取替口
１５がステータブラケツトにより取り囲まれ、従
つて刷子の取替えが面倒である、等の様々な問題
点がある。

従つて、この考案の目的はこの様な従来におけ
る問題点を除去する刷子保持装置を提供すること
にある。

「問題点を解決するための手段」 この考案によれば、刷子保持装置は、整流子の
回りを取り囲むように回転電機のステータブラケ
ツトにとり付けられる環状体と、この環状体に形
成された所要数の刷子ホルダと、各刷子ホルダに
収納された刷子を取外し可能に保持し案内する刷
子ガイド金具とを備え、各刷子ガイド金具間を電
気的に接続する配線を内包した状態で環状体を成
型し環状体をステータブラケツトに取り付けた際
に刷子ホルダの刷子取替口がステータブラケツト
の外側に配置されるよう刷子ホルダを形成して構
成されている。

この考案の他の目的や特徴および利点は以下の
添付図面に沿つて詳細な説明から明らかになろ
う。

「実施例」 図面の第１，２図にはこの考案に従つた刷子保
持装置の一実施例が示されており、先に示した従
来構成と同一相当部分には同一符号が付けられて
いる。図示実施例の刷子保持装置１は、これを取
り付ける回転電機２に適合した数の刷子ホルダ１
１が形成されている樹脂製の環状体１６から構成
されている。各刷子ホルダ１１は放射方向外方に
突き出しており、また、刷子を収納して案内する
刷子ガイド金具１２を有している。刷子ホルダ１
１の外端開口部は刷子の取替口１５となつてお
り、キヤップ（図示しない）で閉じられる。刷子
ガイド金具１２には配線金具５が溶接されてお
り、この配線金具５は環状体１６の成形時に刷子
ガイド金具１１と共に封入される。この配線金具
５は外部の電源や電気回路等に電気的に接続され
なければならないので、配線金具５に接続されて
いる端子６またはリード線が環状体１６から外部
に突き出している。

この様に構成されているこの考案の刷子保持装
置を用いる際には、回転電機のステータブラケツ
ト３に装着され、端子６は外部電源等に連結され
る。ステータブラケツト３は、刷子ホルダ１１の
突出部が入るようにスロツト４が形成されてお
り、刷子保持装置１を所定の位置に組み込むこと
ができるようになつており、固定はボルト等で行
う。

「考案の効果」 以上の様に、この考案によれば、配線金具と刷
子ガイド金具とを電気的に接続した状態で刷子保
持装置の主要部である環状体に封入した構造なの
で、通電機能の信頼性が向上し、また一体構造な
のでステータブラケツトへの取付作業を容易に行
うことができ、従来、取付作業時に生じていた精
度低下等の問題点が解消され、回転電機全体の品
質や信頼性も向上する。更にまた、刷子の取替口
が回転電機の外部にあるので、刷子の取替えも容
易に行うことができる、等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に従つた刷子保持装置とこれ
が取り付けられる回転電機のステータブラケツト
の一実施例を示す斜視図、第２図は第１図の刷子
保持装置を示す部分断面正面図、第３図は従来の
刷子保持装置をステータブラケツトに取り付けた
ところを示す部分断面正面図、第４図は第３図の
刷子保持装置の刷子ホルダの垂直断面斜視図、第
５図は従来の刷子保持装置の別の例を示す斜視図
である。図中、１，１０，２０：刷子保持装置、
２：回転電機、３：ステータブラケツト、４：ス
ロツト、５：配線金具、６：端子、１１：刷子ホ
ルダ、１２：刷子ガイド金具、１３：端子、１
４：リード線、１５：取替口、１６：環状体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 整流子の回りを取り囲むように回転電機のステ
   ータブラケツトに取り付けられる環状体と、該環
   状体に形成された所要数の刷子ホルダと、各刷子
   ホルダに収納され刷子を取外し可能に保持し案内
   する刷子ガイド金具とを備え、各刷子ガイド金具
   間を電気的に接続する配線を内包した状態で前記
   環状体を成型し、該環状体を前記ステータブラケ
   ツトに取り付けた際に該刷子ホルダの刷子取替口
   が前記ステータブラケツトの外側に配置されるよ
   うに該刷子ホルダを形成したことを特徴とする刷
   子保持装置。