JPH028557Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は直流マグネツト電動機を使用し、発電
制動装置を有する電池式工具における制動抵抗に
関するものである。

電池式工具は、一般に直流マグネツト電動機を
使用し、その回路は電動機と、電源である電池、
およびスイツチをリード線等で直列接続し、スイ
ツチを開閉することで電動機を駆動、停止するよ
う構成されている。

以上の様な回路構成の電池式工具を制動付にす
るには、スイツチを単極双投スイツチにして、電
源すなわち電池と電動機の接続を開放すると共
に、電動機の電機子を制動抵抗により短絡する回
路を付加すればよい。

直流マグネツト電動機を用いた制動装置付電池
式工具の回路は上記の様に簡単であるが、実用面
では次のような問題点があつた。すなわち従来、
制動抵抗としては、抵抗器が、より安価に作るた
め、いわゆるエナメル線をコイル状に束ね所定の
抵抗値をもたせたものが使用されているが、これ
らの制動抵抗装置は、工具使用時の振動や、制動
時の反動で抵抗装置そのものや、電機子あるいは
スイツチと抵抗装置を接続するための口出線部分
が断線することが多く、更に、エナメル線を束ね
た抵抗装置にあつては、本体の振動や制動時の反
動によつて、エナメル線表面の絶縁被膜が損傷し
短絡状態となることから抵抗値が小さくなり、そ
の結果制動時間が設定値をはずれるといつた問題
を有していた。

本考案の目的は、上記した従来技術の欠点をな
くし、制動装置の信頼性を増し、安全で安価な電
池式工具を提供するものである。

本考案は、各種電線の中で、撚線が衝撃に強
く、安価で、さらに組立性が良いことに着目し、
制動抵抗に使用するようにしたものである。

本考案の一実施例を図面により説明する。

第１図は本考案の制動付電池式工具の配線部の
斜視図であり、第２図は第１図の回路図である。

電機子２、整流子３、軸４で構成した回転子
１、回転子１の外周に対向配設したマグネツト
５，６、鉄７で構成した固定子、整流子３上に圧
接したブラシ８，９、以上で直流マグネツト電動
機を構成する。更に、単極双投動作をする端子１
１，１２，１３を備えたスイツチ１０と電源であ
る電池１８で、回路部品を構成する。回転子１上
の軸４は、ギヤボツクス２１と連結し、更に図示
しない工具類の負荷と連結するものである。

配線は、ブラシ８とスイツチ１０の端子１２間
は、リード線１４で接続し、ブラシ９と電池１８
の端子１９は、リード線１６で接続し、スイツチ
１０の端子１３と電池１８の端子２０は、リード
線１７で接続する。以上が電動機を駆動する回路
である。更に、ブラシ９とスイツチ１０の端子１
１間は、所定の抵抗値を有した保護被膜付撚線１
５で接続し、発電制動回路を構成する。

更に説明すると、スイツチ１０の端子１２と１
３を導通すると、電池１８により電動機に電圧が
印加され、回転子１は回転を始める。回転子１が
回転状態のままで、スイツチ１０の端子１１，１
２が導通すると、保護被膜付撚線１５が制動抵抗
となり、発電制動により回転子にはブレーキがか
かり停止する。

本考案では、制動抵抗に所定の抵抗値を有した
保護被膜付撚線を使用したので、従来工具の振動
や、ブレーキ時の反動のため発生した抵抗器の損
傷、口出部の断線、あるいは制動抵抗にエナメル
線を使用した場合の絶縁被膜の損傷などの不具合
が無くなり、信頼性の高い制動装置にすることが
でき、又、撚線のため組立性が良いため、安全で
安価な制動装置付の電池式工具を提供することが
できる。

本考案によれば、制動抵抗と保護被膜付撚線に
したので、工具の使用時の振動やブレーキ時の反
動に対して、断線、損傷を防止することができ、
信頼性の高い制動装置とすることができる。又、
撚線のため組立性が良く安価に製作できるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の制動付電池式工具の配線部の
斜視図、第２図は第１図の回路図である。 １は回転子、５，６はマグネツト、８，９はブ
ラシ、１０はスイツチ、１４，１６，１７はリー
ド線、１５は保護被膜付撚線、１８は電池であ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 直流マグネツト電動機、電池、単極双投動作の
   スイツチ、さらに制動抵抗を用いて、電動機、電
   池とスイツチを直列にする回路、併せて前記電動
   機と前記電池の開放時に、前記電動機の電機子と
   制動抵抗を短絡する回路で構成した発電制動装置
   を有する電池式工具において、前記制動抵抗を保
   護被膜付撚線にしたことを特徴とする電池式工具
   の制動抵抗。