JPH02294462A - 鋼部材の浸炭焼入方法 - Google Patents
鋼部材の浸炭焼入方法Info
- Publication number
- JPH02294462A JPH02294462A JP11662789A JP11662789A JPH02294462A JP H02294462 A JPH02294462 A JP H02294462A JP 11662789 A JP11662789 A JP 11662789A JP 11662789 A JP11662789 A JP 11662789A JP H02294462 A JPH02294462 A JP H02294462A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- carburizing
- steel member
- treatment
- carbide
- transformation point
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 238000005255 carburizing Methods 0.000 title claims abstract description 54
- 229910000831 Steel Inorganic materials 0.000 title claims abstract description 46
- 239000010959 steel Substances 0.000 title claims abstract description 46
- 238000000034 method Methods 0.000 title claims abstract description 38
- 238000010791 quenching Methods 0.000 title claims abstract description 29
- 230000000171 quenching effect Effects 0.000 title claims abstract description 29
- 238000011282 treatment Methods 0.000 claims abstract description 37
- 230000009466 transformation Effects 0.000 claims abstract description 22
- 229910052799 carbon Inorganic materials 0.000 claims abstract description 10
- OKTJSMMVPCPJKN-UHFFFAOYSA-N Carbon Chemical compound [C] OKTJSMMVPCPJKN-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims abstract description 9
- 150000001247 metal acetylides Chemical class 0.000 abstract description 20
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 abstract description 14
- 238000010583 slow cooling Methods 0.000 abstract description 11
- 229910000734 martensite Inorganic materials 0.000 abstract description 4
- 238000003303 reheating Methods 0.000 abstract description 4
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 10
- 238000012360 testing method Methods 0.000 description 7
- 238000001816 cooling Methods 0.000 description 5
- 239000002244 precipitate Substances 0.000 description 5
- 238000005452 bending Methods 0.000 description 3
- 230000015572 biosynthetic process Effects 0.000 description 3
- 238000005261 decarburization Methods 0.000 description 3
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 3
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 description 3
- 239000000047 product Substances 0.000 description 3
- 229910000760 Hardened steel Inorganic materials 0.000 description 2
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 2
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 2
- 238000009661 fatigue test Methods 0.000 description 2
- 239000000463 material Substances 0.000 description 2
- 239000006104 solid solution Substances 0.000 description 2
- 238000005496 tempering Methods 0.000 description 2
- 238000005054 agglomeration Methods 0.000 description 1
- 230000002776 aggregation Effects 0.000 description 1
- 230000007547 defect Effects 0.000 description 1
- 238000000151 deposition Methods 0.000 description 1
- 239000010410 layer Substances 0.000 description 1
- 239000011159 matrix material Substances 0.000 description 1
- 230000029052 metamorphosis Effects 0.000 description 1
- 238000005121 nitriding Methods 0.000 description 1
- 239000002245 particle Substances 0.000 description 1
- 230000001376 precipitating effect Effects 0.000 description 1
- 238000002203 pretreatment Methods 0.000 description 1
- 238000005480 shot peening Methods 0.000 description 1
- 239000002344 surface layer Substances 0.000 description 1
Landscapes
- Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は鋼部材の浸炭焼入方法に関し、特にCrを含ん
だ鋼部材に多量の球状炭化物を析出させて耐ピッチング
性に優れた鋼部材とする方法に関するものである一 〔従来技術〕 従来、機械類の歯車など高い耐摩耗性及び耐ピッチング
性と疲労強度が要求される鋼部材に対して浸炭焼入処理
が一般に広く採用され、また更に高い疲労強度が要求さ
れる鋼部材に対しては浸炭焼入・焼戻し後にショットピ
ーニング処理を施すことにより残留圧縮応力を形成し疲
労クランクの生成或いは伝播を抑制する技術も実用化さ
れている. 従来の浸炭焼入方法において、鋼部材の表面部の結晶粒
内及び結晶粒界に球状炭化物を析出させる為には、鋼中
のCr含有量を2.4%以上にすることが必要で、その
場合鋼材料の材料費が高価になる.2.4%未満のCr
含有量の鋼部品に対して浸炭焼入処理によって結晶粒内
及び結晶粒界に多量の球状炭化物を析出させる技術とし
て、例えば特公昭62−24499号公報には、初折炭
化物が析出しないように予備浸炭処理後に冷却し、その
後再加熱して浸炭焼入れする鋼の浸炭処理方法が開示さ
れている. 一方、本願出願人は特願昭63−185177号におい
て、予備浸炭処理し、次にA,変態点直上の温度まで加
熱後A,変態点直下の温度まで冷却する炭化物球状化処
理を施し、次に再加熱して浸炭処理する浸炭焼入方法を
提案した.〔発明が解決しようとする課題〕 一般に、歯車などに使用される肌焼鋼などの鋼部材の場
合、表面部に多量の炭化物を析出させる為には、浸炭処
理時のカーボンポテンシャルをかなり高く保つことが必
要であるが、この場合調部材の表面部に過度の炭化物が
析出し、内部への浸炭が妨げられること、また鋼部材の
表面部の結晶粒界に太く網状の炭化物が析出して球状化
処理によっても球状化できなくなるという問題がある.
上記公報の浸炭処理方法は従来の浸炭焼入方法の欠点を
解消して鋼部材の表層部に多量の球状炭化物を析出させ
得る方法である。
だ鋼部材に多量の球状炭化物を析出させて耐ピッチング
性に優れた鋼部材とする方法に関するものである一 〔従来技術〕 従来、機械類の歯車など高い耐摩耗性及び耐ピッチング
性と疲労強度が要求される鋼部材に対して浸炭焼入処理
が一般に広く採用され、また更に高い疲労強度が要求さ
れる鋼部材に対しては浸炭焼入・焼戻し後にショットピ
ーニング処理を施すことにより残留圧縮応力を形成し疲
労クランクの生成或いは伝播を抑制する技術も実用化さ
れている. 従来の浸炭焼入方法において、鋼部材の表面部の結晶粒
内及び結晶粒界に球状炭化物を析出させる為には、鋼中
のCr含有量を2.4%以上にすることが必要で、その
場合鋼材料の材料費が高価になる.2.4%未満のCr
含有量の鋼部品に対して浸炭焼入処理によって結晶粒内
及び結晶粒界に多量の球状炭化物を析出させる技術とし
て、例えば特公昭62−24499号公報には、初折炭
化物が析出しないように予備浸炭処理後に冷却し、その
後再加熱して浸炭焼入れする鋼の浸炭処理方法が開示さ
れている. 一方、本願出願人は特願昭63−185177号におい
て、予備浸炭処理し、次にA,変態点直上の温度まで加
熱後A,変態点直下の温度まで冷却する炭化物球状化処
理を施し、次に再加熱して浸炭処理する浸炭焼入方法を
提案した.〔発明が解決しようとする課題〕 一般に、歯車などに使用される肌焼鋼などの鋼部材の場
合、表面部に多量の炭化物を析出させる為には、浸炭処
理時のカーボンポテンシャルをかなり高く保つことが必
要であるが、この場合調部材の表面部に過度の炭化物が
析出し、内部への浸炭が妨げられること、また鋼部材の
表面部の結晶粒界に太く網状の炭化物が析出して球状化
処理によっても球状化できなくなるという問題がある.
上記公報の浸炭処理方法は従来の浸炭焼入方法の欠点を
解消して鋼部材の表層部に多量の球状炭化物を析出させ
得る方法である。
しかしながら、予備浸炭処理の次に行なう浸炭工程(炭
化物生成工程)では、Aceを越えるかなり高いカーボ
ンポテンシャルにて浸炭処理することから、結晶粒界に
片状ないし網状の炭化物が多量に析出することは避けら
れない。特に、この浸炭工程を比較的短かい時間で処理
する場合に片状ないし網状炭化物の析出が多くなるとい
う問題がある.そして、この浸炭処理方法によって所期
の球状炭化物を多量に析出させる為には、予備浸炭処理
及び浸炭工程の処理時間が非常に長くなるという問題が
ある。
化物生成工程)では、Aceを越えるかなり高いカーボ
ンポテンシャルにて浸炭処理することから、結晶粒界に
片状ないし網状の炭化物が多量に析出することは避けら
れない。特に、この浸炭工程を比較的短かい時間で処理
する場合に片状ないし網状炭化物の析出が多くなるとい
う問題がある.そして、この浸炭処理方法によって所期
の球状炭化物を多量に析出させる為には、予備浸炭処理
及び浸炭工程の処理時間が非常に長くなるという問題が
ある。
上記本願出願人の先の出願に係る浸炭焼入方法において
は、予備浸炭処理によって生成した炭化物に対しては球
状化処理によって球状化を図ることが出来るけれども再
加熱浸炭処理によって生成した炭化物の一部が片状化な
いし網状化するという問題がある. 本発明の目的は、鋼部材の表面部に多量の球状炭化物を
確実に生成することの出来る鋼部材の浸炭焼入方法を提
供することである。
は、予備浸炭処理によって生成した炭化物に対しては球
状化処理によって球状化を図ることが出来るけれども再
加熱浸炭処理によって生成した炭化物の一部が片状化な
いし網状化するという問題がある. 本発明の目的は、鋼部材の表面部に多量の球状炭化物を
確実に生成することの出来る鋼部材の浸炭焼入方法を提
供することである。
本発明に係る鋼部材の浸炭焼入方法は、Crを含んだ鋼
部材の浸炭焼入方法において、上記鋼部材をカーボンポ
テンシャル1.0〜1.4%で浸炭処理してからA,変
態点より低い温度まで徐冷する浸炭徐冷処理を2回以上
繰返し、次に鋼部材をA,変態点直上の温度まで加熱後
A1変態点直下の温度まで冷却する炭化物球状化処理を
少なくとも1回施し、次に綱部材を再加熱して焼入処理
するものである。
部材の浸炭焼入方法において、上記鋼部材をカーボンポ
テンシャル1.0〜1.4%で浸炭処理してからA,変
態点より低い温度まで徐冷する浸炭徐冷処理を2回以上
繰返し、次に鋼部材をA,変態点直上の温度まで加熱後
A1変態点直下の温度まで冷却する炭化物球状化処理を
少なくとも1回施し、次に綱部材を再加熱して焼入処理
するものである。
本発明に係る浸炭焼入方法においては、先ず、Crを含
んだ鋼部材をカーボンポテンシャルl.O〜1.4%で
浸炭処理してからA,変態点よりも低い温度まで徐冷す
る。
んだ鋼部材をカーボンポテンシャルl.O〜1.4%で
浸炭処理してからA,変態点よりも低い温度まで徐冷す
る。
Crは炭化物生成元素であると同時に焼入れ性向上元素
であることから、Crを含んだ鋼部材(SCrfjl、
SCMw4、SNCMw4などの肌焼lm)であること
が必要で、浸炭層の炭化物生成及び鋼部材内部の焼入性
を考慮するとCr含有量は0.5%以上必要であるが、
2.0%を越えると硬くなって加工性が低下するので実
用性に欠ける.カーボンポテンシャル(C.P.)が1
.0%より小さいと炭化物が十分析出しない。c.p.
が1.4%より大きくなると、表面に過剰の炭化物が析
出したり粒界に太い網状炭化物が析出して多量の球状炭
化物が得られず、熱処理変形を抑えるため浸炭後の冷却
は徐冷が好ましい。徐冷といっても具体的な冷却方法は
設備により異なるが、たとえばA1変態点以下まで脱炭
防止雰囲気中で炉冷してやればその後の冷却は任意に選
択できる。単に1回だけ浸炭したのでは十分な炭化物が
得られない.複数回《り返すことにより表面での炭化物
の凝集や網状になることなく浸炭表面部に多量の炭化物
を析出させることができる。
であることから、Crを含んだ鋼部材(SCrfjl、
SCMw4、SNCMw4などの肌焼lm)であること
が必要で、浸炭層の炭化物生成及び鋼部材内部の焼入性
を考慮するとCr含有量は0.5%以上必要であるが、
2.0%を越えると硬くなって加工性が低下するので実
用性に欠ける.カーボンポテンシャル(C.P.)が1
.0%より小さいと炭化物が十分析出しない。c.p.
が1.4%より大きくなると、表面に過剰の炭化物が析
出したり粒界に太い網状炭化物が析出して多量の球状炭
化物が得られず、熱処理変形を抑えるため浸炭後の冷却
は徐冷が好ましい。徐冷といっても具体的な冷却方法は
設備により異なるが、たとえばA1変態点以下まで脱炭
防止雰囲気中で炉冷してやればその後の冷却は任意に選
択できる。単に1回だけ浸炭したのでは十分な炭化物が
得られない.複数回《り返すことにより表面での炭化物
の凝集や網状になることなく浸炭表面部に多量の炭化物
を析出させることができる。
次に、上記浸炭徐冷処理を2回以上繰返した後、鋼部材
をA1変態点直上の温度まで加熱後A,変態点直下の温
度まで冷却する炭化物球状化処理を少なくとも1回施す
. A.変態点直上の温度まで加熱すると、析出炭化物のう
ちの片状の炭化物の一部が再固溶しまた網状炭化物の一
部が再固溶して分断され、次にA1変態点直下まで冷却
すると炭化物が球状に生長する。この球状化処理を少な
くとも1回施すことにより2回以上の浸炭徐冷処理で析
出した多量の炭化物を確実に球状化させることが出来る
.尚、炭化物球状化処理は2回以上行なうことも有り得
る.この炭化物球状化処理の処理雰囲気はc.p.0.
5%以上で行なう。0.5%以下だと脱炭により炭化物
が固溶促進され減少してしまう。ヒートパターンはA,
変態点直上直下での保持をくり返す方法が迅速である. 次に、上記炭化物球状化処理を施した後、鋼部材をA.
変態点より高温に加熱して急冷することにより焼入処理
し、鋼部材の基地組織をマルテンサイト組織とする。
をA1変態点直上の温度まで加熱後A,変態点直下の温
度まで冷却する炭化物球状化処理を少なくとも1回施す
. A.変態点直上の温度まで加熱すると、析出炭化物のう
ちの片状の炭化物の一部が再固溶しまた網状炭化物の一
部が再固溶して分断され、次にA1変態点直下まで冷却
すると炭化物が球状に生長する。この球状化処理を少な
くとも1回施すことにより2回以上の浸炭徐冷処理で析
出した多量の炭化物を確実に球状化させることが出来る
.尚、炭化物球状化処理は2回以上行なうことも有り得
る.この炭化物球状化処理の処理雰囲気はc.p.0.
5%以上で行なう。0.5%以下だと脱炭により炭化物
が固溶促進され減少してしまう。ヒートパターンはA,
変態点直上直下での保持をくり返す方法が迅速である. 次に、上記炭化物球状化処理を施した後、鋼部材をA.
変態点より高温に加熱して急冷することにより焼入処理
し、鋼部材の基地組織をマルテンサイト組織とする。
焼入れに際し、加熱温度が高いと炭化物の固溶を促進し
好ましくない.加熱温度の目安としては少なくともあら
かじめ処理した浸炭温度以下であること。また、焼入れ
温度は焼入れ不良などないよう適正にする必要がある.
通常の肌焼綱であれば800〜850℃が適当である。
好ましくない.加熱温度の目安としては少なくともあら
かじめ処理した浸炭温度以下であること。また、焼入れ
温度は焼入れ不良などないよう適正にする必要がある.
通常の肌焼綱であれば800〜850℃が適当である。
また焼入れに際しては浸炭雰囲気(c.p.o.s%以
上)が好ましく同時に窒化処理を施すこともできる.〔
発明の効果〕 本発明に係る綱部材の浸炭焼入方法によれば、上記〔作
用〕の項で詳述したように、2回以上の浸炭徐冷処理に
より鋼部材の表面部にがなり深くまで多量の炭化物を析
出させ、この多量の炭化物を炭化物球状化処理によって
確実に球状化させることが出来、焼入処理によって基地
組織をマルテンサイト組織にするので、結局鋼部材の表
面部はマルテンサイト組織中に多量の球状炭化物が存在
し且つ片状の炭化物や網状炭化物は殆んど存在しないm
織となる. 従って、鋼部材の表面部は耐ピッチング性に優れた組織
となる。つまり、この浸炭焼入方法は高負荷の歯車等の
高い耐ピッチング性の要求される鋼部材を処理するのに
好適の方法である。
上)が好ましく同時に窒化処理を施すこともできる.〔
発明の効果〕 本発明に係る綱部材の浸炭焼入方法によれば、上記〔作
用〕の項で詳述したように、2回以上の浸炭徐冷処理に
より鋼部材の表面部にがなり深くまで多量の炭化物を析
出させ、この多量の炭化物を炭化物球状化処理によって
確実に球状化させることが出来、焼入処理によって基地
組織をマルテンサイト組織にするので、結局鋼部材の表
面部はマルテンサイト組織中に多量の球状炭化物が存在
し且つ片状の炭化物や網状炭化物は殆んど存在しないm
織となる. 従って、鋼部材の表面部は耐ピッチング性に優れた組織
となる。つまり、この浸炭焼入方法は高負荷の歯車等の
高い耐ピッチング性の要求される鋼部材を処理するのに
好適の方法である。
以下、本発明の実施例について説明する。
く第1実施例〉
(1) 処理対象品:
浸炭焼入処理を施す処理対象品(以下、ワークという)
としてSCM420Hの20wφ丸棒を用いた. (2) 熱処理: 本案例のワークに施した熱処理(第1図参照)は、次の
通りである. 第1工程:カーボンポテンシャル(以下、C.P.とい
う)=1.3%の浸炭雰囲気中でワークに900℃×2
時間の浸炭処理を施し、次にワークをA,変態点より低
い温度まで炉冷にて徐冷した(浸炭徐冷処理). 第2工程:上記ワークに第1工程と同様の浸炭徐冷処理
を施した。
としてSCM420Hの20wφ丸棒を用いた. (2) 熱処理: 本案例のワークに施した熱処理(第1図参照)は、次の
通りである. 第1工程:カーボンポテンシャル(以下、C.P.とい
う)=1.3%の浸炭雰囲気中でワークに900℃×2
時間の浸炭処理を施し、次にワークをA,変態点より低
い温度まで炉冷にて徐冷した(浸炭徐冷処理). 第2工程:上記ワークに第1工程と同様の浸炭徐冷処理
を施した。
第3工程:上記ワークをA1変態点直上の740℃に加
熱してその温度に1時間保持してからA1変態点直下の
680℃まで降温させてその温度に1時間保持した(炭
化物球状化処理)。
熱してその温度に1時間保持してからA1変態点直下の
680℃まで降温させてその温度に1時間保持した(炭
化物球状化処理)。
この炭化物球状化処理は脱炭防止の為C.P.=0.5
%以上の浸炭雰囲気中で行なった。
%以上の浸炭雰囲気中で行なった。
第4工程:上記ワークをC.P.=0.8%の浸炭雰囲
気中において浸炭処理温度より低い850℃まで加熱し
てその温度に30分間保持し、その後上記ワークに油焼
入を施した(再加熱焼入処理). 第5工程:上記ワークを170℃まで昇温させてその温
度に1.5時間保持した(焼戻し処理)。
気中において浸炭処理温度より低い850℃まで加熱し
てその温度に30分間保持し、その後上記ワークに油焼
入を施した(再加熱焼入処理). 第5工程:上記ワークを170℃まで昇温させてその温
度に1.5時間保持した(焼戻し処理)。
比較例のワークに施した熱処理(第2図参照)は、次の
通りである. 第IA工程: C,P.=1.6%の浸炭雰囲気中でワ
ークに900℃×3時間の浸炭処理を施し、次にワーク
をA.変態点より低い温度まで炉冷にて冷却した。
通りである. 第IA工程: C,P.=1.6%の浸炭雰囲気中でワ
ークに900℃×3時間の浸炭処理を施し、次にワーク
をA.変態点より低い温度まで炉冷にて冷却した。
第2A工程:上記ワークに前記第3工程と同じ炭化物球
状化処理を2回施した。
状化処理を2回施した。
第3A工程:上記ワークに前記第4工程と同じ再加熱焼
入処理を施した。
入処理を施した。
第4A工程:上記ワークに前記第5工程と同じ焼戻し処
理を施した。
理を施した。
第3図は本発明の浸炭焼入方法で処理した本案例のワー
クの金属組織の400倍拡大写真であり、第4図は比較
例のワークの金属&U織の400倍拡大写真である。
クの金属組織の400倍拡大写真であり、第4図は比較
例のワークの金属&U織の400倍拡大写真である。
本案例のワークでは、白色の粒々で見られるように球状
炭化物が多量に析出しており、網状の炭化物は全《存在
しない。
炭化物が多量に析出しており、網状の炭化物は全《存在
しない。
比較例のワークでは、球状化処理を2回施したにも拘ら
ず、表面付近に球状炭化物が存在するものの表面付近以
外の部分には結晶粒界に生じた網状の炭化物が存在して
いる。この比較例では、この網状の炭化物の所で剥離が
生じるので高い耐ピッチング性を期待することは出来な
い。
ず、表面付近に球状炭化物が存在するものの表面付近以
外の部分には結晶粒界に生じた網状の炭化物が存在して
いる。この比較例では、この網状の炭化物の所で剥離が
生じるので高い耐ピッチング性を期待することは出来な
い。
尚、本案例のワークでは、表面硬さがHV820であり
、250℃の熱履歴を受けた後にもHv800という高
い表面硬さを維持している。
、250℃の熱履歴を受けた後にもHv800という高
い表面硬さを維持している。
く第2実施例〉
浸炭焼入処理を施す処理対象品として、前記と同様SC
M420Hの小野式回転曲げ疲労試験片を作成し、本案
例の試験片には前記第1実施例の本案例のワークと同じ
処理を施し、比較例の試験片には前記第1実施例の比較
例のワークと同じ処理を施した。
M420Hの小野式回転曲げ疲労試験片を作成し、本案
例の試験片には前記第1実施例の本案例のワークと同じ
処理を施し、比較例の試験片には前記第1実施例の比較
例のワークと同じ処理を施した。
上記のように浸炭焼入処理した本案例の試験片と比較例
の試験片を小野式回転曲げ疲労試験機で試験を行なった
結果は、第1表の通りである。
の試験片を小野式回転曲げ疲労試験機で試験を行なった
結果は、第1表の通りである。
第1表
上記の回転曲げ疲労試験結果から判るように、比較例の
試験片は、炭化物の球状化が不十分で網状炭化物が多量
に残存しているので、本案例の試験片と比較して破断寿
命が大幅に低下している。
試験片は、炭化物の球状化が不十分で網状炭化物が多量
に残存しているので、本案例の試験片と比較して破断寿
命が大幅に低下している。
図面は本発明の実施例と比較例に係るもので、第1図は
第1実施例の本案例のワークに施した熱処理の熱処理サ
イクルの説明図、第2図は第1実施例の比較例のワーク
に施した熱処理の熱処理サイクルの説明図、第3図は第
1実施例の本案例のワークの表面部の金属組織の400
倍拡大写真、第4図は第1実施例の比較例のワークの表
面部の金属組織の400倍拡大写真である。
第1実施例の本案例のワークに施した熱処理の熱処理サ
イクルの説明図、第2図は第1実施例の比較例のワーク
に施した熱処理の熱処理サイクルの説明図、第3図は第
1実施例の本案例のワークの表面部の金属組織の400
倍拡大写真、第4図は第1実施例の比較例のワークの表
面部の金属組織の400倍拡大写真である。
Claims (1)
- (1)Crを含んだ鋼部材の浸炭焼入方法において、上
記鋼部材をカーボンポテンシャル1.0〜1.4%で浸
炭処理してからA_1変態点より低い温度まで徐冷する
浸炭徐冷処理を2回以上繰返し、次に鋼部材をA_1変
態点直上の温度まで加熱後A_1変態点直下の温度まで
冷却する炭化物球状化処理を少なくとも1回施し、 次に鋼部材を再加熱して焼入処理することを特徴とする
鋼部材の浸炭焼入方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11662789A JPH02294462A (ja) | 1989-05-10 | 1989-05-10 | 鋼部材の浸炭焼入方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11662789A JPH02294462A (ja) | 1989-05-10 | 1989-05-10 | 鋼部材の浸炭焼入方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02294462A true JPH02294462A (ja) | 1990-12-05 |
Family
ID=14691878
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11662789A Pending JPH02294462A (ja) | 1989-05-10 | 1989-05-10 | 鋼部材の浸炭焼入方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH02294462A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0598417A (ja) * | 1991-07-06 | 1993-04-20 | Chugai Ro Co Ltd | 鋼材部品のガス浸炭方法 |
JP2000313949A (ja) * | 1999-04-27 | 2000-11-14 | Yamaha Motor Co Ltd | 鉄合金部品の表面硬化処理方法 |
WO2004104245A3 (en) * | 2003-05-20 | 2005-07-07 | Exxonmobil Res & Eng Co | Composition gradient cermets and reactive heat treatment process for preparing same |
WO2005066383A1 (en) * | 2003-12-22 | 2005-07-21 | Caterpillar Inc. | Method for carburizing a steel article and steel article thus obtained with improved wear resistance |
US7431777B1 (en) | 2003-05-20 | 2008-10-07 | Exxonmobil Research And Engineering Company | Composition gradient cermets and reactive heat treatment process for preparing same |
-
1989
- 1989-05-10 JP JP11662789A patent/JPH02294462A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0598417A (ja) * | 1991-07-06 | 1993-04-20 | Chugai Ro Co Ltd | 鋼材部品のガス浸炭方法 |
JP2000313949A (ja) * | 1999-04-27 | 2000-11-14 | Yamaha Motor Co Ltd | 鉄合金部品の表面硬化処理方法 |
WO2004104245A3 (en) * | 2003-05-20 | 2005-07-07 | Exxonmobil Res & Eng Co | Composition gradient cermets and reactive heat treatment process for preparing same |
US7431777B1 (en) | 2003-05-20 | 2008-10-07 | Exxonmobil Research And Engineering Company | Composition gradient cermets and reactive heat treatment process for preparing same |
WO2005066383A1 (en) * | 2003-12-22 | 2005-07-21 | Caterpillar Inc. | Method for carburizing a steel article and steel article thus obtained with improved wear resistance |
US7169238B2 (en) | 2003-12-22 | 2007-01-30 | Caterpillar Inc | Carbide method and article for hard finishing resulting in improved wear resistance |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2779170B2 (ja) | 浸炭焼入方法 | |
JP4627776B2 (ja) | 高濃度浸炭・低歪焼入れ部材およびその製造方法 | |
KR910003515B1 (ko) | 강부품의표면경화방법 | |
US4222793A (en) | High stress nodular iron gears and method of making same | |
JP2006200003A (ja) | 熱処理品および熱処理方法 | |
JPH11343520A (ja) | かさ歯車と複数の歯車歯を持つ歯車の製造方法 | |
US4202710A (en) | Carburization of ferrous alloys | |
JP3006034B2 (ja) | 面圧強度にすぐれた高強度機械構造用部材 | |
JP3246657B2 (ja) | 高面圧部材の製造方法 | |
JPH02294462A (ja) | 鋼部材の浸炭焼入方法 | |
JP2000204464A (ja) | 表面処理歯車とその製造方法、製造装置 | |
JPH11269631A (ja) | 鋼製部品の表面処理方法 | |
JP2787455B2 (ja) | 浸炭焼入れ方法 | |
JP2001131688A (ja) | 熱処理改善のための空気焼入れ低ないし中炭素鋼 | |
JPH05140726A (ja) | 疲労強度の高い駆動系機械部品の製造方法 | |
JPH09302411A (ja) | 無脱炭・耐摩耗性球状黒鉛鋳鉄鋳物部品の製造方法 | |
JPS62139812A (ja) | 高強度高靭性鋳鋼の製造法 | |
JPH0452247A (ja) | 履帯用ピンおよびその製造方法 | |
JP2003055711A (ja) | 鋼部材の表面処理方法およびその焼入れ部品 | |
JP2000176586A (ja) | 耐高面圧駆動部品の製造方法および耐高面圧駆動部品 | |
JPH0116886B2 (ja) | ||
JPH02159360A (ja) | 浸炭焼入部材の製造方法 | |
JPS626612B2 (ja) | ||
JP3104449B2 (ja) | 浸炭歯車の熱処理法 | |
JPH0339459A (ja) | 表面硬化部品とその製造方法 |