JPH02289184A

JPH02289184A - 消臭繊維製品

Info

Publication number: JPH02289184A
Application number: JP1106968A
Authority: JP
Inventors: Fujio Nakanishi; 中西　藤司夫; Hisashi Fujiwara; 藤原　久; Hisao Maruyama; 丸山　尚夫; Shuzo Imanishi; 今西　修三
Original assignee: Unitika Ltd
Current assignee: Unitika Ltd
Priority date: 1989-04-26
Filing date: 1989-04-26
Publication date: 1990-11-29

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】産業上の利用分野本発明は、衣料品、家庭用品、各種産業資材などに用い
る消臭繊維製品に関するものである。

従来の技術従来から消臭機能を有するわた。糸、布帛などの消臭繊
維製品として、消臭機能を有する物質（以下消臭性物質
という）を内部に練込んだ合成繊維からなる製品や１表
面に樹脂により接着した繊維製品や、直接染着させた繊
維製品などが種々試みられている。

発明が解決しようとする課題しかしながら、上記のような従来の消臭繊維製品におい
て、消臭性物質を内部に練込んだ合成繊維からなる製品
や表面に樹脂により接着した繊維製品は、消臭性物質の
表面が繊維形成物質や樹脂などで被覆されてしまって消
臭効率が低く、また直接染着させた繊維製品は洗濯など
に対する耐久性が乏しいなどの問題があった。また消臭
性に寿命のあるものが多く、繊維製品という用途を考慮
した場合、必ずしも十分な機能を有するとはいえない。

本発明は上記の問題を解決するもので、消臭速度、消臭
効率のすぐれた消臭繊維製品を提供することを目的とす
るものである。

課題を解決するための手段上記の課題を解決するために本発明の消臭繊維製品は、
繊維表面に消臭性無機物質を樹脂の多孔質皮膜を介して
保持したことを特徴とするものである。

本発明で適用する繊維製品は、木綿、麻、レーヨンなど
のセルロース系繊維、羊毛、絹などの蛋白質系繊維、ポ
リアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリ
プロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどの合成
繊維もしくはこれらの繊維の混用品であって、わた、糸
５編織物、不織布などの通常の繊維により形成される全
ての形態のものを含む。

本発明で用いる消臭性無機物質としては、マグネシウム
、アルミニウム、チタン、銅、亜鉛、ジルコニウム、銀
、錫、鉛の酸化物、リン酸塩、珪酸塩もしくはこれらの
混合物であって、混合物はアモルファス状態に均一混合
されていることが望ましい、また銅、亜鉛、銀、錫、鉛
の塩を吸着させたゼオライトを用いてもよく、ゼオライ
トは天然、人工のどちらでもよい、これらの消臭性無機
物質は、粒子が細かい程表面積が大きくなって消臭効率
が良く、消臭速度も速くなり、また繊維への接着性、風
合の観点からも細かい程良く、平均粒径が５μｍ以下、
特に３μｍ以下が望ましい。

本発明において消臭性無機物質を繊維表面に保持させる
ための樹脂としては、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタ
ン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアルコー
ル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂などのバインダー用樹
脂のいずれでもよく、皮膜強度、造膜性、消臭性無機物
質および繊維との接着性が良好であることが望ましい、
これらの樹脂は、水溶液、水性分散液（エマルジョン）
、有機溶剤溶液の形で繊維表面に付着させる。前記樹脂
は、皮膜形成後の状態で多孔質であることが必要であり
、皮膜の細孔が消臭性無機物質の表面と悪臭ガスと直接
接触しうる部分を形成して、極めて迅速な消臭を行なう
。均一な皮膜では、消臭性無機物質の使用量に対する消
臭効果が小さく、また速度も遅く、効率的ではない、樹
脂の多孔質皮膜の細孔の大きさはＯ０Ｉμｍ〜１．０μ
ｍが望ましい、樹脂の多孔質皮膜の形成は１次の３種類
の方法が一般的で、工程上も簡単である。

（１）樹脂の水溶液もしくはエマルジョン液に、水と揮
発油のＯ／Ｗ型エマルジョンを混入する。エマルジョン
の揮発油の粒径は界面活性剤により１０μｍ以下に調節
し、前記樹脂の水溶液もしくはエマルジョン液に消臭性
無機物質と共に混合して繊維表面に付着させた後、乾燥
してエマルジョンの粒子に対応する細孔を形成すること
ができる。細孔の数および大きさはエマルジョンの混入
量と界面活性剤のＨＬＢにより粒径を制御して調整でき
る。

（２）樹脂の水溶液もしくはエマルジョン液に、アルギ
ン酸ナトリウムやカルボキシメチルセルロースのような
多糖類アニオン系高分子電解質、可溶化澱粉、グアーガ
ムやブリティッシュガムのような水溶性多糖類と消臭性
無機物質とを混合し、繊維表面に塗布し、皮膜形成後に
水洗もしくは酸素により前記多糖類などを分解除去して
、細孔を形成する。

（３）樹脂の水溶液もしくはエマルジョン液に、気体を
封入したマイクロカプセルを混入しておき、繊維表面に
塗布し皮膜を形成し、加熱してマイクロカプセルを内部
の気体の膨張により破壊して細孔を形成する。細孔の量
および径は、混入するマイクロカプセルの量および粒径
により調整できる。

上記のようにして形成する消臭性無機物質を含む樹脂の
多孔質皮膜には、摩耗耐久性や耐水性を向上させる目的
で架橋性樹脂を混入させることが望ましい、架橋性樹脂
は、エポキシ系樹脂、ホルマリン系樹脂、イソシアネー
ト系樹脂、シアノアクリレート系樹脂、エチレンイミン
系樹脂などの反応性基を２以上含む樹脂であればよく、
これらの架橋性樹脂の混入により、耐摩耗性、耐水性が
すぐれ、しかも悪臭除去機能が長期にわたって持続する
消臭繊維製品を得ることができる。

作用本発明の消臭繊維製品は、上記の構成により繊維表面に
消臭性無機物質を樹脂の多孔質皮膜を介して保持してい
るので、多孔質にともなって消臭性無機物質と悪臭ガス
との接触面積が著しく増大し、かつ皮膜厚さが薄くなっ
て悪臭ガスが樹脂内部を拡散する時間が短く消臭速度が
速くなり、かつ消臭性無機物質のうち消臭に関与しない
部分が少なく、消臭効率が良好である。

実施例実施例１゜２０番手綿糸使いの密度径ニア０本／インチ、緯：５５
本／インチの細布に、ポリアクリル酸エステル４０％エ
マルジョン３０部、ミネラルターペン６５％エマルジョ
ン５０部、酸化亜鉛、酸化硅素の１：１アモルファス混
合物の微粉砕物ｉｏ部、水１０部で調製したコーテイン
グ液をコーティングし乾燥して、消臭性能の良好な消臭
繊維織物を得た。消臭性能の試験結果を第１表に示した
。

実施例２゜４０番手綿／ポリエステル：　４０／６０混紡糸使いの
密度経９４本／インチ、緯８０本／インチのキャンプリ
ックを、ポリウレタン４５％エマルジョン２０％。

ミネラルターペン６５％エマルジョン２０％、酸化亜鉛
、酸化チタンの混合比１：１、平均粒子径３蒙の微粉砕
混合物１５％の混合液にパッドした後乾燥して、消臭性
能および風合共にすぐれた消臭繊維織物を得た。消臭性
能の試験結果を第１表に示した。

実施例３゜３０番手綿糸をかぜ状にして、ポリウレタン４５％エマ
ジョン１０％、ミネラルターペン６５％エマルジョン２
０％、酸化アルミニウム、酸化鉛、酸化鉛の混合比５：
３：１、平均粒子径２μｍの混合微粉末ｌＯ％の混合液
中で、浴比１：１５にて６０’Ｃで６０分間処理し、乾
燥して消臭繊維糸とし、この糸を用いてソックスを編成
し、性能良好な消臭・抗菌ソックスを得た。消臭性能の
試験結果を第１表に示した。

実施例４゜４０番手綿糸使いの密度経９４本／インチ、緯８０本／
インチのキャンプリックを、ポリウレタン４５％水溶液
シロ部、カルボキシメチルセルロース３０％水溶液３０
部、酸化チタン、酸化亜鉛の混合比２：１、平均粒子径
３μｍの混合微粉末１ｏ部、水１ｏ部で調製したコーテ
イング液でコーティングし、乾燥後セルラーゼ酵素５ｇ
ＩＱの処理液中でカルボキシメチルセルロースを分解除
去して、透湿性、消臭性共に良好な消臭繊維織物を得た
。消臭性能の試験結果を第１表に示した。

実施例５゜５０番手綿／ポリエステル：　６０／４０混紡糸使いの
密度経１２０本／インチ、緯８０本／インチのボブリン
に、ポリアクリル酸エステル４０％溶液にマイクロカプ
セル起泡剤５％と、ゼオライトに銅と銀を飽和吸着させ
た平均粒子径３μｍの微粉末１０％とを混入し、増粘剤
で粘度を７０００Ｃ，Ｐ、Ｓに調整した処理液をプリン
トし、乾燥後発泡させて消臭繊維織物を得た。消臭性能
の試験結果を第１表に示した。

上記実施例１〜５で得た各消臭繊維製品について、次の
方法により硫化水素とアンモニアに対する消臭性能を試
験した。

容量３Ｑのポリ弗化エチレン製袋内に、各消臭繊維製品
試料１ｇと所定の初期濃度のガス６００ｍＱとを封入し
、室温で３時間数Ｉ後のガス濃度を測定した。また別に
上記と同様の初期濃度のガス６００ｍＱだけを封入して
、同様に３時間放置後のガス濃度を測定し、ブランクガ
ス濃度とした。

脱臭率（％）は次式により求めた。

第１表に示すように、上記各実施例の消臭繊維製品は、
硫化水素、アンモニアに対して極めてすぐれた消臭性能
を発揮している。

上記のように各実施例の消臭繊維製品において、消臭性
無機物質の担体となる繊維は表面積が太きく、したがっ
て悪臭ガスとの接触面積が大きく、特に繊維が収束して
いる部分で悪臭ガスの通過抵抗が起って消臭性無機物質
と悪臭ガスとの接触時間が長くなって消臭効率が良好で
ある。しかも消臭性無機物質を樹脂の多孔質皮膜を介し
て保持しているので、消臭性無機物質と悪臭ガスとの接
触面積がさらに著しく増大し、かつ皮膜厚さが多孔質と
したことにより薄くなり悪臭ガスが樹脂皮膜内部を拡散
する時間が短くなって消臭速度が速くなり、また消臭性
無機物質の大部分が消臭に寄与して消臭効率が著しく良
好である。

発明の効果以上のように本発明の消臭繊維製品は、繊維表面に消臭
性無機物質を樹脂の多孔質皮膜を介して保持しているこ
とにより、消臭性無機物質と悪臭ガスとの接触面積が大
きく、かつ接触時間も十分で、消臭性無機物質の大部分
が消臭に寄与して。

消臭速度、消臭効率が極めて良好であり、一般衣料用の
ほか、カーテン、内袋材として室内の消臭に使用でき、
布団側地、中綿などに用いた消臭布団は養護老人、身障
者用などとして有用であり、一方フイルターなどの表面
積の大きさが必要な用途にも好適であるなど、多種多様
な用途に利用することができる。

代理人　　　森　　本　　義　　弘

Claims

【特許請求の範囲】

１、繊維表面に消臭性無機物質を樹脂の多孔質皮膜を介
して保持したことを特徴とする消臭繊維製品。