JPH02285310A

JPH02285310A - レンズ鏡筒のカム環の製造方法

Info

Publication number: JPH02285310A
Application number: JP10698589A
Authority: JP
Inventors: Makoto Iwamura; 誠岩村
Original assignee: Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
Current assignee: Pentax Corp
Priority date: 1989-04-26
Filing date: 1989-04-26
Publication date: 1990-11-22

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】「技術分野」本発明は、レンズ鏡筒に用いられるカム環の製造方法に
関する。

「従来技術およびその問題点」カム環を有するレンズ鏡筒は、ズームレンズにおいて最
も一般的に用いられている。カム環に設けた少なくとも
２本のカム溝に前後２群の移動レンズ群のガイドピンを
係合させ、カム環の回転駆動により、移動レンズ群をカ
ムプロフィルに従い所定の関係で移動させて焦点距離を
変化させる。

このようなレンズ鏡筒で、カム環を電動駆動機構によっ
て回転駆動する場合、カム環の外周にギヤを設けること
が不可欠である。このため従来カム環の外周に、これと
は別に形成したギヤリングを固定していた。カム環のカ
ム溝は従来、貫通溝として形成されており、ギヤリング
は、この貫通溝として形成されるカム溝に通常重ねられ
るため、カム環とギヤリングを一体に成型することはで
きなかった。

また本出願人は、ズームレンズ鏡筒の収納長を短縮する
ため、カム環を回転に伴い光軸方向に移動するように支
持したレンズ鏡筒を提案した（特願昭６３−１３７０１
９号）、このレンズ鏡筒においては、カム環の外周に雄
ヘリコイド（ねじ）を設け、これを固定側の雌ヘリコイ
ドに螺合させて回転ガイドとしている。このレンズ鏡筒
においては、ヘリコイドを同様の理由によりカム環とは
別のヘリコイドリングに設け、このヘリコイドリングを
後にカム環に固定しなければならない。ヘリコイドリン
グには同時にカム環を回転駆動するためのギヤが設けら
れる。

本出願人は、このように、カム環と、ギヤリングまたは
ヘリコイドリングを別個に設けて、これを後に固定して
いた従来構造を問題点として捕らえ、これらを一体にす
ることができるカム環を提案した（実願平１−２６８０
３号）。これは、カム溝の少な（とも一部をインナカム
溝として形成し、インナカム溝とした部分の外周部に、
ギヤまたは（および）ヘリコイドを設けることにより、
両部材の一体化を可能としたものである。

「発明の目的」本発明は、このようなギヤまたは（および）へりコイド
一体カム環を製造するに当たり、より効率的で高精度に
、これを加工することができる製造方法を提供すること
を目的とする。

「発明の概要」本発明のカム環の製造方法は、カム環の全体およびその
ギヤまたは（およびヘリコイド）を合成樹脂材料の成形
加工によって同時に形成し、カム溝を、成形後の切削加
工により形成することを特徴とするものである。

理論的には、ギヤまたは（および）ヘリコ゛イドもカム
環成形後の切削加工によって形成してもよい。しかし、
カム環の全体の成形時に、これらを同時に成形すること
が可能であり、精度的にも問題がない。

同様に、理論的には、カム溝も、割型によってカム環の
全体の成形時に同時に成形することが可能である。しか
し、カム溝はレンズ群の移動軌跡を決定することから、
−Ｍ的に非線形をしており、より高精度であることが要
求される。またカム溝は割型に跨がることが多いため、
特にカム溝が非線形をしている場合には、その接続部を
円滑にすることが困難である。

別言すると１本発明は、成形加工によっても精度上問題
のない部分、つまりギヤまたは（および）ヘリコイドに
ついては、成形加工によってコストダウンを図り、精度
を重視する部分、つまりカム溝については、成形加工の
後に切削加工することにより、その要求を満たしたもの
である。

カム溝については、成形加工によって一次加工し、切削
加工によって二次加工（仕上加工）をすることも可能で
あり、本発明において、カム溝を切削加工するとは、最
終仕上を切削加工によって行なう場合を含む。

「発明の実施例」以下図示実施例について本発明を説明する。

第１図は、本発明によるカム環の製造方法を構成的に示
すものである。樹脂材料の射出成形型ＡＡには、カム運
用環状空間ＡＩと、このカム運用環状空間Ａｔの外側一
部に位置するギヤ形成空間Ａ２が連設されている。図で
は、射出成形型ＡＡを一体に描いているが、常法に従い
、適当な割型とするのは勿論である。射出成形型ＡＡに
は、カム環用環状空間Ａｌ内に溶融樹脂を注入するため
の注入口が設けられる。

本発明は、まずこの射出成形型ＡＡのカム運用環状空間
Ａｔおよびギヤ形成空間Ａ２に溶融樹脂を注入して、カ
ム環１の全体、およびこのカム環ｌの外面一部に位置す
るギヤ１ｃを射出形成する。次に、射出成形の終了した
カム環ｌを射出成形型ＡＡから取り出し、その内面に、
刃物ＢＢを用いて、インナカム溝１ａ、１ｂを切削加工
する。このようなインナカム溝の切削加工自体は、既存
の加工技術で容易に行なうことができる。

以上のようにカム環１の全体とギヤｌｃを同時に射出成
形すると、ギヤを後に切削加工する場合に比してコスト
が安い、またギヤ１ｃは、射出成形によって使用上問題
のない精度が得られる。そしてインナカム溝１ａ、１ｂ
は、切削加工によるので、高精度のものが得られる。

第２図は、カム環ＩＡの外面にヘリコイドＨＨを射出成
形によって形成し、内面にインナカム溝１８を形成する
例である。インナカム溝１ａは、第１図のように、その
全体を切削加工によって形成してもよいが、射出成形時
に、まず−次加工溝ｌａ’　を形成し、これを切削二次
加工によってカム’４４１　ａとすることができる。こ
の工程によると、樹脂材料の節約ができるばかりでな（
、刃物ＢＢの負担が減り、その寿命を伸ばすことができ
る。

カム環ｌを形成すべき合成樹脂材料は、射出成形性と切
削加工性の両者をバランスよく備えた樹脂材料、特にポ
リカーボネート、ボリフエニレンサリファイド、または
ポリフェニレンオキシドがら選択することが好ましい。

さらにこれらの合成樹脂材料には、潤滑剤としてフッ素
またはカーボン、強化剤としてガラス繊維またはカーボ
ンを添加することが好ましい。

カーボンはまた。高い寸法精度と寸法安定性を得るため
に効果があり、この点からも添加することが望ましい。

次に第３図について、第１図に示したカム環１を利用し
たレンズ鏡筒の例を説明する。カム環ｌは、前固定板２
と後固定板３との間に回転自在に支持されている。前固
定板２と後固定板３の間は、光軸と平行な方向のガイド
ロッド４によって接続されており、このガイドロッド４
に、前群レンズ（枠）５と後群レンズ（枠）６が移動自
在に支持されている。

カム環１のインナカム溝１ａとｌｂには、前君羊レンズ
５のガイドピン５ａと後群レンズ６のガイドピン６ａが
それぞれ嵌まっている。またギヤｌｃには、ビニオン７
が噛み合っている。ビニオン７は、ズーム制御回路８を
介して駆動されるモータ９によって回転駆動される。従
って、モータ９が回転駆動されると、カム環１が回転し
、インナカム溝１ａとｌｂのカムプロフィルに従って、
前群レンズ５と１＆群レンズ６が光軸方向に移動し、ズ
ーミングがなされる。

次に第４図は、外面に、ギヤ２２ａとヘリコイド２２ｂ
を有し、内面に、一部がインナカム溝２２ｃ、２２ｄで
、一部が貫通カム溝２２ｃ２２ｄ°であるカム溝な有す
るカム環２２の例を示している。このカム溝は、ヘリコ
ー「ド２２ａとギヤ２２ｂの形成部分を、外面の閉塞さ
れたインナカム／ｌ１２２ｃ、２２ｄとし、ヘリコイド
２２ａおよびギヤ２２ｂを形成しない位置において、貫
通カム溝２２ｃ’　、２２ｄ’　としたもので、全体と
して非線形をしている。このカム環２２も、基本的に、
第１図または第２図で説明したのと同一の製造工程で製
造することができる。

第５図ないし第７図は、このカム環２２を用いたズーム
レンズ鏡筒を示じている。このズームレンズ鏡筒の構造
は、ギヤ２２ａおよびヘリコイド２２ｂをカム環２２に
一体化した点を除き、特願昭６３−１３７０１９号で本
出願人が提案したレンズ鏡筒と同じである０本発明の要
旨とは直接関係がないが、このレンズ鏡筒の構造および
作用を説明すると次の通りである。

レンズシャッタ式カメラのカメラボディ１１には、固定
筒１２が固定されている。１３．１４は、カメラボディ
１１に形成した、フィルムガイドとしての外レールと内
レールである。

固定筒１２には、外側ヘリコイド（内周ヘリコイド）１
８が固定ねじ１９を介して固定されている。この外側ヘ
リコイド１８の内側には、第４図に示したカム環２２が
位置している。このカム環２２は、その外周に、外側ヘ
リコイド１８と螺合する内側ヘリコイド（外周ヘリコイ
ド）２２ａと、ヘリコイド２２ａの山の傾斜と同一の角
度で傾斜するギヤ２２ｂを有する。このギヤ２２ｂには
、第３図と同様のビニオン７が噛み合い、このビニオン
の正逆の駆動により、カム［２２が正逆に回転駆動され
る。したがって、このカム環２２は、回転駆動されると
、ヘリコイド２２ａのリードに従って光軸方向に移動す
る。ギヤ２２ｂが傾斜しているのは、カム環２２が光軸
方向に移動するからである。

このカム１１Ｉ２２の内周には、レンズ案内環２４が嵌
まっている。このレンズ案内環２４は、その後端部に固
定ねじ２５によって直進案内板２６を固定しており、こ
の直進案内板２６は、その外周一部を、固定筒１２の内
面に形成したレンズ直進ガイド溝２７に係合させている
。そしてこの直進案内板２６とレンズ案内環２４の後端
との間に形成した環状溝２８に、カム環２２の後端部に
形成した内方フランジ２９が相対回動自在に嵌っている
。よってレンズ案内環２４は、レンズ直進ガイド溝２７
によって回転は規制されているが、光軸方向には常にカ
ム１！１２２と一体に移動し、かつカムＴ！２２はこの
レンズ案内環２４に対して回転できる。

前後二群の移動レンズ１５．１６は、レンズ案内環２４
の内側に位置する前群レンズ枠３０、後群レンズ枠３１
にそれぞれ固定されている。前群レンズ枠３０はシャッ
タブロック３２に固定されたへりコイドリンク３３にヘ
リコイド結合している。シャッタブロック３２は、前群
移動枠３４に固定されており、この前群移動枠３４の外
周部に複数のガイドピン３５が設けられている。後群レ
ンズ枠３１にはその外周に同じく複数のガイドピン３６
が設けられている。なおガイドピン３５と３６は、第５
図と第７図では図示の便宜上重ねて描いている。

シャッタブロック３２は周知のように、測距装置からの
被写体までの距離信号に応じた角度だけ駆動ビン３２ａ
を回動させ、駆動ビン３２ａに結合されている前群レン
ズ枠３０を共に回動させてヘリコイドに従って光軸方向
に移動させ、焦点調節を行なう。また被写体の輝度信号
に応じて、シャッタブレード３２ｂを動作させる。

３８は前群移動枠３４に一体に設けたレンズカバー筒、
３９は本体外郭１１ａから突出するレンズ案内環２４お
よびカム環２２の外周を覆う化粧筒である。

カム環２２のカム溝の一部を、ヘリコイド２２ａおよび
ギヤ２２ｂを形成しない位置において、貫通カム溝２２
ｃ’　、２２ｄ’　としたのは、ガイドピン３５．３６
を挿入するためである。

レンズ案内環２４には、これらの各前群カム溝２２ｃと
後群カム溝２２ｄに対応させて、それぞれレンズ直進ガ
イド溝４３と４４が穿設されている。ガイドピン３５は
、レンズ直進ガイド溝４３から前群カム溝２２ｃに渡ら
せて挿通され、ガイドピン３６はレンズ直進ガイド溝４
４から後群カム溝２２ｄに渡らせて挿通されている。

そしてこの前群カム溝２２ｃとレンズ直進ガイド溝４３
．および後群カム溝２２ｄとレンズガイド満４４の形状
はそれぞれ、カム環２２の回転に伴うカム［２２とレン
ズ案内環２４の光軸方向移動、およびカム環２２とレン
ズ案内環２４の相対回転によって、移動レンズ１５と１
６に所定の光軸方向の移動軌跡を与えることができる様
に定められている。第４図における前群カム溝２２ｃと
後群カム溝２２ｄの区間Ｉ２１はズーミング区間、同ρ
２はズーミング区間βｌのテレ端に続くマクロ移行区間
、同β３はズーミング区間Ｉ２１のワイド端に続（収納
区間である。

上記構成のレンズ鏡筒は、ギヤ２２ｂを介してカムｆ１
２２を正逆に回動させると、ヘリコイド２２ａと噛み合
っている外側ヘリコイド１８が固定されているため、該
カム環２２はヘリコイド２２ａのリードに従い、回動し
つつ光軸方向に移動し、レンズ案内環２４も共に光軸方
向に移動する。この先軸方向移動に伴い、カム溝２２０
゜２２ｄと、レンズ直進ガイド溝４３と４４の関係によ
り、カム１２２はレンズ案内環２４に対して回動し、こ
の相対回動によって移動レンズ１５と１６が光軸方向に
移動する。これによって、移動レンズ１５と１６を、第
５図の収納状態から第７図のテレ端状態まで移動させる
ことができ、しかも収納状態においても、カム環２２お
よびレンズ案内環２４が突出せず、収納長が極めて短い
。

「発明の効果」以上のように本発明は、ギヤまたは（および）へりコイ
ド一体カム環を製造するに当たり、カム環の全体とギヤ
または（および）ヘリコイドを樹脂材料により成形加工
し、インナカム溝を切削加工によって形成するので、効
率的で高精度に、かつ低コストでカム環の製造ができる
。特にカム溝が非線形の場合には、切削加工によって高
精度のカムプロフィルを実現できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明によるカム環の製造方法の工程例を示す
模式断面図、第２図は本発明の別の工程例を示す断面図、第３図は第
１図のカム環を用いたレンズ鏡筒の上半断面図、第４図は別のカム環の展開図、第５図ないし第７図は、第４図のカム環を用いたレンズ
鏡筒の上半断面図で、第５図、第６図、第７図は、それ
ぞれ収納状態、ワイド端状態、テレ端状態を示している
。ＡＡ・・・射出成形型、Ａ１・・・カム運用環状空間、
Ａ２・・・ギヤ形成空間、１．ＩＡ、２２・・・カム環
、１ａ、１ｂ、２２ｃ、２２　ｄ−・・インナカム溝、
ＩＣ１２２ｂ　・・・ギヤ、ＨＨ，２２ａ・・・ヘリコ
イド、５．６・・・移動レンズ、５ａ、６ａ・・・ガイ
ドピン、１１・・・カメラボディ、１２・・・固定筒、
１５．１６・・・移動レンズ、１８・・・外側ヘリコイ
ド（内周ヘリコイド）、２２・・・カム環、２２ａ・・
・ヘリコイド、２２ｂ・・・ギヤ、２２ｃ、２２ｄ・・
・インナカム溝、２４・・・レンズ案内環、２６・・・
直進案内板、３０・・・前群レンズ枠、３１・・・後群
レンズ枠、３２・・・シャッタブロック、３４・・・前
群移動枠、３５．３６・・・ガイドピン。も２図第３図第６図第７図

Claims

【特許請求の範囲】

（１）全体として環状をなすカム環であって、光軸方向
に移動するレンズ群に設けたガイドピンが嵌合する、少
なくとも一部をインナカム溝としたカム溝と、該カム環
を回転駆動するための外周面のギヤとを有するレンズ鏡
筒のカム環の製造方法において、該カム環の全体およびそのギヤを合成樹脂材料の成形加
工によって同時に形成し、上記カム溝を、成形後の切削
加工により形成することを特徴とするレンズ鏡筒のカム
環の製造方法。
（２）全体として環状をなすカム環であって、光軸方向
に移動するレンズ群に設けたガイドピンが嵌合する、少
なくとも一部をインナカム溝としたカム溝と、該カム環
の回転ガイドとなるヘリコイドとを有するレンズ鏡筒の
カム環の製造方法において、該カム環の全体およびそのヘリコイドを合成樹脂材料の
成形加工によって同時に形成し、上記カム溝を、成形後
の切削加工により形成することを特徴とするレンズ鏡筒
のカム環の製造方法。
（３）全体として環状をなすカム環であって、光軸方向
に移動するレンズ群に設けたガイドピンが嵌合する、少
なくとも一部をインナカム溝としたカム溝と、該カム環
を回転駆動するための外周面のギヤと、該カム環の回転
ガイドとなるヘリコイドとを有するレンズ鏡筒のカム環
の製造方法において、該カム環の全体およびそのギヤとヘリコイドを合成樹脂
材料の成形加工によって同時に形成し、上記カム溝を、
成形後の切削加工により形成することを特徴とするレン
ズ鏡筒のカム環の製造方法。
（４）請求項１ないし３のいずれか１項において、カム
溝は、非線形形状に加工されるカム環の製造方法。
（５）請求項１ないし４のいずれか１項において、合成
樹脂材料は、ポリカーボネート、ポリフェニレンサリフ
ァイド、またはポリフェニレンオキシドからなっている
カム環の製造方法。
（６）請求項５において、合成樹脂材料には、潤滑剤と
してフッ素またはカーボンが添加されているカム環の製
造方法。
（７）請求項５または６において、合成樹脂材料には、
強化剤としてガラス繊維またはカーボンが添加されてい
るカム環の製造方法。