JPH02282465A - 摺動部材の製造方法 - Google Patents
摺動部材の製造方法Info
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- JPH02282465A JPH02282465A JP10413289A JP10413289A JPH02282465A JP H02282465 A JPH02282465 A JP H02282465A JP 10413289 A JP10413289 A JP 10413289A JP 10413289 A JP10413289 A JP 10413289A JP H02282465 A JPH02282465 A JP H02282465A
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明は摺動部材、特に、自動車用エンジンにおけるク
ランクシャフトの軸受メタル等のように、摩擦係数が小
さく、優れた摺動特性が要求される鉄系の摺動部材の製
造方法に関する。
ランクシャフトの軸受メタル等のように、摩擦係数が小
さく、優れた摺動特性が要求される鉄系の摺動部材の製
造方法に関する。
(従来の技術)
鉄系の摺動部材の摺動特性を向上させるためには、鉄系
基材の表面にN i 2 A 13の層を形成すると効
果的であるということは既に知られている。
基材の表面にN i 2 A 13の層を形成すると効
果的であるということは既に知られている。
そして、この理由については次のように考えることがで
きる。すなわち、Ni2Al3の結晶構造は六方晶であ
るがC/ a−約1.2であることから判断すると、鉄
系基材の表面にNi2Al3の層が形成された場合に摺
動特性が向上するのは、M o S 2タイプのような
層状すべりによるものではなく、Ni2Al3の有する
Hv−約850という硬さに起因しているものと考えら
れる。
きる。すなわち、Ni2Al3の結晶構造は六方晶であ
るがC/ a−約1.2であることから判断すると、鉄
系基材の表面にNi2Al3の層が形成された場合に摺
動特性が向上するのは、M o S 2タイプのような
層状すべりによるものではなく、Ni2Al3の有する
Hv−約850という硬さに起因しているものと考えら
れる。
従って、表面にN12Ai30層が形成された摺動部材
は、潤滑油が存在する条件下で比較的軽加重のもとで使
用されることが好ましい一方、この摺動部材に優れた摺
動特性を発揮させるためには通常の硬質膜の場合と異な
って成る程度の層厚が必要である。つまり、通常の硬質
膜の場合にはCVD膜等に見られるように、数μmのオ
ーダーでも効果が認められるが、Ni2Al3の層の場
合には効果が認められるためには10〜数十μmの層厚
が必要である。
は、潤滑油が存在する条件下で比較的軽加重のもとで使
用されることが好ましい一方、この摺動部材に優れた摺
動特性を発揮させるためには通常の硬質膜の場合と異な
って成る程度の層厚が必要である。つまり、通常の硬質
膜の場合にはCVD膜等に見られるように、数μmのオ
ーダーでも効果が認められるが、Ni2Al3の層の場
合には効果が認められるためには10〜数十μmの層厚
が必要である。
このため、表面にNi2Al3の層を形成する摺動部材
の製造方法においては、どのようにすると鉄系基材の表
面に厚さ10μm以上のNi2Al3の層を形成できる
かということが重要な問題になる。
の製造方法においては、どのようにすると鉄系基材の表
面に厚さ10μm以上のNi2Al3の層を形成できる
かということが重要な問題になる。
そこで、近時、特開昭62−17167号公報に示され
るように、鉄系基材の表面にNiめっき層を形成した後
、この鉄系基材を、A1パック剤中に埋め込んだ状態で
不活性ガス雰囲気中における570〜680℃の温度下
で加熱処理する方法が提案されている。
るように、鉄系基材の表面にNiめっき層を形成した後
、この鉄系基材を、A1パック剤中に埋め込んだ状態で
不活性ガス雰囲気中における570〜680℃の温度下
で加熱処理する方法が提案されている。
(発明が解決しようとする課題)
このAlバック処理法によると、満足できるな厚さのN
i、2A13の層を形成することができる反面、Alバ
ック剤を準備しなければならないと共に、不活性ガス雰
囲気中で加熱処理しなければならない等、その処理方法
が煩雑である。
i、2A13の層を形成することができる反面、Alバ
ック剤を準備しなければならないと共に、不活性ガス雰
囲気中で加熱処理しなければならない等、その処理方法
が煩雑である。
そこで、簡易な方法によって鉄系基材の表面に前記のよ
うな厚さのNi2Al3の層を形成するために、本願発
明者は、鉄系基材の表面にNiめっき層を形成した後、
その表面にAlめっき層を形成し、その後、この鉄系基
材を所定の高温度下で熱処理することによりAlめっき
層中のAlをNiめっき層中に拡散させて、鉄系基材の
表面にN i 2 A l 3の化合物層を形成する方
法を考慮した。
うな厚さのNi2Al3の層を形成するために、本願発
明者は、鉄系基材の表面にNiめっき層を形成した後、
その表面にAlめっき層を形成し、その後、この鉄系基
材を所定の高温度下で熱処理することによりAlめっき
層中のAlをNiめっき層中に拡散させて、鉄系基材の
表面にN i 2 A l 3の化合物層を形成する方
法を考慮した。
ところが、この方法によると、鉄系基材の熱膨張係数が
約11×10−6であるのに対して、Alの熱膨張係数
が約21〜26X10’であって、両者の熱膨張係数が
大きく異なるため、熱処理時に鉄系基材の表面からAt
めっき層が剥離してしまう。このため、Alめっき層中
のAlがNiめっき層中に拡散しないので、鉄系基材の
表面に、均一で厚いNi2Al3の化合物層を安定して
形成することができなかった。
約11×10−6であるのに対して、Alの熱膨張係数
が約21〜26X10’であって、両者の熱膨張係数が
大きく異なるため、熱処理時に鉄系基材の表面からAt
めっき層が剥離してしまう。このため、Alめっき層中
のAlがNiめっき層中に拡散しないので、鉄系基材の
表面に、均一で厚いNi2Al3の化合物層を安定して
形成することができなかった。
前記に鑑みて、本発明は、表面にNiめっき層及びAl
めっき層が形成された鉄系基材を所定の高温度で熱処理
するにも拘らず、鉄系基材の表面に均一で厚いNi2A
l3の層を安定して形成することを目的とする。
めっき層が形成された鉄系基材を所定の高温度で熱処理
するにも拘らず、鉄系基材の表面に均一で厚いNi2A
l3の層を安定して形成することを目的とする。
(課題を解決するための手段)
前記の目的を達成するため、本発明は、表面にNiめっ
き層及びAlめっき層が形成された鉄系基材に対して、
化合物生成処理を行なう前に、予め所定の温度に保持し
てA1拡散処理を行うものである。
き層及びAlめっき層が形成された鉄系基材に対して、
化合物生成処理を行なう前に、予め所定の温度に保持し
てA1拡散処理を行うものである。
具体的に本発明の講じた解決手段は、鉄系基材の表面に
Niめっき層を形成した後、該Niめっき層の表面にA
lめっき層を形成し、その後、該鉄系基材を非酸化性雰
囲気にて250℃〜470℃の温度下に保持してAt拡
散処理を行ない、その後、該鉄系基材を500〜750
℃の温度下に保持することにより・化合物生成処理を行
なって、該鉄系基材の表面にNi2Al3の化合物層を
形成する構成とするものである。
Niめっき層を形成した後、該Niめっき層の表面にA
lめっき層を形成し、その後、該鉄系基材を非酸化性雰
囲気にて250℃〜470℃の温度下に保持してAt拡
散処理を行ない、その後、該鉄系基材を500〜750
℃の温度下に保持することにより・化合物生成処理を行
なって、該鉄系基材の表面にNi2Al3の化合物層を
形成する構成とするものである。
(作用)
前記の構成により、表面にNiめっき層及びAlめっき
層が形成された鉄系基材に対して所定温度によるAt拡
散処理が行なわれるので、Atめっき層中のAlはNi
めっき層中に拡散してNiAl3が生成され、その後の
所定温度による化合物生成処理によって、NiAl3中
のAlがNiめっき中に拡散してN1AL3がN i
2 A I 3に変換する。このように、Alめっき中
のAlから直接Ni2Al3を生成しないで、A1めっ
き層が剥離しない温度下に予め保持してNiAl3を生
成し、その後、高温下に保持してNiめっき層中のNi
Al3をN i 2 A l 3に変換させるので、高
温下で行われる化合物生成処理によってAlめっき層が
剥離してもN i 2 A 13の生成には影響がない
。
層が形成された鉄系基材に対して所定温度によるAt拡
散処理が行なわれるので、Atめっき層中のAlはNi
めっき層中に拡散してNiAl3が生成され、その後の
所定温度による化合物生成処理によって、NiAl3中
のAlがNiめっき中に拡散してN1AL3がN i
2 A I 3に変換する。このように、Alめっき中
のAlから直接Ni2Al3を生成しないで、A1めっ
き層が剥離しない温度下に予め保持してNiAl3を生
成し、その後、高温下に保持してNiめっき層中のNi
Al3をN i 2 A l 3に変換させるので、高
温下で行われる化合物生成処理によってAlめっき層が
剥離してもN i 2 A 13の生成には影響がない
。
(実施例)
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
まず、鉄系基材の表面にNiめっきを施して例えば30
μmのNiめっき層を形成した後、さらにAtめっきを
施して、Niめっき層の表面にAlめっき層を形成する
。
μmのNiめっき層を形成した後、さらにAtめっきを
施して、Niめっき層の表面にAlめっき層を形成する
。
この場合、Niめっき層の表面にAlめっき層を形成す
る理由は、めっき層の形成順序を逆にすると、後述のA
l拡散処理工程でのAlの拡散速度が速いので、Alめ
っき層中のAlの拡散によりAlめっき層中に多量のボ
アが発生してしまうためである。
る理由は、めっき層の形成順序を逆にすると、後述のA
l拡散処理工程でのAlの拡散速度が速いので、Alめ
っき層中のAlの拡散によりAlめっき層中に多量のボ
アが発生してしまうためである。
次に、Alめっき層が形成された鉄系基材を非酸化性雰
囲気、例えば真空状態若しくはArガス雰囲気中にて2
50℃〜470℃の温度下に保持してAl拡散処理を行
なう。この処理によって、Alめっき層のAlがNiめ
っき層中に拡散してNiAl3が生成される。
囲気、例えば真空状態若しくはArガス雰囲気中にて2
50℃〜470℃の温度下に保持してAl拡散処理を行
なう。この処理によって、Alめっき層のAlがNiめ
っき層中に拡散してNiAl3が生成される。
この場合、非酸化性雰囲気中で加熱する理由は次の通り
である。すなわち、酸化性雰囲気では、Alの酸化が急
激に進行し、A1のNiめつき層中への拡散速度よりも
Alの酸化速度の方が速くなってAlがAl2O3に変
化してしまうので、これを防止するためである。
である。すなわち、酸化性雰囲気では、Alの酸化が急
激に進行し、A1のNiめつき層中への拡散速度よりも
Alの酸化速度の方が速くなってAlがAl2O3に変
化してしまうので、これを防止するためである。
また、250℃〜470℃の温度下に保持する理由は、
250℃未満では、Alの拡散速度が極めて遅いのでA
l拡散処理に時間がかかり過ぎるためであり、470℃
超では、Alが鉄系基材の表面から剥離し始めるためで
ある。
250℃未満では、Alの拡散速度が極めて遅いのでA
l拡散処理に時間がかかり過ぎるためであり、470℃
超では、Alが鉄系基材の表面から剥離し始めるためで
ある。
この場合、前記のように、表面に厚さ30μmのNiめ
っき及びAlめっきを施した鉄系基材を、400℃、4
50℃、480℃及び500℃の温度下で保持してAl
めっき層の剥離テストをした結果、400℃及び450
℃の温度下ではまったく剥離せず、480℃の温度下で
は剥離した部位としない部位とが混在し、500℃の温
度下では全面に亘って剥離した。従って、Alめっき層
の剥離を確実に防止しつつ、且つ、短い時間で拡散処理
するためには450℃程度の温度下に保持することが好
ましい。
っき及びAlめっきを施した鉄系基材を、400℃、4
50℃、480℃及び500℃の温度下で保持してAl
めっき層の剥離テストをした結果、400℃及び450
℃の温度下ではまったく剥離せず、480℃の温度下で
は剥離した部位としない部位とが混在し、500℃の温
度下では全面に亘って剥離した。従って、Alめっき層
の剥離を確実に防止しつつ、且つ、短い時間で拡散処理
するためには450℃程度の温度下に保持することが好
ましい。
また、450℃の温度下に保持する場合の処理時間につ
いては15分以上が好ましい。その理由は次の通りであ
る。すなわち、後述の化合物生成処理によってN i
A 13はNi2Al3に変換するが、この場合、厚さ
8,5μmのNiAl3は厚さ10μmのN i 2
A 13に変換する。一方、450℃の温度下での処理
時間と、生成されるNi A I 3の厚さとの関係を
示す第1図によると、厚さ8.5μmのNiAl3を得
るためには0゜5 h r ”’つまり約15分が必要
である。従って、450℃の温度下に保持して10μm
のNi2Al3を得るために15分以上の処理時間が好
ましい。
いては15分以上が好ましい。その理由は次の通りであ
る。すなわち、後述の化合物生成処理によってN i
A 13はNi2Al3に変換するが、この場合、厚さ
8,5μmのNiAl3は厚さ10μmのN i 2
A 13に変換する。一方、450℃の温度下での処理
時間と、生成されるNi A I 3の厚さとの関係を
示す第1図によると、厚さ8.5μmのNiAl3を得
るためには0゜5 h r ”’つまり約15分が必要
である。従って、450℃の温度下に保持して10μm
のNi2Al3を得るために15分以上の処理時間が好
ましい。
次に、表面にN i A l 3が生成された鉄系基材
を500〜750℃の温度下で保持することにより化合
物生成処理を行なう。この処理によって、NiAl3中
のAlがNiめつき層中に拡散してN i A l 3
はNi2Al3に変換するので、鉄系基材の表面にNi
2Al3の化合物層が形成される。
を500〜750℃の温度下で保持することにより化合
物生成処理を行なう。この処理によって、NiAl3中
のAlがNiめつき層中に拡散してN i A l 3
はNi2Al3に変換するので、鉄系基材の表面にNi
2Al3の化合物層が形成される。
この場合、500〜750℃の温度下で保持する理由は
次のとおりである。すなわち、500℃未満はN i
A 13の安定した領域であって、NiAl3中のAl
がNiめっき中に殆ど拡散せず、NiAl3がNi2A
l3に変換しないためであり、750℃超では、N i
A l 3中のAlの拡散速度が速く、Ni2Al3
の代わりにNiA1が生成されてしまうためである。従
って、Ni2Al3の安定領域である500〜750℃
の温度下で保持することが好ましい。
次のとおりである。すなわち、500℃未満はN i
A 13の安定した領域であって、NiAl3中のAl
がNiめっき中に殆ど拡散せず、NiAl3がNi2A
l3に変換しないためであり、750℃超では、N i
A l 3中のAlの拡散速度が速く、Ni2Al3
の代わりにNiA1が生成されてしまうためである。従
って、Ni2Al3の安定領域である500〜750℃
の温度下で保持することが好ましい。
また、この化合物生成処理の時間については、700℃
の温度下で保持する場合には4分以上が好ましい。その
理由は、700℃の温度下における処理時間と、形成さ
れるNi2Al3の厚さとの関係を示す第2図に示され
るように、厚さ10μmのN i 2 A l 3を得
るためには0.25hr1/2つまり約4分が必要なた
めである。
の温度下で保持する場合には4分以上が好ましい。その
理由は、700℃の温度下における処理時間と、形成さ
れるNi2Al3の厚さとの関係を示す第2図に示され
るように、厚さ10μmのN i 2 A l 3を得
るためには0.25hr1/2つまり約4分が必要なた
めである。
以下、本発明の具体例を第3図の熱処理パターン図に基
づいて説明する。
づいて説明する。
まず、545Cの鉄系基材を準備し、この鉄系基材の表
面にNiめっきを施して厚さ30μmのNiめっき層を
形成した後、さらにAlめっきを施して、Niめっき層
の表面に厚さ30μmのAlめっき層を形成した。
面にNiめっきを施して厚さ30μmのNiめっき層を
形成した後、さらにAlめっきを施して、Niめっき層
の表面に厚さ30μmのAlめっき層を形成した。
次に、室温から3℃/分の昇温速度で300℃になるま
で加熱し、300℃の温度に120分間保持してAl拡
散処理を行なった。その後、5℃7分の昇温速度で55
0になるまで加熱し、550の温度下に90分間保持し
て化合物生成処理を行なった。
で加熱し、300℃の温度に120分間保持してAl拡
散処理を行なった。その後、5℃7分の昇温速度で55
0になるまで加熱し、550の温度下に90分間保持し
て化合物生成処理を行なった。
このようにして得た摺動部材の金属組織は第5図の顕微
鏡写真(倍率400倍)に示すとおりであって、鉄系基
材1の表面にNiめつき層2が形成され、Niめっき層
2の表面にNi2Al3の化合物層3が形成され、この
化合物層3の表面にNiAl3よりなるAlリッチ層4
が薄く形成されている。なお、最表面に形成されていた
Atめっき層は剥離して残存していないと共に、Alリ
ッチ層4は脆いので使用時に速やかに脱落してしまうの
で特に問題はない。
鏡写真(倍率400倍)に示すとおりであって、鉄系基
材1の表面にNiめつき層2が形成され、Niめっき層
2の表面にNi2Al3の化合物層3が形成され、この
化合物層3の表面にNiAl3よりなるAlリッチ層4
が薄く形成されている。なお、最表面に形成されていた
Atめっき層は剥離して残存していないと共に、Alリ
ッチ層4は脆いので使用時に速やかに脱落してしまうの
で特に問題はない。
以下、本発明を評価するために行なった比較例について
第4図の熱処理パターン図に基づいて説明する。
第4図の熱処理パターン図に基づいて説明する。
具体例と同様に、545Gの鉄系基材を準備し、この鉄
系基材の表面に厚さ30μmのNiめつき層及びA1め
っき層を形成した。
系基材の表面に厚さ30μmのNiめつき層及びA1め
っき層を形成した。
次に、室温から3℃/分の昇温速度で550℃になるま
で加熱し、550℃の温度下に30分間保持して、Al
拡散処理を行わずに直ちに化合物生成処理を行なった。
で加熱し、550℃の温度下に30分間保持して、Al
拡散処理を行わずに直ちに化合物生成処理を行なった。
このようにして得た摺動部材の金属組織は第6図の顕微
鏡写真(倍率400倍)で示すとおりであって、鉄系基
材1の表面にNiめっき層2が形成され、Niめっき層
2の表面にNi2Al3の化合物層3が薄く形成され、
この化合物層3の表面にN i A 13よりなるA1
リッチ層4が薄く形成されている。
鏡写真(倍率400倍)で示すとおりであって、鉄系基
材1の表面にNiめっき層2が形成され、Niめっき層
2の表面にNi2Al3の化合物層3が薄く形成され、
この化合物層3の表面にN i A 13よりなるA1
リッチ層4が薄く形成されている。
第5図及び第6図の顕微鏡写真から明らかなように、具
体例の摺動部材は比較例のものに比べて、Ni2Al3
の化合物層3が極めて厚く形成されており、化合物生成
処理の前に、所定温度でAl拡散処理を行なったことに
伴う効果が示されている。
体例の摺動部材は比較例のものに比べて、Ni2Al3
の化合物層3が極めて厚く形成されており、化合物生成
処理の前に、所定温度でAl拡散処理を行なったことに
伴う効果が示されている。
(発明の効果)
以上説明したように、本発明にかかる摺動部材の製造方
法によると、表面にNiめっき層及びA1めっき層が形
成された鉄系基材に対して、予め低温でAl拡散処理を
行なった後、高温での化合物生成処理を行なってNi2
Al3を生成するため、Ni2 A13の生成に必要な
AlはNiAl3から得られるので、高温での処理時に
Alめっき層が剥離してもNi2Al3の生成には影響
がない。このため、本発明によると、鉄系基材を高温で
熱処理してN i 2 A 13を生成させるにも拘ら
ず、均一で厚いNi2Al3の化合物層を安定して形成
することができる。
法によると、表面にNiめっき層及びA1めっき層が形
成された鉄系基材に対して、予め低温でAl拡散処理を
行なった後、高温での化合物生成処理を行なってNi2
Al3を生成するため、Ni2 A13の生成に必要な
AlはNiAl3から得られるので、高温での処理時に
Alめっき層が剥離してもNi2Al3の生成には影響
がない。このため、本発明によると、鉄系基材を高温で
熱処理してN i 2 A 13を生成させるにも拘ら
ず、均一で厚いNi2Al3の化合物層を安定して形成
することができる。
第1図はAl拡散処理における処理時間とNiA1.の
厚さとの関係を示す図、第2図は化合物生成処理での処
理時間とNi2Al3の厚さとの関係を示す図、第3図
は具体例における熱処理パターン図、第4図は比較例に
おける熱処理パターン図、第5図は具体例の方法によっ
て得た摺動部材の金属組織を示す顕微鏡写真、第6図は
比較例の方法によって得た摺動部材の金属組織を示す顕
微鏡写真である。 1・・・鉄系基材 2・・・Niめっき層 3・・・N i 2 A 13の化合物層ほか2名 らビ、]1;’ 1・・・鉄系基材 2・・・Niめっき層 3・・・Ni2 の化合物層 時 間 第 図 時 間 第 図 時 間 (h r1/り 第 図 時 間 (hr’2) 第 図
厚さとの関係を示す図、第2図は化合物生成処理での処
理時間とNi2Al3の厚さとの関係を示す図、第3図
は具体例における熱処理パターン図、第4図は比較例に
おける熱処理パターン図、第5図は具体例の方法によっ
て得た摺動部材の金属組織を示す顕微鏡写真、第6図は
比較例の方法によって得た摺動部材の金属組織を示す顕
微鏡写真である。 1・・・鉄系基材 2・・・Niめっき層 3・・・N i 2 A 13の化合物層ほか2名 らビ、]1;’ 1・・・鉄系基材 2・・・Niめっき層 3・・・Ni2 の化合物層 時 間 第 図 時 間 第 図 時 間 (h r1/り 第 図 時 間 (hr’2) 第 図
Claims (1)
- (1)鉄系基材の表面にNiめっき層を形成した後、該
Niめっき層の表面にAlめっき層を形成し、その後、
該鉄系基材を非酸化性雰囲気にて250℃〜470℃の
温度下に保持してAl拡散処理を行ない、しかる後、該
鉄系基材を500〜750℃の温度下に保持することに
より化合物生成処理を行なって該鉄系基材の表面にNi
_2Al_3の化合物層を形成することを特徴とする摺
動部材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10413289A JPH02282465A (ja) | 1989-04-24 | 1989-04-24 | 摺動部材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10413289A JPH02282465A (ja) | 1989-04-24 | 1989-04-24 | 摺動部材の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02282465A true JPH02282465A (ja) | 1990-11-20 |
Family
ID=14372584
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10413289A Pending JPH02282465A (ja) | 1989-04-24 | 1989-04-24 | 摺動部材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH02282465A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6090228A (en) * | 1996-05-31 | 2000-07-18 | Samsung Heavy Industries Co., Ltd. | Anticorrosive treatment method for a separator of molten carbonate fuel cell |
JP2013173997A (ja) * | 2012-02-27 | 2013-09-05 | Ihi Corp | 拡散層付き金属材料ならびにその製造方法 |
DE102012010602A1 (de) * | 2012-05-30 | 2013-12-05 | Dechema-Forschungsinstitut | Verfahren zum Beschichten eines kobalt-, nickel- und/oder eisenhaltigenSubstrats mit einer korrosionsbeständigen Schicht |
-
1989
- 1989-04-24 JP JP10413289A patent/JPH02282465A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6090228A (en) * | 1996-05-31 | 2000-07-18 | Samsung Heavy Industries Co., Ltd. | Anticorrosive treatment method for a separator of molten carbonate fuel cell |
JP2013173997A (ja) * | 2012-02-27 | 2013-09-05 | Ihi Corp | 拡散層付き金属材料ならびにその製造方法 |
DE102012010602A1 (de) * | 2012-05-30 | 2013-12-05 | Dechema-Forschungsinstitut | Verfahren zum Beschichten eines kobalt-, nickel- und/oder eisenhaltigenSubstrats mit einer korrosionsbeständigen Schicht |
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