JPH0227963B2

JPH0227963B2 -

Info

Publication number: JPH0227963B2
Application number: JP59231637A
Authority: JP
Inventors: Shinkichi Hatae; Kazuo Nakajima
Original assignee: Sansho Pharmaceutical Co Ltd
Current assignee: Sansho Pharmaceutical Co Ltd
Priority date: 1984-11-01
Filing date: 1984-11-01
Publication date: 1990-06-20
Also published as: ZA862818B; JPS61109705A; EP0241572A1; IN165206B; BR8601848A; US4847074A; AU587611B2; AU5609286A

Description

【発明の詳細な説明】

〔産業上の利用分野〕本発明はコウジ酸配合化粧料製品の着色安定性
を増し、しかもコウジ酸の色白効果を増強した色
白化粧料に関するものである。〔従来の技術〕コウジ酸はアスペルギルス属などの菌株を培養
して得られる５−オキシ−２−オキシメチル−ｒ
−ピロンである。そして、この化合物はチロジナ
ーゼ活性阻害作用を有し、この作用を利用して、
コウジ酸を有効成分とする色白化粧料は開示され
ている。特公昭56−18569号公報、特開昭53−
3538号公報。〔発明が解決しようとする問題点〕コウジ酸を有効成分とする色白化粧料におい
て、コウジ酸を化粧料基剤と配合して化粧料とす
る場合特にクリームなどを製造する時高温もしく
は曝光条件下でコウジ酸が黄褐色に着色し、その
着色度が時間の経過と共に増大する傾向がある。
従つて商品としての価値を低下する欠点となつて
いる。〔問題点を解決するための手段〕本発明者らはコウジ酸の着色性、特に経時的に
着色が増大する現象を防止する目的でコウジ酸を
サイクロデキストリンと共に化粧料基剤と配合、
特にコウジ酸をサイクロデキストリンにより包接
したものを配合した場合、着色性は著しく改善さ
れるばかりでなく、コウジ酸の色白効果も増強さ
れることを見い出した。本発明はサイクロデキストリンとコウジ酸を配
合してなる着色性がなく、しかも色白効果を増強
した色白化粧料である。本発明に用いるコウジ酸はアスペルギルス属、
ペニシリウム属、グルコノバクター属などの菌に
より得られる公知の化合物である。コウジ酸と併用するサイクロデキストリンは
α，β，γ−サイクロデキストリン及びメチルサ
イクロデキストリンが用いられるが、特にβ−サ
イクロデキストリンが好適である。本発明に用いるサイクロデキストリンはコウジ
酸と共にコウジ酸１重量部に対して約10〜0.5重
量部、好適には約４〜５重量部使用する。なお、コウジ酸はサイクロデキストリンで包接
して配合してもよい。コウジ酸を包接化するにはサイクロデキストリ
ンを水中に分散せしめ、これにコウジ酸を徐々に
添加しながら撹拌し、両者を完全に溶解し、包接
化コウジ酸を得る。本発明に使用する包接化コウ
ジ酸は、かくして得られたものを凍結乾燥したも
のでもよい。この場合サイクロデキストリンに対するコウジ
酸の量はサイクロデキストリン10重量部に対しコ
ウジ酸１に対してサイクロデキストリン10〜0.5
重量部で好適にはコウジ酸１に対してサイクロデ
キストリン４重量部である。本発明はコウジ酸及
びサイクロデキストリンを別々に又は包接化して
通常の化粧料基剤に配合して、化粧水、クリー
ム、乳液、パツクなどの皮膚化粧料とする。これ
らの化粧料基剤に配合するコウジ酸又は包接化コ
ウジ酸の配合量は、コウジ酸として0.01〜２％
（重量）である。例えば、化粧水においては、精製水にグリセリ
ンのような保湿剤、皮膚栄養剤等を溶解し、防腐
剤、香料等をアルコールに溶解し、両者を混合し
て室温下で可溶化する一般の化粧料の製造におい
て、水相部にサイクロデキストリン及びコウジ酸
又は包接化コウジ酸をコウジ酸として0.01〜２％
（重量）になるように加えて化粧水とする。クリームにおいては、精製水に親水性成分例え
ばグリセリン、ソルビツト等の保湿剤を加えて水
相部とし、ミツロウ、パラフイン、マイクロクリ
スタリンワツクス、セレシン、高級脂肪酸、硬化
油等の固形油分、ワセリン、ラノリン、グリセリ
ド等の半固形油分、それにスクワラン、流動パラ
フイン、各種エステル油等の液状油分に防腐剤、
界面活性剤等の油性成分を添加して油相部を調製
する。このようにして得られた水相部を加温し
て、ゆるやかに撹拌しつつ、同温度に加温された
油相部を徐々に加えて乳化してクリームとする一
般的なクリームの製造において、水相部にサイク
ロデキストリン及びコウジ酸又は包接化コウジ酸
をコウジ酸として0.01〜２％（重量）になるよう
加えてクリームとする。乳液においては、精製水にグリセリン等の保湿
剤、酸又はアルカリのpH調整剤等を加え加熱混
合してエタノールを加え水相部とし、ミツロウ、
パラフイン等の固形油分、ワセリン、ラノリン等
の半固形油分、スクワラン、流動パラフイン、各
種エステル油等の液状油分に、防腐剤、界面活性
剤等の油性成分を添加調製して混合加熱し油相部
とし、油相部を水相部に加えて予備乳化を行い、
これにカルボキシビニルポリマー、カルボキシメ
チルセルロース等の保護コロイド剤を加え、ホモ
ミキサーで均一に乳化して乳液とする一般の乳剤
の製造において、水相部にサイクロデキストリン
及びコウジ酸又は包接化コウジ酸をコウジ酸とし
て0.01〜２％（重量）になるように水相部に加え
て乳液とする。パツクにおいては、精製水にグリセリン等の保
湿剤、ポリビニルアルコール、ビーガム等の皮膜
剤等を加えて膨潤させ、これに必要があればカオ
リン、タルク、酸化亜鉛等の粉末を加え、香料、
防腐剤等を溶解したエタノールを加えてペースト
状となるまで混練する一般のパツクの製造におい
て、サイクロデキストリン及びコウジ酸又は包接
化コウジ酸をコウジ酸として0.01〜２％（重量）
になるよう加えてパツクとする。次に本発明の有効成分である包接化コウジ酸の
製造例を示す。製造例 β−サイクロデキストリン0.5〜４重量部に精
製水1.5〜12重量部を加え、ゆるやかに撹拌する。
次にコウジ酸１重量部を加え均一になるまで充分
撹拌し包接化コウジ酸を得る。かくして得られた包接化コウジ酸を凍結乾燥す
る。〔実施例〕例１クリーム 20％包接化コウジ酸 5.0％（重量）ミツロウ 6.0 〃セタノール 5.8 〃還元ラノリン 8.0 〃スクワラン 30.0 〃脂肪酸グリセリン 4.0 〃親油型モノステアリン酸グリセリン
2.0 〃ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸
エステル 2.0 〃プロピレングリコール 5.0 〃香料適量防腐剤〃酸化防止剤〃精製水 37.20％（重量）例２クリームコウジ酸 1.0％（重量） βサイクロデキストリン 4.0 〃ミツロウ 6.0 〃セタノール 5.8 〃還元ラノリン 8.0 〃スクワラン 30.0 〃脂肪酸グリセリン 4.0 〃親油型モノステアリン酸グリセリン
2.0 〃ポリオキシエチレンソルビタンモノラウリン酸
エステル 2.0 〃香料適量防腐剤〃酸化防止剤〃精製水 37.20％（重量）例３乳液 30％包接化コウジ酸 2.5％（重量）スクワラン 5.0 〃ワセリン 2.0 〃ミツロウ 0.5％〃ソルビタンセスキオレイン酸エステル
0.8 〃ポリオキシエチレンオレイルエーテル
1.2 〃プロピレングリコール 5.0 〃エタノール 5.0 〃カルボキシビニルポリマー（１％水溶液）
20.0 〃水酸化カリウム 0.1 〃香料適量防腐剤、酸化防止剤〃精製水 57.90％（重量）例４乳液コウジ酸 0.75％（重量） β−サイクロデキストリン 1.75 〃スクワラン 5.0 〃ワセリン 2.0 〃ミツロウ 0.5 〃ソルビタンセスキオレイン酸エステル
0.8％〃ポリオキシエチレンオレイルエーテル
1.2 〃プロピレングリコール 5.0 〃エタノール 5.0 〃カルボキシビニルポリマー（１％水溶液）
20.0 〃水酸化カリウム 0.1 〃香料適量防腐剤、酸化防止剤〃精製水 57.90％（重量）例５パツク 50％包接化コウジ酸 1.0％（重量）ビーガム 5.0 〃スクワラン 2.0 〃プロピレングリコール 5.0 〃酸化亜鉛 10.0 〃カオリン 10.0 〃エタノール 5.0 〃香料適量防腐剤適量精製水 62.0％（重量）例６パツクコウジ酸 0.5％（重量） β−サイクロデキストリン 0.5 〃ビーガム 5.0 〃スクワラン 2.0 〃プロピレングリコール 5.0 〃酸化亜鉛 10.0 〃カオリン 10.0 〃エタノール 5.0 〃香料適量〃防腐剤〃精製水 62.0％（重量）例７化粧水 40％包接化コウジ酸 2.0％（重量）クエン酸 0.4 〃炭酸カルシウム 0.2 〃エタノール 5.0 〃プロピレングリコール 9.0 〃精製水 82.4 〃香料及び防腐剤適量例８化粧水コウジ酸 0.5％（重量） β−サイクロデキストリン 1.5 〃クエン酸 0.4 〃炭酸カルシウム 0.2 〃エタノール 5.0 〃プロピレングリコール 9.0 〃精製水 82.4 〃香料及び防腐剤適量〔発明の効果〕１本発明の色白化粧料の有効成分であるサイク
ロデキストリン及びコウジ酸又は包接化コウジ
酸の着色防止試験 (1) 試料Ａ製法例により製造した20％包接化コウジ
酸５％（重量）〔コウジ酸として１％（重
量）〕配合したクリーム。Ｂ製造例により製造したコウジ酸１％、β−
サイクロデキストリン４％配合したクリー
ム。Ｃコウジ酸１％（重量）配合したクリー
ム。 (2) 試験方法試料Ａ，Ｂ及びＣを45℃で２カ月間放置後
日本電色(株)の色差計Ｚ−1001DPを使用して、
標品として５℃で保存した１％コウジ酸配合
クリームを用い、Ｌ（明るさ）、ａ（赤味）、ｂ
（黄色味）及びΔE（色差）を測定した。 (3) 試験結果試験結果は下記表１の通りであつた。

【表】表１の結果より明らかな通り、本発明の化
粧料(A)及び(B)はコウジ酸を単独で配合した化
粧料(C)よりも着色度が顕著に少ない。２本発明の色白化粧料の有効成分であサイクロ
デキストリン及びコウジ酸又は包接化コウジ酸
の培養色素細胞による脱色試験。 (1) 試料Ａ：コウジ酸Ｂ：製造例により製造された20％包接化コウ
ジ酸Ｃ：コウジ酸＋β−サイクロデキストリンＤ：β−サイクロデキストリン (2) 試験方法シヤーレ１枚につき４×10⁴個のマウスメ
ラノーマB16細胞（以下B16細胞と称す）を
まき込み、10％牛胎児血清を添加したイーグ
ルMEM培地を用いて、この培地に(1)コウジ
酸濃度2.5mMとなるように添加（試験区
Ａ）、(2)製造例により製造された20％包接化
コウジ酸をコウジ酸として2.5mMとなるよ
うに換算して添加（試験区Ｂ）、(3)試験区Ｂ
に使用したコウジ酸及びβ−サイクロデキス
トリン相当量を各々添加（試験区Ｃ）、(4)β
−サイクロデキストリンデキストリンを試験
区Ｂに使用した包接化コウジ酸のβ−デキス
トリン相当量添加（試験区Ｄ）、(5)無添加
（試験区Ｅ）の各試料を５％CO₂、95％空気
中、37℃で６日間培養し、トリプシン処理
し、後遠心（2000rpm、５分間）を行い、細
胞ペレツトを作製し、各試験区の黒色度を肉
眼的に比較した。 (3) 試験結果試験区Ａは試験区Ｅ（対照）に比し中等度
の褪色を示した。試験区Ｂ及びＣは明らかな褪色を示し、そ
の程度は試験区Ａよりも強く、ペレツトの色
は白〜淡黄色であつた。試験区Ｄに褪色は認められなかつた。以上の観察の結果より、本発明の化粧料の有効
成分であるサイクロデキストリン及びコウジ酸又
は包接化コウジ酸はコウジ酸単独よりも顕著なメ
ラニン生成阻止効果を現わすものである。

Claims

【特許請求の範囲】１サイクロデキストリンとコウジ酸を配合して
なることを特徴とする色白化粧料。２サイクロデキストリンで包接されたコウジ酸
を配合してなる特許請求の範囲第１項記載の色白
化粧料。