JPH0227443B2 - Koshushukuseinonannenakurirukeigoseiseni - Google Patents

Koshushukuseinonannenakurirukeigoseiseni

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JPH0227443B2
JPH0227443B2 JP2541083A JP2541083A JPH0227443B2 JP H0227443 B2 JPH0227443 B2 JP H0227443B2 JP 2541083 A JP2541083 A JP 2541083A JP 2541083 A JP2541083 A JP 2541083A JP H0227443 B2 JPH0227443 B2 JP H0227443B2
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flame
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polyurethane
retardant acrylic
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Yoshikazu Kondo
Toshihiro Yamamoto
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Kanebo Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は高収縮性の難燃アクリル系合成繊維に
関する。難燃アクリル系合成繊維は難燃性、自己
消火性という性能上の大きな優位性の為に建寝
装・インテリア、衣料、産業資材とあらゆる分野
に必要とされ、又、局住空間の安全性の確保とい
う社会的ニーズにもこたえうる繊維である。 一方難燃アクリル系繊維はその殆んどがモダク
リル系繊維であり製品の腰感、バルキー性、ヘタ
リ等の性能において通常のポリアクリロニトリル
系繊維に及ばず上述した大きな期待、ニーヅがあ
るにもかかわらず量的には未だ十分使用されてい
る状況ではない。こういう欠点が克服出来ればよ
り多くの分野で使用されるようになり、社会・国
家へ十分貢献できるものと確信する。 そこで難燃アクリル系繊維製品において上記欠
点の改良の一方法として他の物性的にすぐれた繊
維、例えばナイロンやポリエステルやポリアクリ
ロニトリル系繊維等を混紡して使用する事が一般
に行なわれているが、混紡により加工工程の増加
や染色性の低下、風合いの変化、難燃性の低下な
どの不都合な点が新たに生じてくる。難燃アクリ
ル系繊維単独での製品にバルキー性、腰感、及び
ヘタリ等の改良を行なう為には、同等の難燃性を
有した収縮綿が必要である。更に近年、加工方
法、加工技術の進歩や新商品開発の必要性により
レギユラー繊維に高収縮タイプの繊維を混合し特
殊風合い糸、ハイバルキー糸、特殊パイル物や人
工獣毛製品等が数多く作られるようになり高度の
収縮性を有した難燃アクリル系合成繊維の必要性
は非常に高まつている。しかし収縮率が少なくと
も30%ありかつ十分な品質を備えた高収縮性難燃
アクリル系合成繊維は従来のレギユラーの難燃ア
クリル系合成繊維の組成では製造不可能である。
これまで高収縮性の難燃アクリル系合成繊維に関
する提案は殆んどなされていない。これは実用に
供している難燃アクリル系合成繊維の用途におい
て高収縮性が必要なかつた事及びそれ自体ある程
度の収縮性は有している事及び繊維の耐熱性、形
態安定性が小さく、更に高度の収縮率を与えよう
とすれば耐熱性、形態安定性の大きな低下はいう
までもなく、製造工程での条件の困難さ、トラブ
ルの増大等による生産性、品質の低下という製造
上の問題や光沢、染色性、強度、柔軟性という重
要な商品性能の低下があるなど等実用性に欠けて
いた為と思われる。 特開昭55−163207号公報では互いに非相溶のア
クリロニトリル系重合体40〜60重量部と難燃アク
リル系重合体60〜40重量部との混合物を紡糸する
事により20%以上、好ましくは30%以上の収縮率
を有する難燃アクリル系合成繊維を提示している
が、本発明者らの知見ではこういう大きな比率の
混合重合体の紡糸では両者の相分離が極めて著し
くなり耐熱性の低下及びボイドの発生及びそれに
よる繊維の膠着の増大及び操業性や染色性、強度
といつた品質の低下をもたらし実用的に使用しう
る繊維は得られなかつた。 特公昭54−33291号公報や特公昭54−40655号公
報ではアクリロニトリルと塩化ビニル、塩化ビニ
リデン、臭化ビニル又は臭化ビニリデンとより可
塑性の高いハロゲン含有モノマーの三元或いは四
元共重合体を提示しているが高度の収縮性、難燃
性及び良好な品質例えば光沢、染色性、風合い、
耐熱性等を兼ね備えている繊維は得られていな
い。 以上述べたようにこれまで高度の収縮性を有し
かつ難燃アクリル系合成繊維の特長である染色
性、柔軟な感触及び暖かで豊かな風合いを兼ね備
えた高収縮性の難燃アクリル系合成繊維は得られ
ていない。 本発明者らは鋭意検討の結果本発明に到達し
た。本発明の目的とするところは非常に大きな収
縮率を有しかつ難燃アクリル系合成繊維の本来有
する優れた特性を兼ね備えた高収縮性の難燃アク
リル系合成繊維を提供するにある。 本発明はハロゲン含有モノマーを30〜60重量%
含有する難燃アクリル系重合体50〜95重量部とポ
リウレタン50〜5重量部とよりなり且つハロゲン
含有モノマーとポリウレタンとの総量が少なくと
も38重量部であり、該ポリウレタンが繊維軸方向
に筋状に分散した収縮率が30%以上を有する高収
縮性の難燃アクリル系合成繊維である。 難燃アクリル系重合体は良好な難燃性、強伸度
及び柔軟性等を有する為にハロゲン含有モノマー
を30〜60重量%、好ましくは35〜50重量%、更に
好ましくはハロゲン含有モノマー35〜50重量%及
び染色性基含有モノマーを0.5〜3.5重量%含有す
る。ハロゲン含有モノマーが30重量%未満では繊
維の難燃性が不十分であり、又60重量%を越える
と繊維の耐熱性が著しく低下し繊維製造工程での
生産性の低下及び繊維の着色、膠着や染色性の低
下など品質の低下が大きく避けなければならな
い。 ハロゲン含有モノマーは塩化ビニル、塩化ビニ
リデン、臭化ビニル、臭化ビニリデン等が一般的
なものであるが、取扱い性、難燃アクリル系重合
体の品質等を考慮すると塩化ビニリデン若しくは
塩化ビニリデンを主体としたものが好ましい。 染色性基モノマーはアリルスルホン酸ナトリウ
ム、メタリルスルホン酸ナトリウム、スチレンス
ルホン酸ナトリウム及び2−アクリルアミド−2
−メチルプロピルスルホン酸ナトリウム等があり
単独で或いは混合して使用する。 本発明で使用するポリウレタンは通常のものが
使用されるが例えばポリウレタンは、ポリエステ
ル型、ポリエーテル型、ポリエステルエーテル
型、ポリエステルアミド型およびポリチオエーテ
ル型ポリウレタンがあげられ具体的にはエチレン
グリコール、プロピレングリコール、ブチレング
リコール、ヘキサメチレングリコール、1−4−
シクロヘキシルグリコール、P−キシレングリコ
ール、またはビスフエノール−Aとアジピン酸、
スベリン酸、セバチン酸、テレフタル酸、イソフ
タル酸または−ラクトン等からなるポリエステ
ル、アジピン酸−ジエタノールアミドまたはテレ
フタル酸−ビス−プロパノールアミドおよび前述
のジカルボン酸類とからできるポリエステルアミ
ド、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、1・4−フエニレン−ビスオキシエチルエ
ーテルまたは2−2′−ジフエニルプロパン−4・
4−ビスオキシエチルエーテル及び前述のジカル
ボン酸類とを原料とするポリエステルエーテル、
エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テ
トラヒドロフランからなるポリエーテル、チオジ
グリコールなどのポリチオエーテル類など分子量
200〜3000の末端水酸基を有する線状重合体を有
機ジイソシアネート例えば1−3−フエンレンジ
イソシアネート、1−4−フエニレンジイソシア
ネート、2−4−トリレンジイソシアネート、
4・4′−ジフエニルメタンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、キシレンジイソ
シアネートまたは1・5−ナフチレンジイソシア
ネートと2価アルコールの鎖延長剤と共に公知の
重合方法で反応せしめたポリウレタン系重合体で
ある。 ポリウレタンの重合度は重合体濃度20重量%の
ジメチルホルムアミド溶液の20℃の粘度が20ボア
ズ以上が好ましい。又、ポリウレタンの弾性率は
100%伸長時の初期弾性率として40Kg/cm2以上の
ものが好ましい。 ポリウレタンの使用量が比較的多くなると例え
ば繊維中10〜20重量部以上になると繊維の難燃性
が低下してくるがその場合はポリウレタン或いは
難燃アクリル系重合体にトリクレジルホスフエー
ト等のリン酸エステル型難燃剤やポリホスフエー
ト、トリス(2.3−クロロプロピル)ホスフエー
ト、トリス(2−クロロプロピル)ホスフエー
ト、トリス(クロロエチル)ホスフエート等のハ
ロゲン化リン酸エステル型難燃剤や酸化アンチモ
ン、塩化アンチモン等のアンチモン系難燃剤及び
他の臭素系難燃剤を配合したり又はポリウレタン
のモノマーの一成分として含リンポリオール等の
難燃性モノマーを使用したりする事により難燃性
の低下は防ぐ事が出来る。 難燃アクリル系重合体とポリウレタンは混合溶
液状態で混和性は有するが相溶性は有しないもの
が必要である。難燃アクリル系重合体とポリウレ
タンの相溶性が大であれば両者は大きな混合比に
おいても十分均質な溶液となり新たな分子の配置
構造をとるようになり、それは繊維の耐熱性の低
下や強度の低下、弾性、剛性の低下及び染色性の
低下等をひきおこす。混和性は有するが相溶性の
ないものを混合する事により初べて巾広い混合比
率の範囲で良好な品質を有した繊維を操業性、生
産性等を低下させる事なく製造出来るのである。 混和性を有するとは難燃アクリル系重合体とポ
リウレタンを混合する場合(例えば双方の溶液の
混合或いは片方の溶液へ他方の重合体の溶解混
合)においてゲル化又は凝集せず一方の成分が他
方の成分中によく分散、混合する事を示す。又相
溶性がないときは難燃アクリル系重合体にポリウ
レタンを混合させた場合肉眼による観察はもとよ
り顕微鏡観察(約600〜1000倍)においても混合
溶液が不均質である事或いは混合溶液から溶剤乾
固して得られたフイルムを延伸すると白化又は多
孔化が認められる事を示す。本発明繊維は難燃ア
クリル系重合体50〜95重量部とポリウレタン50〜
5重量部、好ましくは難燃アクリル系重合体60〜
95重量部とポリウレタン40〜5重量部、更に好ま
しくは難燃アクリル系重合体65〜90重量部とポリ
ウレタン35〜10重量部とよりなる。 難燃アクリル系重合体が95重量部を越えポリウ
レタンが5重量部未満では収縮率が十分でない
か、或いは繊維の耐熱性、形態安定性が不良であ
る。又、難燃アクリル系重合体が50重量部未満で
ポリウレタンが50重量部を越えると繊維の強度の
急激な低下、染色性、剛性の低下が生じるばかり
か収縮率も飽和に達し避けるべきである。 繊維が十分な収縮率即ち30%以上の収縮率を有
しかつ良好な強度、伸度及び形態安定性を有する
為には繊維中の難燃アクリル系重合体中のハロゲ
ン含有モノマーとポリウレタンとの総量が少なく
とも38重量部、好ましくは40重量部必要である。
ハロゲン含有モノマーとポリウレタンとの総量が
38重量部未満では収縮率が十分でないか或いは形
態安定性が十分なものではない。 本発明繊維において何故十分な収縮率をもちか
つ、良好な形態安定性を有するという従来相反す
るとみられていた性能を合せもつかは定かではな
いが本発明繊維の形態、構造を十分観察すると、
難燃アクリル系重合体中にポリウレタンが相分離
して島状に分散して存在し、その島状のポリウレ
タンはアクリル繊維の紡出及び製造工程での延伸
によつて繊維軸方向に細長く通常短軸と長軸の比
が1:5以上、好ましくは1:10以上に伸びた形
態を有しておりこの伸びたポリウレタンは弾性重
合体である為に収縮しようとする大きなエネルギ
ーを有する。こういう状態の繊維が加熱されれ
ば、例えば沸とう水中に浸漬されれば難燃アクリ
ル系重合体の軟化、収縮しようとする力と、ポリ
ウレタンの収縮エネルギーが加算され通常の難燃
アクリル系合成繊維をはるかにしのぐ大きな収縮
性を示すものと思われる。 本発明繊維は水中或いは水蒸気中或いは空気中
で加熱する事によつて容易に収縮するが、沸とう
水中での収縮率が少なくとも30%必要であり、好
ましくは35%以上ある方がよい。収縮率が30%未
満では前述した高収縮綿としての性能が十分でな
く、又製品品質も十分でない。以上述べてきたよ
うに難燃アクリル系重合体を母体として、それと
非相溶であるポリウレタンを所定量混合使用する
事により、はじめて高度の収縮性を有しかつ良好
な耐熱性や形態安定性及び強度を有する難燃アク
リル系合成繊維を得る事が出来るのである。 次に本発明繊維の製造方法の一例を示して本発
明を更に詳しく説明していく。 難燃アクリル系重合体の製造はアクリロニトリ
ルと30〜60重量%のハロゲン含有モノマー及び必
要に応じ0.5〜3.5重量部の染色性基含有モノマー
を、水系乳化重合或いは溶液重合という公知の方
法にて重合し、残存モノマーを除去後、紡糸溶剤
へ溶解或いはそのまま紡糸原液とする工程が一般
にとりうるが、難燃アクリル系重合体はハロゲン
含有モノマーを大量に使用する為にプロセスの密
閉性、作業性という点で溶液重合の方が好まし
い。ハロゲン含有モノマーは塩化ビニリデン或い
は塩化ビニリデンを主体としたものがモノマーの
取扱い性及び繊維の耐熱性、耐候性という点で好
ましい。 紡糸原液の溶剤は通常ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド或
いはアセトン等の有機溶剤が使用される。特にジ
メチルホルムアミドが取扱い易さや回収の容易さ
の点で好ましい。紡糸原液の重合体濃度は通常15
〜35重量%、好ましくは20〜30重量%であり操業
性、生産性、コスト及び品質等より決められる。 ポリウレタンもジメチルホルムアミド中にて前
述したモノマーを用いて重合され重合体濃度20〜
40重量%の重合体溶液を得る。難燃アクリル系重
合体紡糸原液とポリウレタン重合体溶液とを、
各々重合体比率で50〜95重量部及び50〜5重量
部、好ましくは60〜95重量部及び40〜5重量部、
更に好ましくは65〜90重量部及び35〜10重量部混
合し紡糸原液をつくる。 混合する方法は公知のあらゆる方法が採用でき
る。但し混合比率が高い場合は混合後の紡糸原液
を長時間、特に加熱下で放置するとポリウレタン
の分散状態が凝集、巨大化し操業性の低下や品質
の低下を生じ好ましくない。 混合後の紡糸原液は通常の紡糸口金より凝固浴
中へ放出される。凝固浴は溶剤回収のコスト及び
回収プロセスの簡略化の為に紡糸原液の有機溶剤
と同じ有機溶剤の水溶液とするのが好ましく、有
機溶剤濃度は40〜70重量%、好ましくは50〜65重
量%であり温度は15〜35℃、好ましくは18〜28℃
とする。 紡糸原液を凝固浴中へ紡出し、凝固糸状は通常
溶剤濃度の順次低下する数槽の紡糸浴を通じて紡
糸延伸をうける。 紡糸延伸倍率は通常3倍以上、好ましくは4〜
10倍、更に好ましくは5〜8倍である。紡糸延伸
後50℃以上の水洗槽にて水洗し、前オイル付着後
ホツトローラー型或いは熱風乾燥機との併用の乾
燥機にて乾燥、焼きつぶしをうける。前オイルは
ポリウレタンの含有量が低い場合、例えば20〜30
重量部以下位では通常の難燃アクリル系合成繊維
に使用される油剤及び油剤付着量でよいがポリウ
レタン含有率が高い場合は乾燥工程にて幾分膠着
しやすい傾向にある為に、油剤も分繊性にすぐれ
たものや油剤付着量の増加等を考慮する必要があ
る。この乾燥工程では定長緊張乾燥よりも10%前
後の若干の収縮を行なわせた方が乾燥、焼きつぶ
し効果及び機械的な無理の防止等で好ましい。 通常のレギユラーアクリル繊維では乾燥前に一
次延伸を行なう方法が多く用いられているが高収
縮繊維の製造においては、乾燥後に一次延伸を行
なつた方が収縮性能、繊維の光沢や染色性という
点でより効果的である。 一次延伸は湿熱60〜110℃、好ましくは80〜100
℃であり、一次延伸倍率は難燃アクリル系重合体
中のハロゲン含有モノマーの量及び繊維中のポリ
ウレタンの含有率によつて異なつてくるが、収縮
性能、強度、光沢、染色性といつた繊維性能及び
操業性、生産性等より遅延伸領域に入る直前の延
伸倍率で行なう方がよい。一次延伸倍率と繊維性
能ここでは収縮率との関係をみると、延伸倍率の
低いところでは延伸倍率の増加とともに収縮率も
増大していくが延伸倍率がある倍率以上になると
収縮率が飽和に達したり、或いは逆に延伸倍率の
低下が生じる。この延伸倍率以上を過延伸領域と
呼ぶ。この過延伸領域では収縮率の飽和及び低下
はもちろんであるが繊維の強伸度の低下、染色性
の低下、単糸切れ等種々の欠点が発生してくる。 本発明の高収縮性の難燃アクリル系合成繊維は
ポリウレタンを5〜50重量部含有する為にこの過
延伸領域がポリウレタンを含有しない難燃アクリ
ル系合成繊維に比較してより高い所にありその為
に高収縮率が容易に達成できかつ生産性も高く、
又単糸切れやケバ等の品質低下も小さい。 乾燥焼きつぶしの後かつ一次延伸前に一度大き
な連続収縮例えば20〜50%の収縮を行ないその後
一次延伸を行なうという工程もとりうるが連続収
縮工程用の設備の必要性及び収縮に要するエネル
ギーコストが必要でありかつ繊維の収縮性能にも
特に大きな効果はなく本発明ではあえて採用する
必要はない。 一次延伸後の繊維は後オイル付着、機械クリン
プの付与を行ない100℃、好ましくは80℃以下の
温度で収縮が生じないよう乾燥し製品とする。 本発明繊維は高度の難燃性はもちろんである
が、非常に高い収縮率を有しかつ繊維の強度も十
分でありかつ形態安定性が優れており、又40%以
上という高い収縮率においても繊維の硬化、脆化
がみられず従来の高収縮繊維と比較してすぐれた
物性を有する。繊維製造の面においても製造工程
での全延伸倍率が従来の難燃アクリル系重合体よ
りも大きく出来る為に生産性の飛躍的向上があ
る。更にポリウレタンと難燃アクリル系重合体の
混合物よりなる繊維に於いて始めて発現されたシ
ツトリとした感触はこれまでに得られなかつた高
級獣毛の感触に類似したものである。 上述してきたように本発明繊維のもつ工業的意
義は極めて大きい。 以下具体例を示して本発明を具体的に説明す
る。実施例中の部、%は特に言及しないかぎり重
量部、重量%を示す。糸質測定はJISL−1074に
より行なつた。 難燃性は酸素指数(以下01と呼称)で表わし
た。OIの測定は繊維を51mmの繊維長にカツトし、
ハンドカードで解綿後、約0.5gの綿をとりこれ
を約25cmの長さに均一に伸ばし、加撚機にて40回
の撚りをかけて2つ折りにして撚り棒をつくりこ
れを窒素ガスと酸素ガスの混合ガス中にて撚り棒
の上端に接炎し、試料が5cmだけ燃焼する際の混
合ガス中の酸素ガス濃度で表わす。 酸素指数(O.I)=(酸素ガス/酸素ガス+窒素ガス)
×100 実施例 1 アクリロニトリル(以下ANと呼称);塩化ビ
ニリデン(以下VDCと呼称);アリルスルホン酸
ナトリウム=57:30:13(%)の組成を有する重
合体をジメチルホルムアミド(以下DMFと呼称)
にてアゾビスジメチルバレロニトリルを開始剤と
してオートクレーブ中で重合し作つた。この重合
体10部とAN28部VDC22部とをDMF50部に溶解
後パラトルエンスルホン酸亜鉛を少量添加し、ア
ゾビスジメチルバレロニトリルを開始剤に使いオ
ートクレーブ中にて9時間重合させ、AN:
VDC:アリルスルホン酸ナトリウム=57.2:
40.0:2.8(%)の組成を有する難燃アクリル系重
合体を得た。重合溶液はロータリーエバポレータ
ーにより真空蒸発させて未反応モノマーの除去を
行ないその後、水/DMF混合溶液を添加し重合
体濃度24.0%、水分率3.0%の難燃アクリル系重
合体溶液を得た。 次にポリウレタン溶液の製法を述べる。エチレ
ングリコール100部とメチレン−ビス(4−フエ
ニルイソシアネート)40部、トリレンジイソシア
ネート2部とを反応させイソシアネート末端を有
するウレタンプレポリマーを得た。このプレポリ
マーをDMF100部に溶解後、DMF1500部、メチ
ル−イミノ−ビスプロピルアミン2.5部、エチレ
ンジアミン9.5部及びジエタノールアミン1部よ
りなる溶液中に滴下、撹拌してその後ロータリー
エバポレーターにて重合体濃度20%まで濃縮し粘
調なポリウレタン溶液を得た。 難燃アクリル系重合体溶液とポリウレタン溶液
とを第1表に示す重合体比率となるようにプロペ
ラ型撹拌機にて混合撹拌して紡糸原液を得た。両
者の混合された紡糸原液は濁つており顕微鏡観察
によつて相分離している事が認められた。紡糸原
液は孔経0.06mm、孔数4000個の紡糸口金より
DMF:水=57:43(%)、15℃の凝固浴中へ紡出
された。紡出された糸条はDMF濃度が30%、15
%を順次低下する2個の浴中にて脱溶剤と5.0倍
の紡糸延伸を行ない70℃の水洗槽にて十分に水洗
し、前オイル槽にて油剤を付着した後120℃のホ
ツトローラー及び150℃の熱風を有する乾燥機に
て乾燥緻密化した。一次延伸は湿熱95〜100℃に
て第1表に示す倍率にて行なつた。一次延伸後、
後オイル付着、機械クリンプの付与後60〜70℃に
て温風乾燥後製品を得た。 製品の収縮率は繊維を51mmにカツトしよく解繊
後、ポリエステル製のネツトに入れて沸とう水中
で30分間の処理を行ない処理前後の繊維長より求
めた。表中の延伸倍率と収縮率は過延伸領域に入
る直前の延伸倍率とその時の収縮率を示す。
【表】 実施例 2 実施例1と同様に、VDC含有量の変化した難
燃アクリル系重合体溶液を作成した。尚アリルス
ルホン酸ナトリウムは2.8%含有している。ポリ
ウレタン溶液は実施例1のものを使用し、ポリウ
レタン/難燃アクリル系重合体=15/85(部)に
なるように混合し紡糸原液を調製した。紡糸〜后
処理条件は実施例1と同様に行ない製品を得た。 第2表記載の延伸倍率及び収縮率は過延伸領域
に入る直前の延伸倍率とその時の収縮率を示す。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ハロゲン含有モノマーを30〜60重量%含有す
    る難燃アクリル系重合体50〜95重量部とポリウレ
    タン50〜5重量部とよりなり、且つハロゲン含有
    モノマーとポリウレタンとの総量が少なくとも38
    重量部であり該ポリウレタンが繊維軸方向に筋状
    に分散した収縮率が30%以上を有する高収縮性の
    難燃アクリル系合成繊維。 2 難燃アクリル系重合体がハロゲン含有モノマ
    ーを35〜50重量%含有する特許請求の範囲第1項
    記載の繊維。 3 難燃アクリル系重合体がハロゲン含有モノマ
    ーを35〜50重量%、染色性基含有モノマーを0.5
    〜3.5重量%含有する特許請求の範囲第1項又は
    第2項記載の繊維。 4 ハロゲン含有モノマーが塩化ビニリデンであ
    る特許請求の範囲第1項〜第3項のいずかに記載
    の繊維。 5 難燃アクリル系重合体60〜95重量部とポリウ
    レタン40〜5重量部とよりなる特許請求の範囲第
    1項〜第4項のいずれかに記載の繊維。 6 難燃アクリル系重合体65〜90重量部とポリウ
    レタン35〜10重量部とよりなる特許請求の範囲第
    1項〜第5項のいずれかに記載の繊維。 7 ハロゲン含有モノマーとポリウレタンとの総
    量が少なくとも40重量部である特許請求の範囲第
    1項〜第6項のいずれかに記載の繊維。
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