JPH022736B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は自動車のドア回り等に装着するウエザ
ーストリツプの構造に関する。

自動車のドアには通常風雨、砂塵等が車外から
入り込むのを防止するためのゴム材より成るウエ
ザーストリツプを装着して密閉性を高めている。
即ち第１図に示す車両本体１に取り付けたドア２
の周縁には、ウエザーストリツプ３を取付けてあ
り、該ウエザーストリツプ３は第２図に示したよ
うにドア側に固定したピン４に対する取付部５を
有し、且つ中空部６を設けたシールリツプ７を有
し、ドアの閉成時にあつてはシールリツプ７が圧
縮するように変形して、ドアと車両本体間の密閉
性を保持している。しかしながらこのような中空
部６を設けたウエザーストリツプをドアに装着し
た場合、直線部分における形状的変化には問題が
なく、密閉作用を奏するが、ドアの隔角部又は第
３図に示すコーナー部にあつては前記中空部６が
所定の断面形状を維持することができずに潰れる
ように変形し、車両本体側と密閉状態が不均衡と
なつて封止効果が悪化する。このような現象に対
処するため、前記コーナー部に相当するウエザー
ストリツプの中空部内に第４図に示した如く液状
発泡材料を適量注入して発泡させ、硬化又は加硫
して弾性発泡体８を形成させ、且つ必要に応じて
シールリツプ７と取付５との両者にまたがるスペ
ーサ９を補強材として取着して、ウエザーストリ
ツプの変形を防止する試みが行われている。しか
るに弾性発泡体８の形状が大きい場合、ドアに及
ぼす反力が大きくなり、ドアがしまりにくくなる
欠点がある外、スペーサ９を設けることによる接
着工数の増大及び外観品質の劣化等の欠点を生む
ことになり、当業者が苦慮する難点となつてい
る。

本発明は上記に鑑みてなされたものであつて、
従来の構造に存する前記欠点を解消したウエザー
ストリツプの提供を目的とするものであり、この
目的を達成するためにシールリツプ内に位置する
中空室内に設けた隔壁によつて前記中空室を対接
側に設けた主中空部と、該主中空部の対接側と逆
方向に設けた副中空部に隔成し、コーナー部に位
置する前記副中空部内は硬化剤充填によつて中実
に形成したことを特徴とする自動車用ウエザース
トリツプを得たものである。

以下本発明の実施例を第５図乃至第７図を用い
て説明する。第５図は本発明に係るウエザースト
リツプ本体の構造を示す断面図であり、一体に押
し出し成形するウエザーストリツプ本体１０はド
ア等所定位置に固着する取付部１１と、内部に中
空室を保持するシールリツプ１２を具備し、該中
空室は隔壁１３によつて主中空部１４と、副中空
部１５とに隔成してある。主中空部１４は矢印Ａ
に示す力が加わるような車体両本体等対接側に設
けてあり、副中空部１５は該主中空部１４の対接
側との逆方向に設けてある。尚１６はウエザース
トリツプ本体１０を所定位置に固定するピンであ
る。更に上記構成において前記ドア等のコーナー
部に位置する該ウエザーストリツプ本体１０の副
中空部１５内に第６図に示すように液状硬化剤１
７を注入し、固化する。液状硬化剤１７としては
熱可塑性エポキシ又はウレタン系の合成樹脂を用
いて注入器１８により注入した後、冷却固化する
ことにより、副中空部１５内の所定部分のみ中実
構造とすることができる。

第７図は本発明の他の実施例を示しており、前
例と同様に一体に押し出し成形するウエザースト
リツプ本体１９は所定位置に固着する取付部１１
と内部に中空室を保持持するシールリツプ１２を
具備し、該中空室は隔壁２０によつて主中空部２
１と副中空部２２とに隔成している。主中空部２
１は矢印Ｂに示す力が加わるような車両本体等対
接側に設けてあり、副中空部２２は該中空部２１
の対接側と逆方向に設けてある。即ち前記第５図
に示した実施例とは、対接側の方向が略90度異な
つており、それに伴つてウエザーストリツプ本体
内の主及び副中空部の位置関係を、夫々加わる力
の方向に適合するよう変更してある。第８図は第
７図に示す構成において、ドア等のコーナー部に
位置する該ウエザーストリツプ本体１９の副中空
部２２内に液状硬化剤１７を注入し、冷却固化し
て中実とした状態を示している。尚上記実施例に
あつてはシールリツプ内の中空室を主及び副中空
部の２分割構成としたが、本発明は上記に限定さ
れず、複数個の中空部を設けて、前述のウエザー
ストリツプ特性を満足する任意の中空部内に硬化
剤を注入するようにしても良い。

以上説明した本発明によれば以下に記す作用効
果をたらすことができる。即ち製作に際してスペ
ーサーを別途調製して接着させる工程を要しない
ので、製作容易であり、コストを低減し得る。外
観品質を損うことは勿論ないことは当然である。
主及び副中空部の形状及び位置はウエザーストリ
ツプの用途及び適用場所に応じて適宜設定変更す
れば多目的な使用が可能となる。

更に本発明にあつてはドアの閉成時において主
中空部１４及び２１が変形してドアのしまり反力
を吸収するので、ドアの開閉動作及び密封特性は
良好であり、更に中実な副中空部は、特にドアの
隅角部又はコーナー部におけるウエザーストリツ
プの潰れ、及び変形を最小限とする機能を発揮す
るので、ウエザーストリツプの密封状態が場所に
よつて不均衡となるという欠点は解消することが
できる。

本発明に係るウエザーストリツプを製作するに
際して押し出し成形により一体的にウエザースト
リツプ本体を製作し、次に自動車に装着する際コ
ーナー部に相当する部分にのみ硬化剤を注入し、
冷却固化すれば良いので製造費、金型費、加工コ
ストとも高価になるものではなく、原価は低廉で
ある。硬化剤として液状合成樹脂材に硬化促進材
を加えたもの、もしくは液状ゴム発泡材料を加え
たものを採用すれば良く、特に発泡材を加えた場
合、硬化の際に適当な弾力性をもち、ドアのコー
ナー部にあつて封止効果が優れたウエザーストリ
ツプが得られる。

尚実施例に用いた硬化剤は、熱可塑性を持つホ
ツトメルト系接着剤としてポリアミド系樹脂、エ
チレンビニルアセテート系樹脂、ポリエステル系
樹脂を採用し、その他としてエエポキシ系樹脂並
びに接着剤、又はウレタン系樹脂を用いても良い
結果が得られる。

以上詳述した如く本発明は自動車用ウエザース
トリツプとして用いた際に密封性及び外観ともに
良好であり、かつドア開閉時における優れた動作
特性をもち、著効を奏するものである。尚本ウエ
ザーストリツプは自動車のドアの開閉部分にのみ
採用するものではなく、他の部位にも適用できる
ことはいうまでもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車のドアにおけるウエザーストリ
ツプ取付部を示す部分斜視図、第２図は第１図の
―線に沿つたウエザーストリツプの断面図、
第３図はコーナー部におけるウエザーストリツプ
の部分斜視図、第４図は第３図の―線に沿つ
た従来のコーナー部におけるウエザーストリツプ
の補強構造を示す断面図、第５図は本発明に係る
ウエザーストリツプ本体の構造を示す断面図、第
６図は第５図に示すウエザーストリツプ本体内に
硬化剤を注入した状態を示す断面図、第７図は本
発明の他の実施例であるウエザーストリツプ本体
の構造を示す断面図、第８図は第７図に示すウエ
ザーストリツプ本体内に硬化剤を注入した断面図
である。 １０，１９……ウエザーストリツプ本体、１１
……取付部、１２……シールリツプ、１３，２０
……隔壁、１４，２１……主中空部、１５，２２
……副中空部、１７……液状硬化剤、１８……注
入器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 所定位置に固着する取付部と、ドア開閉時に
   変形する中空リツプを具備したウエザーストリツ
   プにおいて、該シールリツプ内に位置する中空室
   内に設けた隔壁によつて前記中空室を、対接側に
   設けた主中空部と、該主中空部の対接側との逆方
   向に設けた副中空部に隔成し、コーナー部に位置
   する前記副中空部内は硬化剤充填によつて中実に
   形成したことを特徴とする自動車用ウエザースト
   リツプ。