JPH02273234A - フレーバー成分保持特性を有する包装材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は主として液状の飲料等を封入するための容器や
包装袋等に加工される積層シートからなる包装材に関す
るものである。

「従来の技術」 各種の液状の飲食品、茶葉、香辛料等を封入する容器や
包装袋等に加工される包装材には、その表面層がポリオ
レフィン系樹脂層で形成されている積層シートが利用さ
れ、前記ポリオレフィン系樹脂層が有する熱接着性能に
よって、所定の容器や包装袋に加工されるのが普通であ
った。

しかしながら、前記ポリオレフィン系樹脂層が有する熱
接着性能によって得られた容器や包装袋等は、前記積層
シートを得る際におけるボリオレフィン系樹脂層の形成
時や、該積層シートによる容器や包装袋の成形時等に、
一部のポリオレフィン系樹脂が熱分解を受けて脂肪族炭
化水素等の揮発成分を生成し、この揮発性成分が前記容
器や包装袋内に封入されている内填物内に移行するため
、前記容器や包装袋内に収容されている内填物に変味や
異臭が生ずるという欠点を有している。

また、前記積層シートにおけるポリオレフィン系樹脂層
は、内填物が含有しているフレーバー成分（着香成分）
を吸着し、これを透過させ易く、このことによっても内
填物の風味が損なわれ易いという欠点を有している。

ポリオレフィン系樹脂層が有する前述の欠点を改良する
ため、揮発性物質の発生が少なく。

しかも、フレーバー成分（を香成分）の保持特性の良好
なエチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂層を具備
する積層シートからなる包装材が提案され、該包装材に
おける前記エチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂
層が内周面層となるようにして形成されている容器や包
装体が提案されている（特開昭６３−３９５０号公報）
。

［発明が解決しようとする課題」 ところで、前記エチレン−ビニルアルコール系共重合体
樹脂層を具備する積層シートは、前記エチレン−ビニル
アルコール系共重合体樹脂の加工特性が悪く、紙等を利
用した包装材用基材に対して、例えばエクストルージョ
ンコート法によって、前記エチレン−ビニルアルコール
系共重合体樹脂のコート層を形成するような場合には、
溶融樹脂の延展性が悪く、高速加工を行なうことができ
ないため、生産効率が悪く、また、モーター負荷が大き
くなり易く、さらには、また、利用する樹脂自体が高価
である等の欠点を有している。

これに対して、本発明は、フレーバー成分（着香成分）
の保持特性が良好であり、しかも、加工性においても良
好な性状を示し、さらには、価格の低価をも計れる積層
シートからなる包装材を提供するものである。

「課題を解決するための手段」 本第１の発明の包装材は、少なくとも片側表面層がエチ
レン−ビニルアルコール系共重合体樹脂５５〜９０重量
％とカルボニル基を具備するポリオレフィン系共重合体
樹脂１０〜４５重量％との混合樹脂による合成樹脂層で
形成されている積層シートからなるものである。

また、本第２の発明の包装材は、ポリオレフィン系合成
樹脂による一方の表面層と、紙層を具備する包装材用基
材からなる中間層と、エチレン−ビニルアルコール系共
重合体樹脂５５〜９０重量％とカルボニル基を具備する
ポリオレフィン系共重合体樹脂１０〜４５重量％との混
合樹脂による他方の表面層とで形成されている積層シー
トからなるものである。

前記構成からなる本番発明の包装材においては、エチレ
ン−ビニルアルコール系共重合体樹脂には、エチレン含
有量２５〜６０モル％２鹸化度９６％以上のエチレン−
酢酸ビニル系共重合体樹脂が使用されるのが好ましい。

また、前記エチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂
に対してマイナー成分をなすカルボニル基を具備するポ
リオレフィン系共重合体樹脂には、ポリオレフィン系の
ランダム共重合体樹脂やグラフト共重合体樹脂等が利用
されるが、製膜特性がより高く、しかも、安価であるこ
とから、ポリオレフィン系のランダム共重合体樹脂のほ
うがより好適である。

カルボニル基を具備するポリオ４レフイン系共重合体樹
脂には、例えば、下記式 Ａ　（ａ＋　−Ｂ　ｔｂ＋　−Ｃｔｅｌ　−Ｄ　ｔｅｌ
　−Ｅ　ｔｅｌ　−Ｆ　ｒｔ＋　−Ｇ　Ｔｅｌ　−Ｈｔ
ｈ＋で表示される共重合体樹脂が利用されるのが好まし
く、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−アクリル酸共重合体、エチレン−メタアクリル酸共重
合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、さらには
、アイオノマー樹脂等が好適である。

前記エチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂５５〜
９０重量％とカルボニル基を具備するポリオレフィン系
共重合体樹脂１０〜４５重量％との混合樹脂による合成
樹脂層は、本発明の積層シートが、例＾ば、スタンドパ
ウチ等の軟包装容器用の素材として利用されるものであ
る場合には、　ＡＩＦｉと二軸延伸ポリエステルフィル
ムや二軸延伸ポリプロピレンフィルム等との積層材に対
して、また、例＾ば、ゲーベルトツブ型紙容器やプリッ
タ型紙容器等の素材として利用されるものである場合に
は、ＡＩ箔箔紙紙層ポリオレフィン系樹脂層等からなる
積層材に対して形成されるものである。

なお、前記積層材と前記エチレン−ビニルアルコール系
共重合体樹脂５５〜９０重量％とカルボニル基を具備す
るポリオレフィン系共重合体樹脂１０〜４５重量％との
混合樹脂による合成樹脂層との間の接着、積層は、通常
のインフレーション法やＴダイ法等の押し出し成形によ
って得られたフィルムを、前記積層材に、接着剤や接着
性樹脂を利用して貼着したり、あるいは、前記積層材に
コロナ放電を行なった後、該コロナ放電処理面に、前記
混合樹脂を直接エクストルージョンラミネートする等に
よって、容易に形成されるものである。

前記構成からなる本発明の積層シートからなる包装材は
、該包装材における前記エチレン−ビニルアルコール系
共重合体樹脂５５〜９０重量％とカルボニル基を具備す
るポリオレフィン系共重合体樹脂１０〜４５重量％との
混合樹脂による合成樹脂層面が、被包装物と接する側と
なるようにして使用されるものであり、特に、 ポリオレフィン系合成樹脂層／紙層／ポリオレフィン系
合成樹脂層／エチレン−ビニルアルコール系共重合体樹
脂とカルボニル基を具備するポリオレフィン系共重合体
樹脂との混合樹脂による合成樹脂層 からなる積層構成の包装材が、容器等の成形加工性、原
材料の価格、得られる容器の外部からの耐水性等の点で
好適である。

「実施例」 以下本発明のフレーバー成分保持特性を有する包装材の
具体的な構成を、実施例をもって説明する。

実施例１ 厚さ２０μの低密度ポリエチレン樹脂 層７紙層（坪量３４０　ｇ／ｍ”）　／厚さ２０μの低
密　度ポリエチレン樹脂層 からなる包装材用基材の片側表面に、コロナ放電処理を
施した後、前記コロナ放電処理面に、エチレン−ビニル
アルコール系共重合体樹脂（エバールＥ、［クラレ］）
７０重量部と、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂（エ
バテート３０１０、［住人化学３］　；酢酸ビニル含有
量１０％）３０重量部との混合樹脂を、エクストルージ
ョンコート　（２１０℃）し、厚さ４０μの混合樹脂層
を形成し、本発明の１実施例品だる積層シートからなる
包装材［１Ｆを得た。

なお、前記混合樹脂によるエクストルージョンコートに
よる加工速度は、２５０　ｍ／　ｍｉｎ、で行なった。

得られた包装材［１１を打ち抜き加工することによって
、ゲーベルトップ型紙容器用のブランク板を成形し、次
いで、フレームシール法を利用して、前記ブランク板の
左、右両側辺部同士を熱溶着させ、封筒貼り部を形成す
ることによって、内周面層が前記包装材［１］における
混合樹脂層で形成されている筒状体を得た。

さらに、前記筒状体の底部および頭部を２００℃の熱溶
着によって形成しながら、内部に１０００ｃｃのオレン
ジジュースを充填し、密封状態の紙容器［Ａ］を得た。

比較例１ 前記実施例１における手順のうち、混合樹脂によるエク
ストルージョンコート（加工速度・２５０　ｍ／　ｆｆ
１ｉｎ、）の代わりに、エチレン−ビニルアルコール系
共重合体樹脂（エバールＥ。

［クラレ］）によるエクストルージョンコート（加工速
度：　１５０　ｍ／　ｗｉｎ、）を行なう以外は、全て
前記実施例１の対応する工程と同一の工程を行なうこと
によって、比較のための積層シートからなる包装材［２
］を得た。

なお、前記エチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂
（エバールＥ、［クラレ］）によるエクストルージョン
コートを、加工速度２００７ｍ１ｎ、で試みたところ、
耳切れや耳ゆれが激しく、コーティング加工を連続して
行なうことができなかった。また、前記エチレン−ビニ
ルアルコール系共重合体樹脂（エバールＥ。

［クラレ］）による安定したエクストルージョンコート
は、コート速度を１５０　ｍ／　ｗｉｎ、まで低下させ
ることによって、初めて可能であった。

また１、前記包装材［２］に対して、前記実施例１にお
ける包装材［１］の場合と同様の加工を行ない、内周面
層がエチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂層で形
成されており、しかも、内部に１ｏｏｏｃｃのオレンジ
ジュースが充填されている密封状態のグーペルトップ型
の紙容器［Ｂ］を得た。

比較例２ 前記実施例１における手順のうち、エクストルージョン
コートの代わりに、低密度ポリエチレン樹脂によるエク
ストルージョンコートを、加工速度３００　ｍ／　ｗｉ
ｎ、で行なうことによって、前記包装材用基材に厚さ６
０μの合成樹脂層を形成する以外は、全て前記実施例１
の対応する工程と同一の工程を行なうことによって、比
較のための積層シートからなる包装材［３］を得た。

続けて、前記包装材［３］に対して、前記実施例１にお
ける包装材［１］の場合と同様の加工を行ない、容器内
周面層が厚さ４０μの低密度ポリエチレン樹脂層で形成
されており、しかも、内部に１０００ｃｃのオレンジジ
ュースが充填されているグーペルトップ型の紙容器［Ｃ
］を得た。

実施例２ 厚さ２０μの低密度ポリエチレン樹脂 層／紙層（坪量３４０　ｇ／ｍ”）　／厚さ２０μの低
密度ポリエチレン樹脂層 からなる包装材用基材の片側表面に、厚さ２０μの接着
性ポリオレフィン系樹脂（アトマーＡＴ４９９．［三井
石油化学］）層と下記組成による厚さ２０μの混合樹脂
層との積層樹脂層を、該積層樹脂層における前記接着性
ポリオレフィン系樹脂層と前記包装材用基材とが直接接
するようにして、２１０℃の共押し出しエクストルージ
ョンコートによって、積層させ、本発明の１実施例品た
る積層シートからなる包装材［４］を得た。

なお、前記共押し出しエクストルージョンコートによる
加工速度は、２５０ｍ／ｍｉ口、で行なった。

混合樹脂層の組成： エチレンービニルアルコール系共重 合体樹脂ＣエバールＥ、［クラ レ］）・・・・・・・・７０重量部 アイオノマー樹脂（ハイミラン １６５２、［三井デュポン・ポリケ ミカル］）　・・・・・・・・３０重量部得られた包装
材［４］を打ち抜き加工することによって、グーペルト
ップ型紙容器用のブランク板を成形し、次いで、フレー
ムシール法を利用して、前記ブランク板の左、右両側辺
部同士を熱溶着させ、封筒貼り部を形成することによっ
て、内周面層が前記包装材［４］における混合樹脂層で
形成されている筒状体を得た。

さらに、前記筒状体の底部および頭部を２００℃の熱溶
着によって形成しながら、内部に１０００ｃｃのオレン
ジジュースを充填し、密封状態の紙容器［Ｄ］を得た。

比較例３ 前記実施例２における手順のうち、厚さ２０μの接着性
ポリオレフィン系樹脂（アトマーＡＴ４９９．［三井石
油化学］）層と厚さ２０μの混合樹脂層との積層樹脂層
のエクストルージョンコートの代わり１こ、厚さ２０μ
の接着性ポリオレフィン系樹脂（アトマー ＡＴ４９，９．［三井石油化学］］層と厚さ２０μのエ
チレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂（エバールＥ
、［クラレ］樹脂層との積層樹脂層を、該積層樹脂層に
おける前記接着性ポリオレフィン系樹脂層と前記包装材
用基材とが直接接するようにして、２１０℃の共押し出
しエクストルージョンコート（加工速度：１７０　ｍ／
　ｌ１ｉｎ、）を行なう以外は、全て前記実施例２の対
応する工程と同一の工程を行なうことによって、比較の
ための積層シートからな′る゛包装材［５］を得た。

なお、前記共押し出しエクストルージョンコートによる
安定した加工は、エクストルージョンコート速度を１７
０ｍ／　ｗｉｎ、まで低下させることによって、初めて
可能であった。

続けて、前記包装材［５］に対して、前記実施例１にお
ける包装材［１］の場合と同様の加工を行ない、内周面
層がエチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂層で形
成されており、しかも、内部に１０００ｃｃのオレンジ
ジュースが充填されている密封状態のゲーベルトップ型
の紙容器［Ｅ］を得た。

［実　験］ 前記各紙容器［Ａ］〜［Ｅ］を、４０℃の雰囲気中に１
週間放置した後、紙容器を開側して内部のオレンジジュ
ースの風味の官能テストを行なった。

前記官能テストの結果を、各紙容器に使用されている包
装材を得た際の樹脂層のエクストルージョンコートの速
度と共に表に示す。

Ｏ・・・・・・・・良好 ×・・・・・・・・不良を表示する 「発明の作用、効果」 水筒１の発明の包装材は、少なくとも片側表面層がエチ
レン−ビニルアルコール系共重合体樹脂５５〜９０重量
％とカルボニル基を具備するポリオレフィン系共重合体
樹脂１０〜４５重量％との混合樹脂による合成樹脂層で
形成されている積層シートからなるものであり、また、
水筒２の発明の包装材は、ポリオレフィン系合成樹脂に
よる一方の表面層と１紙層を具備する包装材用基材から
なる中間層と、エチレン−ビニルアルコール系共重合体
樹脂５５〜９０重量％とカルボニル基を具備するポリオ
レフィン系共重合体樹脂１０〜４５重量％との混合樹脂
による他方の表面層とで形成されている積層シートから
なるものである。

しかして、前記各発明の包装材によって、該包装材おけ
るエチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂５５〜９
０重量％とカルボニル基を具備するポリオレフィン系共
重合体樹脂１０〜４５重量％との混合樹脂による樹脂層
は、該樹脂層１こおいて海状に広がるエチレンービニル
アルコール系共重合体樹脂と、前記エチレン−ビニルア
ルコール系共重合体樹脂に対して島状に点在するポリオ
レフィン系共重合体樹脂とで構成されているものである
から、前記混合樹脂層中において湾状に広がっている前
記エチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂によって
奏される良好なフレーバー成分保持特性が、島状に点在
するポリオレフィン系共重合体樹脂によって阻害される
ようなことがなく、したがって、前記混合樹脂層に、良
好なフレーバー成分保持性能が奏されるものである。

したがって、本発明の前記包装材における前記混合樹脂
層が内周面層となるようにして成形される容器や包装袋
等には、内填物が具備するフレーバー成分保持性能にお
いて優れた作用が得られ、品質保持特性の高い容器や包
装袋が得られるものである。

また、本発明の包装材においては、該包装材における前
記混合樹脂層中のカルボニル基を具備するポリオレフィ
ン系共重合体樹脂が、溶融時の延展性において優れた作
用を奏するものであるから、前記ポリオレフィン系共重
合体樹脂による性質によって、前記混合樹脂による高速
加工が可能であり、また、モーター負荷が大きくなるよ
うなこともなく、前記混合樹脂層を形成し得るものであ
る。

さらには、本発明の包装材において利用される混合樹“
脂自体は、エチレン−ビニルアルコール系共重合体樹脂
のみで樹脂層を形成する場合と比較して、原料費を廉価
に抑えられるものであり、原料費の価格の低下と前記加
工特性の改良とによって、安価に供給され得る等の作用
、効果が奏されるものである。

特許出願人　大日本印刷株式会社

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、少なくとも片側表面層がエチレン−ビニルアルコー
   ル系共重合体樹脂５５〜９０重量％とカルボニル基を具
   備するポリオレフィン系共重合体樹脂１０〜４５重量％
   との混合樹脂による合成樹脂層で形成されている積層シ
   ートからなることを特徴とするフレーバー成分保持特性
   を有する包装材。 ２、ポリオレフィン系合成樹脂による一方の表面層と、
   紙層を具備する包装材用基材からなる中間層と、エチレ
   ン−ビニルアルコール系共重合体樹脂５５〜９０重量％
   とカルボニル基を具備するポリオレフィン系共重合体樹
   脂１０〜４５重量％との混合樹脂による他方の表面層と
   で形成されている積層シートからなることを特徴とする
   フレーバー成分保持特性を有する包装材。