JP3011953B2 - 包装体 - Google Patents
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- JP3011953B2 JP3011953B2 JP1316305A JP31630589A JP3011953B2 JP 3011953 B2 JP3011953 B2 JP 3011953B2 JP 1316305 A JP1316305 A JP 1316305A JP 31630589 A JP31630589 A JP 31630589A JP 3011953 B2 JP3011953 B2 JP 3011953B2
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Description
本発明は、密閉袋や容器等の各種の包装体に関するも
のである。
のである。
各種の液状の飲料、食品、香辛料等を収納する包装袋
や容器等の包装体は、包装用材が具備する熱溶着能によ
ってその封緘部が形成されており、ポリオレフィン系樹
脂による熱溶着能が利用し得るように、ポリオレフィン
系樹脂によるヒートシール用樹脂層を具備する包装用材
を利用して成形されている。 ところで、内周面層が前記ポリオレフィン系樹脂によ
るヒートシール用樹脂層で形成されている包装袋や容器
等の包装体は、これらの成形用材である積層材を得る際
のポリオレフィン系樹脂層の形成時や、該積層材による
包装体の成形時等に、ポリオレフィン系樹脂が熱分解を
受けて脂肪族炭化水素等の揮発性成分を生成するため、
これが包装体内の内填物に移行し、内填物に変味や異臭
が発生するという欠点を有している。 また、前記内周面層がポリオレフィン系樹脂によるヒ
ートシール用樹脂層で形成されている包装袋や容器等の
包装体は、ポリオレフィン系樹脂によるヒートシール用
樹脂層が包装袋や容器内に収容されている内填物中の着
香成分を吸着し易く、また同時に透過させ易いために、
着香成分を含有する内填物に対する保存性能が十分では
ない。 このために、保香性能に優れた性質を有するポリエチ
レンテレフタレート樹脂によるヒートシール用樹脂層を
包装材用基材シートに積層した積層材(特開昭60−3622
5号公報)や、ポリオレフィン系樹脂層とポリエステル
樹脂層との積層樹脂層からなるヒートシール用樹脂層を
包装材用基材シートに積層した積層材(特開昭60−4834
4号公報)が提案された。
や容器等の包装体は、包装用材が具備する熱溶着能によ
ってその封緘部が形成されており、ポリオレフィン系樹
脂による熱溶着能が利用し得るように、ポリオレフィン
系樹脂によるヒートシール用樹脂層を具備する包装用材
を利用して成形されている。 ところで、内周面層が前記ポリオレフィン系樹脂によ
るヒートシール用樹脂層で形成されている包装袋や容器
等の包装体は、これらの成形用材である積層材を得る際
のポリオレフィン系樹脂層の形成時や、該積層材による
包装体の成形時等に、ポリオレフィン系樹脂が熱分解を
受けて脂肪族炭化水素等の揮発性成分を生成するため、
これが包装体内の内填物に移行し、内填物に変味や異臭
が発生するという欠点を有している。 また、前記内周面層がポリオレフィン系樹脂によるヒ
ートシール用樹脂層で形成されている包装袋や容器等の
包装体は、ポリオレフィン系樹脂によるヒートシール用
樹脂層が包装袋や容器内に収容されている内填物中の着
香成分を吸着し易く、また同時に透過させ易いために、
着香成分を含有する内填物に対する保存性能が十分では
ない。 このために、保香性能に優れた性質を有するポリエチ
レンテレフタレート樹脂によるヒートシール用樹脂層を
包装材用基材シートに積層した積層材(特開昭60−3622
5号公報)や、ポリオレフィン系樹脂層とポリエステル
樹脂層との積層樹脂層からなるヒートシール用樹脂層を
包装材用基材シートに積層した積層材(特開昭60−4834
4号公報)が提案された。
しかるに、前記ポリエチレンテレフタレート樹脂によ
るヒートシール用樹脂層を包装材用基材シートに積層し
た積層材は、ポリエチレンテレフタレート樹脂の単独樹
脂層の破断強度が低く、かつ脆いために、該ヒートシー
ル用樹脂層によって得られる熱接着部の接着強度が十分
ではなく、しかも該樹脂層の耐衝撃性も悪く、熱溶着に
よって封緘部を形成した包装体にするには難点がある。 また、ポリオレフィン系樹脂層とポリエステル脂肪層
との積層樹脂層からなるヒートシール用樹脂層を包装材
用基材シートに積層した積層材は、前記ポリエチレンテ
レヒタレート樹脂の単独樹脂層からなるヒートシール用
樹脂層の耐衝撃性の不足を改良するものとして提案され
たものであるが、ポリオレフィン系樹脂層とポリエステ
ル樹脂層との間の積層強度が不十分であり、熱溶着によ
って封緘部を形成する包装体にするときに、接着強度の
十分な封緘部を形成することができない。 これに対して本発明は、保香性能に優れた性質を有
し、また封緘部を形成している熱溶着部に優れた接着強
度と耐衝撃性とを備えている包装体を提供するものであ
る。
るヒートシール用樹脂層を包装材用基材シートに積層し
た積層材は、ポリエチレンテレフタレート樹脂の単独樹
脂層の破断強度が低く、かつ脆いために、該ヒートシー
ル用樹脂層によって得られる熱接着部の接着強度が十分
ではなく、しかも該樹脂層の耐衝撃性も悪く、熱溶着に
よって封緘部を形成した包装体にするには難点がある。 また、ポリオレフィン系樹脂層とポリエステル脂肪層
との積層樹脂層からなるヒートシール用樹脂層を包装材
用基材シートに積層した積層材は、前記ポリエチレンテ
レヒタレート樹脂の単独樹脂層からなるヒートシール用
樹脂層の耐衝撃性の不足を改良するものとして提案され
たものであるが、ポリオレフィン系樹脂層とポリエステ
ル樹脂層との間の積層強度が不十分であり、熱溶着によ
って封緘部を形成する包装体にするときに、接着強度の
十分な封緘部を形成することができない。 これに対して本発明は、保香性能に優れた性質を有
し、また封緘部を形成している熱溶着部に優れた接着強
度と耐衝撃性とを備えている包装体を提供するものであ
る。
前記の課題は、以下に記載する構成を備えてなる本発
明の包装体によって解決することができる。 すなわち本発明は、包装材用基材シートに対して、ガ
ラス転移温度が40℃以上に非晶性〜低結晶性の飽和ポリ
エステル樹脂による第1の樹脂層とポリカーボネート樹
脂による第2の樹脂層との共押し出し積層樹脂層からな
るヒートシール用樹脂層を、該共押し出し積層樹脂層に
おける第1の樹脂層が外側層となるように積層してある
積層材による包装体であって、該包装体の全内周面層
が、前記共押し積層樹脂層からなるヒートシール用樹脂
層で形成されており、しかも該包装体の封緘部が、前記
共押し出し積層樹脂層からなるヒートシール用樹脂層が
具備する熱溶着能によって形成されている包装体からな
る。 前記構成による本発明の包装体において、該包装体を
形成している包装用材のヒートシール用樹脂層の第1の
樹脂層にするための飽和ポリエステル樹脂としては、エ
チレングリコールとテレフタル酸とを主成分とするポリ
エステルであって、エチレングリコールと、テレフタル
酸と、エチレングリコール以外のジアルコール及び/又
はテレフタル酸以外のジカルボン酸との共重合体からな
るポリエステル樹脂が好適である。 又、このエチレングリコールとテレフタル酸とを主成
分とするポリエステルであって、エチレングリコール
と、テレフタル酸と、エチレングリコール以外のジアル
コール及び/又はテレフタル酸以外のジカルボン酸との
共重合体からなる飽和ポリエステル樹脂としては、エチ
レングリコールとテレフタル酸とイソフタル酸との共重
合体、或いはエチレングリコールとテレフタル酸と1,4
−シクロヘキサンジメタノールとの共重合体からなるポ
リエステル樹脂が好適である。 前記したように、本発明の包装体を形成するための包
装用材である積層材は、包装材用基材シートに対して、
ガラス転移温度が40℃以上の非晶性〜低結晶性の飽和ポ
リエステル樹脂による第1の樹脂層とポリカーボネート
樹脂による第2の樹脂層との共押し出し積層樹脂層から
なるヒートシール用樹脂層を、該共押し出し積層樹脂層
における第1の樹脂層が外側層となるようにして積層し
てある積層材からなる。 この積層材にするための包装材用基材シートとして
は、例えばスタンドパウチ等の軟包材容器からなる包装
体にする場合には、Al箔と2軸延伸ポリエステルフィル
ムや2軸延伸ポリプロピレンフィルム等との積層シート
が好適であり、又ゲーベルトップ型紙容器やブリック型
紙容器等の包装体にする場合には、Al箔,紙,ポリオレ
フィン系樹脂層等による積層シートが好適である。 包装材用基材シートに対してヒートシール用樹脂層と
して積層する樹脂層は、ガラス転移温度が40℃以上の非
晶性〜低結晶性の飽和ポリエステル樹脂による第1の樹
脂層とポリカーボネート樹脂による第2の樹脂層との共
押し出し積層樹脂層からなる。 前記ガラス転移温度が40℃以上の非晶性〜低結晶性の
飽和ポリエステル樹脂による第1の樹脂層には、例えば
エチレングリコール,プロピレングリコール,1,4−シク
ロヘキサンジメタノール等のアルコール成分と、アジピ
ン酸,セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、テレフタル
酸,イソフタル酸,ジフェニルジカルボン酸等の芳香族
ジカルボン酸等によるジカルボン酸成分とによる共縮合
重合によって得られるポリエステル樹脂、具体的にはエ
チレングリコールとテレフタル酸とイソフタル酸、1,4
−シクロヘキサンジメタノールとエチレングリコールと
テレフタル酸、プロピレングリコールとイソフタル酸と
テレフタル酸等による組み合わせの共縮合重合によって
得られるポリエステル樹脂が利用される。 なお、前記第1の樹脂層の形成に使用するポリエステ
ル樹脂が、酸成分中の脂肪族ジカルボン酸成分が10重量
%以上になっているようなポリエステル樹脂の場合に
は、該樹脂による樹脂層はその保香性能が十分ではなく
なるので好ましくない。 この第1の樹脂層と共に共押し出し成形される第2の
樹脂層に利用されるポリカーボネート樹脂は、非晶性の
樹脂ではあるが、溶融開始温度200℃というような高温
度であるためにヒート封緘性能の面での適性はない。し
かしながら、このポリカーボネート樹脂は、耐衝撃性に
おいて優れた性質を有している。 ガラス転移温度が40℃以上の非晶性〜低結晶性の飽和
ポリエステル樹脂による第1の樹脂層と、ポリカーボネ
ート樹脂による第2の樹脂層との共押し出し積層樹脂層
において、第1の樹脂層の厚さが5μ未満になると、そ
の安定性が悪くなり、また60μを超えると、第1の樹脂
層と第2の樹脂層との共押し出し積層樹脂層中の第1の
樹脂層の部分が多くなりすぎるために、得られる熱溶着
部の耐衝撃強度が低下し、また積層材の成形特性が悪く
なる傾向を有する。 従ってガラス転移温度が40℃以上の非晶性〜低結晶性
の飽和ポリエステル樹脂による第1の樹脂層は、5〜60
μ程度の厚さに形成する。 また、この共押し出し積層樹脂層において、第2の樹
脂層の厚さが5μ未満になると、その安定性が悪くな
り、また60μを超えると、該樹脂層が硬くなって積層材
の成形特性が悪くなる。 従ってポリカーボネート樹脂による第2の樹脂層は、
5〜60μ程度の厚さに形成する。 前記のガラス転移温度が40℃以上の非晶性〜低結晶性
の飽和ポリエステル樹脂による第1の樹脂層と、ポリカ
ーボネート樹脂による第2の樹脂層との共押し出し積層
樹脂層からなるヒートシール用樹脂層と、包装材用基材
シートとは、例えばポリエチレン樹脂やイソシアネート
系接着剤等を利用して接着、積層し得るが、共押し出し
積層樹脂層からなるヒートシール用樹脂層が積層される
包装材用基材シート面にポリエチレン樹脂やイソシアネ
ート系接着剤層を予め形成した上で、この包装材用基材
シートに対して前記の共押し出し積層樹脂層を直接押し
出し積層する方法を利用するのが好ましい。
明の包装体によって解決することができる。 すなわち本発明は、包装材用基材シートに対して、ガ
ラス転移温度が40℃以上に非晶性〜低結晶性の飽和ポリ
エステル樹脂による第1の樹脂層とポリカーボネート樹
脂による第2の樹脂層との共押し出し積層樹脂層からな
るヒートシール用樹脂層を、該共押し出し積層樹脂層に
おける第1の樹脂層が外側層となるように積層してある
積層材による包装体であって、該包装体の全内周面層
が、前記共押し積層樹脂層からなるヒートシール用樹脂
層で形成されており、しかも該包装体の封緘部が、前記
共押し出し積層樹脂層からなるヒートシール用樹脂層が
具備する熱溶着能によって形成されている包装体からな
る。 前記構成による本発明の包装体において、該包装体を
形成している包装用材のヒートシール用樹脂層の第1の
樹脂層にするための飽和ポリエステル樹脂としては、エ
チレングリコールとテレフタル酸とを主成分とするポリ
エステルであって、エチレングリコールと、テレフタル
酸と、エチレングリコール以外のジアルコール及び/又
はテレフタル酸以外のジカルボン酸との共重合体からな
るポリエステル樹脂が好適である。 又、このエチレングリコールとテレフタル酸とを主成
分とするポリエステルであって、エチレングリコール
と、テレフタル酸と、エチレングリコール以外のジアル
コール及び/又はテレフタル酸以外のジカルボン酸との
共重合体からなる飽和ポリエステル樹脂としては、エチ
レングリコールとテレフタル酸とイソフタル酸との共重
合体、或いはエチレングリコールとテレフタル酸と1,4
−シクロヘキサンジメタノールとの共重合体からなるポ
リエステル樹脂が好適である。 前記したように、本発明の包装体を形成するための包
装用材である積層材は、包装材用基材シートに対して、
ガラス転移温度が40℃以上の非晶性〜低結晶性の飽和ポ
リエステル樹脂による第1の樹脂層とポリカーボネート
樹脂による第2の樹脂層との共押し出し積層樹脂層から
なるヒートシール用樹脂層を、該共押し出し積層樹脂層
における第1の樹脂層が外側層となるようにして積層し
てある積層材からなる。 この積層材にするための包装材用基材シートとして
は、例えばスタンドパウチ等の軟包材容器からなる包装
体にする場合には、Al箔と2軸延伸ポリエステルフィル
ムや2軸延伸ポリプロピレンフィルム等との積層シート
が好適であり、又ゲーベルトップ型紙容器やブリック型
紙容器等の包装体にする場合には、Al箔,紙,ポリオレ
フィン系樹脂層等による積層シートが好適である。 包装材用基材シートに対してヒートシール用樹脂層と
して積層する樹脂層は、ガラス転移温度が40℃以上の非
晶性〜低結晶性の飽和ポリエステル樹脂による第1の樹
脂層とポリカーボネート樹脂による第2の樹脂層との共
押し出し積層樹脂層からなる。 前記ガラス転移温度が40℃以上の非晶性〜低結晶性の
飽和ポリエステル樹脂による第1の樹脂層には、例えば
エチレングリコール,プロピレングリコール,1,4−シク
ロヘキサンジメタノール等のアルコール成分と、アジピ
ン酸,セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、テレフタル
酸,イソフタル酸,ジフェニルジカルボン酸等の芳香族
ジカルボン酸等によるジカルボン酸成分とによる共縮合
重合によって得られるポリエステル樹脂、具体的にはエ
チレングリコールとテレフタル酸とイソフタル酸、1,4
−シクロヘキサンジメタノールとエチレングリコールと
テレフタル酸、プロピレングリコールとイソフタル酸と
テレフタル酸等による組み合わせの共縮合重合によって
得られるポリエステル樹脂が利用される。 なお、前記第1の樹脂層の形成に使用するポリエステ
ル樹脂が、酸成分中の脂肪族ジカルボン酸成分が10重量
%以上になっているようなポリエステル樹脂の場合に
は、該樹脂による樹脂層はその保香性能が十分ではなく
なるので好ましくない。 この第1の樹脂層と共に共押し出し成形される第2の
樹脂層に利用されるポリカーボネート樹脂は、非晶性の
樹脂ではあるが、溶融開始温度200℃というような高温
度であるためにヒート封緘性能の面での適性はない。し
かしながら、このポリカーボネート樹脂は、耐衝撃性に
おいて優れた性質を有している。 ガラス転移温度が40℃以上の非晶性〜低結晶性の飽和
ポリエステル樹脂による第1の樹脂層と、ポリカーボネ
ート樹脂による第2の樹脂層との共押し出し積層樹脂層
において、第1の樹脂層の厚さが5μ未満になると、そ
の安定性が悪くなり、また60μを超えると、第1の樹脂
層と第2の樹脂層との共押し出し積層樹脂層中の第1の
樹脂層の部分が多くなりすぎるために、得られる熱溶着
部の耐衝撃強度が低下し、また積層材の成形特性が悪く
なる傾向を有する。 従ってガラス転移温度が40℃以上の非晶性〜低結晶性
の飽和ポリエステル樹脂による第1の樹脂層は、5〜60
μ程度の厚さに形成する。 また、この共押し出し積層樹脂層において、第2の樹
脂層の厚さが5μ未満になると、その安定性が悪くな
り、また60μを超えると、該樹脂層が硬くなって積層材
の成形特性が悪くなる。 従ってポリカーボネート樹脂による第2の樹脂層は、
5〜60μ程度の厚さに形成する。 前記のガラス転移温度が40℃以上の非晶性〜低結晶性
の飽和ポリエステル樹脂による第1の樹脂層と、ポリカ
ーボネート樹脂による第2の樹脂層との共押し出し積層
樹脂層からなるヒートシール用樹脂層と、包装材用基材
シートとは、例えばポリエチレン樹脂やイソシアネート
系接着剤等を利用して接着、積層し得るが、共押し出し
積層樹脂層からなるヒートシール用樹脂層が積層される
包装材用基材シート面にポリエチレン樹脂やイソシアネ
ート系接着剤層を予め形成した上で、この包装材用基材
シートに対して前記の共押し出し積層樹脂層を直接押し
出し積層する方法を利用するのが好ましい。
本発明の包装体は該包装体の全内周面層が、ガラス転
移温度が40℃以上の非晶性〜低結晶性の飽和ポリエステ
ル樹脂による第1の樹脂層と、ポリカーボネート樹脂に
よる第2の樹脂層との共押し出し積層樹脂層からなるヒ
ートシール用樹脂で形成されており、該共押し出し積層
樹脂からなるヒートシール用樹脂層の第1の樹脂層、す
なわちガラス転移温度が40℃以上の非晶性〜低結晶性の
飽和ポリエステル樹脂による第1の樹脂層が、包装体内
の内填物と直接接するようになっている。 包装体内の内填物と直接接する前記の第1の樹脂層
は、該樹脂層を構成する飽和ポリエステル樹脂のガラス
転移温度未満の温度雰囲気中で優れた保香性能を奏する
ものであり、これと関連して通常の包装体は40℃未満の
温度雰囲気中に置かれるということとの関係から、本発
明の包装体においては内填物に対する優れた保香性能が
奏される。 また本発明の包装体は、該包装体の包装用材である積
層材のヒートシール用樹脂層が、結晶化度が10%以下と
いうような非晶性〜低結晶性の飽和ポリエステル樹脂に
よる第1の樹脂層と、ポリカーボネート樹脂による第2
の樹脂層との共押し出し積層樹脂層で形成されており、
このヒートシール用樹脂層中のポリカーボネート樹脂層
の存在によって、耐衝撃性に対して優れた作用が奏され
る。 更に前記のヒートシール用樹脂層は、非晶性〜低結晶
性の飽和ポリエステル樹脂による第1の樹脂層と、ポリ
カーボネート樹脂による第2の樹脂層とが共押し出し成
形によって積層されたものであるので、非晶性〜低結晶
性の飽和ポリエステル樹脂による第1の樹脂層と、ポリ
カーボネート樹脂による第2の樹脂層との間には優れた
積層強度が具備される。 このために本発明の包装体においては、前記共押し出
し積層樹脂層からなるヒートシール用樹脂層が具備する
熱溶着能によって形成されている封緘部に、前記第1の
樹脂層をなす非晶性〜結晶化度が10%以下というような
低結晶性の飽和ポリエステル樹脂による優れた接着強度
と、第2の樹脂層をなすポリカーボネート樹脂による優
れた耐衝撃性とが備わる。 又本発明の包装体において、該包装体の包装用材であ
る積層材のヒートシール用樹脂層中の第1の樹脂層が、
エチレングリコールとテレフタル酸とを主成分とし、エ
チレングリコールと、テレフタル酸と、エチレングリコ
ール以外のジアルコール及び/又はテレフタル酸以外の
ジカルボン酸との共重合体からなる飽和ポリエステル樹
脂によって形成されているときには、該1の樹脂層をな
す樹脂の主成分であるエチレングリコールとテレフタル
酸との共重合部分で奏される優れた保香性能と、エチレ
ングリコール以外のジアルコール及び/又はテレフタル
酸以外のジカルボン酸の共重合部分で奏される耐熱性、
すなわち、例えば容器内への内填物の充填を熱充填によ
って行なう際の加熱等を受けた後においても、依然とし
て優れた熱溶着性能を具備する等の耐熱性とを備えたも
のになる。 従ってこの場合には、熱充填による内填物の充填によ
って熱の影響を受けた後に形成される包装体の封緘部で
あっても、優れた接着強度を具備するものになる。
移温度が40℃以上の非晶性〜低結晶性の飽和ポリエステ
ル樹脂による第1の樹脂層と、ポリカーボネート樹脂に
よる第2の樹脂層との共押し出し積層樹脂層からなるヒ
ートシール用樹脂で形成されており、該共押し出し積層
樹脂からなるヒートシール用樹脂層の第1の樹脂層、す
なわちガラス転移温度が40℃以上の非晶性〜低結晶性の
飽和ポリエステル樹脂による第1の樹脂層が、包装体内
の内填物と直接接するようになっている。 包装体内の内填物と直接接する前記の第1の樹脂層
は、該樹脂層を構成する飽和ポリエステル樹脂のガラス
転移温度未満の温度雰囲気中で優れた保香性能を奏する
ものであり、これと関連して通常の包装体は40℃未満の
温度雰囲気中に置かれるということとの関係から、本発
明の包装体においては内填物に対する優れた保香性能が
奏される。 また本発明の包装体は、該包装体の包装用材である積
層材のヒートシール用樹脂層が、結晶化度が10%以下と
いうような非晶性〜低結晶性の飽和ポリエステル樹脂に
よる第1の樹脂層と、ポリカーボネート樹脂による第2
の樹脂層との共押し出し積層樹脂層で形成されており、
このヒートシール用樹脂層中のポリカーボネート樹脂層
の存在によって、耐衝撃性に対して優れた作用が奏され
る。 更に前記のヒートシール用樹脂層は、非晶性〜低結晶
性の飽和ポリエステル樹脂による第1の樹脂層と、ポリ
カーボネート樹脂による第2の樹脂層とが共押し出し成
形によって積層されたものであるので、非晶性〜低結晶
性の飽和ポリエステル樹脂による第1の樹脂層と、ポリ
カーボネート樹脂による第2の樹脂層との間には優れた
積層強度が具備される。 このために本発明の包装体においては、前記共押し出
し積層樹脂層からなるヒートシール用樹脂層が具備する
熱溶着能によって形成されている封緘部に、前記第1の
樹脂層をなす非晶性〜結晶化度が10%以下というような
低結晶性の飽和ポリエステル樹脂による優れた接着強度
と、第2の樹脂層をなすポリカーボネート樹脂による優
れた耐衝撃性とが備わる。 又本発明の包装体において、該包装体の包装用材であ
る積層材のヒートシール用樹脂層中の第1の樹脂層が、
エチレングリコールとテレフタル酸とを主成分とし、エ
チレングリコールと、テレフタル酸と、エチレングリコ
ール以外のジアルコール及び/又はテレフタル酸以外の
ジカルボン酸との共重合体からなる飽和ポリエステル樹
脂によって形成されているときには、該1の樹脂層をな
す樹脂の主成分であるエチレングリコールとテレフタル
酸との共重合部分で奏される優れた保香性能と、エチレ
ングリコール以外のジアルコール及び/又はテレフタル
酸以外のジカルボン酸の共重合部分で奏される耐熱性、
すなわち、例えば容器内への内填物の充填を熱充填によ
って行なう際の加熱等を受けた後においても、依然とし
て優れた熱溶着性能を具備する等の耐熱性とを備えたも
のになる。 従ってこの場合には、熱充填による内填物の充填によ
って熱の影響を受けた後に形成される包装体の封緘部で
あっても、優れた接着強度を具備するものになる。
以下、本発明の包装体の具体的な構成を、実施例に基
づいて説明する。 実施例1 第1図において、厚さ15μの延伸ナイロンフィルム2
と厚さ9μのAl箔3との積層シートのAl箔3面にイソシ
アネート系接着剤を塗布することにより、片面が接着剤
で処理されている包装材用基材シート4にした後、該包
装材用基材シート4のイソシアネート系接着剤の塗布面
に、ガラス転移温度が81℃の非晶性飽和ポリエステル樹
脂(イーストマンコダック社製:PETG6763)による厚さ4
0μの第1の樹脂層5と、ポリカーボネート樹脂(三菱
ガス化学工業(株)製:ユーピロンS2001)による厚さ2
0μの第2の樹脂層6との共押し出し積層樹脂層からな
るヒートシール用樹脂層7を、直接押し出し成形するこ
とによって符号Aで表示される積層材を得た。 次いで、この積層材Aのヒートシール用樹脂層7が全
内周面層になっているパウチ(120mm×170mm)を、ヒー
トシール用樹脂層7の熱溶着によって封緘部を形成して
作製すると同時に、その内部に200mlの100%オレンジジ
ュースを充填した。 得られたパウチを3℃の雰囲気中に2週間保持した
後、パウチ内のオレンジジュースの芳香性を官能テスト
した。 また、前記の内部に200mlの100%オレンジジュースを
充填してあるパウチ(120mm×170mm)を、床上50cmの位
置から落下させ、このパウチの封緘部(熱溶着部)から
の液漏れの有,無を観察した。 これらの各試験結果を、パウチの封緘部(熱溶着部)
の引っ張り強度と共に第1表に示す。 比較例1 実施例1で利用した包装材用基材シート4と同一の構
成からなる包装材用基材シートのイソシアネート系接着
材の塗布面に、ガラス転移温度が81℃の非晶性飽和ポリ
エステル樹脂(イーストマンコダック社製:PETG6763)
による厚さ60μのヒートシール用樹脂層を押し出し成形
することによって積層材Bを得た。 次いでこの積層材Bにより、実施例1と同様にして、
その内部に200mlの100%オレンジジュースを充填してあ
るパウチを作製し、該パウチについて実施例1と同様の
試験を行なった。その結果を第1表に示す。 比較例2 実施例1で利用した包装材用基材シート4と同一の構
成からなる包装材用基材シートのイソシアネート系接着
剤の塗布面に、低密度ポリエチレン樹脂(三井石油化学
工業(株)製:ミラソン16p)による厚さ60μのヒート
シール用樹脂層を押し出し成形することによって積層材
Cを得た。 次いでこの積層材Cにより、実施例1と同様にして、
その内部に200mlの100%オレンジジュースを充填してあ
るパウチを作製し、該パウチについて実施例1と同様の
試験を行なった。その結果を第1表に示す。 実施例2 第2図において、 厚さ9μのAl箔22/厚さ20μのエチレン−メタアクリ
ル酸共重合体樹脂(三井デュポンポリケミカル(株)
製:ニュークレル0908C)層23/紙(坪量340g/m2)24/厚
さ20μの低密度ポリエチレン樹脂(ミラソン 16p)層2
5 からなる積層シートのAl箔22面にイソシアネート系接着
剤を塗布することにより、片面が接着剤で処理されてい
る包装材用基材シート26を得た。 続いて、該包装材用基材シート26のイソシアネート系
接着剤の塗布面に、ガラス転移温度が71℃の低結晶性飽
和ポリエステル樹脂(エチレングリコールとテレフタル
酸との合計量:70重量%、イソフタル酸:30重量%)によ
る厚さ40μmの第1の樹脂層27と、ポリカーボネート樹
脂(三菱ガス化学工業(株)製:ユーロピンS2001)に
よる厚さ20μの第2の樹脂層28との共押し出し積層樹脂
層からなるヒートシール用樹脂層29を、直接押し出し成
形することにより、符号Dで表示される積層材を得た。 次いでこの積層材Dにより、該積層材Dのヒートシー
ル用樹脂層29が全内周面層になっているゲーベルトップ
型の紙容器(縦50mm,横50mm,高さ300mm)を、ヒートシ
ール用樹脂層29の熱溶着によって封緘部を形成して作製
すると同時に、その内部に1000mlの100%オレンジジュ
ースを熱充填した。 得られたゲーベルトップ型の紙容器を3℃の雰囲気中
に2週間保存した後、紙容器内のオレンジジュースの芳
香性を官能テストした。 また、内部に1000mlの100%オレンジジュースを充填
してある前記紙容器(縦50mm,横50mm,高さ300mm)を、
床上50cmの位置から落下させ、該紙容器の封緘部からの
液漏れの有,無を観察した。 結果を第2表に示す。 実施例3 実施例2で利用した包装材用基材シート26と同一の構
成からなる包装材用基材シートのイソシアネート系接着
剤の塗布面に、ガラス転移温度が81℃の低結晶性飽和ポ
リエステル樹脂(エチレングリコールとテレフタル酸と
の合計量:70重量%、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル:30重量%)による厚さ40μの第1の樹脂層と、ポリ
カーボネート樹脂(三菱ガス化学工業(株)製:ユーピ
ロンS2001)による厚さ20μの第2の樹脂層との共押し
出し積層樹脂層からなるヒートシール用樹脂層を直接押
し出し成形することにより、積層材Eを得た。 次いでこの積層材Eにより、実施例2と同様にして、
その内部に1000mlの100%オレンジジュースを充填して
てあるゲーベルトップ型の紙容器を作製し、該紙容器に
ついて実施例2と同様の試験を行なった。その結果を第
2表に示す。 比較例3 実施例2で利用した包装材用基材シート26と同一の構
成からなる包装材用基材シートのイソシアネート系接着
剤の塗布面に、ガラス転移温度が71℃の低結晶性飽和ポ
リエステル樹脂(エチレングリコールとテレフタル酸と
の合計量:70重量%、イソフタル酸:30重量%)による厚
さ60μのヒートシール用樹脂層を押し出し成形すること
によって積層材Fを得た。 次いでこの積層材Fにより、実施例2と同様にして、
その内部に1000mlの100%オレンジジュースを充填して
あるゲーベルトップ型の紙容器を作製し、該紙容器につ
いて実施例2と同様の試験を行なった。その結果を第2
表に示す。 比較例4 前記実施例2で利用した包装材用基材シート26と同一
の構成からなる包装材用基材シートのイソシアネート系
接着剤の塗布面に、低密度ポリエチレン樹脂(三井石油
化学工業(株)製:ミラソン16p)による厚さ60μのヒ
ートシール用樹脂層を、押し出し成形することによって
積層材Gを得た。 次いでこの積層材Gにより、実施例2と同様にして、
その内部に1000mlの100%オレンジジュースを充填して
あるゲーベルトップ型の紙容器を作製し、該紙容器につ
いて実施例2と同様の試験を行なった。その結果を第2
表に示す。 なお、積層材Fを利用して得られた紙容器の落下テス
トによる封緘部の切れは、容器の底部における封緘部の
切れである。 前記の落下テストの結果より、積層材D及び積層材E
による紙容器では、オレンジジュースの熱充填の際の加
熱を受けた後であっても、熱溶着によって接着強度の高
い封緘部が形成されていることが確認された。 また、積層材Dのヒートシール用樹脂層は、100℃,2
分間の熱処理によって結晶化度が3%から5%になり、
積層材Eのヒートシール用樹脂層は、100℃,2分間の熱
処理によってもその結晶化度に変化が無かった。 従って、これらの両者のヒートシール用樹脂層とも、
熱充填の際の加熱を受けた後であっても熱溶着による高
い封緘強度が形成されることが、前記の熱処理による実
験でも確認できた。
づいて説明する。 実施例1 第1図において、厚さ15μの延伸ナイロンフィルム2
と厚さ9μのAl箔3との積層シートのAl箔3面にイソシ
アネート系接着剤を塗布することにより、片面が接着剤
で処理されている包装材用基材シート4にした後、該包
装材用基材シート4のイソシアネート系接着剤の塗布面
に、ガラス転移温度が81℃の非晶性飽和ポリエステル樹
脂(イーストマンコダック社製:PETG6763)による厚さ4
0μの第1の樹脂層5と、ポリカーボネート樹脂(三菱
ガス化学工業(株)製:ユーピロンS2001)による厚さ2
0μの第2の樹脂層6との共押し出し積層樹脂層からな
るヒートシール用樹脂層7を、直接押し出し成形するこ
とによって符号Aで表示される積層材を得た。 次いで、この積層材Aのヒートシール用樹脂層7が全
内周面層になっているパウチ(120mm×170mm)を、ヒー
トシール用樹脂層7の熱溶着によって封緘部を形成して
作製すると同時に、その内部に200mlの100%オレンジジ
ュースを充填した。 得られたパウチを3℃の雰囲気中に2週間保持した
後、パウチ内のオレンジジュースの芳香性を官能テスト
した。 また、前記の内部に200mlの100%オレンジジュースを
充填してあるパウチ(120mm×170mm)を、床上50cmの位
置から落下させ、このパウチの封緘部(熱溶着部)から
の液漏れの有,無を観察した。 これらの各試験結果を、パウチの封緘部(熱溶着部)
の引っ張り強度と共に第1表に示す。 比較例1 実施例1で利用した包装材用基材シート4と同一の構
成からなる包装材用基材シートのイソシアネート系接着
材の塗布面に、ガラス転移温度が81℃の非晶性飽和ポリ
エステル樹脂(イーストマンコダック社製:PETG6763)
による厚さ60μのヒートシール用樹脂層を押し出し成形
することによって積層材Bを得た。 次いでこの積層材Bにより、実施例1と同様にして、
その内部に200mlの100%オレンジジュースを充填してあ
るパウチを作製し、該パウチについて実施例1と同様の
試験を行なった。その結果を第1表に示す。 比較例2 実施例1で利用した包装材用基材シート4と同一の構
成からなる包装材用基材シートのイソシアネート系接着
剤の塗布面に、低密度ポリエチレン樹脂(三井石油化学
工業(株)製:ミラソン16p)による厚さ60μのヒート
シール用樹脂層を押し出し成形することによって積層材
Cを得た。 次いでこの積層材Cにより、実施例1と同様にして、
その内部に200mlの100%オレンジジュースを充填してあ
るパウチを作製し、該パウチについて実施例1と同様の
試験を行なった。その結果を第1表に示す。 実施例2 第2図において、 厚さ9μのAl箔22/厚さ20μのエチレン−メタアクリ
ル酸共重合体樹脂(三井デュポンポリケミカル(株)
製:ニュークレル0908C)層23/紙(坪量340g/m2)24/厚
さ20μの低密度ポリエチレン樹脂(ミラソン 16p)層2
5 からなる積層シートのAl箔22面にイソシアネート系接着
剤を塗布することにより、片面が接着剤で処理されてい
る包装材用基材シート26を得た。 続いて、該包装材用基材シート26のイソシアネート系
接着剤の塗布面に、ガラス転移温度が71℃の低結晶性飽
和ポリエステル樹脂(エチレングリコールとテレフタル
酸との合計量:70重量%、イソフタル酸:30重量%)によ
る厚さ40μmの第1の樹脂層27と、ポリカーボネート樹
脂(三菱ガス化学工業(株)製:ユーロピンS2001)に
よる厚さ20μの第2の樹脂層28との共押し出し積層樹脂
層からなるヒートシール用樹脂層29を、直接押し出し成
形することにより、符号Dで表示される積層材を得た。 次いでこの積層材Dにより、該積層材Dのヒートシー
ル用樹脂層29が全内周面層になっているゲーベルトップ
型の紙容器(縦50mm,横50mm,高さ300mm)を、ヒートシ
ール用樹脂層29の熱溶着によって封緘部を形成して作製
すると同時に、その内部に1000mlの100%オレンジジュ
ースを熱充填した。 得られたゲーベルトップ型の紙容器を3℃の雰囲気中
に2週間保存した後、紙容器内のオレンジジュースの芳
香性を官能テストした。 また、内部に1000mlの100%オレンジジュースを充填
してある前記紙容器(縦50mm,横50mm,高さ300mm)を、
床上50cmの位置から落下させ、該紙容器の封緘部からの
液漏れの有,無を観察した。 結果を第2表に示す。 実施例3 実施例2で利用した包装材用基材シート26と同一の構
成からなる包装材用基材シートのイソシアネート系接着
剤の塗布面に、ガラス転移温度が81℃の低結晶性飽和ポ
リエステル樹脂(エチレングリコールとテレフタル酸と
の合計量:70重量%、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル:30重量%)による厚さ40μの第1の樹脂層と、ポリ
カーボネート樹脂(三菱ガス化学工業(株)製:ユーピ
ロンS2001)による厚さ20μの第2の樹脂層との共押し
出し積層樹脂層からなるヒートシール用樹脂層を直接押
し出し成形することにより、積層材Eを得た。 次いでこの積層材Eにより、実施例2と同様にして、
その内部に1000mlの100%オレンジジュースを充填して
てあるゲーベルトップ型の紙容器を作製し、該紙容器に
ついて実施例2と同様の試験を行なった。その結果を第
2表に示す。 比較例3 実施例2で利用した包装材用基材シート26と同一の構
成からなる包装材用基材シートのイソシアネート系接着
剤の塗布面に、ガラス転移温度が71℃の低結晶性飽和ポ
リエステル樹脂(エチレングリコールとテレフタル酸と
の合計量:70重量%、イソフタル酸:30重量%)による厚
さ60μのヒートシール用樹脂層を押し出し成形すること
によって積層材Fを得た。 次いでこの積層材Fにより、実施例2と同様にして、
その内部に1000mlの100%オレンジジュースを充填して
あるゲーベルトップ型の紙容器を作製し、該紙容器につ
いて実施例2と同様の試験を行なった。その結果を第2
表に示す。 比較例4 前記実施例2で利用した包装材用基材シート26と同一
の構成からなる包装材用基材シートのイソシアネート系
接着剤の塗布面に、低密度ポリエチレン樹脂(三井石油
化学工業(株)製:ミラソン16p)による厚さ60μのヒ
ートシール用樹脂層を、押し出し成形することによって
積層材Gを得た。 次いでこの積層材Gにより、実施例2と同様にして、
その内部に1000mlの100%オレンジジュースを充填して
あるゲーベルトップ型の紙容器を作製し、該紙容器につ
いて実施例2と同様の試験を行なった。その結果を第2
表に示す。 なお、積層材Fを利用して得られた紙容器の落下テス
トによる封緘部の切れは、容器の底部における封緘部の
切れである。 前記の落下テストの結果より、積層材D及び積層材E
による紙容器では、オレンジジュースの熱充填の際の加
熱を受けた後であっても、熱溶着によって接着強度の高
い封緘部が形成されていることが確認された。 また、積層材Dのヒートシール用樹脂層は、100℃,2
分間の熱処理によって結晶化度が3%から5%になり、
積層材Eのヒートシール用樹脂層は、100℃,2分間の熱
処理によってもその結晶化度に変化が無かった。 従って、これらの両者のヒートシール用樹脂層とも、
熱充填の際の加熱を受けた後であっても熱溶着による高
い封緘強度が形成されることが、前記の熱処理による実
験でも確認できた。
本発明の包装体は、包装材用基材シートに対して、ガ
ラス転移温度が40℃以上の非晶性〜低結晶性の飽和ポリ
エステル樹脂による第1の樹脂層とポリカーボネート樹
脂による第2の樹脂層との共押し出し積層樹脂層からな
るヒートシール用樹脂層を、該共押し出し積層樹脂層に
おける第1の樹脂層が外側層となるようにして積層して
ある積層材による包装体であって、該包装体の全内周面
層が、前記共押し出し積層樹脂層からなるヒートシール
用樹脂層で形成されており、しかも該包装体の封緘部
が、前記共押し出し積層樹脂層からなるヒートシール用
樹脂層が具備する熱溶着能によって形成されているもの
である。 したがって本発明の包装体にあっては、該包装体内の
内填物と直接接する層が、40℃以上のガラス転移温度を
有している飽和ポリエステル樹脂による樹脂層からなる
ものであるために、内填物が有する芳香が包装体を形成
する包装用材である積層材に吸収されるようなことがな
く、内填物の味や香りの変化が効果的に阻止され、内填
物に対する優れた保香性能が奏される。 又本発明の包装体にあっては、該包装体を形成してい
る積層材のヒートシール用樹脂層が、前記した通りガラ
ス転移温度が40℃以上の飽和ポリエステル樹脂による第
1の樹脂層と、ポリカーボネート樹脂による第2の樹脂
層との共押し出し積層樹脂層からなるものであるため
に、該積層樹脂層からなるヒートシール用樹脂層が具備
する熱溶着能によって形成されている包装体の封緘部
が、結晶化度が10%以下となるような非晶性〜低結晶性
の飽和ポリエステル樹脂による第1の樹脂層の優れた熱
溶着性能と、ポリカーボネート樹脂による第2の樹脂層
の耐衝撃性に対する優れた性能と併せて利用したものに
なる。 更に本発明の包装体にあっては、該包装体を形成して
いる積層材のヒートシール用樹脂層が、ガラス転移温度
が40℃以上の飽和ポリエステル樹脂による第1の樹脂層
と、ポリカーボネート樹脂による第2の樹脂層との共押
し出し積層樹脂層からなるものであるために、ヒートシ
ール用樹脂層をなす積層樹脂層の第1の樹脂層と第2の
樹脂層との間の接着強度が優れたものになる。 これによって本発明の包装体においては、該包装体の
封緘部である熱溶着部に、優れた接着強度と耐衝撃性と
が備えられる。
ラス転移温度が40℃以上の非晶性〜低結晶性の飽和ポリ
エステル樹脂による第1の樹脂層とポリカーボネート樹
脂による第2の樹脂層との共押し出し積層樹脂層からな
るヒートシール用樹脂層を、該共押し出し積層樹脂層に
おける第1の樹脂層が外側層となるようにして積層して
ある積層材による包装体であって、該包装体の全内周面
層が、前記共押し出し積層樹脂層からなるヒートシール
用樹脂層で形成されており、しかも該包装体の封緘部
が、前記共押し出し積層樹脂層からなるヒートシール用
樹脂層が具備する熱溶着能によって形成されているもの
である。 したがって本発明の包装体にあっては、該包装体内の
内填物と直接接する層が、40℃以上のガラス転移温度を
有している飽和ポリエステル樹脂による樹脂層からなる
ものであるために、内填物が有する芳香が包装体を形成
する包装用材である積層材に吸収されるようなことがな
く、内填物の味や香りの変化が効果的に阻止され、内填
物に対する優れた保香性能が奏される。 又本発明の包装体にあっては、該包装体を形成してい
る積層材のヒートシール用樹脂層が、前記した通りガラ
ス転移温度が40℃以上の飽和ポリエステル樹脂による第
1の樹脂層と、ポリカーボネート樹脂による第2の樹脂
層との共押し出し積層樹脂層からなるものであるため
に、該積層樹脂層からなるヒートシール用樹脂層が具備
する熱溶着能によって形成されている包装体の封緘部
が、結晶化度が10%以下となるような非晶性〜低結晶性
の飽和ポリエステル樹脂による第1の樹脂層の優れた熱
溶着性能と、ポリカーボネート樹脂による第2の樹脂層
の耐衝撃性に対する優れた性能と併せて利用したものに
なる。 更に本発明の包装体にあっては、該包装体を形成して
いる積層材のヒートシール用樹脂層が、ガラス転移温度
が40℃以上の飽和ポリエステル樹脂による第1の樹脂層
と、ポリカーボネート樹脂による第2の樹脂層との共押
し出し積層樹脂層からなるものであるために、ヒートシ
ール用樹脂層をなす積層樹脂層の第1の樹脂層と第2の
樹脂層との間の接着強度が優れたものになる。 これによって本発明の包装体においては、該包装体の
封緘部である熱溶着部に、優れた接着強度と耐衝撃性と
が備えられる。
第1図及び第2図は、本発明の包装体の包装用材として
使用される積層材のそれぞれ別の実施例品を示す模型断
面図である。 A……積層材、 4……片面が接着剤で処理されている包装材用基材シー
ト、 5……ガラス転移温度が40℃以上の非晶性〜低結晶性の
飽和ポリエステル樹脂による第1の樹脂層、 6……ポリカーボネート樹脂による第2の樹脂層、 7……第1の樹脂層と第2の樹脂層との共押し出し積層
樹脂層からなるヒートシール用樹脂層。
使用される積層材のそれぞれ別の実施例品を示す模型断
面図である。 A……積層材、 4……片面が接着剤で処理されている包装材用基材シー
ト、 5……ガラス転移温度が40℃以上の非晶性〜低結晶性の
飽和ポリエステル樹脂による第1の樹脂層、 6……ポリカーボネート樹脂による第2の樹脂層、 7……第1の樹脂層と第2の樹脂層との共押し出し積層
樹脂層からなるヒートシール用樹脂層。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−15745(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00
Claims (4)
- 【請求項1】包装材用基材シートに対して、ガラス転移
温度が40℃以上の非晶性〜低結晶性の飽和ポリエステル
樹脂による第1の樹脂層とポリカーボネート樹脂による
第2の樹脂層との共押し出し積層樹脂層からなるヒート
シール用樹脂層を、該共押し出し積層樹脂層における第
1の樹脂層が外側層となるようにして積層してある積層
材による包装体であって、該包装体の全内周面層が、前
記共押し出し積層樹脂層からなるヒートシール用樹脂層
で形成されており、しかも該包装体の封緘部が、前記共
押し出し積層樹脂層からなるヒートシール用樹脂層が具
備する熱溶着能によって形成されていることを特徴とす
る包装体。 - 【請求項2】ガラス転移温度が40℃以上の非晶性〜低結
晶性の飽和ポリエステル樹脂が、エチレングリコールと
テレフタル酸とを主成分とし、エチレングリコールと、
テレフタル酸と、エチレングリコール以外のジアルコー
ル及び/又はテレフタル酸以外のジカルボン酸との共重
合体からなる飽和ポリエステル樹脂である特許請求の範
囲第1項記載の包装体。 - 【請求項3】ガラス転移温度が40℃以上の非晶性〜低結
晶性の飽和ポリエステル樹脂が、エチレングリコールと
テレフタル酸とイソフタル酸との共重合体からなる飽和
ポリエステル樹脂である特許請求の範囲第2項記載の包
装体。 - 【請求項4】ガラス転移温度が40℃以上の非晶性〜低結
晶性の飽和ポリエステル樹脂が、エチレングコールとテ
レフタル酸と1,4−シクロヘキサンジメタノールとの共
重合体からなる飽和ポリエステル樹脂である特許請求の
範囲第2項記載の包装体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1316305A JP3011953B2 (ja) | 1989-12-05 | 1989-12-05 | 包装体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1316305A JP3011953B2 (ja) | 1989-12-05 | 1989-12-05 | 包装体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03176145A JPH03176145A (ja) | 1991-07-31 |
JP3011953B2 true JP3011953B2 (ja) | 2000-02-21 |
Family
ID=18075649
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1316305A Expired - Fee Related JP3011953B2 (ja) | 1989-12-05 | 1989-12-05 | 包装体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3011953B2 (ja) |
-
1989
- 1989-12-05 JP JP1316305A patent/JP3011953B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03176145A (ja) | 1991-07-31 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |