JPH0227183Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は内燃機関のエアレギユレータ（補助空
気弁）に関する。

電子制御燃料噴射式内燃機関では、第１図に示
すように、エアクリーナ１からエアフローメータ
２、スロツトルチヤンバ３、吸気マニホールド４
を経て空気を吸入し、スロツトルチヤンバ３内の
スロツトル弁５で流量を制御しているが、スロツ
トル弁５をバイパスさせて補助吸入空気通路６が
設けられ、この補助吸入空気通路６に介装したエ
アレギユレータ７により、低温時、暖機運転に必
要な空気をスロツトル弁５をバイパスさせて吸入
空気の増量を行なつている。尚、８は燃料噴射弁
である。

この種のエアレギユレータ７としては、従来例
えば第２図に示すようなものがある。

これについて説明すると、偏心位置に入口通路
１１を有するカバー１２と、偏心位置に出口通路
１３を有しこれと反対側の偏心位置にバイメタル
室１４を有する本体１５とを接合して、これらの
間にシヤツター室１６を形成し、且つシヤツター
室１６の一部を介して入口通路１１と出口通路１
３とを相対させてある。本体１５のシヤツター室
１６側の端面にはアジヤステイングプレート１７
を固定してあり、その中央部のピン１８にシヤツ
ター１９を回動自在に枢着してある。シヤツター
１９にはその一部に開孔２０を形成してある。ま
た、バイメタル室１４には電熱ヒータとしての抵
抗線２１を巻付けたシヤツター駆動用のバイメタ
ル２２を収納してあり、バイメタル２２の突端を
シヤツター１９に係合させてある。

かくして、始動時から抵抗線２１への通電が開
始されるが、暖機運転中は、未だバイメタル２２
が低温状態に保たれることによりシヤツター１９
の開孔２０を介して入口通路１１と出口通路１３
とが連通している。このため、入口通路１１と出
口通路１３との連通部の通路面積が十分に確保さ
れ、バイパス空気量が増量される。

これに対し、暖機運転後はバイメタル２２が高
温化され、その熱変位によりシヤツター１９が回
動されて、その開孔２０が入口通路１１及び出口
通路１３と合致しなくなる。このため、入口通路
１１と出口通路１３との連通部が遮断され、バイ
パス空気の供給が停止される。

ところで、このような従来のエアレギユレータ
において、シヤツター１９が全閉となるまでの時
間を引き延ばすべく抵抗線２１の抵抗値を大きく
設定すると抵抗線の抵抗値が昇温と共に増大して
バイメタルへの熱供給量が小さくなるためバイメ
タルが熱飽和に達する前に外部熱とバランスして
熱変形を停止し、シヤツターが全閉しなくなる。

従つて暖機時間を十分大きく設定することが難
かしいという問題があつた。又、電熱ヒータとし
てPTCを使用したものにおいてと同様の結果と
なつていた。

本考案はこのような従来の問題点に鑑みなされ
たもので、バイメタル加熱用の電熱ヒータとして
温度に対して正の抵抗値特性を有した抵抗と負の
抵抗値特性を有した抵抗とを直列に接続した構成
として、前記従来の問題点を解決したエアレギユ
レータを提供することを目的とする。

以下に本考案を図面に示した実施例に基づいて
説明する。但し、一実施例を示す第３図において
第２図と同一の構成部分には同一符号を付して説
明を省略する。

第３図において、エアレギユレータのバイメタ
ル室１４内の電熱ヒータ接続端子に抵抗線３１と
NTC（負特性サーミスタ）３２とを直列に接続し
たものの両端を接続する。これにより前記抵抗線
３１とNTC３２とは第４図に示すようにイグニ
ツシヨンスイツチ３３のON操作によりONとな
るエアレギユレータ作動用リレー３４の接点３４
ａを介してバツテリ３５に接続される。

かかる構成とすれば抵抗線３１とNTC３２と
を直列接続したヒータの合成抵抗値特性は第５図
の実線に示すように低温時及び高温時で大きく中
間温度で小さくなる。従つてヒータ通電時の初期
においては抵抗値の二乗に反比例する発熱量が小
さいため、シヤツター１９の閉速度は小さく、あ
る程度昇温してから閉速度が早められて閉じ量を
大きくし、最後は再度閉速度が小さくなる。第６
図はシヤツター開口面積に比例する吸入空気量特
性を示す。

このように、中間時ではシヤツター１９の閉速
度を大きくして確実にシヤツター１９が全閉する
ようにした上で、初期と終期とで閉速度を小さく
することによりシヤツター１９が全閉するまでの
時間、即ち、暖機時間を増大させることができる
のである。

尚、以上の実施例は、電熱ヒータとして巻線抵
抗線とNTCとを直列接続したものを示したが正
特性抵抗として巻線抵抗線の代りにPTCを使用
し、これをNTCと直列接続した構成としてもよ
い。この場合電熱ヒータの抵抗値特性は第７図に
示すようになる。

以上説明したように本考案によればエアレギユ
レータのバイメタル加熱用の電熱ヒータとして温
度に対し正の抵抗値特性を有した抵抗と負の抵抗
値特性を有した抵抗とを直列に接続した構成とし
たため、シヤツターが全閉となるまでの時間、即
ち暖機時間を長引かせることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はエアレギユレータを装着した内燃機関
の吸気系の構成を示す図、第２図は従来のエアレ
ギユレータの構成を示す断面図、第３図は本考案
の一実施例に係るエアレギユレータの構成を示す
断面図、第４図は同上実施例における電熱ヒータ
の回路図、第５図は同上実施例における電熱ヒー
タの温度−抵抗値特性を示す線図、第６図は同上
実施例と従来例との吸気空気量特性を示す線図、
第７図は本考案の別の実施例における電熱ヒータ
の温度−抵抗値特性を示す線図である。 ２２…バイメタル、３１…抵抗線、３２…
NTC。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電熱ヒータと、このヒータからの熱で変位する
   バイメタルと、このバイメタルにより駆動されて
   スロツトル弁をバイパスする補助吸入空気通路の
   通路面積を制御するシヤツターとを備えてなる内
   燃機関のエアレギユレータにおいて、前記電熱ヒ
   ータとして、正の抵抗値特性を有した抵抗と負の
   抵抗値特性を有した抵抗とを併用し、これらを電
   源に対し直列に接続したことを特徴とする内燃機
   関のエアレギユレータ。