JPH0227157Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は気化器の絞り弁操作装置に係り、特に
気化器を変更せずに絞り弁操作ワイヤーの引張方
向が変更された場合においても開閉操作性が変化
せずに安定した開閉作動を確保できる気化器の絞
り弁操作装置に関する。

従来の気化器の絞り弁操作装置（例えば、実公
昭53−52998号公報に開示されている。）を説明す
ると、気化器本体内を貫通して機関へ連通する吸
気路には燃料を噴出する燃料口と吸気路を開閉制
御するちよう形絞り弁が配置され、該ちよう形絞
り弁に固着された絞り弁軸は気化器本体に回動可
能に配置されていた。そして、絞り弁軸には、円
板ドラム形状のシヤフトプレートが固着され、該
シヤフトプレートには絞り弁ワイヤーの一端が固
定され、その他端はスロツトルグリツプに接続さ
れ、絞り弁をスロツトルグリツプによつて開閉操
作するものであつた。この場合、シヤフトプレー
トとスロツトルグリツプとを接続する絞り弁ワイ
ヤーの中間部は、気化器本体に固着されたワイヤ
ーステーにて操作可能に支持されていたので、絞
り弁ワイヤーの引張操作方向を変更することがで
きなかつた。又、ワイヤーステーを備えていない
気化器においても、シヤフトプレートに装着され
る絞り弁ワイヤーの引張操作方向を変更すると絞
り弁ワイヤーが脱落してしまうという欠点があつ
た。

本考案は、かかる点に鑑み成されたもので、そ
の目的とするところは、絞り弁軸直径方向断面の
平面内における絞り弁ワイヤーの操作方向を可変
とし、絞り弁ワイヤーの操作方向が変更された場
合においても、開閉操作性が全く変化せずに安定
した開閉作動を確保できる気化器の絞り弁操作装
置を提供することにある。

本考案の一実施例を摺動絞り弁型気化器につい
て第１図、第２図により説明する（ちよう形弁型
気化器についても本考案が含まれる。）と、気化
器本体１内には機関へ連通する吸気路が貫通して
配置され、該吸気路内に浮子によつて定油面を維
持する燃料室から供給する燃料口が配置される。
該燃料口近傍の吸気路を開閉制御する摺動絞り弁
が気化器本体に対して摺動可能に配置され、摺動
絞り弁と、気化器本体に回動可能に配置された絞
り弁軸２とはリンク機構にて連結される。

絞り弁軸２には円盤ドラム形状のシヤフトプレ
ート６が一体に固着され、該シヤフトプレートに
はプレートねじ８を挿入する孔が１ケ所穿設され
ている。又、シヤフトプレート６に回動可能に連
結されたレバー９と気化器本体１との間にはテン
シヨンスプリング１０が係止される。絞り弁軸２
には回動可能に平板状のスロツトルレバー７が配
置され、該スロツトルレバー７にはプレートねじ
が螺着されるねじ孔１１が３ケ所配置されており
第１図では右端のねじ孔１１に対してプレートね
じ８が螺着され、シヤフトプレート６とスロツト
ルレバー７とを相互に固定している。又、スロツ
トルレバー７のワイヤー係止溝１２には２本の絞
り弁ワイヤー４が係止接続され、絞り弁ワイヤー
の他端は操作手段３であるスロツトルグリツプへ
接続される。なお、１３はスロツトルレバーの一
部折曲して設けた係止レバーである。更に、絞り
弁軸２には回動可能に平板状のワイヤーステー５
が配置され、該ワイヤーステーに穿設された長円
形の孔１４に挿入されたステーねじ１５によつて
気化器本体１に対してワイヤーステー５が固定さ
れる。ワイヤーステー５の一部は折曲されワイヤ
ー孔１６が穿設され、又、アイドル調整ねじ１７
が螺合される。アイドル調整ねじ１７の先端は、
係止レバーに当接する。

作用を説明すると、図は絞り弁全閉時を示し、
テンシヨンスプリング１０の力にてシヤフトレバ
ー６および絞り弁軸２は反時計方向回りの回動力
を与えられ、プレートねじ８にてシヤフトプレー
ト６に固定されたスロツトルレバー７も反時計方
向回りの回動力を与えられるが、ステーねじ１５
にて気化器本体１に固定されたワイヤーステー５
に螺着されたアイドル調整ねじ１７に対してスロ
ツトルレバー７の係止レバー１３が当接して絞り
弁軸２は静止している。

絞り弁を開く時には操作手段３を時計方向回り
に回動すると絞り弁ワイヤー４を介してスロツト
ルレバー７およびシヤフトプレート６に時計方向
回りの回動力が伝達されテンシヨンスプリング１
０の力に抗して絞り弁軸２は絞り弁開方向に回動
される。

次に絞り弁ワイヤーの操作方向を変更する場合
を説明すると、第２図は第１図より操作手段３の
位置が右方向へ変更された場合を示す。

まず、プレートねじ８およびステーねじ１５を
ゆるめて絞り弁軸２、シヤフトプレート６を回動
せずにワイヤーステー５およびスロツトルレバー
７を時計方向回りに回動する。ワイヤーステー５
は長円形の孔１４の許容する範囲だけ、又、スロ
ツトルレバー７はねじ孔１１の許容する範囲だけ
時計回り方向に回動可能であるが、ワイヤーステ
ー５とスロツトルレバー７は同一角度だけ回動さ
せる。次にプレートねじ８を締めてシヤフトプレ
ート６とスロツトルレバー７を固定し、又、ステ
ーねじ１５を締めて気化器本体１に対してワイヤ
ーステー５を固定する。

故に、第１図、第２図から明らかなように、絞
り弁位置を全く変更することなく、操作手段３の
位置を変更して絞り弁ワイヤーの操作方向を変更
する場合においても操作力およびワイヤー支持位
置、相対位置関係は全く変更されないので、操作
性を安定させることができる。又、１台の気化器
を多種類の機関に利用する場合でも絞り弁の操作
方向の変更に対して任意に対応できると共に、気
化器の共用化によるコストダウンが実現できる。

一実施例では摺動絞り弁型気化器を説明したが
本考案は、ちよう型弁気化器についても利用でき
又、ワイヤーステー５あるいはスロツトルレバー
７のいずれか一方のみについても実施でき、更に
又、強制開閉式の２本の絞り弁ワイヤーを採用し
たものに限定することなく、１本の絞り弁ワイヤ
ーを配置した気化器についても利用できる。

以上、詳述したように本考案は、気化器本体１
内を貫通して機関へ連通する吸気路を開閉制御す
る絞り弁と、該絞り弁と連動し気化器本体に回動
可能に配置された絞り弁軸２と、該絞り弁軸と操
作手段３とを接続する絞り弁ワイヤー４とを備え
た気化器において、絞り弁軸直径方向断面の平面
内における絞り弁ワイヤーの操作方向を可変とし
たので、操作手段の位置が変更され絞り弁ワイヤ
ーの操作方向が変更された場合においても、開閉
操作性が全く変化せずに安定した開閉作動が確保
でき、多種類の機関に対しても気化器を共用して
コストダウンを可能とできる気化器の絞り弁操作
装置を提供できたものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の気化器の絞り弁操作装置の一
実施例を示す縦断面図、第２図は第１図の絞り弁
ワイヤーの操作方向を変更した場合の断面図であ
る。 １……気化器本体、２……絞り弁軸、３……操
作手段、４……絞り弁ワイヤー、５……ワイヤー
ステー、６……シヤフトプレート、７……スロツ
トルレバー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 絞り弁と一体的に連結されるとともに気化器本
   体１に回動自在に支持された絞り弁軸２と； 絞り弁軸２と同期的に回動するよう絞り弁軸２
   に一体的に固着され絞り弁軸２の中心より一定半
   径方向に孔が穿設されたシヤフトプレート６と； 絞り弁軸２に回動自在に軸支され、絞り弁軸２
   の中心より一定半径上に複数のねじ孔１１が穿設
   されるとともにワイヤー係止溝１２が穿設された
   平板状のスロツトルレバー７と； 絞り弁軸２に回動自在に軸支され、絞り弁軸２
   の中心より一定距離離れた位置に穿設した円弧状
   の長円形の孔１４と、ワイヤー孔１６が穿設され
   たワイヤーステー５と； よりなり、プレートねじ８をシヤフトプレート６
   を挿通してスロツトルレバー７のねじ孔１１に螺
   着することによつてシヤフトプレート６とスロツ
   トルレバー７とを一体的に固着するとともにステ
   ーねじ１５を、長円形の孔１４を挿通して気化器
   本体１に螺着することによつてワイヤーステー５
   を気化器本体１に取付けてなる気化器の絞り弁操
   作装置。