JPH0227126B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 この発明は複雑な形状、例えば鼓のような外郭
形状を有する物品などの成形方法に関するもので
ある。

(ロ) 背景技術 所望の外郭形状を有する木型、金型等の輪郭に
所望の材料を塗付、添着、巻付けるなどし、その
後にその木型、金型等をはずして、所望の外郭形
状を有する物品を成形する種々の方法が知られて
いる。

ところが、木型、金型等の外側輪郭上に物品が
成形された後に、この木型、金型等を物品から離
型するのは時としてまことに難かしく、種々の考
案、発明がなされ来た。

特に、物品が複雑な輪郭を有するときには、離
型が難かしく、木型、金型は複雑な構造をとらざ
るを得ない。

このために、例えばワツクス型が用いられてき
た。ワツクス型は離型時に融解すれば、型の輪郭
がいかに複雑であつても、その離型はいとも簡単
である。しかし、融解したワツクスは時として成
形された物品上に残存し、その後の処理を要する
し、時としてはワツクスが物品の材料と反応して
その材質を損なうことがある。

また、離型のために種々の離型剤が用いられて
来ているが、これまたその処理に複雑或は繊細な
方法を要することがある。

(ハ) 発明の開示 以上に述べたような従来の成形方法に伴なう諸
問題を解決するのがこの発明の主題である。

この発明にあつては、水を凍結して所望の形状
の型をつくり、この氷型の輪郭上に物品を成形
し、物品の成形後には氷型を解凍して、物品を容
易に離型するものである。

型をつくるものは水であつて、成形される物品
の材料と反応することがないことも、この発明方
法の利点の一つである。

以下、更にこの発明を実施例を参照して説明す
る。

(ニ) 実施例 鼓の形状をした２つ割りの木型中に水を注水
し、これを凍結して、鼓形状の氷型を得た。

−５℃の乾燥した雰囲気のチエンバー中で、こ
の氷型の輪郭上にカーボン繊維フイラメントを巻
き付け、その上にフエノール樹脂接着剤をスプレ
ーしてフイラメント相互間を固着し、氷型上に鼓
形状の外形をしたカーボン繊維になる成形物品を
作つた。

これをチエンバーから取出し、温めて氷型を解
凍して、上記した鼓形状の外形を有する成形物品
を得た。続いて、この成形物品を乾燥した。

成形物品は、その材料においてなんら損なわれ
ることがなく、しかも美麗であつた。

(ホ) 発明の効果 以上の如く、この発明の成形方法にあつては、
成形される物品のほとんど全ての材料と不活性な
水を型とするので、成形に当つての前、後処理に
特別な手段を要せず、かつ複雑な形の物品の離型
もまことに容易である卓越した効果を有するもの
である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 水を凍結して所望の輪郭を有する型を作り、
   この型の上に所望の材料による物品を成形し、成
   形後にこの型を解凍して該物品を離型することを
   特徴とする複雑な形状を有する物品の成形方法。