JPH0227007Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、油圧シヨベルの作業運転座席に関
する。

最近、油圧シヨベルの作業運転座席には、肘掛
けアームを備えたものがあり、オペレータはこの
肘掛けアームに肘を掛けた姿勢で、その作業操作
レバーを把持して操作可能となつている。したが
つて、このような肘掛けアームにより、長時間作
業におけるオペレータの疲労を大幅に軽減できる
とともに、肘掛けアームに肘を固定して作業操作
レバーを操作できることから、この作業操作レバ
ーの微操作も容易となる利点を有する。しかしな
がら、この肘掛けアームによれば、作業操作レバ
ーの微操作が容易となる代りに、逆に肘が肘掛け
アームに固定されて拘束されることから、通常の
大きな作業操作レバーの操作には不向きとなる不
具合を有する。

このようなことから、従来、実開昭52−102102
号公報に記載されているように、肘掛けアームが
前後に往復動自在に構成された作業運転座席が提
案されている。

このものによれば、運転者は肘を、前後に移動
自在な肘掛けに乗せたままで操作レバーを操作で
き、長時間の作業でも疲労を軽減することがで
き、かつ微操作を容易に代える利点がある。

しかしながら、上記公報に記載された従来の場
合、前後に移動自在な肘掛けは、基台となるタン
クの上の後半部に設けられている。

このような構成によると、前後に移動自在な肘
掛けがせいぜい前方に移動されても上記基台とな
るタンクの中央位置までしか前進せず、これに肘
を乗せてもその手が操作レバーの操作範囲に届か
ない場合がある。

特に、油圧シヨベルは深い溝の掘削作業に使用
されることが多く、この場合運転者は溝の中を覗
きこもうとして身体を前に乗り出して操作レバー
を操作することになる。この時、肘を乗せる肘掛
けが座席の中間よりも後方に位置すると、手が操
作バーに届かず、操作が不能になる不具合を生じ
る。

本考案はこのような事情にもとづきなされたも
ので、その目的とするところは、作業操作レバー
の微操作が容易であり、しかも運転者が身体を前
に乗り出しても操作レバーの操作が確実に行え、
さらには肘を外した場合には肘掛けが邪魔になら
ない油圧シヨベルの作業運転座席を提供すること
にある。

本考案は、肘掛けアームが、アームベースと、
この上面に前後に往復動自在に設けられたスライ
ドアームと、上記スライドアームの先端がアーム
ベースの先端と略一致する位置に停止させるよう
に付勢する弾性部材とを備え、この弾性部材に抗
して上記スライドアームを前方に移動させた場合
にこのスライドアームの先端がアームベースの先
端よりも前方に突出可能としたことを特徴とす
る。

本考案によると、スライドアームに肘を乗せて
前後に移動可能となるから、操作レバーの微操作
が長時間続いてもオペレータの疲労を軽減するこ
とができるとともに、スライドアームは前方に移
動された場合にこのスライドアームの先端がアー
ムベースの先端よりも前方に突出するから、油圧
シヨベルでの深い溝の掘削作業において、運転者
が溝の中を覗きこもうとして身体を前に乗り出し
て操作レバーを操作する場合でも、肘を乗せたス
ライドアームが前方に移動されるので操作レバー
に手が届き、操作を確実に行える。また、このス
ライドアームはその先端がアームベースの先端と
略一致する位置に停止させるように弾性部材で付
勢されているから、肘を離してスライドアームを
解放するとスライドアームが自動的に後退して、
アームベースの前端から突出しなくなり、着席、
離席の邪魔にならない。

以下この考案の一実施例を図面にもとづき説明
する。

第１図は、油圧シヨベルを示し、図中１はクロ
ーラ形の車体、２は旋回台、３はブーム、４はア
ーム、５はバケツトであり、また３ａはブームシ
リンダ、４ａはアームシリンダ、５ａはバケツト
シリンダである。

そして、上記旋回台２上には、掘削作業の操作
をなす作業運転キヤブ７が設けられている。この
作業運転キヤブ７内には、第２図に示すようにオ
ペレータの作業運転座席８が設けられているとと
もに、この作業運転座席８の前方には例えば２本
の作業操作レバー９，１０が配設されている。こ
れら作業操作レバー９，１０のうち一方の９は旋
回台２の旋回操作とブーム３の起伏操作をなすも
のであり、他方の１０はアーム４の回動操作とバ
ケツト５の回動操作をなすものである。

そして、上記作業運転座席８には一対の肘掛け
アーム１１，１１が設けられている。各肘掛けア
ーム１１は、第３図及び第４図に示すように、中
空状のアームベース１２とスライドアーム１３か
らなり、このスライドアーム１３はアームベース
１２上に前後に往復動自在に取り付けられてい
る。また、アームベース１２の上面には、スライ
ドアーム１３の内面に転接するローラ形摺動子１
４…が取り付けられており、これらローラ形摺動
子１４…によりスライドアーム１３の摺動が滑ら
かとなるようになつている。また、スライドアー
ム１３の後端には、アームベース１２内に突出す
る連結ロツド１５が設けられている。この連結ロ
ツド１５はアームベース１２の上面に軸方向に形
成した案内溝１６を介してアームベース１２内に
延び、これにより、連結ロツド１５がスライドア
ーム１３の摺動を妨げることはない。一方、アー
ムベース１２内には、連結ロツド１５の前後に一
対のばね支え１７，１７が離間して固定されてお
り、各ばね支え１７，１７と連結ロツド１５との
間はそれぞれコイルばね１８，１８により連結さ
れている。したがつて、これらコイルばね１８，
１８により、スライドアーム１３は、通常第３図
に図示された中立の位置に保持されるようになつ
ている。この場合、スライドアーム１３が中立位
置に保持された姿勢では、第３図に示すように、
スライドアーム１３の先端はアームベース１２の
先端と略同一位置となつている。そして、スライ
ドアーム１３が上記コイルばね１８、１８の付勢
力に抗して前方へ押し出された場合は、スライド
アーム１３の先端がアームベース１２の先端から
前方へ突出されるようになつている。さらに、こ
の実施例の場合、スライドアーム１３の上面に
は、ゴムなどの弾性材料からなる滑り防止用の肘
当て２０が取着されている。

このようなこの考案の一実施例によれば、オペ
レータは各肘掛けアーム１１のスライドアーム１
３上に肘を掛けた姿勢で、各作業操作レバー９，
１０の操作をなすことができ、これにより長時間
作業においても、オペレータの疲労を軽減でき
る。また、スライドアーム１３，１３上に肘を固
定できることから、作業操作レバー９，１０の微
操作も容易なものとなる。しかも、この一実施例
においては、スライドアーム１３，１３が前後に
往復動自在であるから、このスライドアーム１
３，１３上に肘を掛けても、肘がその位置に拘束
されることはない。したがつて、肘を掛けた姿勢
でも、スライドアーム１３，１３とともに腕を前
後に往復動できることから、通常の大きな作業操
作レバー９，１０の操作も可能となり、シヨベル
操作全体が容易なものとなる。

そして、油圧シヨベルで深い溝の掘削作業する
場合は、運転者が溝の中を覗きこもうとして身体
を前に乗り出し、この姿勢で操作レバー９、１０
を操作することが多いが、本実施例では肘を乗せ
たスライドアーム１３がアームベース１２の先端
から大きく前方に移動できるので、上記身体を前
に乗り出したオペレータは操作レバー９、１０に
手が届き、操作を確実に行うことができる。

さらに、スライドアーム１３はコイルばね１
８、１８の付勢力で、その先端がアームベース１
２の先端と略一致する位置に自動的に復帰して停
止されるので、オペレータが席を離れる時や、席
に着こうとする場合に前方に突出せず、したがつ
て着席、離席の邪魔にならない。

なお、この考案は上記一実施例に制約されるも
のではなく、例えば作業運転座席は２本の作業操
作レバー９、１０のみを取扱うものに限らず、２
本以上の作業操作レバーを取扱うものであつても
よい。

以上説明したようにこの考案によれば、操作レ
バーの微操作が長時間続いてもオペレータの疲労
を軽減することができるとともに、油圧シヨベル
の深い溝の掘削作業において運転者が溝の中を覗
きこもうとして身体を前に乗り出して操作レバー
を操作する場合でも、肘を乗せたスライドアーム
が前方に突出移動するので操作レバーに手が届
き、操作を確実に行える。また、肘を離してスラ
イドアームを解放するとスライドアームは弾性部
材で付勢されて自動的に後退し、アームベースの
前端から突出しなくなるので着席や離席の邪魔に
ならない等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面は、この考案の一実施例を示し、第１図は
シヨベルの側面図、第２図は作業運転座席の斜視
図、第３図は肘掛けアームを一部断面した側面
図、第４図は第３図中−線に沿う断面図であ
る。 ８……作業運転座席、１１……肘掛けアーム、
１２……アームベース、１３……スライドアー
ム、１８……コイルばね。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 肘掛けアームを有し、この肘掛けアームに肘を
   掛けた姿勢で運転者が作業操作レバーを把持可能
   な作業運転座席において、 上記肘掛けアームは、アームベースの上面にス
   ライドアームを前後に往復動自在に設けるととも
   に、上記スライドアームの先端がアームベースの
   先端と略一致する位置に停止させるように付勢す
   る弾性部材を有し、この弾性部材に抗して上記ス
   ライドアームを前方に移動させた場合はこのスラ
   イドアームの先端がアームベースの先端よりも前
   方に突出可能としたことを特徴とする油圧シヨベ
   ルの作業運転座席。