JPH065973Y2 - 農用トラクタ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ステップの後方箇所に座席を前向きに配設し
た標準前向き運転状態と、ステップの前方箇所に座席を
後ろ向きに配設した後ろ向き運転状態とに切り換え可能
に構成するとともに、超減速用の操作レバーを装備した
農用トラクタに関する。

〔従来の技術〕

上記農用トラクタでは、溝堀り作業時等に操作する超減
速用操作レバーは、使用頻度が少ないことから、従来で
は前記座席の前向き取付状態において、他の操作レバー
の邪魔にならない運転座席の横側近傍位置に配置されて
いた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、運転座席を機体後ろ向き取付状態に取付
けて、前記超減速用操作レバーを操作する際には、超減
速用操作レバーが、運転座席の前方位置に配置されるこ
とになるので、その操作レバーに手が届き難く、前屈み
姿勢でレバーを操作しなければならず、操作性が悪いも
のであった。又、この操作レバーをステップの前後略中
間部に配設していたのでは、標準前向き運転状態におい
て、操作レバーに手が届き難く使用勝手が劣るものであ
る。

本考案は上記の実情に着目してなされたものであって、
標準運転状態において操作性を良好なものとしながら、
後ろ向き運転状態においても、前に屈むことなく超減速
用の操作レバーを容易に操作することができるようにし
た農用トラクタを提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

すなわち、本考案に係る農用トラクタの特徴構成は、操
作レバーを前記標準前向き運転状態における座席の近傍
下部に配設するとともに、該操作レバーに後ろ向き運転
状態で足踏み操作可能なペダルを装着してある点にあ
り、その作用及び効果は次の通りである。

〔作用〕

標準前向き運転状態で操作レバーを操作する場合には、
この操作レバーが座席の近傍下部に配置されていて手が
届き易く、従来と同じように操作することができる。
又、後ろ向き運転状態において操作レバーを操作する場
合には、この操作レバーに装着されたペダルを足で踏み
操作すればよく、大きく手を伸ばしたり、前屈み姿勢で
操作レバーを操作する必要がない。

〔考案の効果〕

その結果、上記のように標準運転状態での操作レバーの
操作性を確保しながら、後ろ向き運転状態での操作性を
向上することができるようになった。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第５図は農用トラクタを示し、この農用トラクタは左右
一対の前車輪(11)及び後車輪(12)を備え、原動部(5)、
座席(2)、機体走行用のハンドル(6)、ステップ(1)、後
輪フェンダ(7)等を備えた走行機体の後部に、作業装置
を昇降自在なリフトアーム(8)を備えて構成されてい
る。

第５図に示すように、前記座席(2)は、標準前向き運転
状態では前記ステップ(1)の後方箇所に前向きに配設さ
れ、又、第６図に示すように、後ろ向き運転状態ではス
テップ(1)の前方箇所に後ろ向きに配設するように切り
換え可能に構成されている。つまり、標準運転状態にお
いては、左右の後輪フェンダ(7)，(7)の間に位置する部
位に前向き状態の座席(2)が着脱自在に載設され、そし
て後ろ向き運転状態の時には、この座席(2)をフェンダ
(7)から取り外すとともに、前向き運転状態のハンドル
(6)及び計器盤カバー(9)を取り外して、その部位に座席
前記(2)を配置固定することができるようになってい
る。

そして、標準運転状態において前記座席(2)の左側近傍
下部には超減速用操作レバー(3)が機体前後方向へ揺動
可能な状態で配設され、座席(2)の右側のドア(10)の上
面には主変速レバー(13)及び前後進切換え用レバー(14)
が機体前後方向へ揺動可能に付設されている。

第２図に示すように、前記前後進切換え用レバー(14)を
前後方向に案内する直線状のガイド溝(15)には前進操作
域(F)と後進操作域(R)と中立域(N)が連続して設けられ
ているとともに、前記中立域(N)から後進域(R)へレバー
(14)を操作する際に、抵抗が働くようにそのガイド溝(1
5)には一対の薄板で形成された後進牽制具(16)が設けら
れている。このようにすれば、レバー(14)を後進(R)側
へ変速する時には、抵抗を感じるので不用意に後進変速
位置(R)へレバー(14)が入るのを防ぐことができる。

又、前記ステップ(1)の上面に設けられたクラッチペダ
ル(17)部分の構造は次のように構成されている。

第３図及び第４図に示すように、ステップ(1)の下方位
置において機体に固定されたステー(18)にはブラケット
(19)が固設されているとともに、このブラケット(19)か
ら機体前方に丸鋼棒で形成される略Ｌ型の接当部材(20)
が延設固着され、この接当部材(20)前端部の接当部(20
a)と前記ブラケット(19)の前端縁に固着したゴム材(22)
との間の空間内に、機体側に前後揺動自在に枢着された
クラッチペダル(17)のアーム(17a)が配置されている。
そして、クラッチペダル(17)を踏み操作した際にはアー
ム(17a)が前記接当部(20a)に当たり、またクラッチペダ
ル(17)から足を離した際にはバネ(21)の引っ張り力によ
って後方へ揺動されたアーム(17a)が前記ゴム材(22)の
前端縁に接当することで、クラッチペダル(17)の前後ス
トローク範囲を規制することができるようになってい
る。このようにすれば、前記ステップ(1)が機体に防振
ゴムを介して搭載されて、機体に対して上下動するタイ
プの農用トラクタであっても、クラッチペダル(17)の前
後ストローク範囲は、機体に固定されたブラケット(19)
及び接当部材(20)で規制されることになるから、ストロ
ーク精度を向上することができるのである。

次に、前記超減速用操作レバー(3)の構造について説明
する。

第１図に示すように、操作レバー(3)は前記ステップ(1)
の上面から上方へ突出して機体前後方向へ揺動自在に取
り付けられ、前記したように標準運転状態において座席
(2)の左側の近傍下部に配置されている。この操作レバ
ー(3)の下部の機体内側には、機体前後方向に長いペダ
ル(4)が前記操作レバー(3)の機体前側と後側へ突出する
状態で固設されている。従って、このペダル(4)を足で
前後に踏み操作することによって、超減速用操作レバー
(3)の前後進の切り換え操作を行うことができるのであ
る。そして、前記したように座席(2)が計器盤カバー(9)
を外した高い箇所に載設されていても、このペダル(4)
を比較的容易に足踏み操作することができるのである。
又、このペダル(4)は操作レバー(3)の下部から延設され
ていて、標準運転状態においてはペダル(4)が操作の邪
魔になることはないのである。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対照を便利
にする為に符号を記すが、該記入により本考案は添付図
面の構造に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る農用トラクタの実施例を示し、第１
図は超減速用操作レバー部分の側面図、第２図は前後進
切換え用レバー部分の平面図、第３図はクラッチペダル
部分の縦断側面図、第４図は第３図におけるIV−IV線断
面図、第５図は標準前向き運転状態の全体平面図、第６
図は後ろ向き運転状態の全体側面図である。 (1)……ステップ、(2)……座席、(3)……操作レバー、
(4)……ペダル。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ステップ(1)の後方箇所に座席(2)を前向き
   に配設した標準前向き運転状態と、ステップ(1)の前方
   箇所に座席(2)を後ろ向きに配設した後ろ向き運転状態
   とに切り換え可能に構成するとともに、超減速用の操作
   レバー(3)を装備した農用トラクタであって、前記操作
   レバー(3)を前記標準前向き運転状態における座席(2)の
   近傍下部に配設するとともに、該操作レバー(3)に後ろ
   向き運転状態で足踏み操作可能なペダル(4)を装着して
   ある農用トラクタ。
2. 【請求項２】前記ペダル(4)が、後ろ向き運転状態にお
   ける座席(2)側へ、その上面が対向するものである実用
   新案登録請求の範囲第１項に記載の農用トラクタ。
3. 【請求項３】前記操作レバー(3)が、標準前向き運転状
   態における座席(2)側へ向けて傾斜するものである実用
   新案登録請求の範囲第１項又は第２項に記載の農用トラ
   クタ。