JPH0226937B2 - - Google Patents
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- JPH0226937B2 JPH0226937B2 JP59160039A JP16003984A JPH0226937B2 JP H0226937 B2 JPH0226937 B2 JP H0226937B2 JP 59160039 A JP59160039 A JP 59160039A JP 16003984 A JP16003984 A JP 16003984A JP H0226937 B2 JPH0226937 B2 JP H0226937B2
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- Japan
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- shrimp
- seawater
- water
- aquarium
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- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
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Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A40/00—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
- Y02A40/80—Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
- Y02A40/81—Aquaculture, e.g. of fish
Landscapes
- Artificial Fish Reefs (AREA)
- Farming Of Fish And Shellfish (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
[技術分野]
本発明は、オニテナガ海老の養殖過程において
オニテナガ海老の卵を人工的に孵化させるオニテ
ナガ海老の卵孵化方法に関するものである。
オニテナガ海老の卵を人工的に孵化させるオニテ
ナガ海老の卵孵化方法に関するものである。
[背景技術]
東南アジア原産のオニテナガ海老は、川に棲息
する淡水海老であり、甲羅は青味がかつた赤で、
体長の2倍近いハサミを持つことから、俗に松葉
海老とも呼ばれ、近年、クルマ海老やアマ海老に
代わる食用海老として注目されつつある。かかる
オニテナガ海老は、従来鑑費用のペツトとして輸
入して飼育されることはあつたが、これは既に海
老の形になつたものを輸入して水槽内で餌を与え
て飼育するというだけの極めて単純なものであ
り、卵の孵化は天然の状態でなければできないと
されてきた。しかしながら、オニテナガ海老を食
用として大量に養殖するためには、卵の孵化を人
工的に行ない得るようにすることが必要であり、
その方法の確立が強く望まれていた。
する淡水海老であり、甲羅は青味がかつた赤で、
体長の2倍近いハサミを持つことから、俗に松葉
海老とも呼ばれ、近年、クルマ海老やアマ海老に
代わる食用海老として注目されつつある。かかる
オニテナガ海老は、従来鑑費用のペツトとして輸
入して飼育されることはあつたが、これは既に海
老の形になつたものを輸入して水槽内で餌を与え
て飼育するというだけの極めて単純なものであ
り、卵の孵化は天然の状態でなければできないと
されてきた。しかしながら、オニテナガ海老を食
用として大量に養殖するためには、卵の孵化を人
工的に行ない得るようにすることが必要であり、
その方法の確立が強く望まれていた。
[発明の目的]
本発明は上述のような点に鑑みて為されたもの
であり、その目的とするところはオニテナガ海老
の卵を人工的に孵化させる方法を提供することに
ある。
であり、その目的とするところはオニテナガ海老
の卵を人工的に孵化させる方法を提供することに
ある。
[発明の開示]
本発明の方法は、海水を真水で希釈して海水含
有率を容積比で20%乃至40%とし、水温を23℃乃
至32℃とした希釈海水内にて、抱卵せるオニテナ
ガ海老を飼育することを特徴とするものである。
オニテナガ海老は本来は淡水産であるが、産卵期
には河口付近で棲息するため、少なくとも卵が孵
化する前後の期間中はある程度の塩分を含む水を
必要とする。本発明にあつてはこの点を考慮し
て、少なくともオニテナガ海老の雌が抱卵した時
点から、その後その卵が孵化し、浮遊期幼生(ゾ
ニア)を経て稚海老になるまでの期間は天然の河
口付近と同じ条件となるように、海水を真水で希
釈した希釈海水内にてオニテナガ海老を飼育する
ようにしたものである。本発明者の実験によれ
ば、卵が孵化する際には海水が必ず必要であり、
淡水の中に抱卵した雌を放置しておくと、雌は卵
を落してしまうことがわかつた。また海水が必要
であるとはいつても、純海水、つまり100%海水
の中ではたとえ卵が孵化しても稚海老にな呈前の
浮遊期幼生の間に死んでしまうことがわかつた。
卵の孵化に適した希釈海水の濃度は、実験によれ
ば海水含有率が20%乃至40%の範囲内であり、海
水含有率が30%のときに最も好ましい結果が得ら
れたものである。
有率を容積比で20%乃至40%とし、水温を23℃乃
至32℃とした希釈海水内にて、抱卵せるオニテナ
ガ海老を飼育することを特徴とするものである。
オニテナガ海老は本来は淡水産であるが、産卵期
には河口付近で棲息するため、少なくとも卵が孵
化する前後の期間中はある程度の塩分を含む水を
必要とする。本発明にあつてはこの点を考慮し
て、少なくともオニテナガ海老の雌が抱卵した時
点から、その後その卵が孵化し、浮遊期幼生(ゾ
ニア)を経て稚海老になるまでの期間は天然の河
口付近と同じ条件となるように、海水を真水で希
釈した希釈海水内にてオニテナガ海老を飼育する
ようにしたものである。本発明者の実験によれ
ば、卵が孵化する際には海水が必ず必要であり、
淡水の中に抱卵した雌を放置しておくと、雌は卵
を落してしまうことがわかつた。また海水が必要
であるとはいつても、純海水、つまり100%海水
の中ではたとえ卵が孵化しても稚海老にな呈前の
浮遊期幼生の間に死んでしまうことがわかつた。
卵の孵化に適した希釈海水の濃度は、実験によれ
ば海水含有率が20%乃至40%の範囲内であり、海
水含有率が30%のときに最も好ましい結果が得ら
れたものである。
第1図乃至第5図は、本発明の卵孵化方法を実
施するための養殖装置の概略構成を示す図であ
る。第1図に示すものには淡水用の水槽であり、
一坪程の広さの水槽1内に、雄1匹に対して雌5
〜8匹の割合で親のオニテナガ海老を放してハー
レムを作り、交尾の準備をする。雄は必ずしも1
匹である必要はなく、雄を複数匹入れるときには
それに応じて前記の割合で雌の数を増やせばよい
ものである。この水槽1内の水はポンプで汲み上
げてフイルタを介して濾過してから再び水槽1内
に返されるようになつており、また水槽1内の水
には常時エアーを供給して水中の酸素量が減らな
いようにしている。水槽1内の水の温度は温度制
御装置付きのヒータにて28℃から30℃の範囲内に
保たれるようになつている。この状態で餌を与え
ながら飼育すると、交尾が行なわれ、交尾後6〜
20時間の間に産卵が行なわれる。雌海老は抱卵し
た状態で卵が孵化し幼生が泳ぎ出すまで卵を保護
している。抱卵した雌は淡水の中に放置しておく
と卵を落としてしまうので、淡水用の水槽1から
引き上げて第2図に示すような希釈海水用の水槽
2に放すものである。この際、抱卵した雌を水槽
1から容易に引き上げるためには、水槽1が余り
広過ぎない方が良く、上述のように一坪程度の広
さの水槽1を使用することが最も好ましいもので
ある。水槽2内の希釈海水は海水含有率が容積比
で30%となつている。海水としては、自然海水を
使用している。本発明者は食塩水や人工海水を使
用しての孵化実験も試みたが、実然海水以外では
卵の孵化そのものは行なわれるが、幼生の段階で
死んでしまい、海老の形にまで成長することは難
しいことがわかつた。水槽2の水温も28℃〜30℃
の範囲内に保たれており、エアーの注入およびポ
ンプによる水の循環濾過も水槽1の場合と同様に
行なわれているものである。希釈海水用の水槽2
は金網3で仕切つてあり、抱卵した雌を一匹づつ
隔離して飼育しているものである。抱卵した雌を
このように隔離する理由は、仮に抱卵した雌を狭
いスペース内に密集して飼育すると、争いをする
などして卵を落としてしまうことがあるからであ
る。発明者の実験によれば、広さが60cm×30cm程
度で、水深を30cm程度としたガラス製の水槽2内
を3枚の金網3で4等分して使用したところ、ほ
とんど卵を落とすようなことはなかつた。抱卵し
てから、その卵が孵化するまでに要する日数は水
温によつて異なり、水温が高いほうが孵化に要す
る目数は少なくなる。実験によれば、水温が23
℃、24℃、26℃、28℃、30℃、および32℃の各場
合について、孵化に要する目数はそれぞれ抱卵し
てから25日、23日、20日、17日、16日、および15
日であつた。雌が抱卵してからその卵が孵化する
までの間、水温はできるだけけ一定にしておいた
方が良いが、やむを得ず温度が変化する場合に
は、28℃〜30℃の範囲内に設定することが好まし
い。水温を32℃にまで上げると、孵化に要する日
数はさらに短縮されるが、水温を高く保つために
要するエネルギコストが高くつくので、好ましく
ない。水温を32℃よりもさらに高くすると、水が
濁りやすくなり孵化した幼生が死ぬことが多いの
で、好ましくない。水温を28℃とした場合、抱卵
してからその卵が孵化するまでの日数は17日であ
るので、その2、3日前に抱卵した雌をさらに第
3図に示すような別の水槽4に移すものである。
この水槽4の中では、抱卵して孵化寸前の状態に
なつた雌が金網製の飼育網5内に入れられて飼育
される。水槽4の水温および海水含有率は水槽2
の場合と同様であり、またエアを注入して水中の
酸素が減らないようにする点も水槽2の場合と同
様であるが、ポンプによる水の循環濾過は行なわ
ない。なぜなら、卵が孵化すると幼生が泳ぎ出す
ので、ポンプによる水の循環濾過を行なつている
と、幼生がフイルタに捕捉されて死んでしまうか
らである。水槽4の水が汚れたときには20%〜30
%づつ水を交換するものである。水槽4は、500
〜1000リツトルのポリエチレン製またはコンクリ
ート製の丸形水槽としてあり、このような丸形の
水槽を使用する理由は、角形の水槽に比べるとコ
ーナの部分が生じないので水が澱みにくく、水が
腐りにくいからである。卵から孵化した幼生は、
飼育網5の網目よりも遥かに小さいので飼育網5
の内外を自由に行き来することができ、水槽4全
体に広がつていく。この状態で雌海老を飼育網5
ごと水槽4から引き上げて、淡水用の水槽1に戻
すものである。この後、約40日間は第4図に示す
ように水槽4内にバブリング装置6等を挿入した
状態で、エアの注入とヒータによる保温とが行な
われ、幼生が稚海老になるまで飼育管理されるも
のである。水温および海水含有率は第3図の場合
と同様である。孵化してから10日以内の初期の段
階では、幼生自体が小さなプランクトンであるか
ら、この幼生よりもさらに小さいプランクトンを
餌として与える必要がある。発明者の実験では、
ブラインシユリンプ(アルテミア:えびの一種)
の卵を孵化して間なしの状態のプランクトンを与
えることが好ましいこととがわかつた。ブライン
シユリンプの卵は、例えば「日本動物薬品株式会
社」等から市販されている。このブラインシユリ
ンプは孵化が非常に容易であり、3%食塩水また
は純海水内では水温を約28℃とした場合に、孵化
に要する時間24〜48時間とされている。ブライン
シユリンプは必ず孵化して間なしの状態で、幼生
に与える必要がある。孵化してからかなり長い間
放置したプランクトンを与えると、その間にその
プランクトンが大きくなつてしまうので、オニテ
ナガ海老の幼生の方が逆に食われてしまうのであ
る。孵化後10日過ぎ頃からアサリやアミエビの身
をミンチにして与える。稚海老の形になる前の幼
生は水槽4の比較的上方を泳いでいるものであ
る。飼育を続けると、孵化してから早いものでは
約28日ぐらいで稚海老の形となるものもあり、孵
化してから30〜35日ぐらいすると、約半分(強)
の幼生が稚海老の形になつて水槽4の底まで降り
てくる。そして孵化してから約40日を経ると、ほ
とんどすべてが稚海老の形となる。この状態にま
で成長すると、後は淡水にて飼育しても死ぬこと
はないので、第5図に示すような大形の水槽7ま
たは池等に放流して、淡水にて飼育する。この状
態での飼育は非常に容易である。オニテナガ海老
の食性は雑食性で、天然のものは、水棲みみず、
水棲昆虫類の他、小さな貝類や、甲殼類、魚や動
物の肉、殼類、藻、水棲植物の柔らかい葉や茎な
ど何でも食べる。水槽7の中などで養殖する際に
は、マス、コイ、アユ等の配合飼料や、いりこ、
卵の殼等を与える。水温については、もともと熱
帯ないし亜熱帯産の海老であるので、高水温には
強いが低水温には弱く、正常に棲息可能な水温
は、18℃から35℃の範囲内、好適な水温は25℃か
ら32℃の範囲内である。水温が20℃を下回ると餌
を食わなくなり、14℃以下になれば死んでしま
う。オニテナガ海老は、孵化後4、5箇月で親海
老に成長し、卵を産む。1尾の親の産卵数は大き
さによつて異なるが、平均2万粒から3万粒程度
であつて、水温その他の棲息条件が良ければ年に
5〜7回産卵する。大きさは孵化後、約半年間で
体長11〜15センチ、3年間で体長30〜40センチに
育つが、国内市場用としては15センチ程度のとき
に水槽から出して出荷するのが好適と思われる。
施するための養殖装置の概略構成を示す図であ
る。第1図に示すものには淡水用の水槽であり、
一坪程の広さの水槽1内に、雄1匹に対して雌5
〜8匹の割合で親のオニテナガ海老を放してハー
レムを作り、交尾の準備をする。雄は必ずしも1
匹である必要はなく、雄を複数匹入れるときには
それに応じて前記の割合で雌の数を増やせばよい
ものである。この水槽1内の水はポンプで汲み上
げてフイルタを介して濾過してから再び水槽1内
に返されるようになつており、また水槽1内の水
には常時エアーを供給して水中の酸素量が減らな
いようにしている。水槽1内の水の温度は温度制
御装置付きのヒータにて28℃から30℃の範囲内に
保たれるようになつている。この状態で餌を与え
ながら飼育すると、交尾が行なわれ、交尾後6〜
20時間の間に産卵が行なわれる。雌海老は抱卵し
た状態で卵が孵化し幼生が泳ぎ出すまで卵を保護
している。抱卵した雌は淡水の中に放置しておく
と卵を落としてしまうので、淡水用の水槽1から
引き上げて第2図に示すような希釈海水用の水槽
2に放すものである。この際、抱卵した雌を水槽
1から容易に引き上げるためには、水槽1が余り
広過ぎない方が良く、上述のように一坪程度の広
さの水槽1を使用することが最も好ましいもので
ある。水槽2内の希釈海水は海水含有率が容積比
で30%となつている。海水としては、自然海水を
使用している。本発明者は食塩水や人工海水を使
用しての孵化実験も試みたが、実然海水以外では
卵の孵化そのものは行なわれるが、幼生の段階で
死んでしまい、海老の形にまで成長することは難
しいことがわかつた。水槽2の水温も28℃〜30℃
の範囲内に保たれており、エアーの注入およびポ
ンプによる水の循環濾過も水槽1の場合と同様に
行なわれているものである。希釈海水用の水槽2
は金網3で仕切つてあり、抱卵した雌を一匹づつ
隔離して飼育しているものである。抱卵した雌を
このように隔離する理由は、仮に抱卵した雌を狭
いスペース内に密集して飼育すると、争いをする
などして卵を落としてしまうことがあるからであ
る。発明者の実験によれば、広さが60cm×30cm程
度で、水深を30cm程度としたガラス製の水槽2内
を3枚の金網3で4等分して使用したところ、ほ
とんど卵を落とすようなことはなかつた。抱卵し
てから、その卵が孵化するまでに要する日数は水
温によつて異なり、水温が高いほうが孵化に要す
る目数は少なくなる。実験によれば、水温が23
℃、24℃、26℃、28℃、30℃、および32℃の各場
合について、孵化に要する目数はそれぞれ抱卵し
てから25日、23日、20日、17日、16日、および15
日であつた。雌が抱卵してからその卵が孵化する
までの間、水温はできるだけけ一定にしておいた
方が良いが、やむを得ず温度が変化する場合に
は、28℃〜30℃の範囲内に設定することが好まし
い。水温を32℃にまで上げると、孵化に要する日
数はさらに短縮されるが、水温を高く保つために
要するエネルギコストが高くつくので、好ましく
ない。水温を32℃よりもさらに高くすると、水が
濁りやすくなり孵化した幼生が死ぬことが多いの
で、好ましくない。水温を28℃とした場合、抱卵
してからその卵が孵化するまでの日数は17日であ
るので、その2、3日前に抱卵した雌をさらに第
3図に示すような別の水槽4に移すものである。
この水槽4の中では、抱卵して孵化寸前の状態に
なつた雌が金網製の飼育網5内に入れられて飼育
される。水槽4の水温および海水含有率は水槽2
の場合と同様であり、またエアを注入して水中の
酸素が減らないようにする点も水槽2の場合と同
様であるが、ポンプによる水の循環濾過は行なわ
ない。なぜなら、卵が孵化すると幼生が泳ぎ出す
ので、ポンプによる水の循環濾過を行なつている
と、幼生がフイルタに捕捉されて死んでしまうか
らである。水槽4の水が汚れたときには20%〜30
%づつ水を交換するものである。水槽4は、500
〜1000リツトルのポリエチレン製またはコンクリ
ート製の丸形水槽としてあり、このような丸形の
水槽を使用する理由は、角形の水槽に比べるとコ
ーナの部分が生じないので水が澱みにくく、水が
腐りにくいからである。卵から孵化した幼生は、
飼育網5の網目よりも遥かに小さいので飼育網5
の内外を自由に行き来することができ、水槽4全
体に広がつていく。この状態で雌海老を飼育網5
ごと水槽4から引き上げて、淡水用の水槽1に戻
すものである。この後、約40日間は第4図に示す
ように水槽4内にバブリング装置6等を挿入した
状態で、エアの注入とヒータによる保温とが行な
われ、幼生が稚海老になるまで飼育管理されるも
のである。水温および海水含有率は第3図の場合
と同様である。孵化してから10日以内の初期の段
階では、幼生自体が小さなプランクトンであるか
ら、この幼生よりもさらに小さいプランクトンを
餌として与える必要がある。発明者の実験では、
ブラインシユリンプ(アルテミア:えびの一種)
の卵を孵化して間なしの状態のプランクトンを与
えることが好ましいこととがわかつた。ブライン
シユリンプの卵は、例えば「日本動物薬品株式会
社」等から市販されている。このブラインシユリ
ンプは孵化が非常に容易であり、3%食塩水また
は純海水内では水温を約28℃とした場合に、孵化
に要する時間24〜48時間とされている。ブライン
シユリンプは必ず孵化して間なしの状態で、幼生
に与える必要がある。孵化してからかなり長い間
放置したプランクトンを与えると、その間にその
プランクトンが大きくなつてしまうので、オニテ
ナガ海老の幼生の方が逆に食われてしまうのであ
る。孵化後10日過ぎ頃からアサリやアミエビの身
をミンチにして与える。稚海老の形になる前の幼
生は水槽4の比較的上方を泳いでいるものであ
る。飼育を続けると、孵化してから早いものでは
約28日ぐらいで稚海老の形となるものもあり、孵
化してから30〜35日ぐらいすると、約半分(強)
の幼生が稚海老の形になつて水槽4の底まで降り
てくる。そして孵化してから約40日を経ると、ほ
とんどすべてが稚海老の形となる。この状態にま
で成長すると、後は淡水にて飼育しても死ぬこと
はないので、第5図に示すような大形の水槽7ま
たは池等に放流して、淡水にて飼育する。この状
態での飼育は非常に容易である。オニテナガ海老
の食性は雑食性で、天然のものは、水棲みみず、
水棲昆虫類の他、小さな貝類や、甲殼類、魚や動
物の肉、殼類、藻、水棲植物の柔らかい葉や茎な
ど何でも食べる。水槽7の中などで養殖する際に
は、マス、コイ、アユ等の配合飼料や、いりこ、
卵の殼等を与える。水温については、もともと熱
帯ないし亜熱帯産の海老であるので、高水温には
強いが低水温には弱く、正常に棲息可能な水温
は、18℃から35℃の範囲内、好適な水温は25℃か
ら32℃の範囲内である。水温が20℃を下回ると餌
を食わなくなり、14℃以下になれば死んでしま
う。オニテナガ海老は、孵化後4、5箇月で親海
老に成長し、卵を産む。1尾の親の産卵数は大き
さによつて異なるが、平均2万粒から3万粒程度
であつて、水温その他の棲息条件が良ければ年に
5〜7回産卵する。大きさは孵化後、約半年間で
体長11〜15センチ、3年間で体長30〜40センチに
育つが、国内市場用としては15センチ程度のとき
に水槽から出して出荷するのが好適と思われる。
[発明の効果]
本発明は上述のように、海水を真水で希釈して
海水含有率を容積比で20%乃至40%とし、水温を
23℃乃至とした希釈海水内にて、抱卵せるオニテ
ナガ海老を飼育するようにしたから、オニテナガ
海老が抱卵後その卵が孵化するまでの間は河口付
近で棲息するという天然の棲息条件によく合致し
た状況を造り出すことができ、これによつて従来
不可能とされてきたオニテナガ海老の卵の孵刈に
成功したものであり、オニテナガ海老の養殖に大
いに貢献するものである。
海水含有率を容積比で20%乃至40%とし、水温を
23℃乃至とした希釈海水内にて、抱卵せるオニテ
ナガ海老を飼育するようにしたから、オニテナガ
海老が抱卵後その卵が孵化するまでの間は河口付
近で棲息するという天然の棲息条件によく合致し
た状況を造り出すことができ、これによつて従来
不可能とされてきたオニテナガ海老の卵の孵刈に
成功したものであり、オニテナガ海老の養殖に大
いに貢献するものである。
図面は本発明の方法を用いた養殖装置を示して
おり、第1図はオニテナガ海老の交尾産卵時に用
いる水槽の概略構成図、第2図はオニテナガ海老
の抱卵後孵化寸前までの期間に用いる水槽の斜視
図、第3図はオニテナガ海老の卵の孵化時に用い
る水槽の斜視図、第4図は孵化した後の幼生の飼
育に用いる水槽の斜視図、第5図は稚海老の飼育
に用いる水槽の斜視図である。 1,2,4,7は水槽、3は金網、5は飼育
網、6はバブリング装置である。
おり、第1図はオニテナガ海老の交尾産卵時に用
いる水槽の概略構成図、第2図はオニテナガ海老
の抱卵後孵化寸前までの期間に用いる水槽の斜視
図、第3図はオニテナガ海老の卵の孵化時に用い
る水槽の斜視図、第4図は孵化した後の幼生の飼
育に用いる水槽の斜視図、第5図は稚海老の飼育
に用いる水槽の斜視図である。 1,2,4,7は水槽、3は金網、5は飼育
網、6はバブリング装置である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 海水を真水で希釈して海水含有率を容積比で
20%乃至40%とし、水温を23℃乃至32℃とした希
釈海水内にて、抱卵せるオニテナガ海老を飼育す
ることを特徴とするオニテナガ海老の卵孵化方
法。 2 海水は自然海水であることを特徴とする特許
請求の範囲第1項記載のオニテナガ海老の卵孵化
方法。 3 自然海水の含有率は30%であることを特徴と
する特許請求の範囲第2項記載のオニテナガ海老
の卵孵化方法。 4 水温は28℃乃至30℃の範囲内であることを特
徴とする特許請求の範囲第1項記載のオニテナガ
海老の卵孵化方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16003984A JPS6137042A (ja) | 1984-07-30 | 1984-07-30 | オニテナガ海老の卵孵化方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16003984A JPS6137042A (ja) | 1984-07-30 | 1984-07-30 | オニテナガ海老の卵孵化方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6137042A JPS6137042A (ja) | 1986-02-21 |
JPH0226937B2 true JPH0226937B2 (ja) | 1990-06-13 |
Family
ID=15706610
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16003984A Granted JPS6137042A (ja) | 1984-07-30 | 1984-07-30 | オニテナガ海老の卵孵化方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6137042A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021011332A1 (en) * | 2019-07-12 | 2021-01-21 | DRiV Automotive Inc. | Damper with hydraulic end stop |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4734509B2 (ja) * | 2006-03-15 | 2011-07-27 | 静岡県 | スキャンピの養殖方法 |
JP4665252B2 (ja) * | 2006-12-28 | 2011-04-06 | 学校法人加計学園 | 人工飼育水による養殖システム |
WO2008069261A1 (ja) * | 2006-12-05 | 2008-06-12 | Kake Educational Institution | 人工飼育水及び人工飼育水による養殖システム |
JP5062550B2 (ja) * | 2006-12-05 | 2012-10-31 | 学校法人加計学園 | 人工飼育水 |
JP4665258B2 (ja) * | 2010-03-04 | 2011-04-06 | 学校法人加計学園 | 人工飼育水による養殖システム |
-
1984
- 1984-07-30 JP JP16003984A patent/JPS6137042A/ja active Granted
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021011332A1 (en) * | 2019-07-12 | 2021-01-21 | DRiV Automotive Inc. | Damper with hydraulic end stop |
US10989268B2 (en) | 2019-07-12 | 2021-04-27 | Tenneco Automotive Operating Company Inc. | Damper with hydraulic end stop |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6137042A (ja) | 1986-02-21 |
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