JPH0226805Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 一般に食料品店、駅の売店、デパートの食料売
場などでは、食品を合成樹脂製の成形トレイ内に
入れて、これを陳列台に載せたりまたは陳列ケー
スに入れて陳列販売されているが、本考案はこの
種の包装容器に関するものである。

（従来の技術） 従来の包装容器の形状は、第８図示のようにカ
ートンＣは折畳み自在の厚紙を用いて組み立て、
その上面にはトレイ保持孔Caが設けてあり、こ
の保持孔内にトレイＴを入れて、この保持孔周辺
部でこのトレイを支持するものであつた。勿論カ
ートンＣの外面には装飾が施してあつたり商品名
がプリントしてあるもので、このトレイをカート
ンで支持することは、トレイの安定性、外観の体
裁、さらにはトレイの保護、持ち運びの点で好ま
しいものであつた。

（考案が解決しようとする問題点） しかしトレイとカートンとが別部材でありかつ
カートンが紙製であることから、耐水性、耐油
性、耐酸性に限界があり、さらに雑菌が付着しや
すく衛生上好ましく、また形状の自由性、製造の
容易性に難点があつた。

（問題点を解決するための手段） そこで本考案の特徴は、一枚の合成樹脂板にト
レイ１およびこのトレイの開口片に保持板３，４
や保持片５，６を一体成形し、この保持板や保持
片を折畳んでトレイの下方に箱体を形成し、この
箱体がトレイの台部となつてこのトレイを支持す
る構成としたところにある。

（作用） 先ず保持板３，４を折畳んで、トレイ１の両側
部１ｂ，１ｂを覆いつつ、底部１ａで両保持板の
端部側を重ね、この重合状態を保持する。保持板
３，４を折畳んでできたトレイ１の両則部の開口
部９，９には保持片５，６を折込んでこれを封止
し、この開口部の変形を防止する。この結果、ト
レイ１の下部に保持板３，４および保持片５，６
による箱体が形成され、この保持板や保持片がト
レイの台部になつてこのトレイを支持できる。

またトレイ１の内に入れて食品を買つて持ち帰
る時は、上記の展示の状態から保持片５，６を開
口部９，９から引き抜いて、トレイの上端開口の
上に折り、次いで保持板３，４をトレイの開口部
の上方で係合させ、この保持板をトレイの蓋とし
て使用し、持ち帰りに便利になるものである。

（実施例） 以下本考案の実施例を図面を参照して説明す
る。第１，２図に示すように、一枚の合成樹脂板
の中央部には、平面四角形の箱状のトレイ１が一
体的に形成してあり、このトレイの底部１ａおよ
び内周の側部１ｂ，１ｂ（第４図）、１ｃ，１ｃ
（第５図）には、補強用のリブ２，２が形成して
ある。そしてトレイ１の上端開口の対向する開口
辺（第１図左右方向）には、このトレイを保持す
る保持板３，４が、また残りの対向する開口辺
（第１図上下方向）には、変形防止用の保持片５，
６がそれぞれ折畳み線を介して外方に延伸して一
体的に形成してある。なお保持板３，４および保
持片５，６は、いずれもトレイ１とともに真空形
成法等の手段によつて一体成形されたものであ
る。

ところで保持板３，４の具体的形状は、第４図
示のようにトレイ１の側部１ｂ，１ｂの下方へ折
畳み線を介して屈折され、さらに底部１ａを覆う
に十分な長さを有し、一方の保持板３の端部には
差込み片７，７（第１図）が設けてあり、この差
込み片は他方の保持板４の切込み８，８に差込み
可能で、両保持板相互を係止するものである。

また変形防止用の保持片５，６の具体的形状
は、第５図示のようにトレイ１の側部１ｃ，１ｃ
を覆うに十分な長さを有し、この保持片の先端
は、折畳み線より内方へ屈折されて、保持板３お
よび４を折畳んだ状態においてトレイ１の側部１
ｃ，１ｃ側に、保持板３，４によつてできる開口
部９，９に差込み、これを封止すると共に開口部
の形状の変形を防止するものである。なお保持板
３，４、保持片５，６の表面には、適宜の装飾を
施したり、また例えば商品名を記入しておくとよ
い。

次に組立て作業について説明する。

先ず保持板３，４を折畳んで、トレイ１の両側
部１ｂ，１ｂを覆いつつ、底部１ａで両保持板の
端部側を重ね、一方の保持板３の差込み片７，７
を他方の保持板４の切込み８，８に差入れて係止
し、重合状態を保持する。保持板３，４を折畳ん
でできたトレイ１の両側部の開口部９，９を変形
防止用の保持片５，６を内側に折込んで封止し、
この開口部の変形を防止する。この結果、第３図
示のようにトレイ１の下部に保持板３，４および
保持片５，６による箱体が形成され、この保持板
や保持片がトレイの台部になつてこのトレイを支
持する。

使用方法の一例を示すと、トレイ１内に食品を
入れて、第３図示の状態で陳列台に陳列する。ま
た運搬は、第１図示の状態で積み重ねて、箱づめ
して行い、このために嵩張らない。

またトレイ１の内に入れて食品を買つて持ち帰
る時は、第５図の状態から保持片５，６を開口部
９，９から引き抜いて、トレイの上端開口の上に
折り、次いで保持板３，４を第４図の状態から差
し込み片７を切込み８から外してトレイの開口部
の上方で再びこの差込み片を切込み８に差し込ん
で係合させ、保持板３，４によつてトレイの蓋と
して使用するものである。

次に本考案の他の実施例について、第６図を参
照して説明する。

一方の保持板１３の長さを長くして、この保持
板で他方の保持板を兼用し、先端部１３ａをトレ
イ１の開口縁部１ｄに差入れてある。

さらに他の実施例について、第７図を参照して
説明する。

一方の保持板２３は、トレイ１の底部１ａより
他方の保持板２４を越えて、トレイの上面開口部
まで延伸させて、蓋部２４ａでこの開口部を覆う
構成とし、先端部をトレイの縁部１ｄに差入れて
ある。

（考案の効果） 以上の構成を有する本考案によれば、一枚の合
成樹脂板にトレイ、保持板および保持片を一体的
に形成したので従来構成のように２部材でなく１
部材ですみ、したがつて製造、組立ても容易とな
り、コストダウンを図ることができ、さらにトレ
イおよび保持板などに対する模様の付設などの加
工が容易である。そしてトレイ内に食品を入れ
て、陳列台に陳列する時は、保持板、保持片をト
レイの台部として使用できるばかりでなく、この
食品などを買い求めそれを持ち帰る時は、保持
板、保持片を蓋体として利用でき、また工場から
ユーザへ送る時は、保持板、保持片を一枚状に広
げ、トレイの部分を嵌合させた状態で積み重ねて
箱づめすると嵩張らない。また前記したように合
成樹脂板から一体成形したものであるから、雑菌
類が付着しにくく衛生上好ましく、そして耐水
性、耐油性、耐酸性に優れ、剛性が高く、耐久性
が高く、また紙に比較して形状の自由性が高く、
需要に応じて適宜形状の容器を形成でき、実用上
の効果は大である。

【図面の簡単な説明】

第１図は平面図、第２図は第１図−線断面
図、第３図は組立て状態を示す斜面図、第４図は
第３図−線拡大断面図、第５図は第３図−
線拡大断面図、第６図は他の実施例を示す断面
図、第７図はさらに他の実施例を示す断面図、第
８図は従来例を示す斜面図である。 １……トレイ、１ａ……トレイの底部、１ｂ，
１ｃ……トレイの側部、３，４，１３，２３，２
４……保持板、５，６……変形防止用の保持片、
９……開口部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 一枚の合成樹脂板の中央部に一体的に形成され
   た平面四角形の箱状のトレイ１と、 このトレイの上端開口部の対向する開口辺より
   一体的に延伸して形成され、上記トレイの一対の
   側部１ｂ，１ｂ及び底部１ａに対向位置し相互に
   係止可能な保持板３，４と、 上記開口辺を除く対向する開口辺より一体的に
   延伸して形成され、上記トレイの側部に上記保持
   板によつて形成される開口部９を封止してこの開
   口部の変形を防止するための保持片５，６と より構成されたことを特徴とする包装容器。