JPS6242889Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は第１図に示すようにフランジを有する
トレーＡに頭部を露出して商品Ｍを収納したもの
を外装する紙函の改良に係り、商品Ｍの頭部を完
全に保護しうるトレー入り保護カートンに関す
る。

従来、第１図に示すようなトレーＡに商品Ｍを
収納したものは、そのまま包装紙等でくるんで商
品Ｍの頭部の若干の損傷は巳むを得ないものとす
るか、若しくは、かなりの強度を有する板紙製
で、且つ、商品Ｍの頂部よりも高い高さの側板を
有する紙函内に全体をすつぽり入れて保護するし
かなかつた。しかし、従来のこれらの方式による
ものは、例えばケーキ類のように所謂見せどころ
が商品Ｍの上半部にあり、しかもその見せどころ
が極めて損傷され易いという商品Ｍの場合には、
包装紙でくるむ方式の場合には初めから問題にな
らないが、背の高い紙函内にすつぽり入れる方式
の場合にも紙函内で商品Ｍが上下動して紙函の頂
面に商品Ｍの頂部が衝突して損傷されるのを防止
することができず、従つて商品Ｍの収納後の搬送
等には細心の注意が必要とされ大量生産、大量販
売の方式には適さず、又、紙函の素材としてかな
りの強度を有するものが要求されるため包装費が
嵩む等の欠点を有している。本考案は従来の包装
方式の有する叙上の欠点を除去するものである。

図により本考案の一実施例を説明すると、第２
図は本考案に係るトレー入り保護カートンの展開
図であつて、図中、１は側板、２は支承片、３は
底板、４は後板、５は前板、６は天板、７は蓋前
板、８は蓋側板を表す。後板４及び前板５の両端
にはそれぞれ先端に係合突起９を有する係合片１
０が連設してあり、各側板１の上下両端近傍には
それぞれ係合突起９を差込係合用の係合用切欠溝
１１が穿設してある。側板１の左右巾は収納すべ
きフランジ付トレーＡの高さと同一に形成してあ
り、支承片２の左右巾は前板５の上下巾から側板
１の左右巾を差引いた長さよりも稍大に形成して
ある。又蓋前板７にはジツパー１２が設けてあ
り、天板６と蓋側板８との境界折線上には切取用
ミシン目線１３が穿設してある。

組立、使用に当つては、第３図に示すように折
線に沿つて側板１，１を起立させた後、後板４及
び前板５を起立させ、次いで折線に沿つて各係合
片１０を折り曲げて係合突起９を係合用切欠溝１
１に差込係合して後板４、前板５及び左右の側板
１，１を底板３の四周に起立させる。次いで、第
１図に示すように商品Ｍを収納したフランジ付ト
レーＡを第３図の状態にまで組み立ては容器体内
に収納し、第４図に示すように折線ａ，ｂに沿つ
て両側の支承片２を内側に傾斜させる。この際、
側板１の高さをトレーＡの高さ即ちトレーＡのフ
ランジｆの高さと等しくしてあるため折線ａ，ａ
はフランジｆの端辺と正確に一致し、支承片２，
２はフランジｆの端辺から折れ曲がる。次いで、
折線に沿つて天板６を折り曲げた後、蓋前板７、
蓋側板８，８を折り曲げて蓋前板７のうちジツパ
ー１２より先の部分７１を前板５に貼着するとと
もに、蓋側板８，８を側板１，１の貼着して第５
図に示すように組立を終る。この際、第４図に示
すように支承片２，２は先端が天板６と衝突し、
恰も突支棒の如くなつて天板６を下方から支承し
て天板６が商品Ｍの頂部に接触するのを防止する
とともに、支承片２，２が向側に傾斜して折れ曲
がることによりフランジｆを上方から押え込み、
運搬中などの振動により本カートン内でトレーＡ
が底板３から離れて浮き上がり商品Ｍの頂部が天
板６に接触するのを防止する。商品Ｍの取り出し
に当つては、ジツパー１２を引き裂き後、蓋前板
７のうちジツパー１２より天板６寄りの部分７２
を摘持して上方へ牽引すれば第６図に示すように
切取用ミシン目線１３が引き裂から天板６の部分
を開口し、商品Ｍを取り出すことができる。

本考案は上述の実施例に限定されるものではな
く、蓋部は冠せ蓋方式のものであれば如何なるも
のであつてもよく、上述の実施例のように函体部
と蓋部とを一枚のブランク板で構成せず別々のブ
ランク板で構成するものであつてもよい。

本考案は上述の構成を有し、支承片２とトレー
Ａのフランジｆとにより、該フランジｆと天板６
との間の距離を常に一定に保つてトレーＡ内に頭
部を露出して収納した商品Ｍの露出頭部を搬送中
の振動等による損傷から完全に保護し、函詰め及
び保管、搬送等にあたり従来のもののように細心
の注意を払う必要はなく気楽に行ない得るから函
詰め費、保管費、搬送費等を節減し得、支承片２
により天板６を下方から支承しているから従来の
紙函におけるよりも強度の小なる板紙等を用いて
も積み重ね等による荷重に耐え得るから包装材料
費を節減しうる等の顕著な諸効果を有する。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を表し、第１図は本考案
に係るトレー入り保護カートンに収納されるフラ
ンジ付トレーに商品を収納したものの斜視図、第
２図は展開図、第３図は組立途中の状態を示す斜
視図、第４図及び第５図はそれぞれ組立完了後の
側断面図及び斜視図、第６図は使用状態を示す斜
視図である。 図の主要な部分を表わす符号の説明、Ａ……フ
ランジ付トレー、１……側板、２……支承片、３
……底板、４……後板、５……前板、６……天
板、７……蓋前板、８……蓋側板、１２……ジツ
パー、ｆ……フランジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フランジ付トレーＡを収納した、蓋部を有する
   頂面開口紙函の一方の相対する側板１，１の高さ
   を前記トレーＡの高さと等しくし、他方の相対す
   る後板４及び前板５の高さを前記側板１，１より
   も高くし、該側板１，１の上端に折線ａ，ａを介
   して支承片２，２を連設してなるトレー入り保護
   カートン。