JPH0226688Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、電子式のタイプライターのコレクト
制御装置、更に詳しくは、印字機構による用紙上
の通常印字位置にある印字データに対するコレク
トを、用紙の移動によつてコレクト機構によるコ
レクト位置まで移動させるように成したタイプラ
イターにおけるコレクト制御装置に関する。

一般にタイプライターにおいては、誤印字デー
タをコレクトテープによつて剥離して消去する所
謂コレクト機能をもつことが要求される。そし
て、上記コレクト動作は通常コレクトテープを退
避位置から消去すべき印字データがある位置まで
シフトさせ、ボール状、或いは花弁状の活字担体
上の消去すべき記号と同一記号の記号をコレクト
テープを介して用紙に叩きつけてコレクト動作を
行うようになつている。

斯る従来のタイプライターにあつては、誤印字
を行つた場合、キーボード上のバツクスペースキ
ーを操作すると、キヤリツジが１文字相当分バツ
クスペースし、続いてコレクトキーを押圧した後
コレクトすべき文字と同一記号のキーボードを押
圧すると、インクリボンが印字位置から退避する
と共にコレクトリボンが退避位置から印字位置へ
シフトされて、活字担体の記号部がコレクトリボ
ンを介して用紙上の誤印字部を叩打し、この部分
を消去するようになつている。即ち、コレクト動
作毎にコレクトリボン及びインクリボンのシフト
を行うことによつてコレクト動作を行つていた。
しかしながらこの構成によると、インクリボン並
びにコレクトリボンのシフト（上下動）のための
機構とその駆動源とを必要とし、タイプライター
全体が大型・重量化すると共に、コストアツプに
つながるという欠点があつた。特に活字担体を用
紙の移送方向と直交する方向に搬送するキヤリツ
ジ上に、インクリボンやコレクトリボンを塔載し
ているタイプライターにあつては、キヤリツジが
大型化し、キヤリツジ移送の高速化のために大型
のモーターを必要とする欠点があつた。

この点を解消するために、第１図〜第５図に示
すように花弁型の活字輪１０に、通常印字用の記
号部１１ａをもつ多数のフインガー１１と、該フ
インガー１１よりも所定量短く、かつ、コレクト
専用のコレクト記号部１２ａをもつフインガー１
２とを設け、これを両記号部１１ａ，１２ａにま
たがる叩打面をもつ単一のハンマー１３によつて
択一的に叩打するように成する共に、通常印字用
のフインガー１１の記号部１１ａにおける印字位
置（ハンマー１３との対向位置）にはインクリボ
ン１４をシフト不能に張架し、又、コレクト専用
のフインガー１２のコレクト記号部１２ａにおけ
る印字位置（ハンマー１３との対向位置）にはコ
レクトテープ１５をシフト不能に張架し、用紙１
７を移送することによつてインクリボン１４、コ
レクトテープ１５並びに活字輪１０のシフト（上
下動）なしにコレクト動作を行うように成し、両
テープ１４，１５のシフト機能並びに活字輪１０
のシフト機構を排して、機構の簡略化と駆動源の
削滅を図り、小型・軽量化を可能とした電子式タ
イプライターが本願出願人によつて開発されつつ
ある。

本考案は、上記構成のタイプライターに好適な
コレクト制御装置を提供するもので、以下本考案
の詳細を第６図の実施例によつて説明する。

図において、１はキーボード、２はキーボード
制御回路で、キーボード１からの信号に基づき、
通常印字制御回路３もしくはコレクト印字制御回
路４に指令を与える。即ち、アルフアニユーメリ
ツク、数字等の通常印字用のキーが押圧された際
には、キーボード制御回路２は通常印字制御回路
３に対し、押圧されたキーに対応した記号を印字
させるべく指示を与え、又、コレクトキーが押圧
された際には、キーボード制御回路２はコレクト
印字制御回路４に対し、用紙上の所定位置に記録
された印字データを消去させるべく指示を与え
る。

上記通常印字制御回路３は、通常印字用のキー
が押圧された際にはキーボード１からの指令に基
づき、活字輪１０を回転させて所望の記号部１１
ａをハンマー１３と対向する印字位置へ移動・停
止させ、続いてハンマー１３を駆動して通常印字
用のフインガー１１の記号部１１ａをインクリボ
ン１４を介してプラテン１６上の用紙１７にイン
パクトして印字を行なわせ、然る後、キヤリツジ
を一文字相当分スペースさせる。

一方、バツクスペースキー等の操作によつてキ
ヤリツジを移送して消去すべき印字データ位置へ
通常印字用のフインガー１１による印字位置へキ
ヤリツジが到来・停止した後、コレクトキーが押
圧された際には、これを判別したキーボード制御
回路２はコレクト印字制御回路４にコレクト動作
指示を与え、これを受けたコレクト制御回路４は
レジスタ５の内容を参照する。該レジスタ５には
通常印字位置とコレクト位置との差、即ち、用紙
１７の移送方向におけるインクリボン１４とコレ
クトリボン１５との距離（換言するならば、活字
輪１０の印字位置における通常印字用のフインガ
ー１１の記号部１１ａとコレクト用のフインガー
１２のコレクト記号部１２ａとの距離）を、デジ
タル情報として格納しており、コレクト印字制御
回路４はこの情報を取込んで、用紙１７を図示矢
印Ａ方向に所定量移送させ、用紙１７上の消去す
べき印字データをコレクト用のフインガー１２に
おける印字位置に対向・位置付ける。続いて、コ
レクト印字制御回路４は活字輪１０を回動させて
コレクト用のフインガー１２を印字位置まで回
動・停止させ、次にハンマー１３を駆動してコレ
クトテープ１５を介してコレクト記号部１２ａを
用紙１７上の消去すべき記号にインパクトして用
紙上の記号を消去する。このハンマー動作は数回
繰返され、これと連動してコレクトテープ１５並
びにキヤリツジが微少ピツチづつ移送される。即
ち、図示のようにコレクト記号部１２ａを縦長の
バー状に形成してあるので、例えば消去すべき記
号を左端から右端に向かつて順次複数回コレクト
テープ１５を介して叩打することによつて、あら
ゆる記号が消去可能となつている。（なお、実施
例ではコレクト記号部１２ａが縦長のバー状であ
るが、横長のバー状である場合には、用紙１７の
みを微少ピツチ移送して、消去すべき記号の上端
から下端に向かつて順次ハンマー動作を行なわせ
ることになる。） そして、上記動作中、レジスタ５はキヤリツジ
（又は用紙１７）の移送量を取込んで、コレクト
印字位置と通常印字位置との差を常にセツトして
おり、消去終了後は、コレクト印字制御回路４は
レジスタ５の内容を参照することによつて、用紙
１７を図示矢印Ｂ方向へ移送させると共に、例え
ばキヤリツジを微少ピツチバツクスペースさせ、
用紙１７上の消去した箇所を、活字輪１０の通常
印字用のフインガー１１の記号部１１ａにおける
印字位置に正確に復帰させるようになつている。
従つて、以上から明らかなようにコレクトキーの
押圧のみで（コレクトキーの操作に続く、消去す
べき記号と同一記号のキーの押圧操作なしで）、
自動的に消去が行なわれて、訂正印字を待つよう
になつているわけである。

上述したように本考案によれば、コレクトテー
プとインクリボンのシホト機構並びにその駆動源
を排した、機構簡略で、小型・軽量化に適したタ
イプライターにおいて、通常印字位置からコレク
ト（印字）位置へ用紙を移送させてコレクト動作
を行なわせると共に、コレクト位置から通常印字
位置への復帰を行なわせるコレクト制御回路を設
けたので、コレクト操作が容易・確実ですこぶる
操作性が良いという実用上顕著な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は本考案の前提に係るタイプラ
イターを示し、第１図は活字輪の要部正面図、第
２図はハンマーと活字輪との関係を示す側面図、
第３図は通常印字状態の説明図、第４図はコレク
ト動作の説明図、第５図はハンマーの要部斜視
図、第６図は本考案の実施例に係るコレクト制御
装置のブロツク図である。 １……キーボード、２……キーボード制御回
路、３……通常印字制御回路、４……コレクト印
字制御回路、５……レジスタ、１０……活字輪、
１１……通常印字用のフインガー、１１ａ……記
号部、１２……コレクト専用のフインガー、１２
ａ……コレクト記号部、１３……ハンマー、１４
……インクリボン、１５……コレクトテープ、１
６……プラテン、１７……用紙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 印字機構による用紙上の通常印字位置にある印
   字データに対するコレクトを、用紙の移動によつ
   てコレクト機構によるコレクト位置まで移動させ
   るように成したタイプライターにおいて、前記通
   常印字位置とコレクト位置との差を収納したレジ
   スタと、該レジスタの内容に基づき用紙を移動さ
   せてコレクト機構によるコレクト動作を行わせ、
   且つ、コレクト位置から通常印字位置への用紙の
   復帰を行わせるコレクト制御回路とを備えたこと
   を特徴とするタイプライターのコレクト制御装
   置。